6月16日(日)
短歌集(307)
中公文庫:日本の詩歌29より
昭和五十一年十一月十日初版
吉田正俊(9)
いたくさみしき君が 葬 の費用には退職金を 貰 ひて当てぬ
夕 茜 久しき空にひびかひて鐘なるときに 頭 垂れゐつ
幾人 か救はれたりし 鐘 の 音 のうつつに聞けばひとりさびしゑ
雷 鳴りて一所青く澄む空のこの国にして思ひ遠しも
石投げて逃げゆく 鹿 の幾匹か泥あびて丘の上につくばふ
(つづく)
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