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雪の夜も 定刻に来し 親仔猫 野良猫か 吹雪の中に 光る目が 賞受けて 耳こそばゆき 春の会 髪梳けば まだ時めきの 初鏡 福耳に 縁無く生まれて 四月馬鹿
2023.09.30
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大寒の 寺に声無し 夫の忌 バーゲンに 百の手が伸び 春隣 職安に 春の寒さの 漂へり 窓外の 雲を抜けきり 春の海 頭に合わす 手編み冬帽 ままならぬ
2023.09.28
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乙女らの 髪は世につれ 糸桜 捨てなんと せしサボテンに 命の芽 流氷の 海光耀と 月渡る 金星の 輝くばかり 福寿草 水仙を 活けて投句に 正座せり
2023.09.27
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シカゴより 帰り来し子に 雪の原 新世紀の 宇宙をめざし 鶴飛べり 髪梳けば まだ時めきの 初鏡 一病に 負けてはならじ 福寿草 野良猫の 四肢強靭に 寒の入
2023.09.25
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留守の間を 健気に咲きし シクラメン 冷えびえと 身を曝しけり レントゲン 身の上を 泣き笑いして 十二月 文化の日 ほのかに甘い イチイの実 星空の フォークダンスや 学園祭
2023.09.24
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戦後経し 女ばかりの クリスマス 夢で会う だけとなりけり 寒の星 大き掌に つつまれてをり 冬ぬくし 冷えびえと 身を曝しけり レントゲン 検尿に 夜毎張りつく 寒の星
2023.09.23
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イヤリング 揺れて聖夜の ワルツかな 近づくや 未知の世界へ 除夜の鐘 遥かなる 嶺々を越え 除夜の鐘 雪の夜の オルガンに和す 里の歌 豪雪の 壁に人間 消されけり
2023.09.22
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人の目を 避くるごとくに 冬帽子 口惜しさを 口端にのせず 初土俵 豪雪に 耐へし若木の みどり色 氷像に 銀河の燦を ちりばめぬ 回復の きざしに匂ふ 桜餅
2023.09.21
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菊枕 今宵の夢は 何の色 起き臥しの 香りゆたかに 菊枕 眼圧の 暗さより出て 万年青の実(おもとのみ)万年青の実=ユリ科の多年草で秋が深まると深紅の実に熟する 遥かなる 浪花のことも 草城忌 出稼ぎの 父持つ夕べ 雪だるま
2023.09.20
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風の中 触れては離るる チューリップ 恋猫に 掟のなくて 垣越ゆる 待つ春の 病者ら深く 息を吸う 鍵っ子の 夕べ氷柱の ピアノ弾く かたくりの 野山駆け抜け 児ら育つ
2023.09.19
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一村も 花の都と なりにけり 雪割りも 堂に入りたり 異国人 百武彗星 春の連山 覚ましけり 百薬を 試しのみして 万遇節 白樺の 芽吹きさかんに 小鳥呼ぶ
2023.09.18
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万緑や 緋鯉追う群れ 油ぎり 風鈴の 窓辺おぼろに 月明かり 戸に縋る 蝶に夜風の 容赦なし 初蝉に 森の妖精 目覚めけり カラ松に 寄り添うごとく 油蝉
2023.09.17
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懇ろに 駿馬葬や 夕焼け雲 白芙蓉 戦死の兄の 墓古りぬ 入院の 留守の机に 水中花 神宿る 開拓小舎に みどりさす 星空へ ひびく波音 祭り過ぐ
2023.09.16
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蜂蜜の 一心不乱 羨しめり 病む友の 二言三言 白芙蓉 寅さんも 飄々と逝き 秋の風 奥深き 質屋の垣の 蔦(つた)かづら ヴィオリンの すすり泣きして 秋深し
2023.09.15
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露草の 彩をつくして 大会日 百の声 山に谺し 爽気満つ 新涼の 一番電車 響きけり 母の掌は 翼となりて 敗戦日 売れぬ地の 闇を舞台に 虫しぐれ
2023.09.14
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玻璃越しの コスモス可憐 喫茶店 泣き羅漢 笑ひ羅漢や 萩の寺 夕風の 落葉に粉れ 雀たち トラックに 後退る牛 大花野(秋の草花が一面に広がっている野原のこと) 赤灯を 点す手術や 秋の午後
2023.09.13
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北風に 古木の傷の 痛むなり 野良猫の 声を残して 枯葉とぶ 街灯の うしろ小暗し 虎落笛 秋桜を 活けて小机 わが城に 電柱の 一本抜かれ 空っ風
2023.09.12
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わが影も 樹木もかぐろし 十二月 うたた寝の 椅子の後先 暮れ早し 短日の 書店に刻を 失へり 悴みし 掌を婆の掌に つつまるる 秋桜の 一夜に色を 失へり
2023.09.11
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一筋の 影のごとくに 冬の蝿 凍つる夜の オリオン青き 遠忌かな 通夜の灯を 遠く闇より 吹雪きけり 青空へ 双手を挙げて 冬木の芽 数へ日の 灯をつらねた 魚市場
2023.09.10
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大寒の 寺のしじまを 点しけり 飽食の 猫まるまりて 寒の通夜 一冊を 小腋にかかへ 冬ぬくし 早春の 風に覚めたる 山の笹 コロニーの 岩をめがけて 冬の涛
2023.09.08
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友病むや 枝にこえなき 寒鴉 待春の 日ざしの中の 砂時計 剪定の 木のヌーボと 月を浴ぶ 二ン月の 画廊に微光 ただよへり バーゲンに 心ゆるみし 二月かな
2023.09.07
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恋猫の ためらいもなく 出でゆけり 立ち読みの うしろめたさに 日脚のぶ 茶柱の 立ちし朝や 大試験 惜春や 一筋の道 貫きて あたたかき 声耳底に 白椿
2023.09.06
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面影の おぼろとなりし 酷暑かな 残雪の 嶺鮮烈に 鳶の笛 彼岸会 句碑を囲みて 雀啼く 惜春の 足音遠く 旅立てり 雛市に 佇つや戦後も 五十年
2023.09.05
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一指さへ 拒む白さの 水芭蕉 あめんぼは 恋の水輪を ひろげけり 曼遇説 巾を利かせる ペンネー まさをなる 空へ炎の 牡丹の芽まさおなる=真っ青という意味 晩婚の 真白き皿に 桜餅
2023.09.03
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六月の 牧かろがろと 調教場 巣つくりに 励む鴉の 樹を剪らる 遠来の 新茶分け合う 誕生日 束の間の 別れに揺るる 夕辛夷(ゆう、こぶし) 嘶(いなな)きに 耳かたむけて 水芭蕉
2023.09.02
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老農の 眠りの浅き 芭種かな 七月の 八百屋テナントを 張り出しぬ 郭公に 五百羅漢の 耳澄めり 初夏の 髪しっとりと 人に逢う メーデーを 遠くに農夫 田にこもる
2023.09.01
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