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火宵の月 BLOOD+パラレル二次創作小説:炎の月の子守唄 1
火宵の月 芸能界転生パラレル二次創作小説:愛の華、咲く頃 2
火宵の月 ハーレクインパラレル二次創作小説:運命の花嫁 0
火宵の月 帝国オメガバースパラレル二次創作小説:炎の后 0
薄桜鬼 昼ドラオメガバースパラレル二次創作小説:羅刹の檻 10
黒執事 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:碧の騎士 2
黒執事 転生パラレル二次創作小説:あなたに出会わなければ 5
薄桜鬼ハリポタパラレル二次創作小説:その愛は、魔法にも似て 5
薄桜鬼 現代ハーレクインパラレル二次創作小説:甘い恋の魔法 7
薄桜鬼異民族ファンタジー風パラレル二次創作小説:贄の花嫁 12
火宵の月 現代転生パラレル二次創作小説:幸せの魔法をあなたに 3
火宵の月 転生オメガバースパラレル 二次創作小説:その花の名は 10
黒執事 異民族ファンタジーパラレル二次創作小説:海の花嫁 1
PEACEMAKER鐵 韓流時代劇風パラレル二次創作小説:蒼い華 14
YOI火宵の月パロ二次創作小説:蒼き月は真紅の太陽の愛を乞う 2
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:炎の巫女 0
火宵の月 韓流時代劇ファンタジーパラレル 二次創作小説:華夜 18
火宵の月 昼ドラ大奥風パラレル二次創作小説:茨の海に咲く華 2
火宵の月 転生航空風パラレル二次創作小説:青い龍の背に乗って 2
火宵の月×呪術廻戦 クロスオーバーパラレル二次創作小説:踊 1
火宵の月×薔薇王の葬列 クロスオーバー二次創作小説:薔薇と月 0
金カム×火宵の月 クロスオーバーパラレル二次創作小説:優しい炎 0
火宵の月×魔道祖師 クロスオーバー二次創作小説:椿と白木蓮 1
薔薇王韓流時代劇パラレル 二次創作小説:白い華、紅い月 10
火宵の月 現代転生パラレル二次創作小説:それを愛と呼ぶなら 1
鬼滅の刃×火宵の月 クロスオーバーパラレル二次創作小説:麗しき華 1
薄桜鬼腐向け西洋風ファンタジーパラレル二次創作小説:瓦礫の聖母 13
薄桜鬼 ハーレクイン風昼ドラパラレル 二次小説:紫の瞳の人魚姫 20
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:黄金の楽園 0
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:鳳凰の系譜 1
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:鳥籠の花嫁 0
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:蒼き竜の花嫁 0
コナン×薄桜鬼クロスオーバー二次創作小説:土方さんと安室さん 6
薄桜鬼×火宵の月 平安パラレルクロスオーバー二次創作小説:火喰鳥 7
ツイステ×火宵の月クロスオーバーパラレル二次創作小説:闇の鏡と陰陽師 4
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:碧き竜と炎の姫君 1
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:月の国、炎の国 1
陰陽師×火宵の月クロスオーバーパラレル二次創作小説:君は僕に似ている 3
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黒執事×薔薇王中世パラレルクロスオーバー二次創作小説:薔薇と駒鳥 27
火宵の月 転生昼ドラパラレル二次創作小説:それは、ワルツのように 1
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F&B×火宵の月 クロスオーバーパラレル二次創作小説:海賊と陰陽師 1
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バチ官腐向け時代物パラレル二次創作小説:運命の花嫁~Famme Fatale~ 6
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歳三は誠心会病院外科病棟の医局で、欠伸をしながら眠気覚ましのコーヒーを飲んでいた。昨夜は千尋が妊娠中にも関わらず積極的に自分を押し倒して激しいセックスをした所為で、ここ最近の忙しさもあいまって、極度の疲労が身体に溜まっていた。「どうなさったんです、土方先生? 口を開けて寝ているなんて。」「あぁ、最近千尋が毎晩寝かしてくれねぇんだよ。妊娠中だってのに・・」「妊娠中でも性欲が旺盛になられる方っていますよ。」看護師の和田がそう言うと、歳三は溜息を吐いた。「付き合ってた時もそうだったが、毎晩人が変わったかのように俺を求めてくるんだよ。でもそれを、あいつは憶えていないんだ。」「そうなんですか?」「ああ。最近あいつが解らねぇんだ。昼と夜の顔、どっちが本当のあいつの顔なんだって。」 千尋が虐待を受けていた事を自分に告白してくれた事以外、彼女の家族について詳しくは知らなかった。時折彼女が変貌するのは、家族の事と関係しているからなのだろうか。歳三はそう思いながらも、また一杯コーヒーを飲んだ。「どうしよう・・どうしよう・・」その頃千尋は、がたがたと震えながら雑然と散らかった部屋を片付け始めた。この事は夫には知られてはいけない。千尋は割れた食器の破片を箒と散りとりで拾い集め、夕飯の支度をした。今日は海鮮のパエリアにした。炊飯器を開けた千尋は、炊き立てのご飯の臭いを嗅いで思わず吐きそうになったが、それをぐっと堪えて料理をした。 つわりと貧血が辛くて、家事の合間にソファや寝室で休む時間が多くなり、家事をおろそかにしてしまうのではと千尋は思い始めていた。完璧主義者の彼女は、何かに手を抜くということを考えようとはしなかったし、ひとつでもミスをしたら自分を責めてしまう性格だった。 