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下北の原燃原発見下ろして安全無限の風車が回る
(東京都)宮田礼子
風力発電の風車の支柱が折れるという事故のニュースがあって、風力発電にもそれなりのリスクはある。しかし、無人の野に建てられる風車では真下に人がいる確率はほとんどゼロに等しく、仮に人身事故が起こったにせよ、東電福島第1原発のリスクとは比べようがない。
風車のリスクを基準にすれば、原発1基のリスクは無限大であることは〈フクシマ〉によって事実として証明されている。原発を基準にすれば、風力発電の風車の「安全性」は無限大である。
原子力や放射線医学の専門家はしばしば「リスクコミュニケーション」が大事だという。しかし、彼らのリスクコミュニケーションとは口八丁、手八丁、加えて札びらの威力で「無知な大衆」に「安全である、危険はない」と信じ込ませる作業であるらしい。少なくとも、東大教授の島薗進先生の『つくられた放射線「安全」論』 [1] をよむかぎり、そうとしか思えない。
専門家の「安全信仰」と比べれば、上の歌に詠まれた「安全無限の風車」という歌詠みの眼差しがいかに正しく、信頼できるかは言うまでもない。
左から主催者代表、司会者、初めての参加でスピーチをする人。 (2013/6/14 18:12、18:18)
定刻の午後6時を少し回り、いくぶん遅刻気味の私も何とか間に合うような案配でデモ前の集会が始まった。 いつものように、初めての参加者として、カソリック教会の人、反原発運動とボランティア活動で全国を回りながら宮城に住みついたばかりの若い人などがスピーチをした。
仙台市が東北電力の大株主だということに話題が及び、仙台市議の人が仙台市長に女川原発の廃炉を主張するように議会で働きかけたいと熱弁をふるったし、仙台から離れて活動している二人の女性の熱いスピーチもあった。
まっすぐ一番町に向かうデモ。 (2013/6/14 18:52)
デモが一番町に入ると、先週から開催されていた大陶器市が今日で終るらしく、それぞれのテントは商品の片付けをしている。先週と同じようにここではコールを遠慮しながら歩くのである。
一番町、ブラザー軒のある路地前を行く。 (2013/6/14 19:00)
定禅寺通りから一番町に入り、広瀬通りに出る少し手前に「ブラザー軒」がある路地の前を通る。じつは、昨日ひさしぶりに菅原克己の詩を読んでいて、そこから高田渡の 「ブラザー軒」 に想いが及び、これまたしばらくぶりの高田渡の歌を聴いた。
「東一番丁 ブラザー軒」という歌い出しで始まる菅原克己の詩に高田渡が曲を付けて歌っているのだ。ブラザー軒の椅子に座った詩人が亡くなった父親と妹の幻影を追うという内容の詩で、次のようなフレーズで詩は終る。
死者ふたり、
つれだって帰る、
ぼくの前を。
小さい妹がさきに立ち、
おやじはゆったりと。
東一番町、
ブラザー軒。
たなばたの夜。
キラキラ波うつ
硝子簾の向うの闇に。 菅原克己「ブラザー軒」部分 [2]
じつに静かな感情で亡くなった者たちへの哀惜を詠ういい詩だし、いい歌である。高田渡は歌うべき素敵な詩を選ぶ才能に恵まれたフォーク歌手だった。
菅原克己は宮城県亘理町生まれで、黒田三郎や吉野弘と同じように、辛い社会を優しい心でとらえ続けた詩人で、私としては次のような詩がとてもお気に入りなのである 。
もう会うときはあるまいと、
それぞれ考えながら
それでも年に一度ぐらいは、
などといたわりあって別れる
むかしの人に会ってきた。
二〇年目に、
暗い八重洲通りで……
菅原克己「むかしの人」部分 [3]
反原発デモの話が、菅原克己の詩の話題になってしまったが、これもいいことにしよう。デモは来週も、再来週も、その後もずっとあるのだから、今日はこのまま詩の話で終ることにしよう。
蔵王の、
ぶなの森の、
小径は良かったね。
蛇や栗鼠があそんでいた。
人がいないのに
かえってにぎやかだった、
あの木漏れ日の小径は。
菅原克己「蔵王の小径」全文 [4]
2週続けて蔵王連山の北の端の山を歩いた。木漏れ日の小径が賑やかだというのは、一人で山歩きをする人間には意外と共通する感覚かも知れない。
来週も山へ行こうと思っているが、梅雨時の天気予報は思わしくなく、雨天登山などは避けたい身にはまったく予定が立たないのだ。
さて、菅原克己も高田渡も亡くなってずいぶん時がすぎた。「東一番丁」もとうの昔に「一番町」と名前を変えられてしまっているが、 ブラザー軒 は昔のままで立派に残っている。

「ブラザー軒」。 (2013/6/14 18:00)
[1] 島薗進『つくられた放射線「安全」論』(河出書房新社、2013年)。
[2] 『菅原克己全詩集』(西田書店 2003年)p.78。
[3] 同上、p.184。
[4] 同上、p.28。
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