森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.08.03
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人間関係を良好に保つためのコツは、「人間」という言葉が教えてくれています。
人と人の関係は「間」(ま)が必要だということです。
人と人の関係はくっつきすぎても離れすぎてもいけないのです。
くっつきすぎると、支配・被支配、過保護、過干渉、共依存の関係になります。
離れすぎると、天涯孤独になり、人生が味気ないものになります。
程よい距離感を保ちながら、広くて薄い人間関係を作りあげることがコツになります。

このような人間関係のことを森田では「不即不離」と言っています。
引っ付きすぎたと思ったら離れる。離れすぎていると思ったら近寄る。
放し飼いの犬は飼い主に近づいたり、離れたり臨機応変に対応しています。


「間」とは、何かの間にはさまれた空間や時間のことを言います。
事をうまく運ぶためには、「間」という空間や時間の取り扱い方が大事になります。「間」の取り方を間違えると、「間抜け」になります。
「間抜け」とは気の抜けたビールのようなものです。
考え方や行動のしめしがつかなくなる。収拾がつかなくなる。
けじめがなくなり、収まりが悪くなります。

落語家の桂歌丸師匠曰く。
「間」のいい落語家は、つまらない噺をやっても受けるが、「間」の悪い落語家はどんな面白い噺をやっても受けないんです。
厄介なことに、弟子に噺を教えることはできますが、「間」を教えることはできない。私なんか、ほんとうに「間」ができたのは、40歳を過ぎてからです。

北野たけしさんは、人間関係では「間」をはずすと、「魔」がその場をぶち壊しにすると言われています。
「見渡せば世の中、間抜けな奴ばかり。どいつもこいつも、間が悪いったらありゃしない。間というものは厄介で、その正体は見えにくいし、コントロールするのも難しい。けれど、それを制した奴だけがそれぞれの世界で成功することができるんだよ」

「間」は歌舞伎の「見得」が参考になります。

観客は見得が決まると、待ってましたとばかり拍手喝さいとなります。
ここで一区切りつけて、新たな気持ちで次の展開に移ることができるのです。
この見得が決まらないと、ワサビがついていない刺身を食べるようなものになります。

「間」を意識した人間関係作りは森田理論の感情の法則が教えてくれています。
腹が立ったときに、不快な感情のままに行動するのは問題です。

つまり「間」を置くことが人間関係のコツになるということではないでしょうか。
きちんと「間」を置くと、そのうち怒りの感情はしだいに鎮静化してきます。
「間」を置くことを無視した行動は、人間関係では大やけどをします。

狂言 蝸牛(かたつむり) 撮影許可済





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Last updated  2023.08.03 08:06:31
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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