森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.09.09
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私のもとにエッセイを書いてメールで送信してくれる人がいる。
その方は10年くらい前に、5年生存率5パーセント以下というスキルス性のガンになられた。
そして生きがい療法に出会われて、フルマラソンに挑戦された。
そして今では、もう定期検診にくる必要はないと言われるまで回復された。
いまはその体験をガン患者や看護学生たちの集まりで発表されている。

今回のテーマは依存症だった。
その内容が、アルコール依存症、ギャンブル依存症、ネットゲーム依存症、通販依存症、恋愛依存症などの方たちに参考になると思われますのでご紹介いたします。

ネズミを使った興味深い実験があるそうだ。
まず、同数のオス・メス合計32匹のネズミをランダムに16匹ずつ環境の異なる2つのグループに分ける。一方は一匹ずつ金網のオリの中、他方は広々とした場所(ラットパーク)に雄雌いっしょに入れられて生活をする。そして両方のネズミに普通の水とモルヒネ入りの水を用意して、その後の様子を57日間観察した。


一方広々とした場所のネズミたちは、自由にモルヒネが飲めるにも関わらず、ほとんど触れられずに自由な生活を楽しんでいた。

19~23日後、ゲージのネズミはますます薬物を口にし、反面ラットパークのネズミは薬物を避け続けた。心地よい環境にあるラットパークのネズミたちは薬物に対する欲求がほとんど見られなかったという。
その結果、依存症の発症には、身体的、精神的、そして社会的状況が大きく影響しているという結論に達した。

依存症は、誰でも最初は好奇心に突き動かされ、軽い気持ちで手を出す。
そのときの快感が脳にしっかりと刻まれる。
二度三度と手を出すうちに、しだいに脳がハイジャックされる。
気が付いたときは、量がどんどん増えている。また中断すると禁断症状に苦しめられる。
アリ地獄の底に落ちると、自分の意志では依存症から抜け出すことは不可能となる。

依存症を強力に後押ししているのが、自分の普段の生活が、孤独、退屈、無目的、不自由な生活環境、対立している人間関係に置かれているかどうかであるという。
さらに生活が不規則である。日常生活に真剣に取り組んでいない。
お金で済むことは極力人に依存している。

宅配を頼む。ファーストフードが多くなる。外食中心になる。など。
こうなりますと、まず野菜の摂取量が減ります。食事のバランスが崩れます。
なんとか命は生きながらえても、体調が悪くなり、病気になります。

また、自分で小さな目標に挑戦して達成感や自信をつけるという楽しみがない。
外から与えられる娯楽的、刺激的、享楽的な楽しみばかりを追い求めている。


こうなると、依存症は恐ろしいということを頭で理解していても、身体はしだいにのめりこんでいく。そうしないと自分の精神状態が不安定になり、混乱してくるからである。

私もある時期、パチンコ依存症になりかけたことがある。
そこから生還できたのは、お金を湯水のように使うことの罪悪感があったのと、生活のバランスを意識した森田的な生活を維持していたことだと思う。
パチンコに行きたくても、目の前には手掛けなければならないことが次々に待ち構えている。
そちらのほうに意識や注意を向けて、手を出していく。
パチンコはそのあとで考えようと思ったのです。
そんな状態でパチンコをしない日が3日~4日続く。
最終的に1か月くらい足が遠のくと、別にパチンコをしなくても、ほかに楽しみはいくらでもあるといった心境になった。それが習慣となってパチンコから縁が切れた。





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Last updated  2024.06.04 10:09:04
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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