森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.11.30
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2020年10月21日の中国新聞朝刊に関西大学文学部教授の串崎真志さんの記事があった。

HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)の説明であった。
人間関係に対する極度な息苦しさを感じながら、同時にテレビ等の衝撃映像(事件、出来事、光や音)などの外からの刺激から過度な心身への影響を受けてしまう人のことだそうだ。

その特徴を6点あげておられる。
1、腹を立て怒っている人を見ると怖くて逃げだしたくなる。
2、絶えず同僚や上司、友達や配偶者・子供の顔色が気になる。
3、学校などの教室、職場などでみんなと一緒にいることに息苦しさを感じている。
4、他人の自分に対する気持ちを、悲観的に先読みしてしまう。
5、観念の世界にどっぷりとつかり、空想や妄想癖がある。


繊細な神経の持ち主である神経質性格が陥りやすい事ばかりである。
対人関係で自分が傷つくことを極端に恐れている。
エネルギーの大半を自己防衛に充てているので、絶えず生きづらさが付きまとっている。
しだいに自分の殻に閉じこもり、他人との交際を拒絶するようになる。
自己内省中心で、本来のやるべきことに手が出なくなる。
そういう人は、ちょっとした外部からの刺激に対して過剰反応をするようになる。
こういう人は行動と精神の悪循環を招き、神経症予備軍となっている。
HSPというのは、回避性人格障害とよく似ている。

私はこういう人に対して、森田理論学習をお勧めしたい。
まず自分の神経質性格について学習する。
どんな性格にもプラスとマイナスの両面があるということを知るだけでも楽になる。

細かくて小さい事でもよく気が付くということをプラスに捉えてどんどん生活の中で活かしていくことが肝心だ。
森田理論学習に取り組むことによって、神経質性格という類まれな、素晴らしい性格を持って生まれてきたことは幸運だったと思えるようになるはずだ。
生活の発見会の集談会に参加すれば、正しく理解し、実践の手助けをしてくれる仲間がいる。
これを活用しない手はない。私は毎月参加して34年になる。
振り返ってみれば、人生最大の幸運であった。


車でもブレーキばかり踏み込んでいるばかりでは何も始まらない。
アクセルを踏み込んで初めて前進して、目的地に行くことができる。
「凡事徹底」をキーワードにして生活してみてはどうだろうか。
このことを森田では、生の欲望の発揮と呼んでいる。
森田理論の核となる考え方の一つである。

次に人間関係は、必要に応じて必要なだけの付き合いで構わないということを理解する。
必然的に引っ付いたり離れたりの人間関係になる。
薄くて幅広い人間関係を心掛けることになる。
その方が本来まともな人間関係の構築につながる。
森田でいう「不即不離」の人間関係の在り方を学習することだ。
挨拶をするだけでもよい。それ以上、苦しい思いをして人と仲良くしなくてもよいのだ。
そして凡事徹底を基本にして、自分の好きなことを見つけて、取り組んでいけばよいのだ。
人は人生を楽しむために生まれてきたのだと思えるようになることが肝心だ。





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Last updated  2020.11.30 06:20:05
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