森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.10.22
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五木寛之さんの話です。

念仏というのは3つの段階からできています。
最初は「お願いします」という依頼の念仏です。
その次には、「お任せします」という念仏、もう自分は捨てて、あなたの手にお任せしますという。最後に、法然、親鸞、蓮如になってくると報恩感謝の念仏といって「ありがとうございました」と言っているわけです。
自分は救われたという確信がある以上は、そこでお願いしますということもない、お任せしますということもなくて、ありがとうございます、と、ただそれだけ。
「ああ、うれしい」「ああ、ありがたい」
これがナマンダ、ナマンダということになる。
(親鸞と道元 五木寛之、立松和平 祥伝社 264ページより引用)

この話を神経質者が問題にする「不安」に置き換えて考えてみました。

抗不安薬やSSRIを飲んで少しでも楽になりたい。
カウンセリング、森田療法、認知行動療法などで不安をなくしたい段階です。
自分ではどうすることもできないので、どうか私を助けてくださいとお願いしているのです。

2、不安が次々と湧きあがり、振り回されることは嫌なことです。
しかしとらわれてばかりでは、生活や仕事が停滞してしまう。
しかたがないので、不安を抱えたまま、目の前のなすべきことに取り組む。
結果として、不安と格闘することをやめている段階です。
するとあれほど自分を追い掛け回していた不安が、この人は追い回しても反発してこないので追い掛け回す意味がないと判断して、追い掛け回すことをあきらめたかのような状態になります。
つまり治さずして、神経症が治ったという状態になるのです。

3、2の段階はまがりなみにも当面の神経症は克服しました。
何とか生活も仕事もこなしていますという段階です。

結論から言うとそういう生き方を身につける事は可能です。
森田理論の学習と実践によって可能となります。
この段階は自分や他人、自然に対して「かくあるべし」を前面に押し出して、常に摩擦を引き起こしている段階です。こういう態度を引っ込めて、いつも事実を認めて、受け入れるという態度を身につけることによってはじめて可能になります。
そういう生き方が身に付いた人は、葛藤や苦悩のない世界に入ることができます。
口に出てくる言葉は、自ずと「ありがとうございます」という感謝の言葉になります。





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Last updated  2020.10.22 06:20:05
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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