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【本日の一冊】真夜中の五分前(sideーB)「砂漠で毛布を売らないか」IT企業の社長・野毛さんに誘われるまま会社を移った僕は、バイトと二人きりの職場で新しく働き始める。仕事は、客入りの悪い飲食店を生まれ変わらせること。単なる偶然か実力か、僕の仕事はすぐに軌道に乗り、業界では隠れた有名人となる。ある日、本当に久しぶりに尾崎さんから電話が入った。もう二度と会うまいと決めていたのに―。再会した尾崎さんは、「頼みがあるんだ」と、信じられない話を切りだした。きのう読んだ(sideーA)の続き。(sideーA)の終わり方からいって、本書での盛り上がりを期待したのですが、想像したのとは別の方向に展開していきました。といっても、驚きの展開!という意味ではなく、「ああ、そっちにいったか」という方向。人物設定やストーリーといった点では特に目新しいものはないのに最後まで読ませてくれたのは、著者の持ち味でしょうか。まあまあ楽しめました。
2006年12月29日
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【本日の一冊】真夜中の五分前(sideーA)小さな広告代理店に勤める僕は、学生時代に事故で失った恋人の習慣だった「五分遅れの目覚まし時計」を今も使っている。その五分ぶん、僕は社会や他人とズレて生きているようだ。そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。かすみは、双子であるが故の悩みと、失恋の痛手を抱えていた。かすみの相談に乗り、彼女を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋め合うように、僕とかすみは次第に親密になっていく―。 ブックオ○で購入した本。ほぉ~。この先どうなるのか?ここまでだと何とも言えませんが、sideーBに期待しましょう。
2006年12月28日
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【本日の一冊】デューククリスマスソングが流れる街で起きた奇跡。愛する犬・デュークが死んでしまった。悲しくて涙が止まらない私の目の前に現れた少年。 晴れた冬の1日を彼と過ごした私が受け取ったメッセージは……。久々に「ブック○フ」に行って数冊購入してきました。『デューク』は、山本容子さんの版画にそそられて購入。『つめたいよるに』に収録されているお話なので既読の一話なのですが、何度読んでも胸がきゅんとなります。そして、山本容子さんの絵がいいですね~。『ファウスト』も山本容子さんの絵にそそられて衝動買いしたことがあったなぁ(^^;)
2006年12月27日
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【本日の一冊】スイートリトルライズこの日常に不満はない、と瑠璃子は思う。淋しさは人間の抱える根元的なもので、自分一人で対処するべきで、誰かに―たとえ夫でも、救ってもらえる類のものではない。瑠璃子と二歳下の夫、総。一緒に眠って、一緒に起きる。どこかにでかけてもまた一緒に帰る家。そこには、甘く小さな嘘がある。夫(妻)だけを愛せたらいいのに―。恋愛長編。 久々に江國さんを読みました。まあまあ。「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」主人公の言葉。 そうかもしれないけど・・・こういう夫婦にはなりたくないなぁ~。というのが実感。ソラニンがトリカブトへ… ちょっとコワい妻ですな。
2006年12月26日
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【本日の一冊】 おめでとうきんめ鯛を手土産に恋しいタマヨさんを訪ねる“あたし”の旅。終電の去った線路で、男を思いつつ口ずさむでたらめな歌。家庭をもつ身の二人が、鴨鍋をはさんでさしむかう冬の一日。ぽっかりあかるく深々せつない12の恋の物語。【目次】いまだ覚めず/どうにもこうにも/春の虫/夜の子供/天上大風/冬一日/ぽたん/川/冷たいのがすき/ばか/運命の恋人/おめでとう よかった。川上さんの作品がどうよかったのか、私にはうまく表現できなくてもどかしいですが。本書解説で池田澄子さんが『無常を肯った、人であり男であり女であることの仄かな辛さ』であるとか『愛の不確かさの確かさ』などと実にうまく解説していらっしゃいますが、それはそうであるけれど、もちろんそれだけではなくて… …わたしの心を揺さぶるのは、そういうものを含んだ川上弘美の紡ぎだす「ことば」そのものなのかも知れないなぁ。
2006年12月22日
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【本日の一冊】 乱歩賞作家黒の謎誰にも言えない妻と自分だけの秘密/獄中の男に届いた一通の手紙/少女時代に受けた心の傷とは/竿も持たずに釣り場に現れた男に尾行されて―/ケースはそのままに、消えたバイオリンのありか/江戸川乱歩賞受賞作家によるアンソロジー第3弾。【目次】花男(鳴海章)/グレーテスト・ロマンス(桐野夏生)/ひたひたと(野沢尚)/声(三浦明博)/秋の日のヴィオロンの溜息(赤井三尋) まあまあ。 赤・白(第1・2弾)に比べると面白味に欠けますが。「花男」は『風花』の後日譚ということですが、『風花』を読んでいないので、いまひとつ。「グレーテスト・ロマンス」は『顔に降りかかる雨』の成瀬の獄中譚。『顔に~』はよかったけどね。 う~ん…
