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日本海に面した城下町・萩は、夏蜜柑の町でもある。光圀の夏蜜柑丸漬は、そんな萩を代表する銘菓。光圀は、光圀本店と分家の長州屋光圀に分かれているのだが、Mizumizuが萩で寄ったのは、萩グランドホテルの目の間にある長州屋光圀。店の中は暗く、やや雑然としていて、「大丈夫か? この店」と突っ込みを入れたくなるような雰囲気だった。光圀本店のほうは違うのかもしれない。こちらが夏蜜柑丸漬。皮を砂糖漬けにし、中身をくりぬいて羊羹をつめた伝統の味。なめらかな羊羹と噛みごたえのある皮の食感の違いが楽しい。一度は試してみる価値あり。皮は、苦みをまったく感じさせないぐらい甘く甘く漬けてあるので、それが逆に、皮の苦味が好きなMizumizuには猫に小判になってしまっている。羊羹も甘いので、とにかく、「甘みが珍重されていたころのお菓子」という印象。東京の老舗の和菓子屋もこういう味のところが多い。こちらは「夏蜜柑平漬」(左)とまだ青い夏蜜柑の皮を薄切りにして糖蜜煮した「萩乃薫」(右)。平漬は、簡単に言えば、丸漬の中身がないもの。皮だけを漬けてペタンとつぶしたお菓子。これもとにかく甘い。萩乃薫は甘いなかにやや若い苦味があり、こちらのほうが好みだった。萩らしい、老舗らしい味。この城下町を訪ねたら、持って帰りたいお土産だ。
2011.08.25
「き楽」は午後かなり長い間昼休みを取るので、観光客の時間と合わないこともあるかもしれない。そんなときは迷わず、近くの「千石寿司」へ行こう。くじらのモニュメントが目立つ仙崎港前にあり。目の前が駐車場だから、クルマで来た人には「き楽」より行きやすい。 活イカづくしはないが、メニューは豊富。生うに丼や三味ちらしが目玉のようだが、Mizumizuがここで食べるのは、もっぱら「いかそうめん丼」。要はすし飯にいかそうめんをのせたもの(笑)。イカは透き通ってはいないが、新鮮。めちゃくちゃ美味しいとか絶品とか、言うつもりはないのだが、普通に美味しくいただける。これが案外大事だ。うには正直言って、北海道のものを食べてしまうと山口で食べる気になれない。もっともイカも北海道のほうが美味しいと思う。なんてことを言っては身も蓋もない。ここは西日本。北海道の海鮮と比べては気の毒というものだ。窓の外に、波に揺れる船が見える。四角いテーブル、四角い模様の入った四角い座布団、四角い窓、四角い障子・・・この統一感と窓の向こうの、潮の香り漂う港の風情が好き。
2011.08.24
山口で仙崎といえばイカ。イカといえば仙崎。日本海に面したこの漁港に来たら、「き楽」(営業時間/午前11時~午後2時、午後5時より午後10時)へ寄ろう。ここはイケスでたった今まで泳いでいた活イカを刺身で食べさせてくれる店。いかにも漁師町にふさわしい料理の数々。すべて新鮮な海の幸が使われており、素朴な味わいに満ちている。この透き通った新鮮なイカを目当てに、客がひきもきらない。ゲソは身を食べ終わってから唐揚げや天ぷらなどに、調理してくれる。いったん引き取って調理されて出てきた熱々のゲソ。美味しいのは言うまでもない。こちらは一緒に行ったMizumizu連れ合いの頼んだふぐ膳。こちらもMizumizu連れ合いの評判は上々だった。
2011.08.23
弁天池からさほど遠くないところに、秋芳白糸の滝という、ちょっとしたハイキングコースがある。木製のりっぱな橋をわたって山道へ入る。橋の向こうの山肌には、黄色い山吹の花が咲いていた。やまぶきの 立ちよそひたる山清水 汲みにいかめど 道のしらなく(山吹の花が咲いている山の清水を汲みに行こうと思っても、道を知らないのです)これは十市皇女(とおちのひめみこ)が急逝したときに、異母弟の高市皇子(たけちのみこ)が歌った歌。山吹の「黄」と清水、すなわち水の湧く「泉」のイメージを重ね、黄泉(よみ)の国へ追いかけて行きたいのに道がわからないという、のこされた者の絶望感を表している。清らかな水が山肌から流れてくる秋芳白糸の滝への道は、まるでこの歌で高市皇子が探していた道のようだった。いかにも湧き水の出そうな山肌に咲く一重山吹、そしてその奥に隠れた清らかな滝。とすれば、ここは黄泉の国だろうか。今は整備されたハイキングコースだが、確かに橋をわたって山吹の花に出迎えられ、カルスト台地の石灰分を含んだ、神秘的な緑色の水をたたえた池を見て、滝へと向かう人里離れた道筋は、晴れていても濡れたような空気が静謐で、昔の人なら黄泉の国へ通じる空間だと畏怖の念をもったかもしれない。やまぶきの 立ちよそひたる山清水 汲みにいかめど 道のしらなく悠久のときを超えて、先だった十市(おそらく彼女は自ら命を絶ったのだ)が高市に向かって、「私はここよ、ここにいる。私に逢いたいのなら、貴男がここに来て」と言っている。そんな幻想をふと抱いた。ありふれた田舎のようでいて、カルスト台地という特異な地質がもたらす非日常的な恵みを隣り合わせにもち、想像力を刺激するちょっとした不思議が散らばっている。このあたりはそんな場所だ。ここからさほど遠くない町に生まれ育った画家香月泰男は、鮮やかな山吹の黄色も、弁天池を思わせる青緑色の神秘的な色彩も、どちらも印象的にキャンバスに再現している。この画家は黒を基調としたシベリア(抑留)シリーズが有名で、中学時代に反戦思想とからめた教育の一環として、戦争の悲惨さを強調するカタチで香月泰男の同シリーズだけを(ほとんど無理やり)鑑賞させられた。子どもだったから、その陰惨さにショックを受け、香月泰男が苦手になってしまったのだが、あらためて香月泰男美術館へ足を運んだところ、絶望的な抑留生活だけではない、田舎の木訥とした生活人である画家のさまざまな側面が見えた。油彩だが、やや日本画的な空間処理やデザイン的な構図は、なかなかに見応えがあった。陰鬱な黒や血のような赤を使った絵ばかりが紹介されるのだが、むしろ温かみのある黄色を使った静物画、それに日常生活のひとこまを神秘的な青緑色を使って不思議感たっぷりに描き出した作品が印象に残った。ある画家のあるイメージを押しつけるような教育や宣伝は、いかがなものかと思う。芸術鑑賞まで1つのイメージに「抑留」されてはたまらない。長い抑留を経験しても、画家が心のおもむくまま身近な景色を、あるいは記憶の中の遠い景色を描いたように、見る側も画家のメッセージを「自由」に受け取りたい。
2011.08.18
Mizumizu+Mizumizu連れ合いが山口県をドライブしていて、思わず同じ感想を言ったことがある。「山口って、バリ島に似てない?」植物体系こそ熱帯と温帯で違うものの、低めの山が連なった田舎道の緑の豊かさ、霧が出たときの暖かな湿気など、どことなく似ている・・・気がする。極めつけは、この場所、別府弁天池。こんもりと緑に囲まれた神秘的な風景。ここに足を踏み入れたとき、バリ島の湧き水のある寺「ティルタ・エンプル」に戻ってきたような感覚にとらわれた。エメラルドグリーンの神秘的な水をたたえた弁天池。日本名水100選にも選ばれた湧き水の出る場所で、池から少し離れた駐車場のそばに水道の蛇口を取り付けた取水場がある。だが、個人的にはこの神社の境内の中にある取水場から出る水のほうが美味しいように思う。駐車場まで水道管でひっぱった水は、量が多いし汲みやすいのだが、味が落ちるのではないだろうか?のぞき込むだけで不思議な気持ちにさせられる水の色。晴れた日の北海道のオンネトーほどではないが、それに近い神秘性がある。ここでケチャックダンスのような宗教的な踊りがあれば、ますますバリ島だな・・・と思ったら、なんとなんとちゃんとあった。「念仏踊り」。つまるところ、これらはいわゆる聖水信仰で、自然の中に八百万の神が宿ると信じていた日本とバリ島の宗教観には共通性があるということだろう。ヨーロッパの先住民族ケルト人にもこうした自然信仰があり、アニミズムを野蛮なものとして嫌った制服民族であるキリスト教徒は、彼らの聖地に大聖堂を建てた。シャルトルの大聖堂もケルト人の聖水信仰の地に建てられており、行ってるみると、なるほど川に囲まれた水の豊かな場所だった。ヨーロッパでは消された自然信仰が、こういうかたちで残っている・・・・・・日本の古い田舎とバリ島がどことなく似ているのは、やはりこうした根が同じだからかもしれない。Mizumizuが怪我をしたときにバリ島の人々が見せた控えめで、さりげない思いやりも、日本人のもつ主張しない優しさにとても似ていた。
2011.08.15
夏は水密桃。白桃も黄桃も好きだ。そして、京橋千疋屋の桃のパフェも。瑞々しい白桃が器からこぼれんばかり。その下にはクリームに包まった小さな桃片が隠れている。夏を告げる京橋千疋屋の洗練パフェ。 京橋千疋屋 「旬果糖蜜」フルーツコンポート白桃【お中元2011】【楽ギフ_のし】京橋千疋屋 「旬果糖蜜」フルーツコンポート桜桃(さくらんぼ)【お中元2011】【楽ギフ_のし】
2011.08.09
