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2025年09月22日
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青森の街で最も有名な神社と言えば​ 善知鳥神社 ​ではないでしょうか。遥かな昔、青森がまだ善知鳥村と呼ばれていた頃に創建された古社であり、港町青森らしく祀るのは宗像三女神。総本社は九州の宗像大社 三宮です。
この古社を創建した人物こそ、善知鳥安方その人です。都から流されて来た苦労人ですが、村のために様々な都由来の技術を伝え、栄えさせたと言われています。・・・実在性は限りなく低い人物らしいですがね。おそらく謡曲の”善知鳥”が当地に伝わってから生まれた物語なんではないでしょうか。そんな善知鳥神社に縁深い寺院が今回紹介する一念寺です。


​善知鳥山 安方院 一念寺​


善知鳥神社から西に数十m、ビルに飲み込まれるような形で建っている寺院があります。提灯で飾られた山門には善知鳥山の山号額がさがります。



山門の右手には四十八願燈籠が飾られています。その名の通り48個の燈籠が横並びに提げられており、夏らしい雰囲気を放っています。基部には六地蔵が置かれていますね。



また、街なかにあるにも関わらず立派な鐘楼が残っているんです。近くに住んでいれば、今でも撞鐘の音が聞こえてくるんじゃないですかね。



山門のすぐ先には装飾的な本堂が置かれています。周りを高いビルに囲まれて少々窮屈に見えますね。木材の色などからして、建てられたのは相当の昔なんではないでしょうか。



まずはご由緒から。




善知鳥山 安方院 一念寺

浄土宗 ​ 無量山引接院正覚寺
開山:不明
本尊:阿弥陀三尊

一念寺伝記
 十九代允恭天皇(412~432年)の頃とも延喜年代(901~923年)の頃ともいわれる。
 烏頭中納言安方がという尊い方が、帝のとがめを受けて外ヶ浜の善知鳥沼のほとりへ流されて暮すようになった。
 やがて中納言夫妻は数年後に亡くなったがそれ以来その霊魂が雄維の鳥となり善知鳥沼に飛んできて雄が「ウトウ」雌が「ヤスカタ」と鳴いていたという。
 里の人々は恐れて近寄らなかったが、ある猟師が誤って雄鳥を射殺してしまった。それ以来雌鳥は人々を苦しめるようになり、その猟師は気が狂い雌鳥に突き殺されてしまった。
 このため里の人々は雄鳥の霊を慰め、雌鳥の怨念を和らげるために祠を建てたのが一念坊といわれる。
 その後月日は過ぎ臨済寺一念坊として、真言宗善知鳥山養泉寺のわき寺となる。しかし本寺養泉寺は 善知鳥神社 の別当職として寺領一萬石を南部家より賜っていたが、青森が津軽領となったため寺は衰退し僧侶は四散したので廃寺同然となったが、天和3年(1683年)青森市​ 正覚寺 ​六世利山和尚が老齢のため隠居所として、つぶれかけていた一念坊を常光念佛一念庵として再建したので開基となる。
 これを契機に宗派も真言宗から浄土宗に変わった。
昭和61年11月吉日 永倉総一謹書



夫婦の善知鳥の怨念を鎮めるために建てられた堂宇が、いつしか善知鳥神社の別当 善知鳥山 養泉寺のわき寺(塔頭か?)となり、本寺ともども南部氏(おそらく堤弾正か?)の庇護のもと栄えました。津軽氏との勢力争いに敗れ、青森が津軽藩領になると庇護者を失い荒廃。正覚寺六世利山和尚によって再建され、真言宗から浄土宗の庵寺になり、再出発しています。近代になって寺号を得、現在の山院寺号となりました。

この寺に伝わる寺宝についても見てみましょう。




寺宝

●阿弥陀如来座像
 昭和59年(1984年)11月吉日修復のさい腹部から寄進書発見。”寛文10年(1670年)10月28日に客死の人々を供養するため奉納”と記録されている。
 この座像は三身一躰の佛像で、寄進書に客死の人々の名前と教誉、助清、清月、源右ェ門の名前も記されている。

・作者不明

●法然上人・善導大師 両座像
 昭和62年(1987年)5月吉日修復のさい法然上人像の左目より寄進書発見。寄進書には、弘化*年(1844~1847年)、奉納者:澤屋藤兵衛・三國屋徳右衛門・小針屋末五郎と記されている。
・約142年前の作
・作者不明

●延命地蔵尊の由来
 今から約1500年前、円仁上人(慈覚大師)が当地方を遊歴のさい久栗坂村で柳の大木を1本載き、2体の兄弟地蔵を作り、根元の作を当一念寺に、上部の作を​ 下北の恐山 ​に奉納したとの伝説がある。昔から当地方の人々に信仰されている。
 大東亜戦争中の昭和20年(1945年)7月28日空襲で焼失し現在は石佛の地蔵尊である。
昭和63年5月吉日 善知鳥山一念寺三世淳誉大乘 永倉総一謹書



本堂右手の建物には、↑の延命地蔵尊が収められています。何と恐山 菩提寺の本尊と同じ木から彫り出されたものだとされますが・・・真実は如何に?それにこの延命地蔵尊像は現存しておらず、代わりにこの石地蔵が置かれているんです。
周囲には千羽鶴などがわらわらと懸けてあり、その崇敬の篤さが伝わって来ます。像も錦の法衣を纏って神々しい見た目になっていますよ



本堂の目には阿弥陀如来の石仏が置いてあります。本尊と同じく座像ということで、御前立のようなものなのかもしれません。



堂内はきらびやかな装飾がなされており、非常に煌びやか。天井にも草花が描かれ、仏殿を飾ります。中央に見える阿弥陀三尊はおそらく御前立、奥に寺宝の座像が置かれているものと思われます。御開帳などもあるのでしょうか?気になります。



斜めから。
都から落ち流された善知鳥安方、当地に没して後、善知鳥と成りて人々に害をなす。鎮めたるは一念坊、離ればなれの番いを供養する仏殿なり。
青森発祥の地とも伝わる善知鳥神社。その古社と有縁の寺院は、潟が無くなった今でも伝説の舞台に境内を構えているのです。



以上です。






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最終更新日  2025年09月22日 21時24分39秒
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