森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.05.01
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カテゴリ: 最新の脳科学
昨日の続きです。
報酬系神経回路や防衛系神経回路が暴走を始めたとき、自助努力ではその暴走を止めることはできません。
その結果報酬系神経回路では依存症、統合失調症、迷惑行為、闘争行為にまで発展します。防衛系神経回路の暴走は、意欲がなくなり、内省的になり、心身に大きな負担をかけてしまいます。神経症は防衛系神経回路の暴走ととらえることもできます。

しかし心配はいりません。
人間の神経系にはその暴走を抑制するためにセロトニン神経系が装備されています。セロトニンは脳幹の「縫線核」が出発点となっています。
特徴としては、セロトニンは常に一定量が出続けていることです。
ドパミンやノルアドレナリンは状況に応じて分泌されています。
セロトニンが何か仕事をしているわけではありません。
ドパミンやノルアドレナリンの偏りを監視して、その働きを抑制しているのです。


・朝大脳を目覚めさせて活動できる状態にしています。
・不安やストレス、欲望の暴走を軽減させる働きがあります。
・交感神経と副交感神経のバランスをとるという役割があります。
・心身の痛みや苦しみを軽減する役割を果しています。
・抗重力筋につながる運動神経に刺激を与えてよい姿勢を維持しています。

その他、森田的な観点からぜひ理解してほしいことが2点あります。
①セロトニンは前頭前野の「腹内側」に働きかけています。
前頭前野のど真ん中にあります。ここは 「共感脳、直感脳」 と言われています。
森田理論学習の中で、傾聴、共感、受容、許容、礼節、承認、肯定、利他の気持が大切さだと言われます。脳科学の面からは、セロトニンを活性化し「腹内側」を刺激しないと、思いやりの気持ちは湧き上がってこないことになります。
社会性、協調性、人間関係を良好に保つためにセロトニン神経系を鍛える必要があります。


直感 、素直な感情、第一に感じる感情、初一念などと言われます。
「純な心」の反対は、観念優先の「かくあるべし」です。
セロトニン神経系は「共感脳」とともに 「直観脳」 を鍛えています。

②セロトニンは前頭前野の「腹外側」にも働きかけています。

神経症に陥ると一つの不安にとらわれて、精神交互作用でどんどん増悪させています。時には不平や不満を爆発させてみんなに迷惑をかけることもあります。
人間は誰でも不安やストレスを受けながら生活しています。
しかし普通の人はどうすることもできない不安やストレスを抱えたまま、仕方なく気持ちを切り替えて、目の前の仕事や日常生活に取り組んでいるのです。
がまんする、耐える、あきらめる、心機一転、出直す、変化の波に合わせながら前進しているのです。
一つのことにとらわれ続けないで、次々にとらわれる対象に飛び乗りながら生活をしています。神経症に落ち込んでいく人は、うまく気持ちの切り替えができない人です。
脳科学では、切り替えることができなくて、一つのことにとらわれ続ける人は、セロトニン神経系が停滞しているとみているのです。

私は神経症に陥った人が森田理論の学習と実践に救いを求めるのでしたら、その前にセロトニン神経の活性化にも取り組んでほしいと思います。
具体的には2月13日に投稿していますのでご参照ください。
内容としては誰でも無理なくできることばかりです。





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Last updated  2024.06.04 09:12:03
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