8月12日(月)
現代俳句(抜粋:後藤)(132)
発行:昭和39年5月30日
富安風生(3)
みちのくの 伊達 の 郡 の春田かな
「の」の畳みかけによって、感動を高めてゆくやり方です。「みちのくの」と大きく始まり、「伊達」の「郡」のと引締め、収縮して、「春田かな」とぴたりと打ち止めています。「春田」は、紫雲英などが一面に咲いている華やかな田です。この句の「かな」は、軽い、無造作な「かな」で、こういう「かな」を旧派の宗匠は「吹流しのかな」と言っています。きわめて無欲に、即興的、瞬間的にこの「かな」を用いたのでしょう。
(つづく)
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