森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.11.24
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カテゴリ: 最新の脳科学
毎日が憂うつである。気分が落ち込みふさぎ込むことが多い。
行動したいという意欲が湧いてこない。無気力で暇を持て余している。
うつ状態が長期間にわたって続いている人を、脳の生化学から見てみましょう。

1、血糖値が乱高下している。

2、バランスのとれた食事が崩れて栄養不足に陥っている。

3、神経伝達物質のセロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリンが不足している。

この3つの改善を心掛けることは心の健康を維持するうえでとても大切になります。今日はこれを解説していきます。

1の血糖値ですが、健常人の場合、血糖値が上がったら、すい臓から適切な量のインスリンが放出され、血糖値は元の正常な状態(血液100ミリリットル中に約100ミリグラム、これを血糖値100という)にもどる。
しかし白砂糖などの甘い食品を大量にとり続けている人は、血糖値が急激に上がるために、すい臓は絶えず大量のインスリンを放出せざるを得なくなる。

つまり生体バランスが絶えず崩されてしまうのです。
脳が低血糖状態に陥ると、正常な働きができなくなる。
その結果として、頭痛、不安、イライラ、疲労、めまい、心の混乱、健忘、集中力の欠如、うつなどが発生している。
白砂糖や高度に精製されたデンプンの大量摂取は、血糖値を乱高下させて心の問題を引き起こしているのです。

3、伝達物質のセロトニンは不安、憂うつ感、気分の落ち込みなどを緩和させている。同じくノルアドレナリン・アドレナリンは、無気力状態を軽減させている。
現在、不安の軽減のために、薬物療法としてSSRIが使われている。
ルボックス、パキシル、ゾロフト、プロザックなどである。
これらは、神経細胞から放出されたセロトニンが再取り込みされるのを防げることによって、セロトニンレベルを上げている。セロトニンを実際に作り出しているわけではない。ノルアドレナリンレベルを上げるためにNARIが使われる。
アトモキセチンやレポキセチンなどである。
その他サフラジンというモノアミン酸化酵素阻害剤は、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンレベルを上げる。
イミプラミンやアミトリプチリンなどの三環系抗うつ剤は、セロトニンの利用効率を上げている。


しかしこれを食品から取ることは難しく不足しがちとなる。
ちなみに、多く含まれている食品としては、魚介類、鶏卵、豆腐、ピーナツ、バナナ、アーモンド、牛乳、チーズなどがある。食事のバランスを意識することが重要になる。

トリプトファンは直接セロトニンに変換されるのではなく、いったん5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)に置き換えられる。
これは「グリフォニア・シンプリアォリア」という種から抽出された天然物質に含まれているという。5-HTPは安価である。
その上副作用は抗うつ剤にくらべて非常に少ない。


トリプトファンからセロトニン作り出す化学反応は大変複雑である。
いくつものステップがあるが、体内でこの化学反応を進めているのが、生体触媒の酵素である。だが酵素と言えども、ビタミンやミネラルといった協力者がいないと実力を発揮できない。
酵素を助けるビタミンB群、ビタミンC、亜鉛、葉酸、マグネシウムなどが欠かせない。これらの微量要素を補給するには、肉、魚、野菜、果物など万遍なく摂取することが大切である。食事の片寄は避ける必要がある。

慢性的な不安や無気力状態を改善するためには、脳の生体反応の学習が有効です。
参考図書をあげておきます。
「食べ物を変えれば脳が変わる」 生田哲 PHP新書





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Last updated  2022.02.11 16:33:30
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