森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.09.26
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アドラー心理学の研究をされている野田俊作さんは次のように述べている。
我々の悩みというか、問題は、人間関係の悩み、対人関係の悩みだと思うわけです。
実際にアドラーは、 「人間関係の問題とは全て対人関係の問題である」と言っております。
良い人間関係を持つという事は、健康な生活、幸福な生活の絶対的に必要な条件なのです。

では、よい人間関係はどのような人間関係なのか。
それを一言で言うと、タテの関係をやめて、ヨコの関係に入ることだというふうにアドラー心理学では言っております。ところが、このヨコの人間関係を作ることが、なかなか容易ではない。
すぐに、怒りや不安といった感情が出てきて邪魔をするからです。

例えば、子供は朝なかなか起きてこなくて、お母さんがイライラして、つい感情的になって叱ってしまう。野田さんは、この怒りの原因をタテの人間関係、ヨコの人間関係から説明されている。
この場合、お母さんは子供が自分の言うことを聞いてくれないから怒っているのです。

もっと言うと、子供を自分の意のままに「支配」したいという強い気持ちがあるわけです。
子供にそのように接するということは、夫や姑などの人間関係も同様な関係になっている可能性が高い。
また、学校や職場などでも同様な行動をとっていて、人間関係が悪化している可能性が高い。

こうゆう支配、被支配という人間関係は、アドラー心理学ではタテの人間関係と呼んでいます。
怒りという感情を使うと、子供を威圧できるし、また自分自身に「今は感情的になっているから、何をしても許されるんだ」という言い訳が出来るのです。
だから、感情というのは、ある目的のために作り出される手段に過ぎない。
怒りという感情を作り出して、子供を自分の意のままにコントロールしたいという目的を達成するために利用しているというふうに考えられます。
こういう人間関係を作り出しているから、対人関係がぎこちなくなり、最後には孤立するようになるのです。

問題はタテの人間関係をヨコの人間関係に変えるにはどうしたらよいのかということです。
まず子供がどんなに自分の頭で考えていいることと違う行動をとっても、その現実をそのままに受け入れるということです。
いったんは時間になって子供を起こしにいきます。でも、子供はなかなか起きてきません。

もう一度、 「これ以上遅れると、学校に遅れるわよ」と声をかけます。
でも起きてきません。普通はここでお母さんが切れてしまって、子供に怒りをぶつけてしまいます。
ここで腹が立つというのは、子供が自分の思い通りに行動しないということがあります。
もう一つ重要な事は、子供が間違ったことをしているという認識があるのです。
子供の行動を見て、いつも正しいか間違っているかという善悪の判定をしているのです。

お母さんが支配者で子供が被支配者になってしまうのです。

アドラー心理学で言うヨコの人間関係は次のようなものです。
人間関係の在り方を考えるうえでとても参考になります。

・無条件に相手を尊重し、接することをいいます。子供も自分と同じ意思を持った人間として接します。

・基本的に子供を信じて、子供がどんな行動をしようと、どこまでも相手を信頼することです。
そして子供には基本的に問題を解決する能力があるのだというふうに信じることです。

・子供が困って助けを求めてきた時のみ協力する。それ以外は子供の側にいて見守るという態度を貫く。

・子供と感情で付き合うのではなく、より理性的に話し合いでもって付き合うことを重視します。
調整の必要があればたえず話し合おうと、そして合意に達しようとする態度を重視します。

・是非善悪という自分勝手な価値判断を相手に押し付けない。

・子供の存在価値を尊重して、相互に自分の気持ちや意思を口に出して伝え合うという態度を持ち続ける。安易に批判、叱責、脅迫、否定という手段を使わない。





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Last updated  2017.09.26 06:30:07
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
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