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中国帝王図(著者:田中芳樹/皇なつき|出版社:講談社文庫) 中国の歴代の皇帝・王のうち二十数人の画と説明文。説明は個人だけでなくその王朝の歴史にもふれているので、人名辞典よりわかりやすい。 絵については、うまいなあ、と思うがそれ以上はわからない。 晋の恵王の賈后など、醜女ということなのに、絵を見ると美女に見える。 醜男はかけても、醜女に書くのはむずかしいのだろうか。
1999.02.20
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大田区で生まれ育ち、ずっと旋盤の仕事をしてきた男の回想録。 町工場というものを通して、町のあり方まで目を向けている。「さすが職人」と感心するような心の持ち方をしている。 文章は非常にうまい。凝った文章もある。文芸同人誌に参加していたくらいだから、文章を読むことも書くことも好きなのだろう。 もっとも感心した文章。「町工場を渡り歩く職人は、ゆるやかな渦を巻いて流れたが、どこかの杭にひっかかっては新しい技能を身につけ、工場世界についての見聞をひろめて、また杭を離れた。」(p135)(朝日新聞社版を読んだが、現在は品切れ。岩波書店から出ている)大森界隈職人往来(著者:小関智弘|出版社:岩波現代文庫)
1999.02.14
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文鳥(著者:夏目漱石|出版社:新潮文庫) 漱石の「小品」と呼ばれる作品集。随筆あり短編小説あり。 「夢十夜」は、実際に見た夢もあるのだろうが、夢として創作されたものが多いのではないかと思う。 「思い出す事など」は、修善寺での大患が本人にとってはどうであったのか、どんなことを考えていたのかが書いてあるのだが、医師同士のドイツ語での「もうだめだろう」という内容の会話が聞こえていて、理解できていた、というのが印象に残った。 「変な音」「手紙」は随筆のような小説のような体裁だが、まとまりよく、さらりと読めながら、強い印象を残す。 漱石というのは、平易な文の名手であると思う。 ものの見方に漱石独特のものがあるが、それをきちんと表現することができる、というのがすごい。
1999.02.06
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日本文学史(著者:小西甚一|出版社:講談社学術文庫) はっきり言って、何だかよく分からない。書かれたものをあつかっているのではなく、なぜそういうものが書かれたのか、という面に着目しているらしいことがかすかにわかっただけ。 しかし、それは著者が悪いのではない。この本の中で一番わかりやすいのはドナルド・キーンの解説なのだが、それを読んで分かったことは、これは、日本文学に関する知識を得ようとする者が読んでも理解できないのであって、日本文学史を講ずるぐらいの知識のある人にとっては斬新で印象深いものであるらしい、ということである。 昔のものを、現代仮名遣い、新字体に直して出版したものだが、「藝」は「芸」とは違う字だから、というのはわかるが、「臺」も「台」にしていないのはなぜだろう。
1999.02.01
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