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「読書時間ゼロ分の大学生に訴えたい」というタイトルの本日の産経抄に西武ライオンズの菊池雄星投手のことが取り上げられていた。タイトル通り、若者に向けて読書をしてくれという内容だが、その中で彼のエッセイについてふれられていたのだ。そのエッセイは日経の連載コラム「読書日記」に書かれたものだった。このコラムは俳優や女優、詩人などの方が書いている、2回から4回程度の短いエッセイだ。その中で、プロ野球の選手は異色の人選だろうが、彼は読書好きで知られているので、それで選ばれたのだろう。菊池投手のエッセイは4回で、4回目の内容が書かれていた。取り上げられたのは沢木耕太郎の『敗れざる者たち 』に収録されている「クレイになれなかった男」についてだ。クレイとは、最近お亡くなりになったカシアス内藤というミドル級の有名なプロボクサー。世界チャンピオンを目指していたが、精神面の弱さからチャンピオンになれなかった。菊池投手はそこから、『やれることをすべてやらないと、絶対に後悔する。燃えつきよう、と誓った。』と書いている。その結果昨年の最多勝につながったという。他の回も読んだが、なかなか味わいのある文章だった。よくスポーツ選手の自伝とかが出るが、それらは殆どがライターの手になるもので、本人が書いているのはまれだ。そのまれな例の成功例だと思う。この読書日記は日経webに掲載されているが、全文を読みたければ会員登録しなければならない。限定で7日間だが、ご興味のある方はご覧になったらいかがだろうか。トップ画面から登録ができる。
2018年02月28日
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モーリス・ベジャール・バレエ団が彼の代表作の一つである「ダンシング・ベートーヴェン」を2014年に15年ぶりに上演するまでのドキュメンタリー。昨年はベジャール没後10周年で、日本ではこの映画は昨年末から公開されている。盛岡では先週の土曜日から公開されている。公開二日目の初回を観たが、ほかには誰もいなくて、貸し切り状態だったのは、寂しかった。インタビューアーは芸術監督のジル・ロマンの娘で女優のマリア。この団の関係者も多数インタビューに答えている。主役はベネズエラ生まれのオスカー・シャコンとキエフ生まれのカテリーナ・シャルキナ夫妻。大貫真幹と那須野圭右の二人の日本人も登場する。この作品は合唱団や独奏者に加えて多くの優秀なダンサーが必要だ。そのため1999年のパリ・オペラ座のパリ公演後依頼なかなか公演が実現しなかった。2014年に東京バレエ団の協力を得て東京での公演が実現した。映画では、実現するまでの苦労話一切出てこないが、観たかった気がする。最初は、スタッフやソリストへのインタビューとモーリス・ベジャール・バレエ団の本拠地であるローザンヌと東京での稽古の様子がうつしだされる。主役を予定カテリーナが妊娠したために降りたり、公演まじかに女性ダンサーが稽古中に足を捻挫するなどのアクシデントを乗り越えて、公演を成功させる。最後に実際の公演の模様もダイジェストで映し出される。オケが舞台中央奥に陣取り、合唱が左右に配置され、ダンサーはその前で踊るという趣向。会場はNHKホールだが、ステージの奥行きがなければ、こういう配置はできない。実演を見たらさぞや感動的なステージだったと思うが、いかんせんそのスケールの大きさはフィルムには納めきれなかったようだ。ただ、上から俯瞰する映像はステージに作られた円を中心とした幾何学模様と相まって、実際の実演では見ることのできない映像で刺激的だった。普段見ることのない稽古や本番でのダンサー達のだらだらと流れる汗が生々しく感じられる。それを見ているだけで、大変な運動量であることが分かる。ステージを遠目に観ているだけでは感じられない、肉体の運動としてのバレエを感じられる瞬間でもある。因みにバレエの人たちは、ああ見えても体幹が凄く鍛えられていて、一流のアスリート並みだという。伴奏はメータ指揮のイスラエル・フィル。あまりぱっとした演奏ではない。バレエだと踊りやすいテンポをキープしなければならないので、少しもどかしいところもある。イスラエル・フィルはまあまあだろうが、サウンドがもっさりして、いまいちだ。世界のオケは急速に進歩しているが、ここは時流に乗ってはいないようだ。NHKホールでの公演はブルーレイでリリースされているが、いかんせん高い。TSTAYAでのレンタルもないようだ。バレリーナの体幹力のすごさについては、こちらにさわりが書かれてある。公式サイト
2018年02月26日
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ストップモーション・アニメの傑作『kubo 二本の弦の秘密」が土曜日から公開されたので、北上に観に行った。日本での公開は11月からだったので、もう終わっていたのかと思っていたが、気がついて良かった。予備知識はほとんどなかったが、凄くいいアニメだった。第89回のアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされたのも頷ける。週に3.1コマしか撮影できないので、いったい何年かかったのだろうか。考えただけで気の遠くなるほどの忍耐が必要だろうし、それをやり遂げたことには本当に頭が下がる。この映画では折紙が活躍している。kuboが三味線を弾くと、折紙がひらひらと舞うのだが、如何やって撮影したのだろうか。吊るしておいて動かすのだろうが、いろいろな動きをするし、かなり高速に動くので、手間はすごくかかったと思う。何気なく観てしまうが、細部まで手を抜かない仕事は立派。