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年末なので、恒例?の今年読んだ本のベスト10を選んでみたいと思う。あくまで、私の独断と偏見でその日の気分で選んでいるので、おかしいだとか、そんな訳ないといったようなクレームは一切受け付けませんのでよろしく!(笑)1.「聖女の救済」(東野圭吾:文芸春秋) 湯川センセイも、最後には、理論的には可能だが実現は不可能だとして、虚数解なんて訳のわから無いことを言い出すような難敵との戦い。遂には、スプリング8まで登場して、物理系ミステリーの面目躍如?2.「アカイロ/ロマンス」(藤原佑/椋本夏屋:アスキー・メディアワーク) 自らを「鈴鹿」と呼ぶ、女性しか生まれない「妖」の一族の物語。主人公「枯葉」の愚直なまでにまっすぐな心根が胸を打つ。まだ、レビューは3巻までだが、ランクイン!3.「害虫の誕生 虫からみた日本史」(瀬戸口明久:筑摩書房) 知られざる「害虫」の歴史を解き明かしてくれる1冊。これまでの「害虫観」に新たな光をあててくれる。4.「海の底」(有川浩:角川書店) 有川浩の自衛隊3部作の一つ。巨大ザリガニの群れに襲われ、孤立した潜水艦「きりしお」の内と外の物語。3部作の中で、もっとも好きな作品である。5.「町長選挙」(奥田英朗:文藝春秋) スーパー?ドクター伊良部が今回は離島で抱腹絶倒の大活躍!6.「パイは小さな秘密を運ぶ」(アラン・ブラッドリー/古賀 弥生:東京創元社) 11歳の化学オタク探偵、フレーヴィアの活躍にもう夢中!ミステリーを楽しみながら、化学の知識も付いてくる。ただし、毒物限定(笑)7.「ダーウィンの思想」(内井惣七:岩波書店) ダーウィンの思想の本質に迫り、彼が「神殺し」の系譜に連なる一人だということを教えてくれる1冊。8.「いさましいちびの駆け出し魔法使い」(ダイアン・デュエイン/田村美佐子:東京創元社) おしゃまでかわいらしい駆け出し魔法使いの活躍に、たちまち引き込まれてしまうだろう。9.「おり姫の日記帳」(チョンアリ/花井道男:現文メディア) ハチャメチャなエピソードにあふれているが、現代韓国に住む等身大の少女の生き方を感じさせてくれる。10.「真夏のオリオン」(飯田健三郎/福井晴敏:小学館) 最後まであきらめないことの大切さや、真の指揮官はどのようにあるべきかを教えてくれる。下手なビジネス書を読むよりためになる?○ランキング今何位? ○関連過去記事○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
December 31, 2009
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出雲というところは、古代史好きには、実に興味深いところだ。記紀神話でも出雲神話は、実に3分の1を占めており、縁結びの神様として有名な出雲大社は、かっては、「雲太、和二、京三」というように、日本で一番高い建造物と言われていた。とっくに廃止されたはずの国造家も、出雲では今なお続いているとのことだ。この出雲は、かっては神話の中のみの存在であると考えられてきた時期もあったようだが、「荒神谷遺跡」で、実に358本の銅剣、16本の銅矛、6個の銅鐸が出土し、また「加茂岩倉遺跡」でも39個の銅鐸3という古代史をひっくり返すような発見がされ、しっかりと実態を持ったものとして、我々の前に姿を現して来ている。しかし、今なお、出雲には謎が多い。この出雲をモチーフにした蘊蓄系のミステリーが「QED 出雲神伝説」(高田崇史:講談社)である。○「QED 出雲神伝説」(高田崇史:講談社) 事件は、奈良のマンションで、OLが惨殺されたところから始まる。凶器となったのは、古い様式の出雲刀。そして、現場は密室であり、「出雲神流」と呼ばれる、かって存在した忍びの流派の紋様が描かれていた。またこの事件の前に発生していたひき逃げ事件の現場にも同じくこの出雲神流の紋様が残されていたのである。 この事件に挑むのは、このシリーズの主人公桑原崇。墓参りが趣味で、ニックネームを「タタル」という、蘊蓄を語りだしたら止まらないという、かなりの変人だが、最近は強烈な個性を持った毒草師シリーズの御名形史紋の陰に隠れているような感もあり、1年9か月ぶりの新作となっている。今回タタルが解き明かすのは、出雲神流の紋様の残された殺人事件の謎と、出雲自体の謎である。 出雲自体の謎とは、果たして出雲は果たして最初から島根県にあったのかということである。例えば京都府亀岡市には、丹波の国一宮で元出雲と呼ばれる出雲大神宮がある。また、奈良にも出雲という地名があり、相撲の元祖として有名な野見宿禰の伝承が残っている。島根の出雲と、奈良の出雲のどちらが本家出雲かという謎に対する解釈はなかなか興味深く読める。 しかし、この作品の大きなモチーフともなっている「出雲神流」が、この出雲の出自にあまり関係していないのは残念だ。この流派については、鳥取県の大山地方に伝わっていたことくらいで、大和出雲との関係は全く述べられていない。作者は、最近は、QEDシリーズの登場人物で忍者の子孫という鴨志田翔一の弟である鴨志田甲斐を主人公とした「カンナ」シリーズに力を入れているようなので、その橋渡しのような役割で、忍者の流派を登場させたのだろうか。実はこの作品に、翔一の実家である出加茂神社を訪ねるシーンがあるのだが、これを出加茂神社側から見ているシーンが「カンナ 奥州の覇者」にもちゃんと登場しているのだ。 ちょっと気になるのは、タタルとこのシリーズのヒロイン棚旗奈々の仲の進展具合だが、二人ともアラサー世代になっているのに、これまでは大きな変化はなかったようだ。しかし、今回は、最後に奈々がタタルと腕を組んだりして、積極的な行動をしており、収まるところに収まるかなという予感を感じさせる。 だが、この巻には、「QED ~flumen~ 出雲大遷宮」というおまけのような話が付いており、タタルは小松崎と9年後に出雲を訪ねている。ここでは、小松崎は、結婚していたが、タタルと奈々の話は一切ない。もうアラフォー世代になっているのに、あれからどうなったのだろう。次が最終巻だという噂もあったが、次巻でそのあたりも明らかになるのだろうか。○ランキング今何位? ○関連過去記事・QED 諏訪の神霊 ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら) (本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
December 30, 2009
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那須正幹による有名な児童文学「ズッコケ三人組」は、中国地方の架空の街である稲穂県ミドリ市花山町を舞台にしているが、実はモデルとなる場所はちゃんとある。それが、この辺り、広島市西区己斐だ。 写真は、広電ストアの己斐店。ここに、この辺りがモデル地区であるという標識が掲げられていた。 ○ランキング今何位? ○関連過去記事・宇品港風景(広島市を歩く56) ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
December 29, 2009
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26日にテレビ朝日系列で放映されていた「はぐれ刑事純情派 最終回スペシャル」。藤田まことが人情刑事安浦を演じるこの人気シリーズは、最初に放映されてからなんと今回で22年目という超長寿番組となってしまった。安浦刑事も歳のためか、この放送も、2007年の年末に放映されてから2年ぶりである。○「はぐれ刑事純情派」主題歌全曲集 冒頭の女性弁護士転落死事件で幕を開けた今回の物語は、やがて連続殺人事件に発展していく。その容疑者として名前が挙がったのが、北原と言う男。彼は、かって安浦が更生させた男であった。どこまでも北原を信じる安浦だが、事件は、政界の大物の関わる大きな事件へと発展していく。 今回は、山手中央署に本庁から岡崎と言う若いキャリアが捜査の指揮を執るために派遣されてくる。これが、また嫌味な若造で、いかにも「こりゃあかん!」と言う感じなのである。こんなのが上に座っては、下はたまらないだろうと思ったが、さすがは安浦刑事、北原を信じ、辞職覚悟で、自分なりの捜査を進めていく。岡崎が安浦達に言った台詞、「刑事に必要なのは証拠の積み重ねだ!」には、「お前が刑事哲学を語るには100年早い!」とつい突っ込んでしまう。最初から、思いこみで間違った方向に、捜査を進めようとする岡崎に、証拠が積み重ねられる訳はないのである。しかし、これだけ、ダメぶりが目立っているというのは、好演している証拠ということなんだろう。 今回は、いつもはほとんど役に立っていない川辺課長も、最終回ということもあってか、大活躍し、見事に中間管理職の意地?を見せる。あまり昔の話は覚えていないが、彼がここまで活躍したことってあっただろうか? 安浦刑事には2人の娘がいたが、結婚していた上の娘が妊娠したようで、安浦もとうとうお爺ちゃんになってしまった。今後もお爺ちゃん刑事として、もっと活躍してほしいものだが、これが最終回とはなんとも寂しい限りである。後は、京都殺人案内の音川刑事に期待するしかないか。(出演)・藤田 まこと(安浦 吉之助[山手中央署刑事])・島田 順司(川辺 精一[山手中央署刑事課長])・池上 季実子(小池 瑤子[山手中央署刑事]) ほか○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・はぐれ刑事純情派・20周年記念スペシャル○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
December 28, 2009
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「喰霊」(瀬川はじめ:角川書店)の8巻。弐村剣輔や土宮神楽たち、国の霊的守護を担当する超自然災害対策室の面々が、悪霊たちと戦う物語だ。○「喰霊 8」(瀬川はじめ:角川書店) 前巻で、剣輔は、神楽への思いを力にして九尾の暴走を阻止した。しかし、東京の中心部は、九尾の瘴気で汚染され奈落と呼ばれる巨大神霊スポットとなっていた。神楽は九尾の事件で記憶を失っているのだが、その彼女の前に、死んだはずの黄泉とそっくりの少女が現れる。そしてまたまた強大な敵が出現。この巻は第二部とも言える新たな物語の序章と言えよう。 外伝に当たる「喰霊 ~追儺の章~」の主人公滝口ツイナも、この巻から本編に合流して、ますます目が離せない展開となってくる。○ランキング今何位? ○関連過去記事・喰霊 7○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
December 27, 2009
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写真は東京の八重洲ブックセンター前にある二宮金次郎像。薪を背負いながら本を読んで勉強したということで有名な人だ。半ば学問の神様に近い存在として、昔はどこの小学校にもあったものだが、最近はどうなんだろう。最近の子は、偉い人というよりは、学校怪談の方で知っている子の方が多いかもしれない。金次郎は通称で、二宮尊徳が本来の名前。と農村復興を指導した偉い人だ。 (東京ラプソディ 完)○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○ランキング今何位? ○関連過去記事・「シウマイ弁当 東京ラプソディ10」 ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
December 26, 2009
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未練を持って死んだ者が「屍」となって、生きた人間を襲う世界。この屍と戦う「屍姫」と光言宗の契約僧たち。そんな世界を描いたホラーアクション漫画の「屍姫」も、これで第10巻目だ。○「屍姫10」(赤人義一:スクエア・エニックス) 前巻で、光言宗派の本山を急襲した、死戦女神カーリー。これを迎え撃つのは、「最強」の屍姫、轟旗神佳。見かけは、メガネ美人の有能なキャリアウーマンという感じだが、実は剣の達人である。タイトのミニスカートで、剣をふるう姿はなんとも凛々しい。だが、その「最強」の称号こそは、実は彼女の未練であり執着なのであった。 光言宗の本山を屍たちの謀略が襲う。そして、迫りくる、屍たちとの全面対決。果たして、マキナたちの運命はいかにというところか。○ランキング参加中! ○関連過去記事・「屍姫9」風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 25, 2009
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写真は東京駅で買った「シウマイ弁当」。本来は横浜の駅弁だが、東京駅など横浜以外でも買える。「崎陽軒」という会社が製造・販売している、余りにも有名な駅弁だ。 中身は、上のような構成。おかずはもちろんシウマイがメインだが、その他にも色々なものが入っている。東京方面に行ったら一度は食べてみたい駅弁だ。○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○ランキングの順位は? ○関連過去記事・東京大学赤門 東京ラプソディ9風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は、「本の宇宙」と同時掲載です。)*** 追伸 *** 村林 暁さんのブログ「 本魂!」で主宰されている、書評記事コンテストに、「海の底」でエントリーしています。
December 24, 2009
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人の「死」は、いつから始まるのだろう。言いかえれば、人はいつ「死んだ」と言えるのか。心臓の停止か?呼吸の停止か?脳の活動停止か?ちょっと考えてみれば分かるように、これは、宗教上の教義や個人の感情、法律的な問題なども入り組んで、非常に難しい問題である。 最近は、医学的には、「脳死」を人の死とするというのが主流なようであるが、これも正確にどこからが脳死というのかは、なかなか困難だ。しかし、臓器移植などのニーズがある場合は、なるべく早く判定を下す必要がある。だから人は「脳死」という定義を作って、判定をせざるを得ない。 「冥府神(アヌビス)の産声」(北森鴻:光文社)は、この「脳死」の問題に鋭く切り込んだミステリーである。○「冥府神の産声」(北森鴻:光文社) 本作の主人公は、相馬と言う医療ライター。かっては将来を嘱望された帝都大学医学部の解剖医だったが、教授の吉井と衝突して、野に下っていた。その吉井は、脳死臨調でリーダー的な役割を果たしていたのだが、何者かに視察されてしまう。更に吉井の後継者とも目されていた元同僚の九条は、新宿でホームレスとなっていた。彼には、不思議な力を持ったトウトと呼ばれる少女がつき従っている。いったいなぜ吉井は殺されたのか?九条がホームレスとなった理由は?相馬は、事件の真相を探るが、そこには、医療界を取りまく大きな闇が存在していたのである。 アヌビスとは、エジプトの冥界の神、トウトはその従神である。「脳死」をテーマに、人の脳の不思議さや、人の死とは何かを考えさせる、なかなか奥深い作品だ。しかし、不思議な少女トウトの出自が明確にされてないのはどういう訳だろう。九条の娘と言う訳ではないようで、いつ彼とトウトが巡り合ったのか、なぜトウトには脳外科手術の痕跡があるのかなどは謎のままだ。続編はあるのだろうか。もしあるとすれば、この謎は明らかにされるのだろうか。○ランキング参加中! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は、「本の宇宙」と同時掲載です。)*** 追伸 *** 村林 暁さんのブログ「 本魂!」で主宰されている、書評記事コンテストに、「海の底」でエントリーしています。
December 23, 2009
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これは、福山市の道路に設置してある消火栓の蓋。消防士のイラストがなかなかキュート。足元にある花のようななんだかよくわからないものは、たぶんバラの花なんだろう。○ランキングの順位は? (バラの街福山 完)○関連過去記事・福山ばら公園(バラの街福山6)風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 22, 2009
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自らを「鈴鹿」と呼ぶ、女性しか生まれない、滅びかけた「妖」の一族の物語「アカイロ/ロマンス」(藤原佑/椋本夏屋:アスキー・メディアワークの第3巻、副題は「薄闇さやかに、箱庭の」である。○「アカイロ/ロマンス3 ― 薄闇さやかに、箱庭の ―」(藤原佑/椋本夏屋:アスキー・メディアワーク) 「鈴鹿」一族は、人間を種の保存の道具としか考えない「繁栄派」と名乗る一派が、人との共存を求める「本家」に反旗を翻し、「鈴鹿」は二つに割れていた。白州学園に通う桐沢景介は、「繁栄派」に襲われ、学園に潜んでいた「本家」の生き残りである「妖」の少女「枯葉」と出会ったことから、彼女の婿候補として、「鈴鹿」の争いに巻き込まれていく。 表紙に描かれた、椋本夏夜による、3人の美少女のイラスト。後ろに描かれているちょっと性格のきつそうな年長の少女と前側の、現代風の裾の短い和装をしたかわいらしい双子の姉妹。いずれも残酷な「繁栄派」の殺戮者なのである。 今回の舞台は、病院。首だけになっても生きられる、強靭な生命力を持っている「鈴鹿」の一族であるが、滅びかけた一族ゆえに、特有の病に冒される者が結構いるようだ。人間と異なる体を持っている彼女たちは、普通の医者にはかかれない。だから、彼女たちの息がかかった病院は、一種の非武装地帯になっているはずであった。 景介は、失踪した姉のことを知る「繁栄派」の少女檻江と出会い、彼女について、病院を訪れる。そこには、枯葉の仲間である夭が入院していた。夭は、胸の病のためか儚げな感じがする大人の女性と言う感じだ。しかし、見かけとは裏腹に、人をおちょくって遊ぶのが好きらしい。景介も、散々からかわれているうえ、枯葉も手玉にとって簡単に丸めこむその手腕はなかなかのものだ。しかも、蔵物の「廻りじんろう」を使うと、文字通り、血に飢えた獣と化してしまうという、ものすごい意外性ももっている。 この枯葉たちを、イラストの3人が襲ってくるのである。非武装地帯である病院をなぜ彼女たちは襲ってきたのか。この戦いで、景介は、なかなかの頭脳プレーを見せる。何しろ、体力的には、圧倒的なハンディがある。ただの人間は、彼女たちと頭で戦うしかないのだ。 「・・・・・・おまえはすごいな。わたしも・・・・・・がんばるから」 この戦いにより、枯葉の心の中で、景介の株はまた上がったようである。 枯葉の、「誰ひとりとして殺さずにこの騒動を収めてみせよう」というまっすぐな決意が、なんともすがすがしく心に響く。○ランキングの順位は? ○関連過去記事・「アカイロ/ロマンス2 ― 少女の恋、少女の病 ―」風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 21, 2009
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写真は「旭川」。北海道の旭川のことではない。広島市には太田川が流れているように、岡山市には旭川が流れている。いわば岡山市の母なる川なのだ。この旭川は吉井川、高梁川と並んで岡山三大河川の一つに数えられている。もちろん1級河川だ。写真を撮った場所の近くには日本3名園の一つである「後楽園」や竹久夢二の作品を展示している「夢二郷土美術館」など見どころが多い。○ランキングの順位は? ○関連過去記事・岡山電気鉄道(岡山市風景4)風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 20, 2009
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うっかり本屋で目にした、土屋賢二の「貧相ですが何か?」(文芸春秋社)。この時点で、私には3つの選択肢があった。1.見なかったことにして、そのまま通り過ぎる。2.パラパラと立ち読みをして、読んだことにする。3.家に帰って、ネット書店でどんな本か検索し、読んだつもりになる。○「貧相ですが何か?」(土屋 賢二:文芸春秋社) しかし、ご本人が、本のまえがきで「本書には実用的な価値はない。少しでも役に立つような実用的な内容は、すがすがしいまでに排除してある。」と書いてあるくらいだ。わざわざ2や3の選択肢を取っても、何の効用もないだろう。つまりは、1の選択肢が一番理性的なのだが、恐ろしいことに、私は既に「ツチヤ」の病に冒され、ツチヤ依存症になってしまっていたようだ。気が付いてみると、本書をレジに運んでお金を払ってしまっていたのである。 不覚にも、これまで飽きもせずに、3冊も「ツチヤ」本を読んでいるうちに、知らず知らずのうちに、「ツチヤ」が伝染していたのだろう。何しろ、既に、「口車」に乗り、「弁明」を聞き、「断れ」なくされてしまっているのである。本屋の店頭から、「貧相ですが」と哀れにも呼び掛ける、この本の誘惑を振り切ることはできなかったのだ。 確かに「ツチヤ」の病は伝染することは間違いない。それが証拠に、この本の解説を書いている女優のミムラなど、いったい「ミムラ」が「ツチヤ」なのか「ツチヤ」が「ミムラ」なのか分からないくらい、見事にツチヤ化しているではないか。そう「ツチヤ」本は、読む者を依存症に陥らせるだけでなく、「ツチヤ」化までさせてしまうのである。 さて、内容の方だが、いつもの独特のユーモア感覚とレトリックに彩られたエッセイが満載である。著者は、お茶の水女子大の教授という、女だらけの環境で仕事をしている。大学では、女性教官、助手、学生にいじられまくり、家では妻に虐げられても、なお減らず口をたたかずにはおられない。この本の全編、にそんな「ツチヤ」氏の自虐精神と屁理屈が溢れて、なんとも抱腹絶倒の一冊である。しかし、読んでいるうちに、次第に物悲しい気分になってくるのはどういう訳だろう。 いやいや、名門お茶の水大の学部長まで務めた「ツチヤ」氏のこと。きっと、そこには、何か綿密な計算が隠されているに違いないだろう。だから、この表題でも、「何か?」と開き直っていられるのだ。それが何かは分からないが、きっとそうに違いない・・・○ランキングの順位は? ○関連過去記事・ツチヤの口車・ツチヤ学部長の弁明・簡単に断れない風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
December 19, 2009
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TBS系列で12月16日に放映されていた「浅見光彦 ~最終章~」の最終話 「草津・軽井沢編」。9回目なのにもう最終回とは寂しい限りだ。 今回の「草津・軽井沢編」は、高村光太郎の彫刻をモチーフとした「『首の女』殺人事件」を原作としているが、やはり内容は原作とはだいぶ変わっている。最終話のヒロインは、「浅見光彦シリーズ」で光彦の相手の本命中の本命と見なされている「野沢光子」。「野沢直子」と間違えてはいけない。光彦の幼馴染で、かっては「光光コンビ」と呼ばれた仲なのだ。 ドラマの舞台は、軽井沢。そこには光彦の幼馴染の光子が父親と牧場をやっている。周りの人間は、こんどこそはと光彦をけしかけるが、本人の何と鈍感なこと。ところが、光子の父親が草津で殺害されているのが見つかる。現場に残されていた、高村光太郎の彫刻に似たセミの根付。彼は、軽井沢のギャラリーで、本物の光太郎のセミの彫刻を怖い顔で見ていたという。 このシリーズ、光彦が警察で半ば犯人のような扱いを受けるのがお決まりのパターンである。光彦に横柄な態度をするのは、大抵は警部クラスの役どころだ。しかし、光彦が刑事局長の陽一郎の弟と分かったとたん、部下に責任を押し付けて平身低頭となるのが、なんとも面白い。しかし、この変わり身の早さが出世の秘密なのか。水戸黄門の印籠と同じで、いつも楽しみな場面である。 いつも女性からふられてばかりの光彦だが、今回は、最終回だけあって、うまく行きそうだった。もしかすると「最終章」とは、光彦の独身生活のことだったのかと思ったくらいだ。光彦も、今度は、「よっしゃ!いくぞ!えいやー!」とプロポーズする気満々だったのに、ちょっとすれ違いで、顔を合わせられなかったといって、あきらめるとは何たることだ。光子のことは、親友の宮田からも託されているのに、こんなに簡単にあきらめてもいいのだろうか?(原作)・内田康夫:「首の女」殺人事件(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・小出早織(浅見祐子)・星野真里(野沢光子) ほか○ランキングに参加しています。 ○関連過去記事・浅見光彦 ~最終章~ 第8話 エキゾチック横浜編風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 18, 2009
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緑町公園のすぐ近くには、「福山ばら公園」がある。バラは福山市の花であり、そこかしこに植えてある。この「ばら公園」にも、その名の通り、多くのバラが植えてあり、入場料も必要ないので、散歩コースには最適かもしれない。(近くに住んでいないのが残念だ!)○押してね ○緑町公園ローズヒル(バラの街福山5)はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 17, 2009
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ハイブリッドカーと言えば、まず思い浮かべるのは、トヨタのプリウスだろう。「ハイブリッド」(木野龍逸:文藝春秋)は、そのプリウスの開発に挑んだエンジニアたちの物語だ。○「ハイブリッド」(木野龍逸:文藝春秋) ハイブリッドカーとは、一言で言えば、ガソリンエンジンと電気モーターが助けあって、車を走らせるというものだ。ハイブリッド方式にすれば、車の燃費を大幅に向上させることができる。その理由は二つあり、まず、ブレキーによる制動時に、通常なら熱エネルギーとして捨てられるエネルギーを電気エネルギーとして回収できるということだ。もう一つは、エンジンを一番燃費の良いところで回転させ続けられるということである。 このハイブリッド方式には、エンジン→発電→電池→モーターという流れの「シリーズ方式」と、状況に応じて、エンジンとモーターを使い分けたり併用したりする「パラレル方式」に分けられるが、プリウスの場合、両方のいいところ取りのできる「シリーズ・パラレル方式」を採用している。当然、制御の方もそれだけ大変になるだろう。また、軽量で容量の大きな電池の開発など課題は山積みである。 おまけに、このプロジェクトは、「クレージー・プロジェクト」だった。なにしろ、開発を始めてからたった2年で量産までこぎつけなければならなかったのだから。開発を始めてから半年も経たないうちに、スケジュールが当初予定から2年も繰り上げられたのだ。欧米のエンジニアは、誰一人として僅か2年でやりとげたことを信じてくれないらしい。「クレージー・プロジェクト」と呼ばれたプリウスの開発を成し遂げた、日本の技術者たちの優秀さには脱帽の思いだ。読んでいると、つい頭の中を「プロジェクトX」のテーマが流れてくる。もっとも、欧米人には、「プロジェクトX」は、いかに日本のエンジニアが虐げられているかに映ると言うことを聞いたことがある。グローバル化と理系離れの進む我が国にとって、日本の優秀なエンジニアの話が、過去の夢物語とならなければよいがと願う次第だ。 もう一つ思ったのは、こういった、画期的な技術開発には、やはり技術のカリスマと言った人が不可欠だろう。プリウスの場合は、「技術の天皇」と呼ばれた和田技術担当副社長だった。和田氏は、副社長という立場ながら、現場に頻繁に顔を出し、細かな指示を出したということである。若手の技術者は、彼のことを親しみを込めて「大係長」と呼んだそうだ。 我が国のものづくりの底力とエンジニアたちの優秀さを再認識させてくれる一冊である。このものづくりの伝統をいかに守っていくかが、我が国が優先して取り組まなければならない課題ではないだろうか。○読書ランキング 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
December 16, 2009
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あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズで有名なジョニー・ディップが主演を務める1999年の米国製ホラー映画「スリーピー・ホロウ」。もともとは首なし騎士の都市伝説のようなものだったらしいが、 これをワシントン・アーヴィングが小説にしたのを元にして、監督のティム・バートンが脚色して映画化したということだ。アカデミー美術賞受賞作でもある。 内容は、18世紀末のアメリカのある村で、「首なし騎士」として蘇ったドイツ人傭兵が、村人たちを次々に襲う事件が発生し、ニューヨークから、この事件を解決するために、イカボット・クレーンという捜査官が派遣され、この事件の真相を探るというもの。 ジョニー・ディップと言えば、かなりメークされた顔で画面に登場するというイメージがあるが、この映画では、まだあまりメークは濃くない。しかし、あの何となくコミカルな演技はやはりジョニー・ディップである。 怖いものに近づくときなど、ぺっぴり腰で助手のマスバス少年の後ろに隠れて、おそるおそると言う感じなど、なかなか情けなくて面白い。 この事件の黒幕は、観ていると、途中でなんとなくわかったのだが、その推理を否定させ、観客を惑わせるようなしかけがちゃんとされている。 ところで、イカボットには、少年のころに悲惨な事件を体験しているのだが、この事件が、ストーリーの展開にうまく絡んでいない感じがするのが残念。(監督)・ティム・バートン(出演)・ジョニー・デップ(イカボッド・クレーン ) ・クリスティーナ・リッチ(カトリーナ・ヴァン・タッセル)・マーク・ピッカーリング(マスバス少年) 他○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 15, 2009
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未練を持って死んだ者が「屍」となって、生きた人間を襲う世界。光言宗という密教宗派は、やはり未練を持って死んだ美少女たちを「屍姫」として蘇らせて、共に「屍」と戦っている。そんな世界を描いたホラーアクション漫画の「屍姫」の第9巻。○「屍姫9」(赤人義一:スクエア・エニックス) 今回の見どころは、光言宗本山を、敵である「大群(おおぜいのけがれ)」の教主の一人、死戦女神(カーリー)と呼ばれるミラム・バルドゥが急襲したことだ。彼女は、現実か幻かも分からないような夢の中で、敵に死をもたらすという、何とも厄介な相手である。ミラムは、多くの分身で敵を惑わすが、彼女を倒すためにはその本体を倒す必要がある。マキナたちは、果たして本体に辿りつけるのか。 また、この巻は、メインストーリーを真中にして、前後が、契約僧の一人嵩征と彼の屍姫イツキの話で挟まれている。前の方には、8巻から続く辛い思い出話の後半。最後の方には、嵩征とイツキの出会いのエピソードが描かれている。この巻ではやたらこの二人の話が多いが、もしかして、作者のお気に入りのキャラクターなのだろうか。○面白かったらポチっと1票! ○「屍姫8」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 14, 2009
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昨日、当ブログの姉妹ブログである「文理両道」で、「ビジネス著作権検定上級」試験に合格したことについて掲載したが、受験の際に使ったテキストがこの「ビジネス著作権検定初級・上級合格テキスト」(和田宏徳/坂本優:税務経理協会)である。○「ビジネス著作権検定初級・上級合格テキスト」(和田宏徳/坂本優:税務経理協会) 最近は、著作権を含む知的財産権に関する権利意識が非常に高まっている。著作権の存続期間は、例えば個人の著作の場合は、死後50年と他の知的財産権に比べ、非常に手厚い保護が行われている。また、登録などの手続きも必要ないことから、身の回りは、言うなれば著作権によるトラップに囲まれていると言っても過言ではないだろう。もちろん原則として私的な使用に関しては著作権法には触れないのだが、この「私的な使用」を超えないようにしないと、知らないうちに、違反をしているということになりかねない。また、業務上で資料を作る際には、「私的な使用」には当たらないので、特に注意をする必要があるだろう。 おまけに、一般に著作権といっても、その実態は著作財産権、著作者人格権、著作隣接権など、様々な権利が入り組んでおり、素人には非常に分かりにくい。 本書は、その著作権全般に渡り、重要な項目について分かりやすく説明するとともに、実際の試験の過去問を練習問題として掲載しており、これについても、単に答を掲載するだけでなく、考え方が、丁寧に解説されている。私の場合、時間不足のため、本文の解説は余り読めなかったが、練習問題を解く際にその解説を熟読することにより、最短とも言える時間で合格できた。巻末に、著作権法が掲載されているのも、なかなか受験者には便利であろう。仕事上で、著作権法に関する知識が必要な方が、試験が終わってからも虎の巻として使えるのではないか。受験を考えている方には、ぜひお勧めしたい。○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は、「本の宇宙」と同時掲載です。)
December 13, 2009
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ついにグランド・フィナーレを迎えた「のだめカンタービレ」の最終巻。○「のだめカンタービレ23」(二ノ宮知子:講談社) 客観的に見て、なかなかめんどくさい性格ののだめ。紆余曲折を経て、やっと自分の道を見つけたようだ。千秋との間ももうだいじょうぶなようである。千秋もいろいろと右往左往しながら、最後はちゃんと決めたという感じか。でものだめのこと、これからも、いろんなことがあるんだろうなと思う。たぶん千秋は相変わらずのだめに振り回されていくのだろうが、それも千秋の幸せというものか(違うかな?)。 最後の方で、のだめの友達のリュカが、子供のくせになかなか良いことを言っている。のだめの「音楽の他にやりたいことってなかった?」という問いに、彼の祖父が「僕の才能は神様がくれたんだからちゃんと世のため人のために使いなさいと言ってたよ!」と答えているのだ。なかなか含蓄のある言葉ではないか。 ところで、サムライ黒木と豹柄ターニャの二人も、なんかいい感じだ。こちらもうまく行って欲しいな。○面白かったらポチっと1票! ○「のだめカンタービレ22」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 12, 2009
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TBS系列で12月9日に放映されていた「浅見光彦 ~最終章~」の第8話 「エキゾチック横浜編」。横浜と言えば港町。野口雨情作詞の童謡「赤い靴」では、この港から女の子が異人さんに連れられてどこかに行ってしまったことになっている。そして、この曲と遂になるもう一つの童謡「青い目の人形」。つい混同しがちになる二つの童謡をモチーフに使ったミステリーが、内田康夫の「横浜殺人事件」だった。今回の「エキゾチック横浜編」の原作である。二つの童謡の混同というところは、今回ドラマの方にも取り入れられている。○「横浜殺人事件」(内田康夫:角川書店) しかし、今回もだいぶ内容は変わっている。原作では、赤い靴について取材していた女性レポーターが殺されたことが事件の発端だったのだが、ドラマでは女性レポーターがヒロイン役を務めている。 今回、光彦は取材で横浜を訪れるのだが、暴漢に襲われたテレビ局の女性レポーター山名めぐみを助ける。めぐみは、光彦の母雪江の竹馬の友山名雄三の孫娘だった。そして、次の日、めぐみの父親が死体で発見される。 50年も前、雄三が出くわした悲惨な殺人現場で、両親を殺された娘を励ますために手渡したフランス人形。このフランス人形を軸に、不思議な縁により引き起こされた事件。港町横浜の旅情あふれる風景とそれによく似合う赤い靴の曲。東儀秀樹が雄三の経営するバーでこの曲を弾いていたが、こんなにも哀愁のある曲だったとは。 ところで、このシリーズ、来週が最終回だそうだ。毎回原作とだいぶ変わっているのは、少し残念だったが、新作だと思ってみれば、案外楽しめた。全9回とは、少し短すぎるか。(原作)・内田康夫:横浜殺人事件(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・小出早織(浅見祐子)・前田愛(山名めぐみ) ほか○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・横浜殺人事件・浅見光彦 ~最終章~ 第7話 木曽編 - 浅見家の悲劇(後編)-風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 11, 2009
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「花の山 二町のぼれば 大悲閣」と芭蕉に読まれた、京都嵐山にある名刹大悲閣千光寺。江戸時代初期に、角倉了以が開いた禅宗の寺で、京都市内や東山三十六峰を見渡せ、景色がすばらしいと聞くが、「二町のぼれば」というのがネックになり、ひっそりとした佇まいだそうだ。この実在の寺を舞台にした、北森鴻による「裏京都ミステリー」シリーズの第二弾が、「ぶぶ漬け伝説の謎 ―裏京都ミステリー -」である。○「ぶぶ漬け伝説の謎 ―裏京都ミステリー -」(北森鴻:光文社) 主人公は、千光寺の寺男の有馬次郎。元怪盗だが、千光寺に忍び込んで逃げる際に骨折し、住職に開放してもらったことから、心を入れ替えて、寺男として働いている。この有馬次郎と、彼につがいのおじゃま虫と呼ばれる、バカミス作家で千光寺の居候のムンちゃんこと水森堅、地方新聞の記者で次郎の天敵である折原けいの二人が、裏京都で起こる珍妙な事件に関わっていくというお話である。元怪盗の腕やつてを利用して事件を解決するのはもっぱら次郎で、後の二人は、本当におじゃま虫なのだが。なお、千光寺の住職は、それほど表立っての動きはないのだが、時々次郎に、良い智恵を授けてくれるという役柄だ。 収録されているのは以下の6編。・狐狸夢・ぶぶ漬け伝説の謎(表題作)・悪縁断ち・冬の刺客・興ざめた馬を見よ・白味噌伝説の謎 表題となっている「ぶぶ漬け伝説」とは、京都に伝わる余りにも有名な都市伝説だ。京都人の家におじゃました際に、「ぶぶ漬けでもどうどうすか?」なんて聞かれたら、これは「もう帰れ」という合図なので、そそくさと帰らなければいけないというもの。うっかり、ぶぶ漬けを食べた日には、後でどんな悪口を言われるか分からないと言われている。京都人は、この「ぶぶ漬け伝説」を否定するが、それではなぜ、こんな都市伝説が発生したのか。この「ぶぶ漬け伝説」の起源について、表題作では、作中で起こる殺人事件の謎解きに絡めて、一つの解釈を与えている。 その他の話も、どれも裏京都を舞台にした珍妙な事件についての話だ。お話は、次郎とつがいのおじゃま虫たちとの掛け合い漫才のような感じでユーモラスに進んでいくのだが、殺人事件が発生したりして内容はお笑い一辺倒というわけでもない。 ところで、作者の北森鴻は山口県出身ということで、作品の中に微妙に山口県のテイストを加えていることが多い。今回は、「ぶぶ漬け伝説」の中で謎折原けいの出身が山口県であることを明らかにしているし、「興ざめた馬を見よ」では雪舟の書いた馬の絵が夜な夜な抜け出しと言う伝説がるいう龍蔵寺のことが紹介されている。こんなところを探すのも北森作品を読む楽しみの一つだろう。○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・支那そば館の謎 - 裏京都ミステリー -風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
December 10, 2009
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写真は、松江駅からちょっと離れたところにある、一畑電気鉄道(一畑電鉄)の「松江しんじ湖温泉駅」。一畑電鉄は、ここと「出雲市駅」を結んでおり、途中「川跡駅」から分岐して「出雲大社駅」に続いている。 多くのローカル鉄道が廃線になっている中で、必ずしも地理的に有利とは言えないにもかかわらず、よく検討している。この電車の路線は、乗ってみると分かるが、本当にのどかだ。来年には、この一畑電鉄を扱った、「RAILWAYS」という映画が公開されるようだ。錦織良成監督の島根3部作の第3作に当たるらしい。 この路線を走る電車を駅側から見たのがこれ。何ともかわいい感じの電車である。○押してね ○「松江テルサのイルミネーション(ぐるっと松江2)」はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 9, 2009
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怪物界の王女でクールビューティの「姫」、その姫の血の戦士のヒロ、人狼とのハーフのリザそして吸血鬼の令裡といった愉快な?仲間達が、姫の兄弟たちが放つ刺客や他の怪物たちと戦っていくという、「怪物王女」(光永康則:講談社)の最新巻。○「怪物王女10」(光永康則:講談社) 収められて入る話は・墓場王女・屍王女・招来王女・錯綜王女・廃屋王女の5話。最初の4話が、メインストリー的な内容で、最後の一つは、メインストリーの流れからは少し外れたエピソード的な内容となっている。 ここでは、また新たなデュケーンという新たな王族が登場する。「姫」は「デュケーン兄さま」と呼んでいたが、全身タイツで、顔の下半分をマスクで隠し、マントを羽織るという、客観的にみれば、変なかっこうをしている。しかし、彼には何か秘密がありそうだ。「姫」の姉のシルヴィアも暗躍しているようだし、ますます謎が深まっていく。この後どうなっていくのかとても気になる。 ところで、この巻の身どころは、「廃屋王女」に出てくる9年後の令裡。いつものセーラー服とは違う大人の令裡が見られるのは、この巻くらいでは?○面白かったらポチっと1票! ○「怪物王女9」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 8, 2009
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旧岩崎邸庭園からそれほど遠くないところに東京大学がある。まだ実際に見たことがなかったので、そこまで歩くことにした。写真は、その東京大学のシンボルともいえる「赤門」。元々は、旧加賀藩主前田家上屋敷の御守殿門だったらしい。御守殿とは、三位以上の大名に嫁いだ徳川将軍家の姫君のことで、姫君の住居を表す意味としても使われた。その門を朱で塗る風習があり、これが俗に「赤門」と呼ばれたようだ。だから本来は、赤門はいくつもあったはずなのだが、現存しているのはここしかないということである。○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「旧岩崎邸庭園 東京ラプソディ8」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 7, 2009
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森博嗣の「今はもうない SWITCH BACK(講談社)」。デビュー作である「すべてがFになる」に始まるS&Mシリーズの8作目にあたるようだ。 お馴染みの犀川助教授と西之園萌絵の二人が、西之園家の別荘に車で向かう途中、萌絵が、かって起こった密室殺人と思われる事件について、犀川に話している。しかし、どういう訳か、萌絵が語る話の語り部は、なぜか笹木という人物なのだ。 デザイナーの橋爪の別荘にフィアンセと滞在していた笹木は、森林鉄道の廃線跡を歩いている途中で、道に迷っていた西之園嬢と出会い、彼女を橋爪の別荘に連れてくる。ところが、台風のため別荘は孤立し、同じくその別荘に滞在していた美人姉妹が別々の密室で死亡しているという事件が起きる。果たして殺人事件なのか。 てっきり、犀川がいつものように、密室殺人の謎を解くと言うような話しかと思っていたが、最後に意表を突くようなトリックが種明かしされた。西之園嬢が、笹木にキッスをされたり結婚を申し込まれたりして、途中からどうも、変だなともやもやした感じがしていたのだが、結局最後まで騙されてしまった。密室トリックの謎を解くと言うのもこの作品のテーマの一つではあるが、本質は一風変わったラブストーリーかな。○面白かったらポチっと1票! 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら(本記事は、「本の宇宙」と同時掲載です。)
December 6, 2009
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写真は、JR松江駅前にある「松江勤労者総合福祉センター」、通称「松江テルサ」の壁面を飾るツリーのイルミネーション。ここでは、色々なイベントが開催されたり、習い事などの文化活動が行われている。その昔、まだ鳥取に住んでいたころ、ここでポケモンの大会があったので、子供を連れて行ったことがある。○押してね ○「夜のJR松江駅(ぐるっと松江1)」はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 5, 2009
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TBS系列で12月2日に放映されていた「浅見光彦 ~最終章~」の第7話 「木曽編」。第6話の後編に当たる話だ。内容は、前回にも書いたように、7年前に起こった浅見家の悲劇、すなわち末の妹の裕子の死の真相の秘密を解き明かすというものである。 これも、前回に書いたが、原作の「後鳥羽伝説殺人事件」をベースに「皇女の霊柩」をふりかけとして、ぱらぱらと上からかけたという感じのドラマだ。 ○「後鳥羽伝説殺人事件」&「皇女の霊柩」 原作では、桐山が裕子の死に関わる中心人物となっており、人間的にも酷いやつと言った設定なのだが、ドラマの方はどちらかと言えば巻き込まれたような感じに作られている。ドラマの方の桐山、ファンが結構多そうなので、今回で出演が終わるのにがっかりしている人もいるかもしれない。 このドラマから得られる教訓は、「友は選べ」、「知らない男に近づくな」、「男は狼なのよ!」といったところか。気をつけないと、いつ事件に巻き込まれるかもしれないということなのだろう。(原作)・内田康夫:後鳥羽伝説殺人事件(出演)・沢村一樹(浅見光彦)・小出早織(浅見祐子)・森脇英理子(森村香菜) ほか○面白かったらポチっと1票! ○関連過去記事・浅見光彦 ~最終章~ 第6話 木曽編 - 浅見家の悲劇(前編)-・後鳥羽伝説殺人事件(三次市) 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 4, 2009
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これは、旧三菱財閥の総帥岩崎家の住居を公園として整備した「旧岩崎邸庭園」の中心建物である洋館だ。現在は都立庭園となっている。ジョサイア・コンドル と言う人の設計した、なかなかしゃれた建物である。ここには、この他に和館や撞球室もあり、中に入って見学できる。庭も広いし、昔の金持ちは優雅な暮らしをしていたものだ。○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「不忍池 東京ラプソディ7」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 3, 2009
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未練を持って死んだ者が「屍」となって、生きた人間を襲う世界。光言宗という密教宗派は、やはり未練を持って死んだ美少女たちを「屍姫」として蘇らせて、共に「屍」と戦っている。そんな世界を描いたホラーアクション漫画の「屍姫」。現在11巻まで出ているのだが、紹介するのが遅れ気味で、やっと8巻目である。○「屍姫8」(赤人義一:スクエア・エニックス) 強大な力を持った屍の王が蘇り、この8巻は、屍たちと全面的な戦いに入る前の中継ぎといった感がある。前巻で、主人公の屍姫・星村マキナが宿敵七星の一人重無(えな)を倒したが、その後の話から、マキナの契約僧であるオーリが結縁潅頂を行う話を経て、契約僧の一人嵩征と彼の屍姫イツキの辛い思い出話の前半までというのが、この巻の主な内容だ。だから、あまり大きなヤマ場というものはないのだが、光言宗のアラフォー若づくりのトップである神生”遍照権現”真世が出てくるのが、見どころと言えば見どころか。○面白かったらポチっと1票! ○「屍姫 7」の記事はこちら風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら*** 追伸 *** 村林 暁 さんのブログ「本魂!」で主催していた第五回本魂!書評記事コンテストに優勝しました。応援していただいた皆様ありがとございました。
December 2, 2009
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ここは、上野恩賜公園内にある「不忍池」。上野恩賜公園は、明治6年の太政官布達によって初めて公園に指定されたところだそうだ。「恩賜」の文字、大正13年に、当時の宮内省から東京市へ、「下賜」されたことから付いているらしい。東京のど真ん中ともいっていいようなところに、これだけの公園があるのはすごい。不忍池に映った高層ビルは、まさに東京らしい風景である。○買ったガイドブック:「東京都市図 文庫版」 ○他の人の読書ブログがたくさんあります。 ○「湯島天神 東京ラプソディ6」の記事はこちら 風と雲の郷 別館「文理両道」はこちら風と雲の郷 貴賓館「本の宇宙(そら)」はこちら
December 1, 2009
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