2006年12月17日
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【本日の一冊】いとしい「好きになるということは、好きになると決めること」母性より女性を匂わせる母と、売れない春画を描く義父に育てられた姉妹ユリエとマリエ。温かく濃密な毎日の果てに、二人はそれぞれの愛を見つける。高校教師になった妹マリエは教え子のミドリ子の兄と恋に落ちるが、ミドリ子の愛人は母の恋人だった…。芥川賞作家が描く、傑作恋愛小説。 日向ぼっこしながら気持ちよく読みました。なぜこうも川上弘美の作品に惹かれるのか、よくわからないけれど、いい。やっぱり「感覚的に」好きなんだなぁ~。
2006年12月16日
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【本日の一冊】 特別な一日いじめられっ子、落ちこぼれ、はぐれもの、寝取られ刑事…。生きるのが下手な男たちにある日訪れた、忘れ得ぬ人との出会い。小さな魂のふれあいが、人生の標なき道に暖かな光を灯す。現代を代表する小説の名手たちが贈る、感動の十二篇。【目次】いまひとたびの(志水辰夫)/洋ちゃん(大杉漣)/どんぐりのココロ(重松清)/眉山(太宰治)/月のしずく(浅田次郎)/戯曲『テーラー』(イッセー尾形)/台風(藤原伊織)/青大将(森詠)/のろま君(鳴海章)/学生食堂のテレビで見た男(佐藤正午)/歳月(香納諒一)/大阪近鉄バファローズ!(永沢光雄)既読のものが4篇ありましたが、たまにはこういう形で読み返すのもいいですね。特に「眉山」(『グッドバイ』所収)は ずいぶん昔に読んだので、かなり読み進めるまで思い出せませんでしたが、ある意味新鮮でした。「う~ん、太宰いいかも」と、ひとりごちた自分がいました。
2006年12月15日
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【本日の一冊】 チーム・バチスタの栄光大学病院で結成された、心臓移植の代替手術である「バチスタ手術」の専門チーム。そこで術中死が続発。内部調査を押し付けられたのは、不定愁訴外来担当の万年講師と厚労省の変人役人だった……。『このミステリーがすごい!』大賞、大賞受賞作。ずっと気になっていた本ですが、ようやく「ブック○フ」で見つけたので購入しましたおもしろかった登場人物のキャラ設定の面白さが際立っていると思います。特に「白鳥」のキャラがいい味だしています(笑)続編も出ているようなので、そちらも読んでみたいなぁ。 これ。
2006年12月10日
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【本日の一冊】エンジェルエンジェルエンジェルコウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは―なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす…。 現在とおばあちゃんの若い頃の物語が交互に描かれています。短いお話ですが、とげとげした心を癒してくれる優しい物語でした。
2006年12月07日
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【本日の一冊】物語が、始まるいつもの暮らしのそこここに、ひっそり開いた異世界への扉―公園の砂場で拾った「雛型」との不思議なラブ・ストーリーを描く表題作ほか、奇妙で、ユーモラスで、どこか哀しい、四つの幻想譚。【目次】物語が、始まる/トカゲ/婆/墓を探す期待を裏切らない不思議世界が広がっていました「婆」は以前芥川賞候補になった作品だということですが、私は表題作「物語が、始まる」が一番よかったと思います。短編だけれど、とても濃い。奇妙な設定の中に出会い、別れ、喪失、再生などが描かれていて(もっと言えば、育児や介護、恋愛、嫉妬、母性愛などなども)奥の深い小説をぎゅっと凝縮したような物語です。もちろん、他3編も楽しめましたが。
2006年12月02日
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【本日の一冊】ぼくのミステリな日常月刊社内報の編集長に抜擢され、若竹七海の不完全燃焼ぎみなOL生活はどこへやら。慣れぬカメラ片手に創刊準備も怠りなく。そこへ「小説を載せろ」とのお達し。プロを頼む予算とてなく社内調達ままならず、大学時代の先輩に泣きついたところ、匿名作家を紹介される。かくして掲載された十二の物語が謎を呼ぶ、贅を凝らしたデビュー作。リンク先の なつ。さんの感想を読んで、ポチった本です。若竹七海さんのデビュー作ということですが、私は若竹作品デビューだわ。独立した12編の短編が、最後に全体の部品となってくる構成になっています。楽しめました。
2006年12月01日
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