THE ICEチャンネルで日本人スケーターの素晴らしいパフォーマンスを見た。どの花もそれぞれに美しいが、今回Mizumizuがもっとも惹きつけられたのは浅田真央の『ジュピター』。http://www.youtube.com/user/theiceCTV#p/c/11/Q1rMvNAj0RYもともと旋律とリズムに溶け込んで行くような繊細な音楽表現には定評のある浅田真央だが、このプログラムでの浅田真央には、(佐藤コーチについた成果だろう)ポーズの1つ1つにフィギュアの「型」のような味が加わり、透明感あふれるボーイソプラノの歌唱と相俟って、氷上にこの世ならざる世界を現出させている。「妖精」という言葉は普通、少女期の選手に与えられる冠のような言葉だが、浅田真央に限っては、20歳を超えてもその限りなくピュアで浮世離れしたムードが失われることがない。すっと上げたスパイラルでの脚のラインの美しさ。下半身に肉がつき、「女性らしい体形」になってくる年齢を迎えても、あの人形めいた抜群のプロポーションを維持している。それがどれほどストイックな節制を要求するか、女性ならばわかるだろう。浅田真央の才能とその才能が積み重ねてきた陰の努力を、バンクーバー五輪後に的確な言葉で探り当てた日本人がたった一人だけいた。『日本沈没』『さよならジュピター』で知られる日本SF界の巨匠、小松左京。あのバカげたキム・ヨナの高得点だけを盲信し、メディアが「キム・ヨナ、ダントツの勝利」と賛美一色になるなか、雑誌への寄稿文で、「僕にはバンクーバーで浅田真央さんがキム・ヨナさんに負けた理由がよくわからなかった。真央さんのほうが人間として華があると感じた」と堂々と書いた審美眼の持ち主だ。 浅田真央の華――それは多くの日本人ファンを惹きつけている。それは彼女が持って生まれたものでもあり、努力を積み重ねて獲得したものでもある。 韓国芸能を何がなんでもゴリ押しして、日本人より優れているということにしたい一部メディアの偏向プロモーションは、ここに来て一人の芸能人のつぶやき、そしてその彼になされた仕打ちを見て、大きな反発と反感を一般人から買っている。http://www.j-cast.com/2011/08/01103148.html「韓流偏重批判」巡りネット大騒動 著名人から共感の声、フジ抗議デモ告知...俳優の高岡蒼甫さん(29)が韓流偏重とフジテレビを批判したことを巡り、2ちゃんねるで500以上もスレッドが乱立する大騒動になっている。著名人から共感の声が寄せられる一方、テレビ局の内情を訴える声もあるようだ。 2ちゃんねるで騒ぎが過熱したのは、高岡蒼甫さんが2011年7月28日、所属事務所を解雇されたことをツイッターでほのめかしてからだ。女子フィギュアはむしろその先駆けになったといってもいい。自国にこれほど華があり、これほどまでに天上の美を備え、努力を怠らない素晴らしいスケーターがいるのに、一部のテレビ媒体は、他国の選手の宣伝に躍起になった。 フジテレビを批判した動画の一例:http://www.youtube.com/watch?v=asFfVxtvrRo&NR=1韓国ばかりを取り上げる日本のテレビ局を皮肉った動画の一例:http://www.youtube.com/watch?v=iD9JV_lNwTk&NR=1花粉よろしく一方的に撒き散らされる一部メディアによるプロモーションで、逆にアレルギー症状を起こす日本人が増えてしまった。モスクワワールドでも震災で痛んだ日本と日本人のために、心を配ってくれたロシア側の演出を地上波で見事に無視し、キム・ヨナのインタビューに時間を割くようなおかしな放送がなされた。こうした「ゴリ押し」をしなければ、キム・ヨナはここまで多くの日本ファンから嫌われることはなかったかもしれない。彼女の演技には深みはなく、いくつかのパターンを組み替えて、あとは音の効果でそれなりに見せているが、Mizumizuの目には韓国の女性アイドルポップ歌手グループ(しかも、みんな整形顔で誰もかれも同じに見える)の振りと大差なく見える。だが、スケートの技術はしっかりしており、元来素晴らしい選手なのだ。浅田真央の動的な華麗さはアイドル歌手の振りとは違う。『ジュピター』に見られるような、透明な世界観、心洗われるような無垢なうつくしさ、それは誰も真似ができない浅田真央だけのものだ。会場の観客が息を詰めて、一途に見守っているのが伝わってくる。浅田真央は地上に降りることのない天上人のよう。手の届かない存在でいてほしい。それを私たちは、ただじっと見つめていたい。