妊娠出産は病気ではないことを解っているのだが、どうしても言う事を聞かぬ身体に対し、千尋は嫌悪感と苛立ちを募らせていた。「ただいま。」「お帰りなさい、あなた。」歳三が帰宅すると、ダイニングのテーブルには千尋の手料理が並び、玄関で笑顔を浮かべて自分を出迎える彼女の姿があった。「千尋、顔色が悪いが、今日もつわりが辛かったのか?」「ええ。けどあなたの喜ぶ顔が見たくて、吐き気を堪えながら夕飯を作ったの。」「辛い時は無理しなくていいんだぞ? 出前を取ったり、出来あいの惣菜でも買っても・・」「嫌です、そんな事! 食事に手を抜くなんてわたくししたくないの!」「千尋、お前が思うようにならない身体に苛立ってるのは解る。なんでも完璧に物事をこなそうとするお前の性格も。けどこれから赤ん坊が産まれたら、お前の生活リズムが崩れるんだぜ? 少しは手抜きや楽をした方がいい。」「あなた・・」千尋は夫の優しさに涙が出そうになった。今までこんなに優しい言葉を掛けられたことなどなかった。「愛してるわ、あなた。」「俺もだよ、千尋。」愛しい夫に抱かれながら、千尋はやがて生まれてくる我が子への愛を感じ始めていた。「香帆、例の彼氏とは順調?」「まぁね。一度だけデートしただけよ。」香帆はそう言うと、親友を見た。「そう。今週末にパーティーがあるとかいうけど、出席するつもりなの?」親友から土方家のホームパーティーに招待された事を言われ、香帆の明るかった顔が少し曇った。 もう歳三の事を諦めたつもりだったが、まだ心の中では彼を想っている自分に香帆は気づいてしまった。「出るに決まってるじゃない。その時は彼も連れていくつもりよ。」「そう。余り無理しないようね。」(もう歳兄ちゃんの事は諦めたのよ。それでいいじゃない。) 心の中で、香帆は自分を励ましながら、仕事を再開した。
2012年03月21日
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「千尋、俺達は愛し合ってるし、いつかプロポーズはしたいと思ってるんだ。けど今は、まだ貧しい俺がお前を支えるには不十分だ。だから・・」「我慢しろというの? そんなの嫌よ。わたくしは今すぐにでもあなたと結婚したいのよ!」千尋はそう叫ぶと、椅子から立ち上がり歳三に抱きついた。「結婚なんか2人だけで出来るわ、そうでしょう?」「そうだが、お前ぇの親御さんは俺の事知ってんのか?」「あの人達には関係のない事よ。だから、結婚しましょう、トシ。」それから半ば千尋に結婚を押し切られるような形で、歳三は彼女と結婚した。結婚式も挙げない簡素な式だった。千尋と結婚した後、彼女が選んだアッパーイーストのマンションで新婚生活が始まった。彼女は歳三の為に手の込んだ料理を作り、家事は完璧にこなしてくれた。夜の生活も積極的で、ひとたび彼女が欲情すれば浴室やソファー、キッチンでも歳三を押し倒した。毎晩の激しいセックスは、歳三の体力を消耗させたが、それでも千尋は毎晩彼を求めた。「トシ、もう終わりなの?」夕食の後、歳三がシンクで皿を洗っていると、千尋が突然激しいキスをしてきた。「勘弁してくれ、千尋。俺は最近疲れてんだ。」歳三は千尋から離れると、皿洗いを再開した。だが彼女は自分の身体を歳三に擦り寄せると、歳三の股間を擦った。「ねぇ、いいでしょう? 早くあたしの中にブチ込んでよ。」「どうした、千尋? お前、何か変だぞ?」「変じゃないわよ。」千尋が歳三の顔を覗き込み、彼は千尋の瞳が狂気の色に滲んでいることに気づいた。(どうしたんだ?)初めて見る妻の別の顔に、歳三は戸惑った。「ねぇ、しないの?」「済まねぇ。今日は疲れてんだ。」「そうなの。じゃぁあなたはそこで見てて。」千尋はそう言うなり、ソファに座ると両足を開き陰部を曝け出した。人工的な灯りに照らされた陰部を見つめながら、千尋はその中に指を挿れた。歳三は背後から悩ましげな喘ぎ声が聞こえるのを無視しようとしたが、喘ぎ声はますます大きくなっていった。「千尋、いい加減に・・」歳三が千尋の方を振り向くと、彼女は陰部から大量の蜜を溢れさせていた。千尋は手負いの獣のような声を上げると、激しく身体を痙攣させ絶頂に達した。「千尋、大丈夫か?」「あなた、わたくし一体どうしたの?」気絶した千尋がベッドの上で目を開けると、そこには怪訝そうな表情を浮かべた夫が立っていた。「お前・・何も憶えてないのか?」「わたくし、何かしたの?」(こりゃぁ一体どういうことだ?)先ほどの千尋の様子は尋常ではなかった。自分の前で自慰をした彼女と、今ここに居る彼女は別人なのだろうか?この時歳三が感じた違和感は、彼女が妊娠した今も感じていた。「あなた、どうなさったの?」「済まない、聞いてなかった。」歳三が眉間の皺を揉むと、溜息を吐いた。「来週の土曜、うちでお友達を招いてホームパーティーをするの。大丈夫かしら?」「ああ。つわりは大丈夫か?」「少しあるけど、貧血の方が酷くて。」「大丈夫だ。次の健診はいつだ?」「三週間後よ。」あっという間に土曜日が来て、千尋は夫が病院で勤務している間に部屋の掃除をした。掃除を終えてパーティーの準備をしていると、チャイムが鳴った。「はい、どなた?」インターフォン画面に映った人物を見た千尋の顔が強張った。
2012年03月21日
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ちらちらと周りのセレブ達の視線が痛いと歳三が思い始めたのは、彼が参加した試合が終わった後のことだった。試合には勝ったし、もう帰ろうかと思った時、彼は誰かに尻を触られた。(なんだぁ?)突然尻を触られた歳三は面食らいながら後ろを振り向くと、そこには乗馬服に身を包んだ1人の少女が立っていた。長い金髪をポニーテールにして、タータンチェックの乗馬服と白いパンツに、ブーツを穿いた彼女は歳三を見ると、にっこりと笑ってこう言った。「ごめんなさい、余りにもキュートなお尻だから触っちゃったの。」「・・お前、一体何もんだ?」「あら、怒ったの? お尻を触ったことは謝るけど、そちらから名乗った方がいいんじゃないの?」少女はそう言うと、蒼い瞳を悪戯っぽく光らせた。「土方歳三だ。あんたは?」