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<内容紹介より>石元陽菜は愛らしい笑顔で人気の女子大生。彼女に好意を寄せる男たちは、気を惹くために重大な『秘密』をつい打ち明けてしまうが、陽菜の本性は、男をいいように操って己の利益をはかろうとする、極めて自己中心的なものだった。ここ最近執拗にかかってくる無言電話に、陽菜は苛立ち怯えていた。堪えかねた陽菜は相手を口汚く罵り、挙句に男たちから聞いた『秘密』をぶちまけて憂さを晴らすようになる。一方、電話の向こうの『ストーカー』は衝撃を受けていた。信頼して話した俺の『秘密』を、誰ともわからぬ相手に暴露するなんて...。裏切られた怒りはやがて殺意となり、『ストーカー』はゼミ旅行の目的地である絶海の孤島で陽菜を殺害することを決意する。嵐の孤島、錯綜する人間関係、閉鎖空間の殺人 「まさに本格」という要素から想像を超えた驚愕の真相を導き出す、新鋭の剛腕に驚嘆せよ。
久しぶりに真剣に犯人探しにをしました。
登場人物は癖のある人達ばかり。
ここまで揃うかー!と言うくらい一癖、二癖あります。
メインの学生達ばかりでなく、その親達までかなり個性的で、登場人物には突っ込みどころ満載ではあります。
その筆頭が陽菜。確かにこういう女の子っています。
自分の魅力をはっきり自覚し、それを最大限に活用しまくる女。私の周りでも過去に居ましたね。でもここまで酷くない。
もう少しツメが甘いお馬鹿さんと言うのか、いや、賢くて限度をわきまえているというのか、陽菜に比べたら可愛いものです。
他にも登場人物にはこんな感想
・今時、好きになった女性に貢ぐ為に危ない筋にまで借金しまくる男なんているのかなー(橘)
・ここまで盲目的に好きな子を信じちゃうかなー、単純すぎるけど男の人ってこんなもの?(景太)
・ここまで揃ったいい男なんて、世の中にいるわけないでしょ(高坂)
・あまりに女にだらしがない(景太・雅水の父)
・親としてありえない。自分の子供に本気でそんな事言ってるの?(いずみの母)
・一つの作品の中に、何人もこんな人が出てくるなんて出来すぎでしょう(いずみ、倉田医師)
ドロドロの昼ドラのよう(あ、私この手の昼ドラは苦手です)。
こんな突っ込みをしたくなるのですが、人間の奥深くにあるドロドロとした浅ましいえげつない部分、決して分からないわけではないのです。
自分で突っ込んでおきながら、そりゃぁ人間だもの、少なからずそういう感情を隠し持っているよねぇ、なんて思ったりもするのです。
しかし、ミステリーとしてはとても練ってあって面白いのです。
ちょっと盛り沢山な気もしますが、かなり終盤まで真犯人を定める事ができませんでした。ラストの展開も全く予想がつかなかった。
何とも言えない切なく、また理不尽な終わり方ですが、きっとこの著者の次作も読むと思います。
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