森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.05.22
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森田先生は平等と差別との両面観は、同一物の同一場合における観方に対する立脚地の相違であって、これを別々に分離して考えることはできない。
たんに平等観に偏して、差別を忘れるときに、たとえば仏教の厭世観となり、マルクスの危険思想となる。一方にはまた、差別我観に偏して、平等を忘れる時、暴君となり、テロリストとなり、はい徳者となるのである。
われわれは、差別観において、独立独行し、同時に、平等観において、人を愛し、世に貢献するのである。
(現代に生きる森田正馬のことば2 白揚社 245ページ)

森田先生は平等観と差別観はコインの裏表の関係にあると言われています。
両面観で見ていかなければいけないと言われています。

平等観 でいわれているのは、 人間関係が支配・被支配の関係に陥ってはいけない ということだと思う。
権力のある者、武力のある者、経済力のあるものが、自分の利益を増やすために、その他大勢の人を力で押さえつけるようなことがあってはならない。
タテの人間関係ではなく、ヨコの人間関係を目指すと平等な社会が実現します。

支配する人と支配される人に分かれるといつか破綻します。

それは自分の身体をみてもすぐに分かります。
毎日3000個のがん細胞ができていますが、免疫細胞のTキラー細胞などが毎日がんと闘っています。
私たちの体内ではガン細胞と生死をかけた壮絶な戦いが毎日繰り広げられていることを忘れてはいけない。

平等な社会を目指すのならば、支配しようとする人がどんなことを考えてその他大勢の人を支配しようとしているのかよく観察して、人間関係が支配・被支配の関係に陥らないように緊張感を持って生活することが欠かせないということになります。
政治動向、経済政策、金融政策、国防、国体の維持などに関して物申す国民になる必要があります。
平等な社会、平和な社会は多くの人と協力して、不断の努力の末に勝ち取るものになります。

次に 差別観 について考えてみましょう。
世界には約81億の人間がいますが、一卵性双生児を除いて全く同じ人はいません。確かに誰でも目、耳、手、足は2つずつあります。顔や鼻や口は1ずつです。
しかしその中身を観察すると千差万別です。

マネージメント力、統率力のある人、人間関係作りの上手な人、思考力や分析力の優れた人、創造性の豊かな人、演技力のある人、感性の豊かな人、文章作成能力のある人、運動能力抜群な人、楽器演奏の出来る人、学力優秀な人など取り上げればきりがありません。

これは人間の創造主は人それぞれ能力に差をつけてこの世に送り出しているということではないでしょうか。
これは感情と同じ自然現象で、人間の意志の自由はないと考えるほうがよいと思います。人間には誰でも得手・不得手があるということです。
すべての面で万能ということはありえないのが現実です。
人間は10の欠点があれば10の長所があるように作られている。


ではどういう心がけで生きていけばよいのでしょうか。
自分に与えられた能力を最大限に活かして人の役に立つことを見つけて行動する。
自分の不得手の面では他人のお世話になって生活していく。
自分に備わっていないものを何処までも追い求めるのは愚策だということです。





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Last updated  2024.05.22 06:40:42
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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