「変な名前ね・・トシって呼んでいいかしら? わたくしは千尋。宜しくね、トシ。」少女は歳三に右手を差し出した。 これが、千尋との出逢いだった。「ねぇ、クリスマスには2人きりで過ごさない? アスペンにある別荘で過ごそうと思ってるの。」彼女と付き合い始めて数ヶ月が経った頃、学生寮にある歳三の部屋を訪れた千尋は、そう言って彼にしなだれかかった。「アスペンに? 別にNYで過ごせばいいんじゃねぇのか?」「解らないの、トシ? わたしはあなたとホットな夜を過ごしたいのよ。」歳三は千尋の言葉に思わず頬を赤く染めた。 もう童貞は卒業した彼であったが、女性からこんな直截的な誘いを受けたことは初めてだった。「でもお前ぇは・・」「ヴァージンよ。わたし、ヴァージンは好きな人に捧げたいの。」クリスマス休暇に入り、歳三は千尋と共に彼女の一家が所有するアスペンの別荘にやって来た。「今年は最高のクリスマスね、トシ。チアーズ。」「チアーズ。」2人きりのディナーを楽しみ、ワインに舌鼓を打った歳三は、急に眠気に襲われて寝室へと向かった。 するとそこには、セクシーなベビードール姿の千尋がシーツに包まっていた。「トシ、わたくしを抱いて。」「千尋、俺は・・」「なぁに、ヴァージンを抱くのが怖いの? あなたがそんなチキン(臆病者)だとは知らなかったわ。」千尋からそう馬鹿にされ、カチンとした歳三は、彼女の唇を無理矢理塞いだ。そして彼は、千尋の陰部をパンティの上から愛撫し、そこが充分潤っていることを確かめると、パンティを剥ぎ取り己のものを宛がった。「オゥ~!」千尋の口から溜息とも喘ぎともつかぬ甘い声が漏れ、彼女は眉間に皺を寄せた。彼女を激しく責め立てると、千尋は歳三の背中に爪を立て善がった。「最高だったわ、トシ。あなたベッドの中ではモンスターなのね。」歳三が力尽きて千尋の隣に寝ると、彼女はそう言って彼の頬にキスした。 それから千尋との関係はメディカルカレッジを卒業し、歳三がインターンとして働くまで続いた。だが千尋とは結婚していいものかと、歳三は悩んでいた。まだ経済的に不安定な自分と彼女が独立して生活できるのかと思い、彼は千尋へのプロポーズをする事を躊躇っていた。「トシ、どうしてわたくしにプロポーズしてくれないの? 焦らすのが好きなの?」歳三にプロポーズされないことに痺れを切らしたのか、千尋が行きつけのカフェに呼び出したのは、イースター休暇に入る前のことだった。
2012年03月21日
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一部性描写が含まれますので、苦手な方は閲覧なさらないでください。「あなた、さっき喫茶店で何を怒っていたの?」千尋は夕飯の支度をしながら、ソファに座ってテレビを観ている歳三に話しかけた。「千尋、遅くなる時はメールか携帯に連絡しろ。心配するだろ。」「ごめんなさい。次からはそうするわ。」千尋は歳三に微笑むと、再び夕飯の支度へと取りかかった。彼女が背を向けた時、彼女の白い尻が露わになり、歳三は気まずそうに目を伏せた。千尋は何故か夕飯の支度をする時は素肌にエプロンを纏った淫らな姿になる。なので歳三は、余り彼女と目を合わせないようにテレビを観たり、夕飯の支度を手伝ったりしているが、ふとした時に胸の谷間が見えるので目のやり場に困ってしまう。「千尋、前から言いたかったんだが・・その格好いい加減やめねぇか?」「あら、どうして?」千尋はそう言うと、歳三の隣に座り足を優雅に組んだ。下着は付けていない。「そんな風邪のひく格好、妊婦には駄目だろう。別に服着てエプロン付けてもお前ぇが可愛いことには違いねぇんだから。」「わたくし、もっとあなたに愛されたいの。」千尋はゆっくりとエプロンの裾を捲り始めたが、歳三が慌てて彼女を止めた。「解った、お前ぇの気持ちは解ったから、服を着てくれ!」「ふふ、可愛い人ね。」羞恥で顔を赤く染めている夫に微笑むと、彼の前に跪いた。「何を・・」「あなたが浮気しないように、口でしてあげるわ。」千尋は歳三のズボンのジッパーを下げ、下着の上から彼のものを愛撫した。「やめろ・・」「いいでしょう?」千尋はそっと歳三のボクサーパンツを脱がすと、それを口に含んだ。歳三は千尋の髪を掴んで彼女を離そうとしたが、彼女は自分のものを咥えたまま離そうとはしない。それどころか、舌で嬲るように裏筋をゆっくり這わせたかと思うと、音を立てながら吸いこむかのように激しく責め立てる。 歳三は荒い息を吐きながら、ソファに爪を食い込ませた。腰が疼いて堪らなくなり、千尋が与える刺激によって股間が徐々に熱くなる。「も・・やめろ・・」千尋は歳三の言葉を無視すると、彼のものを激しく責め立てると、喉奥までそれを咥えこんだ。歳三は腰を痙攣させながら、彼女の口内に欲望を吐きだした。それを彼女は全て飲んだ。「随分と溜まってたのね。濃くて美味しかったわ。」口端から垂れる白濁液をペロリと舐めながら、千尋はそう言って上目遣いで歳三を観た。「馬鹿野郎。」「ねぇあなた、わたくし以外の女を抱いたら、殺すわよ。」「本気か?」「ええ。わたくしが冗談でこんな事言うとでも思ったの?」彼女の蒼い瞳が微かに狂気の色に滲んでいるのを見て、歳三は悪寒を感じた。初めて出逢い、付き合っていた時も、彼女はこんな瞳をしていた。「千尋以外の女を抱いたりはしねぇよ、約束する。」「そう。ありがとう、あなた。」千尋の瞳から狂気の光が失せ、彼女は歳三にしなだれかかった。 その後夕食を食べ、彼女と一緒にシャワーを浴びた歳三は、ベッドに入りながら昔の事を―千尋と初めて出逢った時の事を思い出していた。 あれは歳三が19の時―NYのメディカルカレッジに入学して2年目を迎えた初秋の日曜日の事だった。「なぁトシ、頼むよ。」「ったく、しょうがねぇ。」ルームメイトのティムに誘われ―といっても半ば強制的に参加させられたNY近郊で開催されているポロ大会に、歳三は仏頂面を浮かべながらいた。 NYという大都会が近いからか、それともポロという上流階級のスポーツ故なのか、選手やその家族、観客達でさえも、皆フォーマルな装いをしており、一目で上流階級出身のセレブ達だと分かった。それに対して歳三は、ブルージーンズを穿き、白のシャツの上に赤のチェック柄のシャツを羽織ったラフな格好であった。
2012年03月21日
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「あら、またお会いしたわね。」 千尋がそう言って吉田栄美を見ると、彼女は驚きの表情を浮かべた。「土方さんも、おめでたですか?」「ええ、今二ヶ月なの。あなたも?」「そうなんです。最近夏バテで体調崩してたから、てっきりそれだと思ったんですけど、病院で診て貰ったら妊娠した事が判って・・旦那がもう大喜びで。土方さんの方は?」「歳三さん・・うちの主人も妊娠の事を聞いて凄く喜んでね。彼、一見すると近寄りがたいところがあるけれど、優しい人で、子ども好きなの。」千尋は照れ臭そうに笑いながら栄美を見ると、彼女の顔が突然強張った。「どうなさったの、吉田さん?」「お義母さん・・」栄美の視線の先には、市役所に入ろうとしている1人の女性―栄美の姑・あきの姿があった。 あきの事で夫に相談した後すぐに、彼女とは絶縁して以来、会っていない。何故自分がここに来ることを知っているのだろう―栄美が恐怖に震えていると、あきが彼女の方へと駆け寄ってきた。「栄美さん、あんたわたしから敬ちゃんを奪おうと思ってるの!?」老女とは思えぬほどの強い力で肩を押され、栄美はよろめいて尻餅をつきそうになったが、千尋が咄嗟に彼女の身体を支えた。「大丈夫、吉田さん? この方、どなた?」「姑だった人です・・」栄美はそう言うと、千尋の背に隠れた。「ちょっと栄美さん、どうしてわたしに妊娠したことを教えてくれなかったの! まさかわたしが嫌味を言うとでも思ったの!?」皺だらけの顔を醜く歪め、あきは唾を飛ばしながら栄美に食ってかかった。「耳元でそんな大声で怒鳴らないでくださる? 周りの方に迷惑だと思いませんこと?」周囲がちらちらと千尋達を見る中、千尋は凛とした声であきを窘(たしな)めた。「な、なによ、あんたには関係ないでしょう!?」「関係ありますわ。あなたのように大声で怒鳴り散らす方がお姑さんだなんて、吉田さんが可哀想で。これじゃぁ一生孫には会えませんわね、ご愁傷様。」冷静な口調で毒を吐く千尋に、あきの怒りのボルテージが上がった。「煩いわね、他人のあんたにとやかく言われる筋合いはないんだよ、退きな!」「赤の他人のあなたに指図される筋合いなどありませんわ。警察を呼ぶ前に、さっさとここから出て行ってくださらないこと? あなたの口臭で空気が澱んでいることが、おわかりにならないの?」千尋は蒼い瞳でじろりとあきを睨むと、それまで吼えていた彼女は突然大人しくなり、舌打ちしながら市役所から出て行った。「ありがとう土方さん・・助かったわ。」「いいえ、いいのよ。この後何か用事がなかったら、ゆっくりお茶でもいたしましょう。この前は出来なかったから。」市役所で母子手帳を貰った千尋と栄美は、自宅近くにある喫茶店へと入った。「あなた、何をお飲みになるの?」メニューを見ながら、千尋はそう言って栄美を見た。「口当たりがいいものを。つわりが少し辛くて・・」「そう。じゃぁわたくしはノンカフェインのお紅茶にするわ。」店員に千尋が飲み物を注文した後、バッグの中にしまっていた携帯が鳴った。「もしもし、あなた?」『千尋、今何処だ?』「家の近くにある喫茶店よ。お友達とお茶してるの。」『・・今から行く。』通話口越しに聞こえた歳三の声は、何処か不機嫌そうだった。数分後、歳三が喫茶店へと入ってきた。「あなた、どうかなさったの? 不機嫌そうな顔をして・・」「余りにもお前ぇの帰りが遅いから、心配してたんだよ。」「大丈夫よ、いつからあなたは過保護になったのかしら。」千尋はくすりと笑うと、歳三にしなだれかかった。
2012年03月21日
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「ん・・」「千尋、気が付いたか?」千尋が目を開けると、そこには自分の手を握り締めている歳三の姿があった。「あなた、ここはどこ?」「病院だ。お前、さっき家で突然ぶっ倒れたんだぞ。」「そう。ねぇあなた、わたくし何処か悪いの?」「いや、その逆だ。」歳三はそう言うと、千尋に微笑んだ。「お前は今、妊娠してるんだよ。」「え・・」千尋の蒼い瞳が、驚きで大きく見開かれた。 数時間前、千尋は石田によって産婦人科病棟へと運ばれ、そこで彼の診察を受けた。その結果、彼女は妊娠二ヶ月だと判った。「おめでただよ。貧血には気を付けてね。増血剤を打っておくから。」ぞんざいな口調のまま歳三にそう告げると、石田は診察室から出て行った。(千尋が、俺の子を・・)歳三は眠ったままの妻の下腹を、そっと撫でた。ここに、自分と彼女との子どもが居る―それを想うだけで歳三は天にも昇る気持ちになった。「そう、わたくし妊娠しているのね・・」歳三から妊娠を告げられた千尋はそう呟くと、顔を伏せた。何処か様子がおかしい。「あなた、わたくし産みたくないわ。」千尋の言葉に、歳三の美しい顔が歪んだ。「それは、本気なのか?」「ええ。まだ子どもは欲しくないって言ったでしょう?」そんな理由だけで、宿った子どもの命を殺すのか―歳三は怒りで頭に血が上った。「そんな事で授かった命を殺す事が出来るのか、お前ぇは! お前ぇはそんな女だったのか!?」「あなた、怒鳴らなくていいじゃない。わたくしはただ、不安なだけなのよ!」「不安? 一体何が不安なんだ? 俺は浮気なんざしてねぇだろ!」「違う、違うのよ! あの女みたいになってしまうのが怖いだけなの!」千尋は涙を流しながらそう叫ぶと、看護師が病室に入って来た。「土方先生、奥様を興奮させてはいけませんよ。今は大事な時期なんですから。」看護師はジロリと歳三を睨むと、彼はバツが悪そうな顔をした。「す、済まねぇ。」「では奥様、くれぐれも安静にしていてくださいね。」看護師は千尋ににっこりと微笑むと、病室から出て行った。「千尋、さっきの話の続きだが・・」「あなた、わたくしね、この子を愛せないかもしれないの。」千尋は下腹を擦りながらそう言うと、夫を見た。「わたくし、義理の母から虐待を受けていたのよ。ほら、結婚式の時にあなたの事を睨みつけていた女が居たでしょう?」 歳三の脳裡に、結婚式の間中自分を睨みつけていた女の顔を思い出した。冷ややかな光を湛えた翡翠の双眸で、彼女は目で射殺すかのような険しい視線を送って来た。