森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.02.09
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
三重野悌次郎氏のお話です。

初心者の方がよく、「昔はこんな事はなかった。神経質症になってから、こんなになった」と愚痴をこぼします。
だが人は善かれ悪しかれ、今の事実にしたがって生きるより外に道はないのです。
「神経質症」なら「神経質症」のまま、片目が見えなければ片目がみえないまま、今の事実にしたがって生きるだけです。
われわれが行動し、活動できるのは「今」しかありません。
どんなに都合がわるくても、嫌でも「今」だけが事実であり、自分の人生です。
(生活の発見誌 1998年4月号)

三重野さんは1996年の3月と4月に脳内出血して右目が完全に見えなくなりました。それと同時に歩行の足取りがあやしくなり、記憶力が悪くなってきました。よく知っている漢字がかけない。
顔見知りの人の名前が思い出せない、ついさっきまで持っていた物が、どこにいったのかわからない。


いたずらに過去の自分、あるいはこうありたい自分、つまり観念の中の自分と、現実の自分を比較するのは愚かなことです。
今の自分のあるがままに、自分の今の事実に服従するしかないのです。
「右目の見えない自分」これが私の今の事実です。
「右目が見えたらいいな」と思うのは観念的欲望です。
実際に行動できるのは、今のこの自分、つまり事実しかないのです。

歳をとると髪の毛がなくなってくる。歯が抜けてくる。しわやシミが出てくる。
歩くのがおぼつかなくなってくる。記憶力が衰えてくる。
身体のあちこちに痛みや不具合が出てくる。

ある程度努力することで老化を遅らせることはできますが、完全に食い止めることは不可能です。
老化の進行は、神経症的な不安や不快感と同じようなものです。
神経症的な不安はあるがままに受け入れて、今できることに精一杯取り組んでいくしかないと学びました。

それよりも、まだできること、やってみたいことに焦点を当てて、精一杯楽しんで生きていくことが大事です。

そのために規則正しい生活を習慣化することをお勧めします。
毎日決まった時間に決まったルーティンワークを確立することです。
無意識に身体が動いてくるようにすることです。
そうなると、失われたものをネガティブに考える時間は少なくなっていきます。


小さな楽しみをたくさん見つけ出すようにしましょう。
感謝の気持ちが湧いてきて、生きていることを楽しむことができるようになります。





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Last updated  2024.02.09 06:20:09
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

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