見ているだけでカタルシスを得られ、さまざまな幻想や情景を心に描くインスピレーションを与えてもらえる。キム・ヨナは大人で、浅田真央は子ども――こういったメディア主導のつまらない「刷り込み」に真っ向から、そして穏やかに、対抗してみせた先見の明を持つ偉人が、7月26日にこの世を去った。浅田真央の『ジュピター』は、大震災の犠牲者に捧げるプログラムだが、奇しくも小松左京の代表作とかぶる鎮魂歌となり、去り行く大きな存在に、今を盛りと咲き誇る花の存在が、感謝とともに別れを告げるようなパフォーマンスになった。ただただうっとりと皆が見つめる浅田真央。ジャンプも入りから出までスムーズで、淀みがなく危なげがない。浅田真央をやっきになって否定したがる存在は、フィギュア界にもいるようだ。だが、このうつくしさ、この純粋さ、この透明感は、誰がなんと言おうと揺るがない。浅田真央と浅田真央に魅了されてやまない多くの、いや無数の、普通の人々がいる限り。【送料無料】浅田真央さらなる高みへ 【30%OFF】[DVD] 【スペシャるプライス】 浅田真央 20歳になった氷上の妖精【送料無料選択可!】浅田真央、20歳(はたち)への階段(ステップ) (単行本・ムック) / 宇都宮直子/著
2011.08.03
東京ミッドタウンのすぐ目の前に、1年半の期間限定でオープンした「メルセデス・ベンツ コネクション」。1階がクルマを展示したギャラリーになっており、その脇にカフェがある。2階はレストランとバー。ある週末、2階のレストランでランチを食べてみた。ブッフェスタイルの前菜、メイン料理、デザートバイキングというスタイルで、設定価格もかなり良心的だった。レストランUPSTAIRSはモダンでスタイリッシュな内装。ドアを開けて進むと、クルマのデザインとのつながりを感じさせる機能的なフォルムのオブジェが出迎えてくれる。メルセデス・ベンツの店らしく、照明にブランドロゴであるスリーポインテッド・スターのデザインを施すなど、「これで本当に1年半しかやらないの?」と思うような力の入れようだ。バイキングの食事は基本的に好きではないのだが、この店のブッフェスタイルの前菜には驚かされた。本格的なイタリア料理で、どれを食べても素材の味がしっかり活きている。野菜はかなり厳選したものを使っているようだ。素材の調達能力からして並々ならぬ「コネクション」を感じさせる。2人で行って、スープランチとパスタランチを選ぶMizumizu+Mizumizu連れ合い。こちらがスープ。ミネストローネということだが、ぷっくり浮いた数々の野菜を味わう感じだ。こちらがパスタランチ。スープランチよりも、個人的にはこちらのほうがお奨め。テーブルに置かれたとたん、生のチーズの新鮮な香りが漂ってきた。缶入りのパルメザンチーズでは出せない香りだ。厚切りのパンチェッタはほどよくカリッと火が通り、トマトソースは少し濃厚。スパゲッティの下に、大きなイタリア茄子が隠れていた。たっぷりのオリーブオイルを含んだイタリア茄子は、まさにそのまま素材を味わってもらうためのもの。前菜もメインも、主役の料理は明らかに野菜。なので、野菜が苦手な人には向かない。Mizumizuは野菜大好き人間ではないのだが、ここの野菜が一味も二味も違うことはよくわかった。デザートバイキングも1つ1つは小さいが、味は凝っている。ガラスの棒にささっているのはパウンドケーキ。時計回りに、ガトーショコラ、かぼちゃのロールケーキ、フルーツタルト、ガラスの器に入っているのがフロマージュブラン。フロマージュブラン以外は、全部甘かった(苦笑)。だが、それにしても、この場所で、この種類と味で、この値段というのは驚く。もしかすると、レストランで儲けようと思っていないのではないかとさえ思う。つまり、あくまでメルセデス・ブランドに親しんでもらうための宣伝の一種で、レストランの採算は度外視なのではないかと・・・あるいは、オープンしたばかりだからリキが入っているのか?だんだんと「やっぱりこれじゃ、あまりに合わない」ということで、サービスする人が減り、品数が減り、味が適当になっていく・・・なんてことはないのだろうか?あるかもしれない。六本木で野菜中心の本格イタリアンを食べたいなら、早めに(?)行こう、「メルセデス・ベンツ コネクション」のレストランUPSTAIRS。しかし、1年半たったら、これだけカネをかけた内装のレストランをどうするのだろう? そんな心配までしてしまった。
2011.08.01
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