森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.10.07
XML
藤井英雄氏のお話です。

心は、いつも「今、ここ」から離れて思考しがちです。それが心の役割なのです。
具体的には、過去の失敗を思い出しては後悔し、未来の取り越し苦労をしては不安になり、他人がこうしてくれたらいいのにと不満に思い、こんな自分ではダメだと自己嫌悪に陥っては憂欝になるのが人間です。
(平常心と不動心の鍛え方 藤井英雄 同文館出版 49ページ)

藤井氏は、未来への不安、過去の後悔、現在の他人や環境への不満、そして自己嫌悪などのネガティブ感情に振り回されている状態は、心が「うわの空」になっていると言われています。
心が「うわの空」になってしまうと、心を「今、ここ」に引きとどめておくことができません。
葛藤や苦悩はそうした状態の時に忍び寄ってくるといわれています。
ではどうすればよいというのでしょうか。

簡単です。「今、ここ」を感じればよいのです。
感じることと考えることは同時にはできないという特徴があります。
「今、ここ」の感情にフォーカスして生き生きと感じることができるようになると、心の中に心配事が入る隙間はなくなります。

藤井氏によると、これはマインドブルネスの中心的な考え方だそうです。

森田理論と合わせて考えると理解しやすいと思います。

森田先生は注意の集中ということについて次のように説明されている。
私が講話をするとき、精神が集中するとはどういうことかというと、普通の精神の集中とはちょっと意味がちがう。
1、自分の挙手動作に注意する。つまずいたり、コップをひっくり返したりしないように注意するのである。
2、みなさんの状況、周囲の変化、すなわちある人が聞きたそうな顔をしているとか、後ろから出入りする人、戸外の自動車の響きなどにも、よくこれを感じ分けるようになり
3、自分の講話の筋道を工夫するという風に

この四方八方に心が散った有様が、禅のいわゆる無所住心であって、周囲の全てのことに気がついて、しかも何事にも心が固着しないで、水の流れるがごとくに心が自由自在に流転適応していく有様である。
あたかも明鏡に物が映るがごとく、来るものは明らかに映り、去れば直ちに影をとどめないという風である。(森田全集第5巻 580ページ要旨引用)

ここで私がポイントだと思うのは、注意はいろいろな方面に分散しているのですが、 一旦気になる一点に注意を向けたとき真剣に向き合うということです。
他のことを考えながら「うわの空」で向き合うと、後で不安になります。
例えば戸締りが気になる人が、仕事のことや会社での人間関係のことを考えながら施錠してしまうと、後からカギを締めたのか締めなかったのか確信が持てなくなってしまいます。


きちんと向き合うと目の前の不安からはすぐに解放されます。
次に不安から解放されたら、次の不安に飛び乗ることが大切になります。
こういう意識で生活することが、「今、ここ」の現実に集中するということになります。
分かりにくいという方は、2023年7月27日、8月25日、9月7日投稿をご参照ください。
特に7月27日の投稿記事で理解していただけるのではないかと思っています。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023.10.07 06:20:08
コメントを書く
[不安の特徴と役割、欲望と不安の関係] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: