森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.10.29
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カテゴリ: 感情の法則
森田先生は、幼い頃より好奇心旺盛な人であったという。

奇術・奇跡・迷信などにも興味を持ち、呪咀・卜占・骨相・人相などの本も読み漁った。
自ら筮竹をひねり。易者になるのではないかと父を心配させたこともあった。

ある日、飼っていたニワトリが逃げた。
森田先生はニワトリを追うことよりも、「なぜ逃げのか」に興味を抱き、しきりにオリをチェックしていぶかっていたそうである。これは父親の影響も大きい。
父親も、飼っていた蚕が病気になると、他の蚕に桑を与えることを忘れて、病気の解明に熱中していたという。

森田先生は患者をつれて、夜店をひやかして回ったそうである。
手品師が手品をしてみせて、「種を明かすことができる人がいれば、道具をすっかり進呈する」というのを聞き、何日もその男のしぐさを観察し、種明かしをしてみせ、道具をもらってくることもしばしばあった。

両手を切断した不具の芸人が、足で字を書いたり、口で竹を割ったり、色々な芸をするのを不思議がり、病院にまでわざわざ招いて芸をやらせ、患者とともに練習することがあった。


55度の温度では2秒しか耐えられない。23度の水に1分間手を浸して、その後挑戦すると4秒になった。0度の冷水に30秒手を浸した後では、熱さを感じず、6秒耐えた。
手を変え品を変えて様様な実験を繰り返した。

熊本の五高時代に、新聞で幽霊屋敷の話を読んで、幽霊屋敷の探検を思いつく。
昼間下見をし、情報を確認して、夜中に一人で探検している。
その詳細は文章として残されている。

関心や興味、好奇心のあることに対しては、バカげたことと排斥するよりも、自分の目で確かめる、行動や実験によって真偽のほどを見極めるという姿勢が貫かれているのである。

森田療法を生みだす前に、あらゆる療法を試している。
腹式呼吸、内観法、催眠術、暗示療法、生活正規法、説得療法、臥褥療法などを確かめられている。自分でこれはよいと確認したものでないと、治療の選択肢から外している。

これは森田療法の治療方針にもなっている。
神経症と格闘している人に対して、日常生活の中で、ほんの小さな興味や関心、好奇心に従って行動してみる。そうすると、感情が流れていく。行動に弾みがついてくる。
生活が充実してくるにつれて、頭の中の大半を占めていた神経症の葛藤や苦悩の比率がどんどん小さくなっていく。症状は気になるが、それに振り回されるということが少なくなる。

自覚が深まれば、残された人生を楽しむことができるようになる。
森田理論によって人生観を確立した人は、再発することはない。

考えてみれば、神経質性格者はとても好奇心が旺盛である。
それは心配性であるという性格が関係している。
つまり普通の人よりは、感じる力、別の言葉でいえば、 感性が鋭い





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Last updated  2021.10.29 06:47:23
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森田生涯 @ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) 通りすがりさんへ コメントありがとうご…
通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…

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