森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.12.24
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次のような状況に置かれた場合、あなたならどう対応しますか。

あなたは昼間のお客様のクレーム対応で心身ともに疲れてしまいました。
今日は定時で帰宅して心身の回復を図ろうと考えていました。
そんな時、上司から明日の会議で使う資料を急いで作ってくれと頼まれました。
上司の依頼をきっぱりと断るか、しぶしぶ引き受けるのか。

私がいつもとっていた態度は次のようなものでした。
どうして帰ろうとしていた直前に指示を出すのだよと思いましたが、断ると上司の叱責が予想されると思って、「分かりました」と返事していました。

でも心の中では不平不満でイライラしてしまいます。
昼間私がクレー対応で大変だったのは上司だって知っていたじゃないの。


このとき私の心の中には、「疲れている自分」と「感情的になっている自分」がいます。
今の私は、上司の存在・言葉にとらわれているために、疲れている自分を感じていません。
上司と対立することを恐れて、心身ともに疲労困憊している自分には鈍感になっています。
このような状態で、上司の指示に無理やり従おうとしているのです。

自分が感情的になったのは、上司が自分をイライラするようなことを言ったからだと思っています。
でも本当のところは、疲れている自分を労わることができていないから反抗的になっているのです。
他者に気を取られ、それへの対応に追われていて、自分を労わることができないので、自分の本音、潜在意識が「それはおかしいよ」と反発しているのだと思います。

​​ここで大事なことは、湧き上がってくる感情にきちんと向き合っていたかどうかということです。​​
湧きあがってきたマイナス感情を批判、非難、否定するのではありません。
マイナス感情をありのままに受け入れるようにすることが必要です。
売り言葉に買い言葉的対応は人間関係を悪化させます。

「今日は疲れていてエネルギーが尽き果てているので、今から上司から指示された仕事に取り組むことはきついなと感じているんだね」と認めることです。
自分のマイナス感情にきちんと向き合うことができれば、次の展開がまるっきり変わってきます。

有無を言わずに上司の指示に従うことはなくなると思われます。
無視して疲れている自分を叱咤激励するようなことはしません。


あるいは上司に対しては次のように提案できるかもしれません。
「今日はクレーム処理でイライラしていて仕事が向かう気持ちになりません」
「心身を労わらないと仕事に対して悪影響が出てくることが予想されます」
「申し訳ありませんが他の人をあたっていただけないでしょうか」
「明日の朝までに充電して、早朝出社してやらせてください」


すると上司は「そうか、分かった。他の人をあたってみる」「じゃあ明日の10時の会議には間に合わせてください」ということになるかもしれません。
自分のマイナス感情にきちんと向き合うことができるようになると人間関係は大きく改善できます。





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Last updated  2023.12.24 06:30:51
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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