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7位 2792 ハニーズホールディングス(東P、5月優待) ◎◎◎
PF時価総額7位の主力株は、10~60代向けレディスカジュアル・服飾雑貨の製造小売りのハニーズです。2021シーズンにある出来事がきっかけで「ハニーズは主力の一角で戦う価値がある。」と考えて大きく買い増して7位で登場、今シーズンもその地位を維持して2年連続のTOP10入賞となりました。
ところで、 「ピーターリンチ直系のバリュー投資家」
を自任する私は、身近なショッピングセンター・繁華街のお店や人の流れ、その表情を丹念に注意深く観察することによって、主力で戦える銘柄を見つけることが出来ると固く信じています。これまでも「ピーター・リンチ作戦」で多くの銘柄を発掘してきました。
そんなイオニストの私は、昨年2021年に旅行先で中くらいの規模のイオンに立ち寄りました。何故かというと、「行ったことのないイオンを見つけると、絶対に突撃せざるを得ない。」という深刻かつ不治の病にかかっているからです。(汗)
そのモールに入ってまず感じたのは、「なんか薄暗いし、活気がないな。」ということでした。週末の土曜日と言うのに、1階からして人がまばらで、2階に上がるとお店の何割かが閉まっていて、ガチャガチャコーナーになったり、ただのがらんどうと化したりしていました。
「、、、死臭が漂うイオンだな。これは多分駄目な奴や。長くないかもな。。。」と思いながら、舐めるように1つ1つのお店を観察しながらゆっくりゆっくりと歩いていました。ほとんどのアパレルショップはお客さんが0人で、手持ち無沙汰な店員さんがビー玉のような虚ろな目をして店の奥に佇んでいるのみでした。
、、、2階の片隅まで来ると、ポツンとハニーズのお店がありました。小さな店舗でしたが、他の衣料品店と違ってここだけお客さんがいます。40代と10代と思われる母娘ペア、20代前半くらいの女性ペア、60代くらいの女性1人、合計で5人入っていました。みんな真剣な顔をして洋服を探しながら店内をゆっくりと移動しています。。。。。。。
、、、私はその光景を見た瞬間に、薄暗い寂れたイオンにいるのに、目の前に稲妻が落ちたような鮮烈な感覚を覚えました。そして同時に、
ハニーズはイケる。主力で戦える。
と直感しました。自分が受けた衝撃は大きく、無意識に左胸に手を当てると、心臓が大きく激しく鼓動していました。
「どうしてハニーズがイケると俺は思ったんだろう。徹底的に観察しよう。」と思って前のめりでお店に駆け込みました。でも1店だけでは良く分からなかったので、その後色々な地域のハニーズに出かけて、合計で10店舗位を徹底的に見て回りました。
すると、ハニーズにお客さんが多い理由が分かってきました。間違っているかもしれませんが、自分が感じたのは以下の通りです。
1. ハニーズは店内の通路が非常に狭くかつ大量に圧縮陳列している。但しうまくバランスはとれており圧迫感は比較的少ない。「単位面積当たりの商品数」が他のアパレルショップに較べて圧倒的に多くて効率的。それで多くのお客さんを呼び込めている。
2. 普通のアパレルショップに較べて、サイズ展開が豊富である。S・M・L・LLが揃っている。なので、小さい人もおデブな人も買える服がある。要は間口が広い。例えば、同じような生地でも、10~20代向けに体のラインが出るようなデザインのものもあれば、その横に体形をカバーできる中高年向けのデザインのものもある。実際、60歳以上と思われる方が商品を持って嬉しそうにレジに並んでいる姿を何度も見た。
3. ミャンマーとバングラデシュを中心に商品を生産しているので、非常に値段が安い。そしてその割に品質も高い。また店内のあちこちで売れ残り商品を迅速に値引き販売していて「宝探し」の様な楽しさがあるので、それが頻繁にお店に行く動機付けに多分なっている。
そして私が裏寂れたイオンで、電撃的に肌で感じた「ハニーズの戦闘力の高さ」は、「3年連続で顧客満足度が衣料品業種で1位」という結果に結実しています。
