森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.10.23
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カテゴリ: 行動のポイント
森田理論では、不安を取り去ろうと格闘するよりも、その不安を横において、実践・行動することが大切ですと教えてくれています。
最初のうちは、実践や行動はできるだけ日常生活と密着したものがよいと思います。
料理、買い出し、野菜つくり、整理整頓、身支度、洗濯、子育てなど次から次へといくらでもあります。これらに丁寧に取り組むことです。「凡事徹底」という標語通りです。

この方法は実際に神経症で苦しんでいる人は、にわかに納得できないかもしれません。
私も最初に集談会に参加したころ、なんというアドバイスだろうと思いました。
それよりも、不安を軽減する方法を教えてもらいたかったのです。
今になって思えば、「急がば回れ」という格言通りだと思います。

それ以外には治しようがない。
仮に不安を取り除くための格闘を始めると、精神交互作用で神経症は泥沼化して、最後には固着してしまう。しかし、この方向に意識を切り替えるということは、大変困難です。

ずるずると歳を重ねて、晩年を迎えるということになりやすいのです。

切り替えるためには、認識の誤りに気付くことが欠かせません。
その強力な助っ人が森田理論学習です。
森田理論を一通り学習すると、神経症の特徴や治し方は理解できます。
しかし、理解しただけでは、神経症は克服できません。
それを自分の実践や行動で検証する作業が必要になります。
行動することの意味を自分で確かめることが大切になるのです。

行動の原則とその特徴は、生活の発見会が出している「森田理論学習の要点」の中で説明されています。その中に、行動を始めると「はずみがつく」というのがあります。
最初は嫌だな、億劫だなと思っていても構わないのです。
その状態でも、無理やり行動を開始すると、精神が弛緩状態から緊張状態に変化してくるのです。つまり感情が変化してくるということです。これを忘れないようにしたと思います。
形から入るのが先で、心はあとから自然についてくるということです。


つぎに、生活に密着した行動を開始すれば、快の感情が生まれます。
「やってよかった。すっきりした」というプラスの感情です。
不快な感情に追いまくられている人にとっては、かすかな光明です。
この数を増やすことが肝心です。
すると、小さな達成感や小さな自信を得ることができます。

それは森田が最終ゴールとしている「生の欲望の発揮」という路線に乗る足がかりとなるのです。課題や目標、夢や希望に向かって努力精進している人は、たとえ神経質性格を持っていても神経症で葛藤し苦悩している人ではありません。
人間本来の生き方を目指している人になれるのです。





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Last updated  2021.10.23 06:20:04
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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