物語は、父親ハンゾウのいないクボが「父の刀、鎧、兜を探し出しなさい」という母親サリアツの残した言葉に従って、ニホンザルとカブトムシと一緒に戦いの旅に出るというもの。キャラクターのうち、ニホンザルとカブトムシは愛嬌があって良かった。また、クボたちの水先案内を務めるハンゾウの折り紙のしぐさがとてもコミカルだ。クボや母親たちの目がつり上がっているのは、外国人が考える日本人のイメージそのものだろうが、それほど抵抗感はなかった。他では、村のおばあさんがいい感じだった。砂漠に斜めに埋もれた巨大な仏像は、結構インパクトがあった。これは日本人には真似できないセンスだろう。全体的には純和風ではなく、中国風なところもあった。特にkuboの祖父(月の帝)の装束で襟が立っているのは違和感があった。日本語吹き替え版だったが、アニメは吹き替えの方が楽しめる。理由は日本の声優の方が断然うまいからだ。とくに今回は日本を題材にしているので、英語だとかえって違和感があったと思う。6月にDVDが出るので、その時に、日本語と英語の比較をしてみたい。音楽は「つぐない」でアカデミー作曲賞を受賞しているイタリア生まれのダリオ・マリアネッリ。三味線、尺八、琴などの和楽器を加えたフル・オーケストラの音楽が、ダークな色調の壮大なスケール感を感じさせる。三味線が出てくると、外国人の考えた邦楽みたいなところが感じられ、すこしちゃらい。和楽器の中では尺八がオケと一番しっくりくる。エンドロールでの浮世絵風のバックも洒落ている。全体として日本人が作ればもう少し透明感が出たと思うが、アメリカ人の作った日本の昔話としては、少し暑苦しい部分があるにしても、よくできていると思う。特に灯篭流しのシーンは実に美しかった。公式サイトメイキング映像他にもいろいろアップされている。
2018年02月24日
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予告編を観て面白そうなので観に行った映画。フィニアス・テイラー・バーナムの半生を描いたミュージカル映画。予備知識はまったくなかったのだが、観ているうちに、バーナム&ベリーのバーナムだと分かった。吹奏楽では定番のキングの有名なサーカス・マーチ「バーナムとベイリーのお気に入り」を知っていたことからの連想だ。キレキレのダンスとノリのいい歌が繰り広げられ、ウキウキしてくる。気がついたら足を踏みならしていた。がらがら(多分五人ぐらい)だったので、他人には迷惑はかかっていなかったはずだが、混んでいたら迷惑この上ない。ストーリーは実際の生涯と違うところが所々あるようだが、登場人物で重要な役どころは殆ど実在の人物。サーカスの出演者が大部分で、当然かも知れないが、キャラが立っていて、みんな生き生きとしている。最も強烈な印象を与えるのはレティ・ルッツ役のキアラ・セトル。たくましいあご髭をはやしたご婦人。実物はただの太ったおばさんなので、その落差が激しい。それがいったん口を開くと、ゴスペル風の強烈な歌声が響く。サーカス団の中ではもう一人、フィリップ・カーライル(ザック・エフロン)と恋仲になるブランコ乗りのアン・ウィーラー(ゼンディア)が印象に残った。引き締まって柔軟な肢体がサーカスのブランコ乗りに相応しい。スタントは使っていたのだろうか。彼女はシンガー・ソングライターでもありCDもリリースしている。ザック・エフロンとの「Rewrite The Stars」は甘いバラードだが、後半の盛り上がりはなかなかだ。主人公のヒュー・ジャックマンはミュージカル出身なので堂に入ったもので、貫禄十分の歌と演技だった。ただ、老け声なのはどうしようもないことだが、惜しい。バーナムと全米を興行するスウェーデンのオペラ歌手ジェニー・リンド(1820 - 1887)役は同郷のレベッカ・ファーガソン。リンドがバーナムと組むのは彼女オぺラを引退した翌年(1850)で、30歳の時。ファーガソンは今年で35歳なのでほぼ同じ年だが、アップだと少し年を取りすぎている感じがする。「Never Eunogh」という歌をフル・コーラス歌っていたが、それほどいい歌とは思わなかった。最初観てだれか分からなかったバーナムの奥さんのチャリティは「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に出演していたミシェル・ウイリアムズで、役どころからいってそれほど印象には残らなかったが、歌も歌っていた。「Thightrope」という歌で、声が美しく、かなりうまいのには驚いた。物語りは、バーナムが子育てのため、興行から足を洗うところで終わる。これ以後バーナムは政界に進出してコネチカット州で活躍した。彼が立法したコネチカット州の避妊法は1965年まで有効だったそうだ。アメリカ人なら誰でも知っている人物だろうが、彼の後ろ暗い部分はあまり出てこない。まあ、一種の英雄譚なので、これでいいのだろう。この映画を見ると、バーナムという人物は、癖があるものの、先進的で、なかなか魅力的な人物であることが分かる。バーナムの生涯公式サイト
2018年02月21日
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Naxosでグレインジャーの吹奏楽作品の全曲録音のプロジェクトが始まった。演奏は、doyenやNaxosなどでお馴染みの王立ノルウェイ海軍バンド。Naxosなので、価格は安いが、輸入だと送料がかかってしまうのが悩みの種。presto classicalのサイトを見ていたら、24bit/96kHzのflacが1400円代だったので、これを購入した。ここはダウンロード音源が安く手に入れることができるので、重宝している。因みにここではCDは900円くらいで、送料は最初の1枚が520円、2枚目から270円だったと思う。グレインジャーのまとまった録音はChandosが行なっていたと思うが、完全な全曲録音ではなかったと記憶している。今回は正真正銘全曲録音らしく、編曲版も全曲収録されているようだ。このCDで使われているかどうかは不明だが、楽器もハモンド・オルガン、ティン・ホイッスル、スイスのハンド・ベル、バス・サクソフォン、スチール・マリンバフォンのような、グレインジャーが求めている楽器を使用したとのこと。因みにスチール・マリンバフォンとは普通のマリンバの鍵盤が鉄の合金でできている物らしい。実際の音はこちら。学校などの放送で声を出す前に聞こえてくる鉄琴をマレットで叩く音と似通っている。よく知られている曲は「岸辺のモリー」「ヒルソング第2番」「シェファード・ヘイ」くらいだが、他の曲もたのしめた。「chosen gems for winds」(管楽器のための珠玉選)は他の作曲家の編曲を集めたもの。全曲で何曲あるかは分からないが、ここでは5曲取り上げられている。この中では、フランクのコラールのオルガンを思わせる重厚なハーモニーが心地よい。総じて、どの曲もグレインジャー特有の分厚いハーモニーで、アレンジャーがいい仕事をしている。殆どがテンポの遅い曲だが、引き締ていて、ダレることがない。低音は薄いが、ハーモニーが透明で、爽やかさが感じられる。大変洗練された演奏で、民族色はあまり感じられないが、不満はない。聞いたことのない曲では,ダウランドの歌曲「こそ別れねばならぬ」が新鮮だった。テノールとピアノから始まり、後半管が加わるというもの。イギリスのバロック音楽のテイストも感じられ、心が和らぐようだ。ただ、個人的にはピアノではなく、リュートかギターの方が好ましい。管が加わってからは、それまでの素朴な歌が一転してグレンジャーのダークな世界に変わるところも聞きものだ。ポピュラーな曲の中では、『岸辺のモリー」が通常よりかなり速いテンポがもたらす緊張感と、ダイナミックスの幅が広く、この曲のイメージを一新したスリリングな演奏だろう。録音は、あくまでも透明で押し付けがましさがないが、テュッティで少し派手になるのは惜しい。Grainger:Complete Wind Band Music Vol. 1(naxos 24bit/96kHz flac)1.Molly on the Shore (version for wind ensemble) 2.Bell Piece (ramble on J. Dowland's Now, O now I needs must part) (version for voice and wind ensemble) 3.Marching Song of Democracy (version for wind ensemble) 4.Bach - O Mensch, bewein' dein' Sünde gross (arr. K. Brion and M. Brand for wind ensemble and mallet instruments) 5.Let's Dance Gay in Green Meadow, "Faeroe Island Dance" (version for wind ensemble) 6.Country Gardens (2nd version) (version for wind ensemble) 7.Lawes - 6 - Part Fantasy and Air No. 1 (version for wind ensemble) 8.Hill - Song No. 2 (version for wind ensemble) 00:05:04 Show Details Goossens - Folk-Tune (Op. 38, No. 1)9.Goossens - Folk - Tune (Op. 38, No. 1) 00:02:43 Show Details Shepherd's Hey (version for wind ensemble)10.Shepherd's Hey (version for wind ensemble) 00:02:04 Show Details Room-Music Tit-Bits: No. 3. Walking Tune (version for wind ensemble)11.Room - Music Tit - Bits: No. 3. Walking Tune (version for wind ensemble) 00:03:5012.Spoon River (arr. W.S. Carson and A. Naylor for wind ensemble) 00:04:0613.Parker - 4 Musical Sketches: No. 2. Down Longford Way (version for wind ensemble) 14.Fauré - Sérénade toscane15.Franck - Chorale No. 2 (M. 39) 00:12:30 Royal Norwegian Navy Band, EngesetRecorded: 17–21 November 2014,20–24 April 2015,25–29 January 2016 at Torpedoverkstedet, Karljohansvern Horten, Norway2 June 2016 at Nilento Studios, Kållered, Sweden
2018年02月18日
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先日、moraでジャズ・ピアノのハイレゾ音源のセールをしていることを知り、購入したアルバム。¥3200を¥1800という価格で、下手をしたら、輸入盤のCDより安いかもしれない。このコンビでの作品はこのアルバムで3作目、2作目から10年経っていて、スペイン三部作?の完結編とのこと。当ブログは、この言い方自体売らんかな、の姿勢が感じられ、あまり好きでない。これは蛇足。当ブログが最初に聞いたのは、2作目の『スペイン・アゲイン』(2006)ジャケットのイラストが印象的で、今から思うとジャケ買いの一種だろう。優れた出来で、昔は繰り返し聞いたものだ。その後で聞いた1作目の『スペイン』(2000)は、2作目に比べてあまり良くなかった。今度の作品はジャズというよりポピュラー寄りになっている印象を受ける。まあ、上質な音楽なことは確かで、気楽に楽しんでもらえればと思う。ボサノヴァ、ピアソラ、映画音楽、など軽い曲が並んでいる。チックの「アルマンドのルンバ」が少し異彩を放っている。サティーの「グノシェンヌ」も少し違和感がある。日本盤のボーナストラック「ラス・ドス・ロレッタ」はライブ録音で音がやせている。演奏も他の曲とは違って、両者の熱いせめぎあいがあり(それはそれで面白いが)他の曲のカラーとは違うような気がする。それに、観客の声が結構大きく入っているところを見ると、客席でのプライベート録音かもしれない。CDには入っているとはいえ、今回はハイレゾなので追加しなくてもよかったように思う。全体にテンポ遅い曲が並んでいるためか、両者ともあまり音数は多くない。いつも饒舌なカミロよりも、トマティートのほうが音数が多いくらいだ。ところで、今回のバーゲン、ビル・エヴァンス、ハービー・ハンコック、ホレス・シルバー、セロニアス・モンク、キース・ジャレットなど30タイトルが並んでおり、比較的新しい音源もあり、なかなか魅力的なセールスだ。3/6までの期間限定なので、環境が整っていて、ご興味のある方にとって見逃せないセールだろう。Michel Camilo,Tomatito:Spain Forever(Universal Music 96kHz/24bit)1.Egberto Gismonti:Agua E Vinho2.Charlie Haden:Our Spanish Love Song3.Astor Piazzolla:Oblivion4.Erik Satie:Gnoissienne No.15.Ennio Morricone:Cinema Paradiso6.Ennio Morricone:Love Theme Cinema Paradiso7.Django Reinhardt: Nuages8.Luiz Bonfa:Manha De Carnaval (Black Orpheus)9.Michel Camilo:About You10.Chick Corea:Armando's Rhumba11.Mike Mainieri:Las Dos LorettasMichel Camilo(p)Tomatito(g)
2018年02月16日
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今シーズンの北上サロン音楽会の3回目は盛岡出身の佐藤彦大(さとうひろお)が『ファツィオリ」を弾くコンサート。佐藤彦大は日本音楽コンクール第1位、仙台国際音楽コンクール第3位など、国内外の色々なコンクールでの入賞が多数ある。現在東京音楽大学講師で、CDは二枚リリースしているそうだ。「ピアノリサイタル」はレコード芸術誌で準特選になっているので、ある程度は評価されているようだ。当ブログは全く知らない。いつも読んでいるレコード芸術の器楽部門の推薦盤が多すぎて記憶できないという事情もある。近年推薦盤が多いのは、それだけ優れた演奏が多いのだろうが、販売するほうも、困ったことであるに違いない。勢い、知っている演奏家のCDに手が出るということになるので、名前の知られていない演奏家には不利だ。閑話休題今回の演奏会、全く期待していなかったのだが、結構面白かった。前半はモーツァルトのソナタとショパンの作品。モーツアルトは第10番のソナタ。第二楽章の途中まではあまり面白くなかったが、第2主題が出るところから精彩のある演奏が聴かれた。ところが、いつまでたっても終わらない。終わったのMCで第3楽章の展開部と再現部を繰り返したとのこと。現在は省略することが多いということだったが、なるほど長ったらしかった。演奏は細かい音符が続くところが僅かにアチェレランド気味になり、落ち着かない。それに、音にばらつきがあり、テンポが詰まり気味になることがあるのも気になる。第二楽章のアンダンテ・カンタービレはなかなかいい演奏だったので、この人は遅い曲のほうが向いているのかと思った。ショパンは作品34の「3つの華麗なる円舞曲」、夜想曲第20番、そして「舟歌」というプログラム。「3つの華麗なる円舞曲」でもテンポの遅い第2番が、よかった。ただ、この曲の特徴である陰鬱な気分がもう少し表れてもよかったような気がする。「猫のワルツ」はテンポが速すぎて、曲の美しさが犠牲になっている。「夜想曲第20番」は曲の透明感と可憐な美しさが十分出ているとは思えなかった。最後の「舟歌」はスケールがあまり大きくなく、あまり楽しめなかった。休憩のあとは、最初ラヴェルの「マ・メール・ロワ」が演奏された。マ・メール・ロアはオケかピアノ4手が普通で、ピアノ・ソロでの演奏はあまりない。氏の懇切丁寧な解説がとても参考になった。「美女と野獣の対話」の最後のほうで野獣の旋律が高い音域で演奏される部分は、野獣が王子様になった情景を表しているというお話をされていた。オケだとソロ・ヴァイオリンが演奏するところだが、そんなことは考えたこともなかったので、とても参考になった。演奏は弱音に特化するわけでもなく、サウンドが透明なわけでもないが、まずまずだろう。この曲でも細かいパッセージが切迫気味で気になる。バスは前半に比べて鳴っていたので、前半はあえて抑えていたのだろう。最後はベートーヴェンの「熱情」今回最も素晴らしい演奏だった。一流どころと何ら遜色のない演奏だった。モーツァルトと同じく第3楽章は展開部と再現部を繰り返したが、全く気にならなかった。テンポが速いということもあるだろう。ミスは少ないほうだが、第2楽章でのミスは目立つ。モーツァルトでも第2楽章で音を間違えていたので、どうせ間違えるなら、速い楽章で間違えてほしかった。アンコールは3曲と大判振る舞い。印象に残ったのはリスト編曲のシューベルトの「魔王」力感に満ちた演奏で楽しめた。最後はこれもリスト編曲のシューマンの「献呈」最近はやっている曲だが、あまり高揚感はなかったのが残念。ということで、なかなか楽しめたのだが、今回のコンサートはファツオリを弾いたことに意味があるが入れ物があまりよくなく、ファツオリの良さが十分に出ていたとは思えない。聴いているときに、これが大ホールだったらなと何度も思ってしまった。佐藤彦大ピアノ「ファツオリ」コンサート前半1.モーツアルト:ピアノ・ソナタ第10番ハ長調k.3302.ショパン:3つの華麗なる円舞曲作品343.ショパン:夜想曲20番嬰ハ短調(遺作)4.ショパン:舟歌ヘ長調作品60後半1.ラヴェル(シャルロ編曲):マ・メール・ロア2.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調作品57アンコール1.メンデルスゾーン:無言歌集より 「春の歌」 作品62-62.シューベルト(リスト編):魔王3.シューマン(リスト編):献呈佐藤彦大(p)2018年2月12日 北上市文化交流センターさくらホール 小ホール
2018年02月14日
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tsutayaで佐藤允彦をチェックしていて、偶然見つけた一枚。本当は「邪馬台賦」を聴きたかったのだが、現在入手困難な状態だ。仕方なく、このCDを借りたのだが、これが素晴らしくいい。このCDは1970年の録音で2016年にSHM-CD仕様で初CD化されたもの。「日本の古典的主題による」という副題にしたがって、4人の作曲家が作曲した作品をニューハードが演奏するというコンセプト。無明頌では琴がフィーチャーされている。演奏者は桜井英顕(さくらい・ひであきら)という方で、当ブログが連想することとは違って、実に荒々しく武骨だ。緊張感も半端なく、ドキッとする瞬間もある。琴だけだとそれほどでもないが、バックの不協和音を伴ったハーモニーが一層緊張感を助長する。実に恐ろしい音楽だ。白拍子(しらびょうし)とは、『平安朝末期に起こった歌舞。また、それを舞う遊女』という意味。男装の遊女や子供が今様や朗詠を歌いながら舞ったもののこと。因みに源義経の妾、静御前の職業は白拍子であった。冒頭のマッシブなサウンドが「白拍子」という名前からくる優雅な印象とは全く違っている。全体的には平安時代の気分が横溢していて、日本人の作品らしさが感じられる。野蛮なトロンボーン・ソロがすごい迫力だ。中間部で速いテンポになってからの疾走感も半端ない。プッツン気味のアルト・サックスのソロも圧倒的な迫力だ。ただ気になるのは終わりが突然切れていることだ。何故だろう。前田憲男の「生霊」は怖いほうの生霊のようだ。ミンガス風の野蛮でアナーキーなサウンドでどの楽器も暴れまくる。声明を思い起こすサックスの不協和音のグリッサンドも効いている。こんな生霊のとりつかれたらひとたまりもないだろう。山本幸三郎の「千秋楽」はもちろん相撲の千秋楽のこと。この音楽もミンガスの影響が強い。ソプラノ・サックス・ソロから始まる中間部の日本的な情緒が感じられる音楽もいい。録音は50年も前の録音とは思えないような切れがある。ということで、改めて、当時のニューハードの実力を思い知らされた。おそらく当時のジャズ界の最先端をいくビッグバンド・ジャズだったのであろう。ところで、最近は70年代、80年代の日本のジャズはあまり顧みられていない気がする。最近その頃の再発物を聴く機会が多いが、当時の日本のジャズのレベルの高さに驚かされる。このCDはその中でも最上級の成果だろう。芸術祭優秀賞を受賞しているのも頷ける。宮間利之とニューハード:四つのジャズコンポジション(universal UPCY-9546)1. 佐藤允彦:無明頌2. 山本幸三郎:千秋楽3. 前田憲男:生霊4. 高見弘:白拍子宮間利之とニューハード・オーケストラ 録音 1970年8月12-14
2018年02月12日
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今年度のアカデミー賞6部門でノミネートされている「スリー・ビルボード」を観る。原題は「Three Billboards Outside Ebbing, Missouri」(ミズーリ州エビングの外の3つの看板)大層評判がいいのだが、公開二日目の日曜日にもかかわらずあまり入りはよくない。内容は、娘をレイプで殺された母親ミルドレッドが、捜査の遅れに業を煮やして、実力行使に出るというお話。具体的にどういう行動に出るかは映画を見ていただきたいが、奇想天外な行動をとる、何ともパワフルな女性だ。ミステリー性もあり、後半に従ってどんどん面白くなるのだが、途中で終わってしまう感がある。いわば、途中で餌を取り上げられた、イヌの気分を味わっているみたいで、何とも残念だ。あとは観客の想像に任せるといったところだろうか。結構つじつまの合わないところもあるが、本筋には関係ないので、あえて深入りしないというところもある。キャストは一癖も二癖もある俳優をそろえていて、いかにもうさん臭いという感じだ。主人公ミルドレッド役のフランシス・マクドーマンドは、そこら辺にいる初老の主婦といった感じで、顔を見たとたん、当ブログが通っているスイミング・スクールのメンバーの顔を思い出してしまった。この映画はミルドレッドの静かな怒りから始まっているのだが、フィクションとはいえ、このようにアクティブというか破天荒な行動にでる女性はあまりいるとは思えない。彼女の行動が周囲を巻き込んでいく様子も、よく描かれている。警察の悩みもよく分かる。解決出来て当たり前の世界なので、其れが出来ない時にクレームをつけられてもどうしようもないこともあるのだ。当地のウィロビー警察署長(ウディ・ハレルソン)はいかつい顔で、あまりいい印象はない。ただ、いなくなった後でいい印象をも持たれるのは珍しいことで、文字通り役得だろう。悪徳警官ディクソンを演ずるサム・ロックウェルは適役だ。われわれの想像する典型的なアメリカの悪徳警察官を演じている。この役も、最後は観客の好感を呼ぶように変質していくところは、常套手段とはいえ、うまい脚本だ。ミルドレッドの別居している?夫チャーリー(ジョン・ホークス)の恋人ペネロープ役のサマラ・ウィーヴィングがいい。少し癖はあるものの、年寄りが多いなかでは、若々しさが際立っていた。ミズーリというアメリカ南部の田舎で、人種差別がいまだに色濃く残っていることを思わせる描写もある。ジャズの名盤「ミズーリの空高く」のイメージそのものの世界が広がっている。カーター・バーウェルの音楽はギターを中心にした静かなもので、南部の音楽の香も感じる。なお、冒頭で日本では「庭の千草」として有名な「夏の名残のばら」が前面に出てくるのは、少し唐突感がある。何故、アイルランド民謡が出てくるのかはよくわからないが、映画にあっていることは確かだ。キリ・テ・カナワの声に似ていると思って後で調べたら、ルネ・フレミングの歌だった。公式サイト
2018年02月10日
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シャイー指揮のルツェルン祝祭管弦楽団のCDを聴く。昨年のルツェルン音楽祭でのライブで、ストラヴィンスキーの「春の祭典」と初期の作品を集めたプログラム。この組み合わせでは、マーラーの第8番の交響曲がDVDで出ているだけで、CDは初めて。シャイーは昔からストラヴィンスキーを取り上げることが多く、有名な曲だけでなく、あまり知られていない曲や演奏されない版も好んで演奏している。シャイーはプログラミングに特徴があり、ありふれた曲の時も、なにか新しいものを入れて、付加価値を付けることが多い。当ブログはそのようなプログラミングが好きで、結構愛好している。今回も、「葬送の歌」の世界初録音という目玉が入っている。「葬送の歌」はリムスキー=コルサコフのトリビュート作で、1908年に作曲されている。翌年初演されたが、その後紛失し、2015年春にサンクトペテルブルク音楽院でスコアが発見された。蘇演はゲルギエフが行なっている。ストラヴィンスキーの初期作品特有のロシア的な抒情と沈鬱な気分が全体を覆っているが、それほど面白いとは思わない。続く2曲は何度か録音している筈だ。どちらもシャイーとルツェルン祝祭管の組み合わせには適した曲で、文句なしに楽しめる。特に「幻想的スケルツォ」がいい。ソプラノの独唱が入った組曲『牧神と羊飼いの娘』はナッセンがクリーブランド管を指揮した盤があり、よく聴いていたはずだが、記憶になかった。ストーリーを感じさせる音楽で、アニメの音楽みたいなところもあり、映像が目に浮かぶようだ。第1曲の出だしはベルクの初期の7つの歌を思い浮かべるような世界が広がる。ソフィー・コッホ(コッシュ)の独唱はよかった。彼女はフランスのメゾ・ソプラノで、メトやロイヤル・オペラで活躍しているようだ。経歴から見て40歳代だろう。バックは立派だが、この音楽では、もう少ししなやかさが欲しい。メインの「春の祭典」は新機軸は聞かれなかったが、現代のヴィルトゥオーゾ・オーケストラの実力が発揮された演奏。第1部の終結部はテンポを速め、かなり追い込んだ演奏が聴ける。特に目新しさは感じなかったが、冒頭のファゴット・ソロの異常な遅さ、第1部終結部のコードをなぜか伸ばしているところ、レガートの処理など、従来の演奏から比べると、少し違和感があったことは確かだ。第1部の中間部のクラリネット・ソロでの音抜けは、ライブ特有の事故だろう。出来としては第2部のほうがいい。ところどころで聞かれる管のソロのサウンドがとても魅力的だ。ただ、サウンドが肥大化しすぎているし、そのためかリズムの切れに難がある。もう少し引き締まった音が欲しいところだが、臨時編成のオケの限界だろうか。録音は普通だが、大音量は少し混濁気味だ。Stravinsky:LeSacre du Printemps(DECCA 483 2562)1.Chant funebre, Op. 52.Feu d'artifice, Op. 43.Scherzo fantastique, Op. 34.Faune et la bergere, Op. 2 I. La bergere II. Le faune III. Le torrent7.Le sacre du printemps Pt. 1 "L'adoration de la terre" Pt. 2 "Le sacrifice"Sophie Koch, Riccardo Chailly & Lucerne Festival OrchestraLucerne Festival Orchestra & Riccardo ChaillyRecorded KKL Lucern,Switzerland,16,17,19 August 2017
2018年02月08日
