全7件 (7件中 1-7件目)
1
【本日の一冊】 対岸の彼女女の人を区別するのは女の人だ。既婚と未婚、働く女と家事をする女、子のいる女といない女。立場が違うということは、ときに女同士を決裂させる。 ブック○フで105円で購入した本。≪既婚と未婚、働く女と家事をする女≫の対立について書かれているのかな…と思ったら、そんな薄っぺらいものではありませんでした。まあ、角田さんが「ふざけるな専業主婦」「くたばれ!専業主婦」といった類のものを書くとは思っていませんでしたけれども(笑)どの年代でも、人間関係というのは難しいものです。それは誰もが「自分」が基準だからでしょうね。対岸がものすごく美しく見えても現実は違うかもしれない。対岸がひどく寂れて見えても現実は違うかもしれない。でも、「あっちは~だから」って言い訳して自分を正当化するには「対岸」って便利なものです。そもそも、そこは本当に「対岸」なのでしょうか?…などと、いろいろ考えさせてくれる一冊でした。現在と過去の話の配置が うまく構成されていて、読みやすく面白かったです。
2006年10月29日
コメント(2)
【本日の一冊】天国の扉11年前、抜刀術・名雲草信流本家を悲劇が襲った。末の妹・綾が放火により焼死してしまったのだ。犯人は、一年後、別の現場に残された遺留指紋が決め手となって捕まった、飯浜幸雄。名雲家長男・修作がつきあっていた奈津の父親だった。修作の父・名雲和也は公判に出廷した飯浜に襲いかかる騒動を起こし、その後、失踪。奈津は母親とともに土地を離れて行った。そして飯浜にはその後死刑判決が出たが、執行はいまだなされていない。読み応えのある一冊でした。この作家の作品は前2作もそうですが、父子関係が重要な役割を担っています。まあ大風呂敷のような感じもありますが…(^^;)ハードボイルド・ミステリーとしては、このくらいでいいのかとも。面白かったです! また「死刑」について考えさせられる一冊でもあります。
2006年10月26日
コメント(0)
【本日の一冊】 ガラスの麒麟「あたし殺されたの。もっと生きていたかったのに」。通り魔に襲われた十七歳の女子高生安藤麻衣子。美しく、聡明で、幸せそうに見えた彼女の内面に隠されていた心の闇から紡ぎ出される六つの物語。少女たちの危ういまでに繊細な心のふるえを温かな視線で描く、感動の連作ミステリ。日本推理作家協会賞受賞作。少女たちが抱える不安や孤独といった繊細な心情がよく描かれています。ミステリーとしては少々物足りない感じもしましたが、読み始めたら一気に読ませる魅力はあります。高校生くらいの方が読んだら、きっと「神野先生」に憧れるのではないでしょうか。若い女性におすすめの一冊です。
2006年10月19日
コメント(0)
【本日の一冊】 龍宮小さな曾祖母。人間界になじめなかった蛸。男の家から海へと帰る海馬。台所の荒神さま。遠いカミの世から訪れたものとの交情を描く傑作短篇集。 【目次】北斎/龍宮/狐塚/荒神/〓鼠(うごろもち)/轟/島崎/海馬≪人と、人にあらざる聖なる異類との交情≫ を描いているっていう時点で川上ワールドに突入したくなる(笑)「不思議さ」の中に人間の哀しみを見るような短編集でした。 (著者の意図するものとは違うかもしれませんが)こういう作品、好きだなぁ~。「島崎」の≪わたし≫にツキコさんをダブらせてしまうのは私だけだろうか。
2006年10月14日
コメント(2)
【本日の一冊】 そのときは彼によろしく「ねえ、帰り道が分からなくて泣いているんでしょ?」「この先が、あなたの帰る場所よ。ひとりで行ける?」「さよなら。もう、ここに戻って来ちゃ駄目よ」ぼくらはばらばらではなく、みんな繋がっている。誰もが誰かと誰かの触媒であり、世の中は様々な化学反応に満ちている。それがきっと生きているってことなんだと思う。それは、磁力や重力なんかよりもはるかに強い力だ。それさえあれば、あの空の向こうにいる誰かとだって私たちは結びつくことができる。小さな人生の大きな幸福の物語。 市川拓司さんの本は3冊目ですが、どれもピュアな気持ちにさせてくれるお話ですね。小説としての構成力とか技巧とか そういうのは抜きにして(笑)魅力があります。この物語も心があたたかくなる優しい物語。題名の「そのときは彼によろしく」の意味を知った時、ぐっときました… ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが。『いま、会いにゆきます』を読まれた方、あの「ヒューウィック?」が…
2006年10月09日
コメント(0)
【本日の一冊】 落花流水甘ったれでわがままな7歳の少女、手毬。家族に愛され、平穏な日々をおくるはずだったのに…。17歳、かつては姉だった人を母親と呼ぶ二人だけの暮らし。27歳で掴んだ結婚という名の幸せ。その家庭を捨て幼なじみと駆け落ちした37歳。そして…。複雑に絡みもつれる家族の絆、愛と憎しみ。運命に流されるひとりの女性の歳月を、半世紀にわたって描く連作長編小説。 手毬という女性の7歳からの60年間を10年ごとに描いた物語。章ごとに語り手がかわるところが またおもしろいです。表題『落花流水』は《花が流水に散れば、水もこれを受け入れ花を浮かせて流れてゆく意》から、「男に女を慕う心があれば、女もまた情が生じて男を受け入れるということ・相思相愛」の意味だそうですが、もとの《落花が水に流れる様子から過ぎ行く春の景色を表す言葉》としても転じて《人や物事の零落や衰退を表す言葉》としても、この小説にピッタリだと思いました。ちなみに「片思い」は『落花有意・流水無情』というのだそうな。
2006年10月07日
コメント(2)
【本日の一冊】天使になった男事業に失敗したポールは夕日に染まる断崖に立ち、今にも飛び降りて人生に終止符を打とうとしていた。その瞬間、不思議な男レイフが現れて…。人生を変える奇跡と感動の物語を通し、「勇気と目標達成の20の原則」を伝える。 ≪世代を超えて広がる感動の渦!≫という帯の文句にだまされて購入しましたが、う~ん・・・ 感動というのはなかったなぁ…よくある自己啓発本の一種でしょう。その手の本が好きな方にはいいかも。
2006年10月01日
コメント(0)
全7件 (7件中 1-7件目)
1