「ああ、知ってるが・・どうしてそんな事を?」「わたくしが愛人の子だからよ。わたくしの母親は、夜の世界の女だったのよ。」初めて妻の口から聞く彼女の家族についての秘密に、歳三は絶句した。「あなた、怖いの・・この子を産んで育てることはできるのかって・・怖くて仕方がないのよ・・」蒼い瞳に涙を滲ませながら、千尋は歳三に抱きついた。「大丈夫だ、千尋。俺が居る。俺がお前ぇと腹の子を守ってやる・・」「ありがとう、あなた。」 一方吉田家でも、栄美の妊娠が判明した。「良かったな、栄美。身体に気をつけろよ。」「ええ、あなた。お義母さんには伝えなくていいの?」「子どもが出来ないことで散々嫌味を言われたんだから、また嫌味を言うに決まってるさ。もう絶縁したんだから関係ないだろう?」「そうね。」 数週間後、千尋は退院して市役所へ母子手帳を貰いに行った。そこで彼女は吉田栄美と再会した。
2012年03月21日
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―全く、可愛げのない子だこと。 また、あの女の声が聞こえる。トイレに行こうとして寝室を出て廊下を歩いていた千尋は、半開きになったドアの向こうから、あの女が自分の悪口を言っているのを聞いてしまった。―主人に似ているけれど、あの子はあの女にそっくりよ。学が出来てるけど、愛嬌がないとあれじゃぁねぇ・・そう言った彼女の顔は、醜く歪んでいた。あなたはわたしが自分よりも賢いから、悔しいのでしょう―千尋がそう思いの丈を彼女にぶちまけた時、彼女は千尋の頬を張った。―口答えするなんて、生意気な子だ!「・・尋、千尋!」「ん・・」激しく揺さ振られて千尋がゆっくりと目を開けると、そこには訝しげに歳三が彼女を見ていた。「どうした、酷くうなされていたみたいだったな。」「ええ・・悪い夢を見てしまって。」千尋は急に喉の渇きを覚え、寝室から出て行った。ヒヤリとした床の感触を足元に感じ、悪夢にうなされていた千尋の頭は徐々に冴え始めた。あれはもう、昔の事なのだ。今更気にしてどうなる。冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、キャップを捻ってその中身を飲むと、喉の渇きは一気に消えた。ペットボトルを冷蔵庫に戻そうとした時、彼女は急に眩暈に襲われ、床に崩れ落ちるように倒れた。「千尋、しっかりしろ!」冷蔵庫の前で倒れている妻の姿を見た歳三は、彼女の脈拍と呼吸を確かめ彼女を抱き上げると、職場である誠心会病院へと車を走らせた。「土方先生、どうなされました?」「千尋が・・妻が突然倒れた!」寝間着の上に白衣を羽織った歳三は、夜勤の医師達とともに妻を診察した。「土方君、どうしたのかね?」バリトンの声音が診察室に響いたかと思うと、誠心会病院理事長の芹沢鴨が歳三達の前に姿を現した。「理事長、今はあんたに構っている暇はねぇんだ。済まねぇが俺と話したいなら後にしてくれねぇか。」「相変わらず可愛げのない・・まぁいいだろう。外科医の君が専門外の患者を診察しているのを、とくと拝見しようじゃないか。」“客寄せパンダ”に過ぎぬ年下の外科医から拒絶された芹沢は、怒りで目を吊り上げながらそう言って歳三を睨んだ。「そらぁ一体どういう意味だ、理事長?」「急な眩暈で倒れたとさっき君が言っていたが、その患者は君の奥方ではないのかね? だったら別の可能性も考えてみることだな。」勝ち誇ったかのような笑みを浮かべ、芹沢は歳三に背を向けて診察室から出て行った。「産婦人科の当直は誰だ?」「い、石田先生です。」「そいつを今すぐここに呼べ!」「ですがここは外科病棟で・・」「緊急の患者を診るのが医者の務めだろうが! いいからさっさとそいつを呼んで来い!」歳三の剣幕に押された看護師は慌てて診察室から出て行った。 数分後、産婦人科の石田が診察室に入って来た。「石田先生、悪いがこいつを診てやってくれねぇか? さっき家で急な眩暈で倒れちまってな。ただの貧血だろう。」「解ったよ。」仮眠中に叩き起こされ、不機嫌な顔をしたまま、石田は千尋を診察した。
2012年03月21日
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その人が挨拶に来たのは、栄美が夕飯の支度に取りかかろうと思っていたところだった。「ごめんなさい、お忙しかったかしら?」美しくセットされた金髪を揺らしながら、その人―土方千尋はインターホン越しに栄美に向かって頭を下げた。「いえ、どうぞ!」慌ててドアのロックを外すと、千尋はにっこりと栄美に微笑んだ。「初めまして。向かいのマンションに引っ越してきた土方です。これ、お近づきのしるしに召し上がって。」そう言って彼女が栄美に差しだしたのは、人気洋菓子店のロールケーキだった。「いいんですか、こんなの?」「わたくし達2人だけでは食べきれなくって。どうぞご家族で召し上がって。」「有難う・・ございます。あの、宜しかったらお茶でも・・」「結構よ。夕飯時にお伺いしてしまって申し訳ないわ。お茶はまたの機会に。」それじゃぁ、と千尋はワンピースの裾を揺らしながら栄美の元から去っていった。(すっごく綺麗な人だったなぁ・・)千尋から貰ったロールケーキを冷蔵庫に入れながら、栄美は再び夕飯の支度に取りかかった。「今日はご馳走だな。」「そう? いつも手抜きばかりだから、たまには豪華なものにしてみたの。どう、美味しい?」「ああ。」夫の敬助と結婚して2年経つが、未だに子どもが出来ずにいた。その所為で、姑・あきからはチクチクと“跡取りを産めない嫁は離縁されたものよ”と、敬助が居ない時に嫌味を言われていた。 敬助にあきとの事を相談しようかと栄美は迷っていたが、今彼に相談する事にした。「あなた、お義母様がわたしに嫌味を言うのよ、子どものことで。」「お袋が? 全く、俺達の事に干渉しないでくれっていつも言ってるのに。何を言ったんだ?」「“跡取りが産めない嫁は離縁される”とか、“女ばかり産んだら許さない”とか・・まるでわたしが完全に悪いみたいな事・・」最後の方は涙声になってしまい、栄美はティッシュで目元を押さえた。「ごめんな、色々と辛い思いさせちゃったよな。」敬助はそう言うと、妻をぎゅぅっと抱き締めた。「暫くこうしてるよ。」「うん・・ありがとう。」この人が居れば大丈夫―栄美はそう思いながら、夫の鼓動を聞いた。 一方、千尋は新居で歳三の帰りを待っていた。(どうしたのかしら・・遅くなると必ず電話をくれるのに。)苛々しながら彼女が夫からの連絡を待っていると、バッグの中に入れた携帯がけたたましく鳴り始めた。「もしもし、あなた?」『千尋、これから帰る。』「そう・・気をつけてね。」安堵の表情を浮かべながら千尋はそう言うと、通話ボタンを押した。(あの人、浮気してないわ・・)美しい夫が変な女に引っかかってやしないかと、彼からの連絡が来る間やきもきしていた千尋であったが、その心配が杞憂に終わったので、彼女はとっておきのワインを食卓に飾る為に冷蔵庫へと向かった。携帯が再び鳴り始めたのは、その時だった。「ただいま。」「あ、お帰りなさい・・」歳三が帰宅すると、散らばったワイングラスの破片を千尋が拾い上げているところだった。「どうしたんだ、一体何があった?」「何もないの、心配なさらないで。」
2012年03月21日
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2人の結婚披露宴は、大聖堂の近くにあるホテルで行われた。「本日はご結婚おめでとうございます。お二人には幸せな家庭を築かれることを願います。」次々と新郎上司、新郎同僚、新郎友人が新郎新婦への祝辞を述べ、その度に拍手を彼らに送った。だが、新婦側からは何の祝辞も、スピーチもなかった。―一体どういうこと?―何か変よ・・結婚式の時から感じた違和感を、今や招待客の誰もが感じていた。親族数人だけの参列に、殆ど埋まっていない新婦側の席。「ねぇお母さん、あの人の家族、来てないわね。」「そうねぇ・・何かあったのかしら?」母はそう言いながらも、困惑しながら高砂席を見た。そこには純白のウェディングドレスから、白無垢へとお色直しをした千尋が紋付の黒羽織姿の歳三と並んで座っていた。彼女は何かを隠している―香帆はそう感じた。「今日は来てくれてありがとな、香帆。」「千尋さんとお幸せにね、歳兄ちゃん。」香帆はそう言って歳三に精一杯の笑顔を浮かべた。「ああ。お前も幸せになれよ。」(歳兄ちゃん、さようなら・・)もう後ろを振り返らない―この時香帆はそう決意し、歳三に別れを告げた。「あなた、今夜も抱いて下さる?」「当たり前だろう。まぁ、これからはずっと2人きりだから思う存分イチャつけるさ。」歳三はスイートルームのベッドの中で、千尋の頬にキスを落としながらそう言って笑った。「ねぇ香帆、今度合コン行かない?」「いいよ。」「もう歳兄ちゃんの事はいいのぉ~?」「いいの、もう忘れたから!」香帆はそう言って親友を見た。 結婚式の数日後、歳三達はインドネシア・ビンタン島へと旅立っていった。エメラルドグリーンの海を見渡せるヴィラで、歳三は何度も千尋を抱いた。「ねぇあなた、最近何かあったの?」「何でもねぇよ。千尋、子どもはいつ欲しい?」「そうね・・まだ2人きりの生活を楽しみたいわ。」千尋はそう言うと、歳三の胸にしなだれかかった。「そうか。お前ぇがそう言うなら俺はそれでいい。」「嘘吐かないで、今すぐにでも子どもが欲しいんでしょう? こう毎晩激しく抱かれたら、わたくしの体力が持たないわ。」「敵わなねぇなぁ、お前ぇには。」歳三は千尋の髪を優しく撫でると、彼女はくすくすと笑った。 新婚旅行先から帰国した千尋は、歳三とともに新居へと向かった。「ビンタン島にまだ居たかったけど、あなたはこれからお忙しくなるんだから我が儘言えないわね。」「済まねぇな、千尋。時間が出来たらまた2人で何処か旅行しよう。」「解ったわ、あなた。愛してるわ。」(あなたは、わたくしだけのものよ・・)2人を乗せたタクシーは、間もなく新居がある住宅街へと入ろうとしていた。「早くしないと特売品売り切れちゃう!」その住宅街の一角で、1人の主婦が自転車を飛ばしながら行きつけのスーパーへと急いでいた。交差点で信号待ちをしていた彼女は、車道を走っていたタクシーに乗っている一組の男女に思わず見惚れてしまった。 これが、吉田栄美と土方夫妻との出逢いだった。
2012年03月21日
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歳三と千尋の結婚式は、6月の快晴の日に行われた。 香帆は出席したくなかったが、母親から“歳兄ちゃんの事を祝福してあげなさい。”と言われたので、渋々と彼女に半ば引き摺られるようにしてやって来た。場所は赤坂にあるカトリックの大聖堂で、新郎側の親族や友人が信徒席の大半を占めていたが、それに対して新婦側は親族と両親だけであった。 ロシア貴族の血が入っていると聞いていたので、香帆はさりげなく千尋の親族を見ると、そこには金髪碧眼の青年が座っていた。その隣に居る千尋の母親と思しき女性は、金髪を結いあげ、翠の瞳で青年を睨みながら何かを言っていた。どうやら彼女は、この結婚を余り快く思っていないらしく、ちらちらと周囲を見渡しては青年に何か言っていた。話している言葉はロシア語で全く解らないが、表情を見れば彼女がこの結婚に反対していることが解った。「ねぇお母さん、あの人何か文句言ってるわよ。嫌なら来なきゃいいのにね。」香帆は思わずそう呟くと、静かな聖堂内にやけに響いた。「止しなさい、香帆。」「だって、さっきからずっと文句言ってるように聞こえるんだもん。」香帆と母親が言い合いをしていた時、聖堂の扉が開き、純白のタキシードを着た歳三が入って来た。すらりとした彼が靴音を鳴らしながら深紅の絨毯を歩いて祭壇へと向かう途中、香帆は彼と目が合った。 歳三は何かを言おうとして口を開きかけたが、何も言わない代わりにふっと口元を緩めて彼女に微笑むと、祭壇へと向かった。(歳兄ちゃん・・)香帆は泣きそうになったが、まだここで泣く訳にはいかないと思い、ぐっと涙を堪えた。「やっぱり歳兄ぃさまになってるよなぁ。モデルみてぇ。」貴志(たかし)はそう言うと口笛を鳴らし、母親から拳骨を喰らった。 パイプオルガンが鳴り、聖歌隊が讃美歌を歌い始めるのと同時に、再び聖堂の扉が開いて花嫁が聖堂へと入って来た。 