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17年ほど乗ってきた車が、いろいろなところでガタがきた。数年前から買い替えを検討していたが、お目当の車のモデルチェンジが遅れ、入手するのが2年ほど遅くなってしまっていたからだ。注文してからも4ヶ月もかかり、昨日やっと納車された。前の車はマニュアルだったが、代車で使っていた子供の車がオートマでいい加減慣れたころに、またマニュアルに戻った。そのせいか、左足が少し痛い。今度の車はバックになると全方位モニターという車の周囲を上からから見たような映像が出る機能がある。便利なので欲しかったが、標準装備ではなく、対応するナビ限定だった。車載オーディオもハイレゾを導入しようと思っていたが、全方位モニター対応の純正ナビは一種類だけで、高いし、ハイレゾ対応ではない。全方位モニターもハイレゾもなんとか対応したいので調べてみた。普通のナビを全方位モニターに対応させるアダプターがBeat-Sonicというメーカーから出ていることが分かった。ところが、見つけた時点では、購入予定のモデルには対応していない。メーカーに聞いてみたら、新しい車のため、使えるかどうかわからないとのこと。そのメーカーは新しい車が出ると、近場でその車を持っている人を募って、見つかったら、車を借りてテストするという方法で対応しているという、なんとも気の長い話。今度の車がなかなか対応しなかったので、見切り発車で買おうと思って、その前に確認したら、なんと対応済みとのこと。早速購入し、ナビもflacが読めるケンウッドの彩速ナビを購入。ハイレゾはUSBかSDから読み込ませる方法だ。当ブログはNASのデータをマイクロSDカードにコピーして、それで動かしてみた。曲を選ぶのは、普通のPCのファイラーと同じ感覚でできるため、スムーズに選曲できる。アルバムタイトルや曲名、演奏者、それにジャケ写も表示され、普段、家で操作している感覚と変わらない。flacは24bit/96kHzのファイルを使ったが、全く問題ない。PCやiPadのアプリで選択直後の曲では開始時ノイズが出たりするが、そういう現象もない。あとは、ギャップレス再生ができるかだけだが、明日にでも試してみたい。まあ、ギャップレス再生は、オペラや長い管弦楽などに限られるし、BGMなので、なくても耐えられないことはないと思う。今までは、多数のCDを入れ替えて聞いていたが、そういう手間もなくなるし、車を運転するときのストレスが減ることは有難い。また、ハイレゾ再生の一連の作業がシームレスにできるようになったことも大きい。ただ、SDカードの容量は検討が必要のようだ。flacは24bit/96kHzでアルバム当たり1.5GB~3GBなので、アルバム20枚ほどが入るSDカードを使ったが、もう少し容量の大きいもののほうが、コスパや使い勝手がいいかもしれないからだ。ギャップレス再生はまったく問題なし。ただ別の問題があった。ジャケ写のサイズに制限があり、大きいと表示されない。どれぐらいかは、調べないとわからない。(2/7追記)
2018年02月06日
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ノルウェイ出身のアンスネスがお隣のフィンランドのシベリウスの作品を集めたCD。当ブログはシベリウスのピアノ曲は全くの不案内というか、管弦楽以外の作品はほとんど知らない。このCDでは作曲者自身の編曲による「悲しきワルツ」のピア版しか知らない。実はシベリウスはいずれも小品ながらピアノ曲120曲以上作曲しているようだ、このCDを聞く前は、シベリウスらしい、凍てつくフィンランドの風景を思い出させる音楽だろうと思っていた。確かにそういう音楽もないではないが、冷たく仄暗い中に垣間見えるロマンチックな気分が味わい深い。中にはピアノのためのバガテルの 行進曲のようにリズミックでコミカルな作品もある。民謡を使ったソナチネ第1番などは素朴な味わいがあり、グリーグとの共通点を感じさせる。ブラームスの間奏曲に通じる、枯れた味わいも感じられる。ソナチネ第1番のラルゴでの、静かな叙情も魅力的だ。アンスネスが「隠れたピアノの宝石」と呼んでいるが、つまらない曲はない。特に気に入ったのは、作品75の「ピアノのための5つの小品」からの、Granen。ロマンがこぼれ落ちるような作品で、プーランクのピアノ曲に似た実に魅力的な旋律だ。シベリウスのいかつい風貌からは想像できない柔らかな音楽だ。作品76の「ピアノのための小品」からのElegiacoも短いながらも、悲しみを湛えた表情が美しい。作品79のバガテルの第4曲の「おどけた行進曲」はその名の通り、リズミックでコミカルな作品で、シベリウスの別の顔が伺える。同じ曲集のシューマン風の「Lied」は、その名の通り歌詞をつければ立派な歌になりそうだ。アンスネスの演奏は、激しい部分でも、抑制が効いていて、とても落ち着いた演奏。ロマンチックな曲でも、アゴーギクは抑制的で格調高い。シベリウスのバラエティに富んだピアノ曲の魅力を、じっくりと聴き手に伝えてくれる。透明感のある録音も曲に相応しく、今後長い付き合いになる気がする。Leif Ove Andsnes:Siberius(Sony Music 88985408502)Jean Sibelius:1.6 Impromptus, Op. 5 Impromptu V Impromptu VI3.Kyllikki - Three Lyrical Pieces for Piano, Op. 41 I. Largamente II. Andantino III. Commodo6.10 Pieces for Piano, Op. 24 Romance, No. 9 Barcarola, No. 108.10 Pieces for Piano, Op. 58: Der Hirt, No. 49.Valse triste, Op. 44, No. 1 (Arranged for Piano)10.Sonatina No. 1, Op. 67 I. Allegro II. Largo III. Allegro moderato13.Five Pieces for Piano, Op. 75 Björken, No. 4 Granen, No. 515.2 Rondinos for Piano, Op. 68: Rondino II16. 13 Pieces for Piano, Op. 76: Elegiaco, No. 1017.6 Bagatelles for Piano, Op. 97 Impromptu, No. 5 Humoristischer Marsch, No. 4 Lied, No. 220.Fünf Skizzen, Op. 114 I. Landschaft II. Winterbild III. Der Teich IV. Lied im Walde V. Im FrühlingLeif Ove Andsnes(p)Recorded December 8-10,2016 Teldex Studio,Berlin
2018年02月04日
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キアラ・パンカルディの新作。前作がジャズ批評のベスト・ボーカル賞を受賞していて、なかなか良かったので、そのつながりで聞いた。当ブログは、印象が良かったミュージシャンは結構フォローし続けていることが多い。女性ジャズ歌手だと、ジェーン・モンハイト、ロベルタ・ガンバリーニなど。このパンカルディもその一人になりつつある。今回のアルバムは前作に比べて、歌唱力が上がっているように思う。また、前作で少し気になった癖も修正されていて、一曲目の「everything I love」から清々しい歌唱でひきつけられる。今まで聞いたことのないような爽やかさが、何とも言えない。こういうのは、技術だけではどうにもならないものだろう。生来の気質が歌唱にも反映したのだろうか。殆どの曲では、バックがベースとピアノだけなのも、余計な夾雑物がなくて、すっきりしている。もっとも、ボーカルが絶叫調になりがちで、やかましいということもあり、丁度いい加減になっているのかもしれない。ダリル・ホールはアメリカのフィラデルフィア生まれで、パリ在住のべーシスト。サウンド、テクニックとも申し分ない。特にサウンドはとても美しい。ピアノのカーク・ライシーはデトロイト生まれで、今年81歳になる。1960年代にチェット・グループで活躍したそうだが、当ブログは初お目見え。リーダーアルバムも14枚作っている。 wikiブロック・コードを多用する力強いバッキングが、パンカルディのヴォーカルに相応しい。アドリブも、ごつごつとしたフレーズで、特徴的だ。どことなく、エディ・コスタを思い出させるピアノだ。バラードでの流麗な滋味あふれるバッキングも素晴らしい。トランペットとハーモニカの起用もはまっている。目玉は「reverse the charges」だろうか。これはジミー・ロウルズの名曲「ピーコック」に歌詞をつけたものだ。ピアノをバックに、ハーモニカがオブリガートをつけるという編曲が素晴らしくいい。「オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」ではバースから歌っている。バースから歌っている歌手は今まで聞いtことがなかった。フレージングがロベルタ・ガンバリーニに似ているが、どちらもイタリアの歌手であることも関係しているのだろうか。このナンバーを含めて、スキャットも聞かせている。前作でも感心したが、カミーユ・ベルトーを聴いてしまうと、彼女と比較してしまう。タイトル・チューンの「What is there to say」もリズミックでノリがいい。全体にさっぱりとした、静寂間の感じられる録音も素晴らしくいい。Chiara Pancaldi:What is There to Say(Charenge Records CR73435)01.Cole Porter : everything I love02.Folk Traditional : black is the color of my true love's hair03.Mel Torme/R Wells : born to be blue04.E.Y. Hurburg/Vernon Duke : what is there to say05.Duke Ellington : I don't mind06.N.Winston/Jimmy Rowles : a timeless place07.P.F.Webster/M.L.Williams : reverse the charges08.L.Shay/M.Fischer/J.Goodwin-J.Mchugh/D.Fields : medley - when you're smiling - on the sunny side of the street09.Billy Strayhorn : love came10.B.Johnson : since I fell for youChiara Pncaldi(vo)Kirk Lightsey(p)Darrili Hall(b)Jeremy Pelt(tp track4 only)Laurent Maur(harmonica track 6 only)Recorded March 28,2017,Studios de Meudon,Paris,France
2018年02月02日
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