森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.01.09
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カテゴリ: 神経質の性格特徴
森田先生は、人の気質を7種類に分類されています。

意志薄弱性気質の人は、いわゆる感情鈍麻で、人生の欲望・向上心に乏しく、下等の感情に支配されるばかりである。
神経質者は自分が意志薄弱ではないか、ヒステリーではないかと、悪い方面ばかりを考えて、独り心配し苦労するが、意志薄弱者はそんな事は全く平気で、修養とは全く無関係の人のことである。

抑鬱性気質の人は、陽気の人と反対に、陰気で気のふさぐ方で、何ごとも消極的である。時どき神経質と区別の難しいことがあるけれども、この方は、単に気が沈むというだけで、神経質のように、自己内省が深く行われていないのである。

偏執性気質の人は、物事に凝り性のもので、やたらに自分の権利義務を主張するとか、学問や発明に熱中するとか、哲学に凝り、宗教に惑溺するとかいう人であって、一般の人間味が乏しくて、何か、ただ一つの事にのみ執着するような人である。

その他、感情過敏で自己内省の乏しいヒステリー性気質、陽気で交際上手な発揚性気質、表面と内面が一致しない解離性気質について説明されている。

私たちのような神経質気質の人は、自己内省的で、何かにつけて、自分のことを観察批判して用心深く、石橋を叩いて渡るという風である。
すべて理知的で感情を抑制する事が強い。
したがって軽はずみではないがヒネクレである。

人と喧嘩する時でも、神経質者は、自分の欠点や、悪い点を充分に考えて、しかるうえで争う事ができる。
(森田正馬全集 第5巻 364ページ 要旨引用)

神経質者は、欲望が湧き上がっても、素直にその実現に向けて行動しない。
欲望には不安がつきものであるが、欲望の実現に向かって努力するよりも、障害物である不安を取り除くことにエネルギーを投入する。
ミイラ取りがミイラになるようなものである。
本人は不安をすべて取り除いて、しかる後に欲望の追及に専念したいと考えている。行動している中で問題が出てくれば、そのときに解決策を考えればよいという気持ちはない。
不安に注意や意識を向けていると、普通は自己内省的になる。
それもネガティブで悲観的な考え方になり、それが悪循環するために、手も足も出なくなる。いつのまにか、欲望の追及が蚊帳の外になる。そして悶々としてくる。
消極的で逃避的な自分に対して自己嫌悪するようになる。
ますます観念の世界にどっぷりと漬かり、退屈を持て余すようになる。
最後には、生きることが苦痛になり、生きていくことがむなしくなる。


まず不安は欲望がある限り必ず発生するものだということをしっかりと理解することが大切になる。そのうえで、欲望をしっかりと意識することだ。目を離さないことだ。神経質者は生の欲望が旺盛というのがその特徴だ。
車でいえばアクセルが欲望だ。これを第一優先順位とする。
アクセルを踏み込まないといつまで経っても目的地には到着しない。
ブレーキ(不安)は欲望が暴走したり、横道にそれたりしないように、適宜利用すればよいのだ。欲望と不安の関係を森田理論学習によって理解すること。
それ以外に不安の特徴や役割、欲望の制御の必要性ついても十分に理解すること。理解したら即実行することだ。


事実を優先して、観念・理知は補助的に活用することを学習して自分のものにする。確実に身につけると、あなたの人生はその日から全く新しいものに生まれ変わるのである。
ここまで至れり尽くせりで、教えてくれているのが、森田理論学習と学習仲間たちなのである。森田理論学習の醍醐味は大きくはこの2点に集約されると思う。





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Last updated  2022.01.09 06:42:21
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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