森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.11.20
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カテゴリ: 行動のポイント
青山学院大学陸上部監督の原晋さんのお話です。

私が3割理論と呼んでいる考え方がある。
理論と言っても、別に根拠があるわけではないが、サラリーマン時代からなんとなく嗅覚で全体の3割に目をつけてきた。

何かことを起こす場合、100%、10割の支持を得ることはありえない。
そもそも、私は「人間は信用ならん生き物だ」と思ってきたし、自分自身もポリシーのない、虫のいい、八方美人のダメ男だと辛く評価してきたので、10割の支持などとても考えられない。
5割はどうかというと、半数の人の支持を受けるためには、やはり大勢に迎合しなければいけないところが出てくる。迎合すれば半数の人から賛同を得ることができるかもしれないが、自分の信念を貫けないためにポイントがボケてくると思う。
ポイントがボケてしまうと、今度は目標を達成することが難しくなる。

では3割ならどうだろうか。3割なら、自分の信念を貫き通しながら、賛同も得られる可能性が出てくるかもしれない。
一方、1割しか支持を得られないとなると、それは単に私のわがままでしかなくなってしまうだろう。そう考えてくると、だいたい全体の3割を目安に理解を得つつ、自分の信念を通して物事を成し遂げていくというのがベストのように思われる。それが私の3割理論である。


何かことを起こす場合、全体の3割の支持が得られれば、思い切って挑戦してみた方がよいという考え方である。もし10人いれば3人が賛成で、7人は様子見か反対ということになる。
7割は半分以上なのでとてもハードルが高いように見える。
これは組織のリーダーなどには大切な考え方であると思う。
目標や方針を決定する際は有効であると思う。

ではこの話は神経質者の場合には役に立たない話なのか。
私は十分役立つ理論だと思う。
神経質者の場合は、もともと完全欲が強く、完璧を求める傾向がある。
観念で100%の成功が確信できた場合に、やっと行動に移すという傾向がある。少しでも不安や障害が予見されるとすぐにしり込みしてしまう。
「どうせ失敗するに決まっている」「失敗して恥をかくだけだ」という気分に振り回されて、二の足を踏んでしまうことが多くなる。チャンスの多くを見逃してしまう。そのうち暇を持て余すようになってしまう。残念な人生になってしまう。

成功の確信を30%に下げるという考え方を採用するのは如何でしょうか。
「考え通りに進まないのが当たり前。うまくいけば儲けもの」という気持ちで取り組んでいくということになります。この場合、70%くらいは初期の目的は達成できないという前提に立っている。そういう時は、潔く負けや失敗を認めて、新たな行動に移ればよいのです。


競馬の予想屋さんに聞いてみると、当たり馬券の確率は10%以下であるという。
でも10%の当たりで、それまでの損失を取り戻せるとすれば、挑戦する価値があるという。だから予想屋で飯を食っていけるという考えをしている。
それにかけて見るという考え方である。
仮に予定通りに進行すれば、ことのほかうれしくなります。

この考え方だと100%を目指していないので気楽に取り組むことができます。

あまりにも大きすぎる目標は、それは目標というよりも妄想に近くなります。
課題や目標を妄想や願望にしてしまうと、挑戦する意欲は出てきません。
何よりも手足を動かす回数が格段に増えてきます。
これが本来の人間の進むべき方向です。
そして小さな成功の体験が得られます。その数が増えてくれば自信につながります。自信が積み重なっていけば、自己肯定感が高まってきます。
いいことずくめです。行動する前には、注射針を打たれたときのような痛みを感じることがあるかもしれませんが、それはなんとかクリアしたいものです。





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Last updated  2024.06.03 09:38:03
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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