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2026年01月21日
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五所川原市の南、弘前に向かうまでの途中に鶴田の町があります。ここでは葡萄の栽培が盛んで、バイパス沿いには一部ヨーロッパのような葡萄畑が見られます。町なかにはコアな種類の酒を取り扱う酒屋もあり、なかなか面白いです。
駅前通りを左に逸れると旧道に繋がる商店通りがあり、その道の突き当りに境内を構えるのが鶴田八幡宮です。その名の通り鶴田町総鎮守の社なんです。

2025.4.27
鶴田八幡宮


参拝したのはいつの頃だったか、確か去年のゴールデンウィークとかだったと思います。それ以前にも数度参拝しているんですが、記事化するために本腰をいれて撮影しに行きました。
細道の脇に鳥居が建っており、そこから境内へと進めます。隣の社号標には村社と有り、鶴田郷の鎮守であることを示しています。



津軽の神社ではお決まりの神馬石像。この辺りも田んぼや畑が多く、多くの使役馬が飼われていたことでしょう。



手水舎と参道。



参道左手には3つの石が並んでいます。
この石は親子石と呼ばれており、↓のような謂れを持っています。








親子石

 古くは天保年間に祀られていたと伝承されております。左側から父・子・母となっており、子の石だけが地面に埋まっているのは産まれて来る赤子を表しています。
 夫婦円満・良縁・子宝の御神徳を授かると言われております。



親子石から社務所を過ぎ、拝殿の左側に向かうと境内末社が数社鎮座しています。



まずは左の方から。
こちらは水天宮で、祭神は水波能売神・安徳天皇・水虎様となります。水虎様とは津軽特有の信仰で、発祥は木造町の法光山 実相寺。
昔から田んぼが多かった津軽では、子供が足を滑らせて水路に落ち亡くなる例が多かったそうです。それを水虎という妖怪の仕業とし、その害を鎮めるために神格として祀ったとのこと。一種の御霊信仰のようなものなんでしょうか。今でも津軽の神社では、末社として水虎様を祀る所が見られ、御神体は不動尊のような姿の合掌印をした河童だったり道祖神のような見た目の物など、いろいろ見られます。



お次は右側。
こちらには十和田神社と浅間神社が鎮座しています。



社の前に窪地がありますが、これは池の跡です。右側の十和田神社に因み、ここでも”散供うち”が行われていたんだとか。



それぞれの詳細を見てみましょうか(説明書きは​ 公式サイト ​からの引用)。

十和田神社

祭神:十和田青龍大権現、白山姫命

 津軽富士見湖畔鎮座の​ 戸和田神社 の里宮として建立されました。古くより龍神として信仰され、社殿前の池で、願意の吉凶を占う「散供うち」が古くから行われています。


左: 浅間神社

祭神:浅間大神(木花咲耶姫神)





十和田神社は主に南部地域での信仰が篤いんですが、津軽でもこの様にある所にはあります。ここの場合は富士見湖の伝説と混ざり合い、登場人物の白上姫が合祀されていますね。地域の伝承を受け継ぐ素晴らしい末社です。
浅間神社は江戸時代後期に勧請されたみたいですねぇ。富士山の影すら見えない青森県において、浅間神社が有るという事がどれ程珍しいことか・・・非常に面白いです。



拝殿の右側には猿田彦大神が祀られています。



御神体は5つの石碑。猿田彦大神と刻まれたものが3つ、庚申・二十三夜は1つずつありますね。何れも月待行事に関連した石碑であり、近隣からここに集め祀られたのかもしれません。



それではお待ちかね、拝殿です。近隣の神社と比較しても、装飾が豪華で立派なお姿です。



御由緒を見てみましょう。
鶴田八幡宮

祭神:十五代応神天皇

 「大同2年(807年)、坂上田村麻呂が蝦夷を退散せしめこの地を平定せり、依って同年9月、大川畔の木を伐りて神殿を造営し、蝦夷退散国中安泰守護神を勧請し、敬仰せり」とあります。
 その後、天正2年(1574年)に度重なる岩木川決壊のため、現在の地に遷座をいたしました。安永3年(1774年)、板屋野木村 宝量宮(板柳町銀座 ​ 海童神社 ​)と共に、当時の行政区画である赤田組祈願所に指定され、津軽七代信寧公より、武運長久風雨順時五穀成就組中安全祈願のため、伊勢神宮の御田扇御神宝一通、太神宮大麻、鳴弦守が奉納され、6月1日に宝量宮と一年交代で神楽を行うことを命ぜられました。安永5年(1776年)には再び藩主より奉納され、七年交代で神輿渡御をするよう命ぜられました。
 現社殿は昭和34年に竣功となり、現在に至ります。 
​​ 鶴田八幡宮 ​ より引用

津軽ではよくある田村麿創建の御由緒ですが、面白いのは板柳の海童神社との関連です。海童神社は文禄2年(1593年)に津軽初代為信公によって勧請された肝煎の神社であり、渡場の鎮守として信仰されていました。そんな有力神社と同等の扱いを受けるというのは、鶴田八幡宮がその当時から相当篤く崇敬されていた事を示しているんではないでしょうか。
大同2年の創建というのは信じられませんが、江戸時代以前には既に、この地に鎮座していた古社ということで非常に貴重な神社ですよね。

鶴田八幡宮には面白い絵馬が奉納されます。その名も弥生画。米粒を並べて描いた当地域ならではの民芸品です。公式サイトの説明を見てみましょう。
弥生画

 天明年間(1781~1788年)、津軽は大飢饉に襲われました。
 翌、寛政元年(1789年)に、ここに暮らす人々が、残り少ない穀物の種子を持ち寄り、餅を使い、板に張り付けて神社に奉納し、五穀豊穣を願いました。すると秋には大豊作となり、人々は大いに喜び、神に感謝をし、毎年元旦には、必ず弥生画を奉納するようになったと伝えられています。
 奉納された弥生画はその後、全て種子として使用されたため、現存するものは残っておりません。ですが、近年奉納されたものは、道の駅「鶴の里あるじゃ」に展示されています。
​鶴田八幡宮 / ご案内 ​ より引用

面白いですよね、穀物で絵を描くなんて!田んぼアートとはまた違った試みです。文中にある様に、最近の作品は、鶴田の道の駅のパン屋外壁に展示しております。

拝殿からは岩木山が見えなくもないです。



斜めから。
津軽では鎮守として八幡宮が置かれる例が多いですが、それは津軽氏ももとは南部氏の一派であったことを示しているんではないでしょうか。詳らかな由緒は不明ですが、もしかしたら南部氏側の勢力によって勧請された可能性もあったりして・・・。
いろいろと妄想も膨らむし、何より地域の伝承と関連した末社が見られるのも魅力の1つです。お近くに来た際は是非ともご参拝を!



以前貰った御朱印です。

鶴の舞橋



見開き:龍神



公式サイトへのリンクです。
・鶴田八幡宮

以上です。

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最終更新日  2026年02月20日 22時21分32秒
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