白薔薇のブーケを左手に持ち、右腕を父親のそれに絡ませ、純白のウェディングドレスを纏い宝石を鏤めたトレーンを引き摺りながら、千尋はゆっくりとヴァージンロードを歩いて来た。 まさにその様子は、ヨーロッパの古い映画のワンシーンのようで、千尋は女神のような神々しい美しさを放っていた。(綺麗・・) 千尋が入って来た時、香帆は彼女に負けたと思った。初めて彼女と会った数ヶ月前に、香帆は千尋が自分にはないものを全て持っていることに気づいた。輝くような美貌、均整の取れたプロポーション、そしてその美貌に見合う知性。何もかもが自分とは違う。千尋が祭壇の方へと近づいてゆき、一瞬香帆と視線がぶつかった。薄いヴェール越しに、彼女が口端を上げて笑ったことに香帆は気づいた。(何、今の・・)再び千尋を見た香帆だったが、彼女は平静な表情を浮かべたまま歳三の腕に自分の腕を絡めた。「汝土方歳三、ここに居る千尋を妻とし、健やかなる時も病める時も共にいると誓うか?」「はい、誓います。」「汝千尋=アナスターシャ=イヴァヴノナ=ボゴスロフスキー、ここに居る歳三を夫とし、健やかなる時も病める時も共にいると誓うか?」「はい、誓います。」新郎新婦の誓いの後、聖歌隊とともに参列者は讃美歌を歌うと、大聖堂の外へと出て新郎新婦を出迎えた。 ライスシャワーを浴びながら聖堂の階段を降りてゆく2人の笑顔は、香帆にはとても眩しく見えた。
2012年03月21日
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「トシ、あの子・・香帆さんの事だけど、わたくしの事が嫌いみたい。」帰りの車の中でふと千尋が呟いた一言に、歳三は思わず車を止めた。「何でそう思うんだ、千尋?」「別に。確か香帆さんとは幼馴染でしたよね?」「ああ。でもあいつは妹みたいなもんさ。それよりも千尋、式にはあっちの・・ロシアに住んでいる親戚も呼ぶか?」「別に呼ばなくてもいいです。トシだってまた色々と言われるの嫌でしょう?」千尋がそう言って笑うのを見た歳三は、胸が少しざわめくのを感じた。彼女と19の時に出会って6年も経つが、余り彼女の口から両親や家族の事などは聞いたことがなかった。ただロシア貴族の血をひいていて、NYの5番街にある豪邸に住んでいたことしか歳三は知らなかった。他人に話したくない事情でもあるのだろう―彼はそう自分勝手に解釈すると、助手席に座っている妻の頬にキスをした。「なぁ・・今夜、いいだろう?」「別に断る程のものではないでしょう?」美しく整えられた眉を微かに上げると、千尋は歳三の唇を塞いだ。「今ここでするか?」「ご冗談を。」宿泊先のホテルに着き、エレベーターへと乗り込むなり、歳三は千尋の細い腰を自分の方へと抱き寄せると、彼女の桜色の唇を塞いだ。「ん・・」土方の手がワンピースの裾を捲ろうとした時、エレベーターの扉が開いた。「さっき、あのまましようとなさったでしょう?」部屋に入るなり、千尋はそう言って歳三を見ながらベッドの端に腰掛けた。「誘ったのはお前ぇだろう?」歳三は千尋をベッドに押し倒すと、ワンピースのチャックを下ろしてそれを床に乱暴に放った。ベッドサイドのランプの仄かな灯りに照らされ、千尋の白い肌が神々しく輝いた。歳三がブラジャーのホックを外し、彼女の胸を舌と指で愛撫すると、悩ましげな喘ぎ声を彼女は上げた。「あなたも、脱いでください。」千尋の白い指先が歳三のネクタイを緩め、シャツのボタンを外すと、均整の取れた彼の上半身が露わになった。「千尋・・」「あなた・・」千尋が熱で潤んだ蒼い瞳で夫を見上げると、彼はそのまま自分の中へと入って来た。数ヶ月前に結婚してからというもの、歳三との夜の営みは激しいものだった。一見禁欲的で他人を寄せ付けぬ冷たさを纏っている彼であったが、千尋の前では全く違う顔を見せた。アメリカで暮らしていた時も、こんなに激しく自分を求めたりはしなかった。やっぱりあの香帆とかいう女性と関係しているのだろうか―千尋はそう思いながら快楽に身を委ねた。「どうした、今日はやけに静かだったな?」気だるい空気の中、歳三は隣に横たわっている妻を見た。「少し疲れていて・・申し訳ありません。」「謝る事じゃねぇよ。結婚式や披露宴は来月辺りにするか。急だけどな。」「ええ。ドレスを選ぶのが大変ですけれど。」「ったく、これだから日本に帰るのは嫌だったんだ。向こうに居た時は、周りが煩くないから気軽だったのによ。」「別にいいじゃありませんか。一生に一度しかないものですし、お義姉様もご安心なさるでしょうし。」「まぁ、そうだけどな。あぁ、明日から忙しくなるな。」歳三は溜息を吐くと、千尋の胸に顔を埋めた。「あなた?」歳三がやけに静かなので千尋が彼の身体を揺すると、彼は静かな寝息を立てていた。「わたくしだけに、その顔を見せてくださいね・・」細身でありながら筋肉がついた夫の背中を撫でながら、千尋は口端を歪めると、静かに目を閉じた。 香帆の元に歳三の結婚式への招待状が来たのは、翌朝の事だった。
2012年03月21日
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「じゃぁ、歳三さんはその方とご結婚されたのね?」「ああ。式は向こうでした。こっちにも知らせようかと思ったんだが、何せ忙しくてな・・」歳三は照れ臭そうに笑いながら、隣に座っている妻を見た。(綺麗な人・・)コーヒーを飲みながら、香帆はその女性―千尋を観察した。パステルグリーンのワンピースを纏った彼女の顔は、まるで愛と美の女神・ヴィーナスのように美しく、隣に座る歳三の黒髪に、彼女のプラチナブロンドの髪がよく映え、まるで一幅の絵画を見ているかのようだった。「まぁそうなの。日本には暫く滞在するの?」「ここだけの話だが、誠心会病院に勤務する事になったんだ。ま、客寄せパンダだってことさ。」歳三はスーツの胸ポケットから煙草を1本取り出すと千尋が自然な手つきでライターをバッグから取り出し、その先に火をつけた。「歳兄ちゃん、お医者様なのに煙草吸ってるんだ。矛盾してるよね。」冗談のつもりで言ったのに、何故か口調が刺々しくなってしまう。それは彼の隣に居る美しい妻の存在の所為だろうか。「ふん、お前ぇは昔とちっとも変わらねぇなぁ、真帆。そんなんじゃ彼氏も出来ねぇぞ。」「大きなお世話だよ。それで、彼女とはどこで知り合ったの?」「野暮な事聞くんじゃねぇよ。」「あらいいじゃないの、あなた。別に恥ずかしがることじゃないじゃないの。」その時初めて、香帆は千尋の声を聞いた。 玲瓏とした、どこか神々しいような音楽的な声だった。「ったく、しょうがねぇ。」用意された灰皿に吸殻を押しつけると、歳三はコーヒーを一口飲み、カップをソーサーに置いた。「こいつとは大学2年の時に知り合ったんだよ、ポロの大会で。留学時代のダチに誘われて嫌々ながら来てみたら、向こうから声を掛けてきたんだよ。」「ふぅん、そうなんだ。」その時にはもう、歳三は自分の事など忘れていたのか―香帆の胸に、小さな棘がちくりと突き刺さった。「こっちでも、結婚式はやるんでしょう?」「本当は面倒臭ぇしやりたかねぇんだけど、近藤さんがどうしてもっていうからよ。」「そう・・きっと信子さん、お喜びでしょうねぇ。昔は“バラガキ”って呼ばれたあなたが、今や立派なお医者様だものねぇ。」「その話は止せよ、小母さん。」和気藹藹とした雰囲気が3人を包む中、香帆だけが1人取り残されたような気分となった。「じゃぁ、また来てね。」「ああ、またな、真帆。」「うん・・」家の前に停められた車の運転席に乗り込もうとする歳三に手を振って、香帆は家の中へと入った。ほどなくして、歳三と千尋を乗せた車は石田家から遠ざかっていった。「どうしたの、香帆? 気分でも悪いの?」「なんでもない。」「変な子ねぇ、あんた昨日まではやっと歳兄ちゃんに会えるって喜んでいたのに。」母は怪訝そうな顔で娘を見ると、台所へと向かった。香帆は溜息を吐きながら、二階の部屋へと入ると、ベッドに顔を埋めて泣き始めた。(馬鹿みたい、わたし・・)「姉ちゃんどうかしたの? 部屋に引き籠ってるけど?」香帆の弟・貴志(たかし)がそう言って母を見ると、彼女は黙って自分の茶碗にご飯をよそった。「今は放っておいてやれ。香帆にも色々とあるんだ。」母の隣に座っていた父・潤は味噌汁を啜った後、夕刊を広げた。「美味ぇ、お代わり!」初恋に敗れた姉の事を知らず、貴志はご飯にがっついていた。
2012年03月21日
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第一部―歳兄ちゃん、あたしをお嫁さんにしてくれる? 幼い頃、大好きな人と香帆(かほ)はそんな他愛のない約束を交わした。『ああ、俺をお前の嫁さんにしてやるよ。』そう言ってその人は、照れ臭そうに笑った。あんなのはただの冗談だったのに、大好きな人からそう言われて、香帆はすっかり本気になってしまったのだった。 24となった今でも彼氏を作らず、あの人の事を待ち続けてきたのは、あの約束の所為だった。「真帆、歳三さんが今度の週末、来るって。」「本当なの、お母さん!?」夕飯の支度を手伝いながら、香帆は歳三が帰国する事を母から知り、喜びの余り飛び上がった。 香帆と歳三の家は家族ぐるみの付き合いがあり、歳三は香帆の事を実の妹のように可愛がっていた。だが歳三は香帆が高校生の時、アメリカの大学に留学したまま帰って来なかった。「何でもお医者様になって、凱旋帰国するみたいよ。」「ふぅん、そうなんだ・・」(歳兄ちゃん、お医者様になったんだ。)香帆の記憶の中にある歳三は、彼がアメリカへ留学する前夜の、まだ高校生だった彼の姿で止まっていた。 女の自分でも嫉妬しそうなほど、歳三は肌理細やかな白い肌と、端正な美貌を持った美少年だった。顔が綺麗だけでなく、成績も優秀で、小学生の頃から習っていた剣道では全国大会で優勝した実績もあり、その為か同性にも異性にもモテた。 その彼が医師となって帰国するなど、香帆には想像も出来なかった。(あの日の約束、歳兄ちゃん憶えているかな?)まるで小学生の頃、遠足が来るのを待ち遠しくて眠れなかった時のように、香帆は白衣姿の歳三を想像しながらなかなか寝付けぬ日々を過ごした。 あっという間に週末が来て、真帆はそわそわしながらオフィスの時計を時折見た。「どうしたの、香帆? 今日は様子が変よ?」香帆の同僚・佐田広美(さたひろみ)がそう言って真帆の顔を覗きこんだ。「何でもないわよ。」「あやしいなぁ~、まさか男が出来たとか?」「そ、そんなんじゃないったら!」慌てて広美の言葉を香帆が否定すると、広美はますます香帆をからかった。「あんたにも春が来たのね、おめでとさん。」「もう、そんなんじゃないのに・・」 終業時刻のチャイムが鳴ると、香帆は退社して真っ直ぐに帰宅した。「ただいまぁ~!」玄関のドアを開けると、男物の靴が一足置いてあった。(歳兄ちゃんだ!)長い間離ればなれになっていた大好きな人に会える―香帆はその靴を見ただけで気分が高揚した。 しかし、彼女が靴を脱ごうと屈んだ時、男物の靴の隣に白いハイヒールが置かれてあるのを見て、彼女の顔が瞬時に強張った。(まさか・・そんな・・)「香帆、久しぶりじゃねぇか。」「歳・・兄ちゃん・・」リビングのドアが不意に開かれ、突然香帆は誰かに肩を叩かれ振り向くと、そこには大好きな“歳兄ちゃん”が立っていた。 187センチの長身を漆黒のスーツに包んだ彼は、昔自分を可愛がってくれたような優しい光を灰紫の瞳に湛えていた。「あなた、お知り合いなの?」彼の背後で声が聞こえたかと思うと、パステルグリーンのワンピースの裾を揺らしながら、金髪碧眼の女性が彼の隣に並んだ。(この人が、あのハイヒールの人・・)その女性を見た瞬間、香帆が今まで信じていた世界が暗転した。graphics by Little Eden
2012年03月21日
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土方歳三(ひじかたとしぞう)誠心会病院に勤める優秀な外科医。切れ長の瞳に端正な美貌、頭脳明晰な美男子。土方千尋(ひじかたちひろ)歳三の妻。金髪碧眼で、ロシア貴族の血をひいている。クールな性格。吉田栄美(よしだえいみ)土方家の近所に住む主婦。吉田敬助(よしだけいすけ)栄美の夫。吉田あき敬助の母。石田香帆(いしだかほ)歳三の幼馴染。昔から歳三の事が好きだった。
2012年03月21日
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