森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.11.10
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森田は不安や恐怖を取り去る・軽減するという考え方ではありません。
不安は親しい友達のようなものです。
適切に付き合っていると危険なこと、やってはいけないことをいろいろと教えてくれます。
安全に生きていくためにも良好な人間関係を築くためにも必要なものです。
敵対していると不安や恐怖のほうが自分にしつこく付きまとい攻撃を仕掛けてきます。強迫観念と言われるものです。

不安が沸き起こってきたら、価値判断しないで、まずはきちんと受け止めることです。そのためには不安にきちんと向き合い、不安の正体を知ることが大切です。
森田には「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という有名な話があります。
夜道を歩いている時、ざわざわと音がしたのを幽霊が出てきたと早合点してしまうと、前後不覚になり精神的に混乱し、慌てて行動するために大けがをする可能性が高まります。
この場合、音のする原因を調べてみようという気になれば大事には至りません。


森田では精神交互作用で注意と感覚の悪循環が神経症に陥る原因の一つだと説明されています。
ボヤに油を注いて、火の勢いを強めることを何としても阻止することが肝心です。
不安を誰もが感じる不安の状態でやり過ごすことが肝心です。

たとえば戸締りが気になることは、防犯上とても大切なことです。
そのために戸締りに注意を集中して確認作業をきちんと行う。
他のことを考えながら、うわの空で確認作業をしてしまうと疑心暗鬼になります。
音で確認する。隙間があれば施錠されているか目視する。
ドアノブを2~3回程度回してみる。あるいは呼称確認をするようにする。
確認恐怖の人は、それでも戸締りのことが気になり、引き返して確認作業をしてしまうのです。
前頭前野ですっきりと納得したいのですが、前頭前野はむしろ不安を増悪するように働いてしまうのです。ここでは側頭葉や運動野に全幅の信頼を置くことです。
その間、前頭葉にはお休みしていただくことが肝心です。


人間ができることは不安や恐怖を大きく増悪しないようにすることだと教えてくれています。
ではどうすれば、不安や恐怖を沸き起こったままの状態でやり過ごすことができるのか。
これにはいろんな手法があります。
森田理論では、 「新たな行動に取り組むと、新しい感情が生まれる」 といいます。

どうすることもできない不安を抱えたまま、目の前のなすべきことに手を付けることが重要になります。





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Last updated  2024.11.10 06:31:32
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通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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