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有名作品ですが江戸川乱歩の『黒蜥蜴』を読みました。もう1つ「湖畔亭事件」という作品が収録されていました。 どちらかというと、「湖畔亭事件」に注目したので、そちらについて書きたいと思います。物語は語り手の自己紹介から始まります。その人はレンズマニア!で、奇妙なレンズを使って部屋をのぞくなどということを行っています。短編の「鑑地獄」の焼き直し?と思われる方(わたしを含む)もいるかもしれませんが、しっかりと事件の起こる話ですのでご安心を。ネタの使いまわしのようなものは彼の作品には確かにしばしば見られるかもしれませんが、ポジティブに考えれば、乱歩先生のひとつの作品が好きになれば他の作品も好きになれる可能性があるということです。 そして物語は、語り手が「殺人事件」を、のぞき装置を通して目撃することになります。あくまでのぞき装置によって見つけたというところがポイントです。ともあれその後、事件のあった湖畔亭で素人探偵による捜査が展開されていきます。警察の捜査が実力不足なのは仕方がない。 トリックがすごいというわけではないのですが、結末が何度かひっくり返りさらに余韻の残った終り方をしています。個人的には、最初のひっくり返し方がやや弱いようにも思えました。最後はおっけーだと思います。
2008.05.25
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江戸川乱歩の『孤島の鬼』を読みました。最初のほうではタイトルの意味が不明でしたが、その点については後半で解消されました。 内容は、いろいろな趣向がぎっしり詰まっているというのが第一印象です。密室殺人、たくさんの観衆がいる中での殺人、暗号、犯人との対決、冒険、スリラー・・・。前半は本格推理的な雰囲気で後半はスリラー的雰囲気です。そのほか物語を取り巻き彩るいくつかの怪奇・ある種のおどろおどろしい雰囲気もありますがここでは割愛します。 殺人事件のトリックが拍子抜けなのが残念なところです。まあ、トリックを知ってしまえば「なーんだ・・」といいたくなってしまうところはマジック的といえばマジック的かもしれません。実際にとある作中人物は「手品の種は、いつもバカバカしいものだからね」と語っています。科学手品などでは、種を知るとかえって驚く、ということもありますがここでは言及しません。 私自身の読後感で言えば、トリックの面よりも特に後半の生きるか死ぬかといった場面の読み応えに圧倒されたように思います。心理の変動と危機状況があいまってとっても緊迫感のあるシーンが描かれています。 少し表現にきついところがある作品といえますが、それぞれの好みに合わせて楽しめるのではないかなと思います。
2008.05.06
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