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2012.03.24
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いつのまにか3月も終わりになってます。


毎週土曜日は、診察前の往診が2件ある。
2件目は、80代後半の一人暮らしのお婆さんだ。
実は彼女は、僕の中学の同級生のお母さんである。僕の母親よりは8つぐらい年上になるかな。

とりたてて大きな病気ではない。
要するに年よって一人暮らしが困難になってきている老女なのである。
大きな庭のある家に一人で住んでいる。
庭はいろんな花が咲き乱れている。この間まで紅梅、白梅が咲いていたが、今はツツジと桜が咲き始めている。

部屋の中には、ご主人が生きていた頃からあると思われる、古い道具や書類がそのまま残っている。
おそらく、今となっては、この家の中にある95%ぐらいの品物が、彼女にとっては不要なものだと思うけど、それを整理する人も居ない。
息子さん2人は年に何度か帰ってくる程度である。

毎回訪問したときに、その様子をメールで知らせている。
グループホームとか老人ホームを探してるようだ。
長男さんは独身で一軒家に住んでるけど、同居と言う線はないらしい。

毎日ヘルパーさんが食事を作りに入ってる。
でも、ほかには手が回らないと見えて、髪の毛ももうぼうぼうのび放題である。

静岡の人なので、お茶にうるさい。
毎回行けばお茶を入れてくれる。
彼女が入れてくれるお茶は、それほど熱くなくて甘くておいしい。


いつものように、ふらふらするわ、もう脳梗塞になるんじゃないのかなと言う。
まあ5年ぐらい前からこんなこと言ってるけど、何も起こってないから、今後も起こらないだろうとは思うけど。

簡単な診察をした後で、ばあさんのためにお湯をわかしてお茶を入れる。
飲んでみると、熱くて味が薄い。
「先生、これお茶の味がしない、葉っぱをけちったわね」と言う。


そう思いながらお茶を入れ直す。
彼女の急須は、一人用の万古焼きで、蓋が2つに割れているけど、それをそのまま使っている。
小さいから加減がよくわからんのよね。
そんなことを思いながらお茶を入れ直す。
うん、今度はまあまあだとばあさん満足した様子。

世代的には母の世代だが、自分にとっては婆さんと言う感じが近い。
父方の祖母は僕が小さいときに亡くなったし、離れて住んで居たので思い出は少ない。
母方の祖母は、昔同じ町内で住んでいたし、小さいときは美容室を営む母の代わりによく面倒を見て貰ったので思い出が多い。

両親が夫婦げんかをしてる時など、僕は町内を走り路地を抜けて祖母の家に行き、彼女の部屋の窓をコンコンと叩いたことを思い出す。

高校生の時に今の実家へ引っ越してからは、月に1回ぐらいお泊まりで遊びに来ていた。
上品で色白で美人の婆さんだったので(うちの母は残念なことに祖父に似ている)僕は彼女が好きだった。

祖母は僕が医者になって2年目の秋に突然亡くなった。医者に行く暇も無かったらしい。
大分前から心臓が悪かったことは知っていたが、突然のことだった。
成長の家を信奉してた彼女は、「ありがとうございます、ありがとうございます」と言っていたそうだ。

僕はそのとき高知の端っこの市民病院に居た。
あんたに脈を取って貰いたいと言われていたのに、医者になってからは忙しくてあまり婆さんに会ってなかった。
死に目に会えなかったことは、今でも少し心残りである。

今目の前にいるこの婆さんの最後の脈を取ることがあるんだろうか?
ここまで診たから、最後まで診てやりたいなと思う。
まあ、それは家族の都合も病気の進行状態などいろいろなものに左右されるのだろうけど。


そういえば、大学生の時、敬老の日に祖母を連れて郊外のお寺へドライブしたことがあった。
急な坂で対抗した時にエンストしてマニュアル車だったこともあり、坂道発進が出来ない。
クラッチをつなごうとするとエンストする。車はかなりの角度で傾いており、うっかりブレーキを離したら、あっという間に下がりそう。
そんなとき、彼女は横でやっぱり「ありがとうございます、ありがとうございます」とお祈りをしていた。
対向車に、エアコンを切れと言われて、それでエンジンが繋がり無事を得た。
その後、お寿司屋さんによって帰ったんだよね。

そんなことを思い出しながらお茶を飲んでたら・・時計が鳴る。
おっともう9時じゃん。
朝の診察に遅刻である。
昨日も往診が長引いて遅刻したし。

いかんぞうと思いながら自転車のペダルを踏む。
今日は風が強い。
春一番かなあ。

もう春なんだ。









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Last updated  2012.03.24 12:06:57
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