森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.10.09
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あるところに、大酒飲みのどうしようもない男がいました。
男には双子の男の子がいました。
男の子たちは、父親が毎日酒を飲んでは母親に暴力を振るうという劣悪な環境で育ちました。

この双子の兄弟は、大きくなって別々の道を選びます。
一人は弁護士になり、もう一人は父親と同じ大酒飲みになったのです。
同じ環境で育ちながら全く違う選択をした二人に、なぜ今の道を選んだのかインタビューすると、同じ答えが返ってきました。
「そんなのあたりまえじゃないか」と。
弁護士になった息子は、「父親がああだったから、僕は将来、自分と同じ環境で苦しむ子供たちを助けたいと思って弁護士になったんだ」と言いました。
一方、大酒飲みになった息子は、「父親がああだったんだから、僕も同じようになってしまったのさ」と言ったのです。

(加速成功 道幸武久 サンマーク出版 136ページ)

大酒飲みになった息子は、父親を嫌悪していた。
いつも注意や意識を父親の醜態に向けて、事実を否定していたのです。
事実を否定するにも相当なエネルギーが必要になります。
そこで多くのエネルギーを消耗していると、課題や目標を向かうエネルギーが少なくなってしまいます。
父親を恨んでいるうちに、立て直すことができなくなり、ついに自分も大酒飲みになってしまったのです。

弁護士になった息子は、悲惨な状況を否定しないであるがままに受け入れました。
批判や反発しなので、結果的にエネルギーの温存が可能になりました。
事実を否定しないので、酒におぼれるような人間にはなりませんでした。
そのエネルギーを自分と同様の環境で苦しむ人の為に役立てようと考えました。
父親を反面教師として、自他ともに活かすことができるようになりました。


仕事もしないで昼間から酔っ払っていました。
子どもを立派に成長させたいという気持ちはほとんどありませんでした。
その結果、私は2つの大きな問題を抱えました。
大人になっても他人が怖いという気持ちがぬぐえない。
また気分に振り回されて行動はつねに回避的な人間になりました。


今ではそういう環境で苦しんでいる人はたくさんいるのではないかと考えました。
森田理論学習と応用によって掴んだ解決方法を公開すれば、人の為に尽くすこともできるし、自分の活躍の場にもなる。
神経症の渦中にいるときは濃霧で車の運転をしているようなものでしたが、森田理論学習によって霧が晴れたところに出てみると、その経験を持っていることは大きな強みだと実感するようになりました。
父親を批判・否定するのではなく、人生をより深く考える問題提起をしてくれた父親に感謝しなければならないと考えるようになりました。
この道しか我を活かす道なし。愚直に真摯に突き進みたい。





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Last updated  2023.10.09 06:20:09
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
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