森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.11.08
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森田先生は実践・行動するときは、次の3つの点を考慮しないといけないといわれています。
1、その出来事や事件の事実を観察して明確にすること。
2、その時の周囲の状況に目を配ること。
3、その時の自分の身体と精神状態を自覚すること。

これを私の経験に当てはめて考察してみました。
会社で昼休みに5、6人集まって雑談していました。
急にある人が私の過去の仕事のミスを取り上げて、面白おかしく話し始めました。
その場にいた人たちは、その人に同調して、はやし立てました。
「あいつはそういううっかりミスをするんだよ」

私はいたたまらなくなった。そのうち相手に対して怒りがこみ上げてきました。
顔はこわばり、身体は硬直した。
午後からの仕事は上の空になりました。

これはもっともらしい説明のように見えますが、事実が具体的ではありません。
このミスの内容は具体的にはどういうことだったのか。
私は当時中学校の卒業式で使うための舞台幕の注文をもらい、パソコンで発注書を作り工場に送信したのです。1週間ぐらい経って、商品が出来上がり学校に送られました。
すると袖幕の色が違っていたのです。エンジの色のところが青色の商品が届いたのです。
一文字幕などはエンジ色なのに、袖幕だけが青色ではバランスが悪いのです。
得意先、施主、取り付け業者、営業マンからクレームの電話が入りました。
謝っても許してもらえるはずもありません。
卒業式に間に合わない。二度手間になる。損失が発生するなどの電話でした。


ここでは、自分のミスや失敗を取り上げて批判するよりも、まず事実を過不足なく説明する態度が大切になると思います。そうなると、雑談の内容は個人攻撃から、ミスの発生原因に及ぶことになります。個人の能力や人格を責めるよりも、仕事の進め方の問題点を探る方向に向かいます。たくさんの仕事をこなしていると、誰でもミスは起こしているのです。
人間のすることでミスは0にすることはできないのです。
0にしなければならないということに意識が向くと、仕事をたくさんこなすことができなくなります。こなせばこなすほど、ミスの発生頻度が上がってくるわけですから、最後には手も足も出なくなってくるのです。事実にこだわる態度は、敵の攻撃をかわすことができると思います。

雑談の場に加わっていた人たちも、面白おかしくはやし立てた。
これはどうすることもできない。

人がミスをすると、「なんだこんなイージーなミスをして、馬鹿な奴だなあ」という人も、立場が変われば、今度は自分が矢面に立たされることになるのです。
高額商品は、送信する前にチェックの方法をみんなで意思統一した方がよいのではないか。
ミスに学んで仕事の改善をしていかないと、また誰かがミスを繰り返す。

この件に関しては、私はすぐに関係カ所に事の顛末報告することが必要でした。
そしてまずは丁寧に謝る。そして上司や営業に報告する。
そして指示を仰ぐ。そして何よりも代替え品の発注をする。
生地は何としても今日の発送とする。赤帽などを利用して工場に搬入する。
工場に電話して、工程の変更を依頼し、大至急で制作してもらう。
この際経費の事は二の次である。
ミスという事実を素直に認めて、事後処理を急ぐことで、夢遊病者のようになって、仕事が手につかなくなる事態は避けることができたのではないか。
むしろ雨降って地が固まる事になっていたのではないか。

ミスや失敗は必ず発生します。その内容に着目して、事実を白日の下にさらしていくのだという態度の人は、ミスや失敗を自分が成長する糧として活用できるのだと思います。
事実を軽視する人は、自己防衛、他人を怨む、自己嫌悪、自己否定の悪循環に振り回されることは間違いないようです。





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Last updated  2020.11.08 06:57:26
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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