(上記データはハニーズのホープページから引用)
、、、と言うことで、
直感の裏付けが取れた
ために、昨年私はハニーズを主力化したのでした。外食業界の 7581サイゼリヤ
やホテル業界の 9616共立メンテナンス
のような、「明らかに同業他社とは異なる。」類い稀なる個性と魅力を備えていると感じています。
アパレル界のドーミーイン
的なイメージですね。
、、、、ハニーズを主力化した私は、その後様々な街で実際の店舗を観察してきました。すると、定点観察しているお店の内の2つが隣の空き店舗を併合してお店の面積を+50%くらい拡大しました。「これはハニーズのアパレル業界内での相対的な強さを示している。ここはまだ主力で行ける。」と自分は考えています。
すいません、悪い癖が出て前置きが途轍もなく長くなりました。
そんな小粋でお洒落なハニーズの現在の株価は1222円、時価総額億341円、PBR0.90、自己資本比率は82.6%で有利子負債は0と鉄壁、今期予想PER9.73、配当利回り3.3%(40円)、総合利回り5.2%(40+24=64円、利回りは100株保有時。また優待券はメルカリ平均価格の額面の80%で換算。)で、優待は100株保有で「1年以上の継続保有を条件として」3000円相当の商品券などです。
ハニーズの店舗は全国津々浦々に広がっており、優待券の利便性は抜群です。今日は優待券を使っての実際の購入例をいくつか見ておきましょう。どの商品も「コストパフォーマンス抜群で、普段着に最適(姫の言葉)」とのことです。
さてハニーズは、赤字垂れ流しで諸悪の根源だった中国から完全撤退したことで、現在はしっかりと利益の出る状態に復活しています。ちなみに下の「生産国別仕入状況」を見ても、「脱中国」に成功しています。
中国での事業には他国に比べた場合様々なリスクや難しさがあるので、非常に良い判断だったと個人的には考えています。
またハニーズは同業他社と比べた場合に株価水準に相対的な割安感があるのもとても良いと思います。ちょっと見ておきましょう。
2685 アダストリア PBR1.73×PER14.88=25.74
2726 パルグループHD
PBR2.16×PER15.46=33.39
2792 ハニーズHD
PBR0.90×PER9.73=8.76
3548 バロックジャパン
PBR1.38×PER20.00=27.60
7445 ライトオン
PBR1.23×今期赤字=算出不能
7603 マックハウス
PBR1.21×今期赤字=算出不能
7606 ユナイテッドアローズ
PBR1.75×PER14.63=25.60
アパレル業界の各銘柄と言うのは株式市場では割と高く評価されており、PBRで言うと1~2倍くらい、PERで言うと15~20倍くらい、グレアムのミックス係数で言うと25~35くらいの値付けになることが多いです。そんな中で、ハニーズだけはPBR1倍割れ、PER10倍割れの水準であり、「一人だけ網走刑務所」状態となっています。
ちなみにハニーズの評価が同業他社に対して明らかに低い理由ですが、かつてイケイケで大量出店した中国で大失敗してしまい2014~2018年くらいにかけて利益水準が極端に低迷したことにより、「ハニーズは駄目な銘柄だ。」というイメージが投資家に根強く残っていることが原因ではないか?と考えています。
(上記データは四季報オンラインプレミアムより引用。2013年3集)
でも2022年現在では既に中国からは完全撤退済みですし、ハニーズは過去の過ちをもう全て清算しています。そして投資は未来を見てするものです。
以上、「バランスの取れた圧縮陳列手法で抜群の店舗戦闘力」を誇る、「アパレル界のドーミーイン」こと
「新生ハニーズ」を楽しくホールドしながらポートフォリオ最上位の一角で引き続き応援していく予定です。
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