メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jan 17, 2007
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サービスを向上させる手段の一つのキーワードに「笑顔」というのがあります。

「笑顔でお客様をお迎えします。」
「いつも笑顔でお出迎え」
「スマイル¥0」

数々のサービス業で、スローガンが掲げられています。スマイルトレーニングや、最近じゃ「笑顔コンサルタント」なんて職もあるんですね。

何でですかね?別に笑顔じゃなくったっていいじゃぁないですか。
美味しい料理を作ってくれて、聞いたことには答えてくれて、注文したものを待たされること無く間違いなく運んでくれれば、、、

スタッフの側にしてもそうです。
「楽しくないのに笑えない」「忙しくて笑顔ができない」、「人間だからそんな時も、、、」


しかし、「笑顔が出来ない」、というのは卑怯なことなのです。
笑顔は人に「与えられるもの」であるからです。

サービスという言葉の中の意味の一つとして
「持っているものは与えなければならない。」
という思想があります。

持っているものを与えるという意味で例を挙げると、お金持ちはお金持ちなりに、社会へ還元・奉仕するべきであるということです。

昨今ではマイクロソフト社のビル・ゲイツでしたでしょうか、引退の後に手元に残った数億ドル(数千億ドルでしたっけ?)の資産を奉仕団体に寄付するというニュースもありました。

ノブレス・オブリージュ、「高貴なる者の義務」と訳されます。力のある人はその力を他人のために使わなければならない。その義務を果たしてこそ、「高貴なる者」であるのだと。

では、それはお金持ちやリッチな人々の話ではないか。リッチな人間でないと他人に与えられるものが無いじゃないか、という話になります。

とある調査において、「世界で一番リッチな有名人は?」という問いかけがありました。

その中の答えに「マザー・テレサ」という答えが多く見られたのです。


しかし、

「彼女には人に与えられるものを誰よりもたくさん持っている。」

というのがその答えの意味でした。自らの体力、時間、そして心を惜しみなく与え続けることが出来たからです。

他人に与えられるもの。それは必ずしもお金とは限りません。モノだけでもありません。

お金もモノも無くても、体を使った奉仕の方法もあります。多くの国において兵士が尊敬されるのは「勇気」が称えられるからです。他人に物事を教えること、これも自らの「知識」を与えることが出来るという点において尊いことです。また、明らかに無力とも見て取れる生まれたばかりの赤ん坊が、他人に微笑みかけることによって幸福感を与えることが出来るというのも事実です。



レストランサービスの現場において、もちろん料理に対する技術や、深い知識などは目に見えない「与えられるもの」のひとつです。しかし、それが自分には無くても、たったひとつの微笑だけであっても、心地よい一瞬をお客さまに与えることは出来るのです。


他人に「与えられるものを与えない」ことは卑怯なことなのです。

サービスマンにとって、「笑顔でお客様に接すること」は「与えるべきことを与える」義務です。
しかし、義務であるからこそ、それを果たしたときにプロフェッショナルとしての「誇り」を感じることが出来るのです。

(続く、、、)








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Last updated  Jan 18, 2007 04:06:09 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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