おしゃれ手紙

2026.05.18
XML
テーマ: 読書備忘録(1534)
カテゴリ: 読書


文化元年(1804年)、如月。
清明の日にふたりの女児が産声を上げる。
ひとりは蔵源美津。
蔵源家は黒兼藩で代々藩医を勤める家系で、祖父の教随は秘密裡に腑分けを行い、父の恵明は藩医学校「青雲館」を担う立場であった。

今ひとりは高越暁。
備前刀を手掛ける刀鍛冶の一族で、祖母の高越剡は「女忠光」の異名を取っていた。
長じて、美津は医学、暁は鍛刀を志すことになる。

猪突猛進で焔にも似た美津、常に冷静で氷に喩えられる暁、女には困難とされる道を選んだふたりの人生が、十九の初夏、思いがけず江戸で交錯する。
志を胸に人生を切り拓いていく者たちの群像劇、いよいよ開幕。

●熊には捨てるところがない(略)
熊の脂は切り傷によく効くし、胆のう以外にも胃や腸、骨にまで薬効がある。
毛皮で防寒できるし、その肉を食らえば滋養強壮になる、とのこと。

●岡山藩の試みに感銘を受け、我が藩もこれに倣(なろ)うた。

*岡山藩の試みとは、閑谷学校のことだろう。
閑谷(しずたに)学校

●早駕籠の担ぎ手は、前に二人、後ろに二人の計四人。
先導役なのだろう、駕籠と結んだ手綱を握り、男が中を覗いて(略)。

担ぎ手を三度、四度と替え、およそ十刻(じっとき=約二十時間)。
殆ど休むことなく片道三十里(約百十七キロ)を直(ひた)走る。

*黒兼藩は、今の兵庫県の西部か岡山県の東部と推察している。
京都までの距離。
今■ 調べたら ■姫路が百キロだったので、やはり兵庫県の西部だろう。

大小暦(れき)  綴じ暦
一年中のご調法  ご調法


表を行くのは年寄りの暦売りか、侘しい売り声が、縁側の沈黙を埋めている。

*高田郁の小説には、売り声がよく出てくる。
ヒューマン・ノイズ。

●美作(みまさか)から備前を貫いて流れる河川は、奥津川、津山川、周匝(すさい)川、和気川、と下るにつれて名前を変え、

大雨がふれば暴れ川と化すが、朝露に紛れて高瀬舟が行き交う光景は風情豊かだ。

*私の祖父は、津山から高瀬舟に乗り、吉井川を下った。

●世に刀職と呼ばれるものがある。
刀鍛冶、研師(とぎし)、白銀師(しろがねし)、鞘師(さやし)、柄巻師(つかまきし)、塗師(ぬし)、金工師(きんこうし)などがこれにあたる。

●浅蜊(あさり)い、むっきん!


●表通りから、ちょん、ちょん、という優しい音が土間まで届いた。
あれは花売りが売り声に代えて鋏を鳴らす音だ。

●「江戸では昔、女医者という言葉は、女人の患者を診る医師、という意味だった。
けれど、今は上方と同様に、女の医師を指すようになっている」

●貴重な文献や書、身の回りの品は船便で送った。

*黒兼藩(兵庫県の西部、姫路あたり)から江戸。

●塵除け浴衣に手甲脚絆(てっこうきゃはん)、振り分けに持つ、胸にも風呂敷包みを抱えている。

*旅の塵除けコートや雨コートとしての浴衣は、主に女性の間で使われていた。
古い浴衣を使用。
・・・・・・・・・・・・・・・・
バナー ボタン

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
・・・・・・・・・・・・・・・・・・





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2026.06.04 00:09:04
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Favorite Blog

無気力人間には薬なし New! 七詩さん

未来の頃は、猛威無… New! 歩楽styleさん

▲▼沸騰時代、偏西風… New! sunkyuさん

「グランドマスター… New! hongmingさん

【道総研】M5Stackで… New! machiraku_hokkaidoさん

Comments

天地 はるな@ Re:昔語り:父の方言(01/26):追加 ●手にあわん 手ごわい、悪い・・・。 悪…
天地 はるな @ Re[1]:天声人語:消えゆくブログ(06/06) 七詩さんへ 今や主流は、インスタやxの時…
七詩 @ Re:天声人語:消えゆくブログ(06/06) そうですか?消えゆくブログではなく、消…
天地 はるな @ Re:昔語り:父の方言(01/26) ●ほとびる *柔らかくなる。ふやける。 安…

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: