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先日、GPSをラリーに使う際に気になる誤差として、先日坂道における誤差の話を書きました
調べてみたところ、林道のコーナーの半径は、林道の等級(1~3)と設計速度(多くの場合20km/h)によって値が定められており、1級で15m以上、2級で12m以上、3級で6m以上となっているんだとか。
今回は、例として、計算しやすいようにR=10(半径10mのコーナー)で設定してみたいと思います。
コーナーの半径は道路のセンターラインなので、下のような図になります。
ここを、速度22.6km/hで走るとしましょう。(←計算しやすいように設定しています)
コーナーの始点から終点までの距離は、半径10mの円の円周の半分ですので、
10m×2×3.14×1/2=31.4mです。
この31.4mを時速22.6km/h(秒速6.28m/sと)で走るので、コーナーを通過するのにかかる時間は、
31.4 / 6.28 = 5秒ということになります。
ところで、スマートフォンなどの場合、GPSの測位は1Hzのサンプリングレートです。
つまり、1秒間に1回衛星とやり取りしているということです。
実際、下記がRally Tripmeterを使った時のログデータですが、1秒毎に位置情報を記録していることが分かります。
保存データとラリー中の使用データが異なる可能性も考えて一応開発者にも確認しましたが、予想通り1Hzで間違いないとの回答でした。
つまり、このコーナーを5秒で通過するコーナーの間、アプリは1秒毎に5回、GPSと位置情報を交信していることになります。
コーナーは180°なので、36°毎、赤い点の位置でGPSとやり取りしているということです。
で、各点における緯度と経度の差から移動距離を導くとともに、速度計算を行うというのがGPSを使ったアプリの動きです。
つまり、各点を直線で結んだ距離(直線部)を計算しているということですので、本来のコーナーの距離(点線)とは差が出るということです。
では、この差はどれくらいでしょうか?
これは、2辺が10mの三角形の底辺を算出することで分かります。
頂点ABCによる三角形の対角の辺をそれぞれabcとし、b=c=10mの時のaの長さを求めるということです。
角度Aは、180/5=36°です。
ここで使うのが余弦定理です。
a^2=b^2+c^2-2bcCos(A)ですね。
a^2=10^2+10^2-2*10*10*Cos(36)
a^2=100+100-200*Cos(36)
a^2=200-200*0.80901699437495=200-161.8=38.2
となりますので、
a=√38.2=6.18mです。
コーナー中にこの三角形は5つありますので、6.18*5=30.9mというのが、GPSが算出したこのコーナーを通過した時の距離になります。
実際のコーナーの距離は31.4mですので、誤差50cmということですね。
距離がズレれば、そこから算出される速度もズレます。
今回のケースだと、実際の速度は22.6km/hのはずなのに、GPS測位の速度計は6.18m/s=22.2km/hを示すということです。このGPS速度計を見て「もっとスピード上げなきゃ」と判断すると、指示速度よりも速く走ることになり、結果的に早着でペナルティに繋がるということになりますね(このコーナーだけを見ると0.1秒の誤差ですけど)。
この誤差を無くすためには、サンプリングレートを高めるか、コーナーを走る速度を遅くする、あるいは少し外側を走るというのもアリですね。
例えば、サンプリングレートを倍にして0.5秒毎に測位する、あるいは速度を半分の10.8km/h(2.8m/s)にすれば、三角形の数が10個になり、Cos(A)=Cos(18)=0.9510565629515になるので、
a=3.12mで、コーナー全体の距離は31.2mとなり、誤差は20cmまで減らすことができます。
サンプリングレートを変更することはできませんが、速度を低下させることはできるので、コーナー中の速度はなるべく遅くして、直線で稼ぐという走り方をした方が、GPSによる誤差を減らすことができるという訳です。
これら2つは誤差を減らす方向ですが、少し外側を走る場合、外側過ぎると逆に距離が伸びてしまうので注意が必要です。
じゃあ、大体どれくらい外側を走ると良いのか計算してみると、半径10.187mの円周を走ると良いという計算結果が出ました。およそタイヤ1つ分外側というイメージですね。
オフィシャルがどのラインを走って計測しているかは指示書に書いてありますが、狭い林道でも左側走行していたら、それ以上左側を走るのは難しいですから、ちょっと現実的ではないかもしれません。
まぁ、速く走れば走るほど誤差が大きくなるという点に注意して、のんびり曲がるのが良いと思われます。
ただし、GPS自体の精度が±3~5m程度であることを考えると、測位した位置情報に6m~10mは誤差が発生している可能性があると言えます。
特に林道は周囲を樹木に覆われているので精度が落ちます。葉が落ちた秋以降の方が精度は上がりますが、ラリーの旬の時期にはあまり期待できそうにありません。
まずはよりGPSの精度を上げるための工夫をすることが重要そうです。
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