森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.09.30
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カテゴリ: 身近な社会問題
「チンパンジーの世界」を書いた西田利貞さんの話である。

狭い日本に1億2千万人もの人が暮らしています。
その日本人は発展途上国から見るととても贅沢な暮しをしています。
でもそれは地産地消で成り立っているわけではありません。
財力にものを言わせて食料や原材料のほとんどを他国から輸入しているのです。
本来その国の人たちの生活の糧となるものを財力によって強制移転して成り立っているのです。

例えば日本は、紙を無尽蔵に使っていますが、その原料のパルプはほとんど輸入に頼っています。
そのためチンパンジーの生活圏の樹木がどんどん伐採されています。アフリカ、アマゾン、インドネシア、ボルネオ、シベリアの森林はどんどん減少しています。
つまりチンパンジーなどの生活圏を破壊して、自分たちの贅沢な生活は成り立っているのです。


食料を輸入に頼って、飽食三昧の生活をして、不安を感じない感覚はおかしくないでしょうか。
途上国から見れば、自分たちの食料を略奪されているのと変わりないのです。
そういういびつな生活はいつまでも続くでしょうか。

「持続可能な社会」「持続性のある開発」「持続性のある経済成長」という言葉を耳にします。
裏を返せば、今までのやり方では人類が生き伸びることができない時代に突入しているということを示しているのではないでしょうか。
現在贅沢な暮しをしているのは日本、欧米、オーストラリア、アラブ首長国連合等です。
今後はブラジル、ロシア、中国、インドなどが贅沢組に加わってくることが予想されます。
世界的規模で食料や水の争奪戦が始まり、食料の高騰が予想されます。
世界的な食料の不足は紛争や戦争の原因となります。
自分たちがいくら優れた技術を持ち、物作りで生活を成り立たせるといっても、食料を手に入れることができなければ生きていくことはできません。その変化は、ある日突然にやってくるのです。
日本では食糧不足が発生して、飢餓に苦しむようになるかもしれません。


そういう意味では、永遠の経済発展を追求していくよりも、今は生きていく哲学が必要な時代ではないでしょうか。最近世界各地でテロが問題になっています。テロは許されるものではありません。
でも自分の命を投げ捨てて自爆テロを引き起こす人たちのやむにやまれぬ気持にも耳を傾けてみる必要があるのではないでしょうか。彼らは私たちのように贅沢三昧の生活をしているのでしょうか。
その日の食料がない、住む家がない、仕事がない、家族が殺された、生活基盤が破壊された、困った時の支援がない人たちが多いのではないでしょうか。
その人たちが先進国の裕福な人たちを見た時に、なんともいえない深い憤り、怒りを感じるのは、当然のことではないでしょうか。中東の過激化組織を叩き潰しても、次にまた別の勢力が同じようなテロ組織を作ってくると指摘する人もいます。まずは私たちが欲望の暴走に対して真摯に反省して、バランスのとれた森田的な生活に戻ることが大切なのではないでしょうか。





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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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