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昨日の日記「上海あれこれ雑感・その1」に、hotaruさんとクックッくろさんがコメントして下さったが、私が乗った上海磁浮列車って、リニアモーターカーだったんですね!いやはや、知らなかった。というか、その話と、空港から展示場まで直行できる交通機関が、私の頭の中では一致していませんでした。異常に速いモノレールだな~、なんて、大ボケですね。モノレールなんて書いていると、中国の人に怒られてしまうだろう。大変失礼致しましたm(__)m。早速昨日の日記、「モノレール」の記述を「リニアモーターカー」に直そうかとも思ったのだが、そんなことも全く思い出しもせず暢気な気分で乗り込んで書いた感想はそのままにしておいた方が良いかとも思い、非常に恥ずかしい気もするが、あえてそのまま残し、文章の最後に補足を書き足すことにした。それと、28日(木)から今日までの日記には、後程何枚か写真もアップしておくので、良かったらご覧下さいませ。さて、今回で私が中国へ行くのは3回目。1回目は2002年の3月、2回目は2003年の10月に行っており、ここ3年は毎年1回のペースということになる。繊維業界では月1、2度中国へ行っているというのは珍しくないことなので、私の程度の経験で何かを語るというのもおこがましいことなのだが、たまにしか行かないが故に逆に気付くこともあろうかと思うので、気になったことを幾つか述べてみたい。まず、今回街の様子を見て感じたのは、「何か落ち着いた雰囲気になってきたな」ということ。最近よく言われているように、経済成長は依然として続いてはいるが、伸び率が鈍化してきたのかもしれない。後述するファッションの話とも関係することだが、一昨年、昨年かなり見かけた、いわゆる田舎からのおのぼりさんらしい風体の人達が減っているような気がした。それと、そう感じる最大の要因は、ケータイの使い方が明らかに変わったためだろう。ちょうど一昨年はPHS、昨年はケータイブーム真っ盛りという感じで、持っている人達はまるでそれを使うことが嬉しくてたまらない、といった様子で所構わず大声で話していたし、街中のNOKIAのショップでもじぃーっと食い入るように新機種に見入っている人達の姿が見えたが、そういう動きが今はない。それがなくなったため、街が非常に静かになったように思えるのだ。たぶん今の日本と同じで、ケータイに慣れてきて、用事のない時までは使わなくなっているのだろう。i-modeやEZwebのようなケータイメールも普及したのか、地下鉄の中や街中で文字盤を黙々と打つようになっている。とはいえ、今の上海においても日本と同じで一番の繁盛店はケータイキャリアのショップである。写真はチャイナ・モバイルのショップ、日本で言うとドコモショップに当たるようなお店だが、昨年訪れた時と同様に溢れんばかりのお客様で長時間待ちの状態になっていた。 ケータイに関することで気付いたのだが、上海のヤングは男女を問わずかなり時計を身に付けていないようである。28日の夜、ラマダプラザホテルのビジネスサポートセンターでホテルのスタッフの方にネットへの接続の仕方を教えてもらったのだが、その時女性スタッフが時々ちらっとNOKIAのケータイを取り出して時刻を見るしぐさをするので気がついたのだ。次の日から、気をつけてヤングの腕を観察して見ると、長袖着用なので見えないケースも多かったのだが、かなりの割合で時計不着用者が存在した。やはり、ケータイを取り出して時間を見ている人もいたので、理由はケータイがあるから、だろう。裏を返すと、相当ケータイの普及率が上がっているのではないかと思われる。この辺も、日本のヤングと全く同じである。くだんのホテルの女性スタッフは、英語が堪能で非常に人懐っこい人だった。向こうからいろいろなことを聞いてくる。彼女の赤いケータイを私がじっと見ているのに気付いたのか、「これはNOKIAの××××番ですよ、ご存知ないのですか?」というので、「日本にはNOKIAやモト(モトローラ)はほとんど入っていないんですよ」というと驚いたような顔をした。日本のケータイメーカーの社名を列挙したが、彼女が知っているのはパナソニック(松下、は知らなかった)とソニーのみだった。「ソニーはいいブランド。すごく欲しい」と言う。その後、旅行の話を向こうからし始めた。「香港には何回も行った。日本にもすごく行ってみたい。物価が高いようなのがいやなのだが…」と熱っぽい表情を見せる。インターネットのニュース報道によると、今年の国慶節の中国における国内旅行ブームも相変わらずものすごかったようだが、このブームはいずれ海外に向かうだろう。中国からの海外渡航が解禁されれば、日本にも観光ブームが来ることは間違いないという気がする。上海の落ち着きはストリートを闊歩する人達のファッションからも感じた。まずは、おのぼりさんっぽいいかにも田舎のおじさんおばさんらしいファッションに身を包んだ人が減ってきていることと、ファッション傾向の多様化である。昨年は、ジーニングブームが最高潮という感じで、街中でも百貨店の店内でもそういうショップが席巻していたが、今年はちょっとスカート着用者の比率が上がっているのではないかと思った。とはいえ、全体の構成比でいうと、やはり圧倒的に多いのがジーンズ。恒隆広場(プラザ66)の中や前の方では外資系ブランドのジーンズ着用者も見たし、日本で流行っているようなタテ落ちしたタイプのものや、フラップポケット付きのものなどバリエーションに富んでいる。ミセスのジーンズ着用者の比率は少なく、たぶん10%を切っていると思うが、刺繍入りのジーンズを身に付けている人がちらほら。ヤングでも女性では刺繍入りを着ている人達も。この国の人達は刺繍入りの洋服が好きなようである。 足元は、ピュアヤングの女性と、男性はスニーカー(ナイキか、中国のブランド)、社会人以上の年齢層の女性はパンプス姿が一般的。昨年までは靴を見ると中国人とそれ以外の国の人の見分けが一番つく感じで、今もってこの部分が日本とは一番差が大きいと私は思っているが、底が厚めのダサいパンプスはかなり減っている。恒隆広場(プラザ66)の前ではグッチやフェラガモなどブランド物のパンプスがかなり見られた。更に、ケータイの問題と並んで目を引いたのは、茶髪の普及である。一昨年は中国で茶髪の人を見たら日本女性、といった感じだったが、昨年は少し茶髪の人が見られるようになり、今やヤング、キャリアではほぼ9割が程度の差はあれ何らかのカラーリングを施しているのではないか、というくらいになっている。もっとも、頻繁に美容室に行けないのか、いわゆるプリン状(頭頂部のみが黒くなってしまっていること)の髪をしている人達も存在するが。このように、上海のストリートファッションは年々急速に進化してきているので、梅龍鎮伊勢丹の側のスターバックスに居ると、足元さえ見なければここは日本の品川辺りか、と錯覚するくらいである。さて、来年はまたどんな風に変わっているのか、非常に楽しみだ。
2004年10月31日

皆さ~ん、さくらで~す。無事に上海から戻って参りました。向こうも新潟上越地震の話題で持ち切りだった。いつ余震が納まるのか非常に心配だが…。本当にひとごととは思えない。リアルで聞く業界情報に加えて、ネットでも情報収集しながら、自分なりに、ささやかでも出来る限りのことをしていきたいと思っている。さて、忘れないうちに上海で感じたことを書き綴っておく。今日写真をアップする気力がないので、明日できれば昨日と一昨日の日記も含めて写真を加えておくつもりなので、ご興味のある方は是非ご高覧下さい。まず、今回は1年前にはなかった「上海磁浮列車」(Shanghai Maglev Train)に初めて乗る体験をした。これは、Pudong International Airport 駅とPudong Longyang Road 駅間を結ぶモノレールで、時速430キロメートル、F1の350キロより速い、というのが謳い文句らしい。 人からは感想を聞いていたのである程度雰囲気を予想していたが、ゴォーという音を立てて猛スピードで突っ走っていく様は恐ろしいようである。荷物置き場の中段の棚に置いていた私のキャリーバッグはブルブルとものすごい震えようであった。両駅間は7分なので、しかし、あっという間の出来事である。このモノレールの終点からは、展示会場の上海新国際博覧中心までシャトルバスが出ている。また、帰りはシャトルバスで同駅まで戻れば、地下鉄2号線で宿泊したラマダプラザホテル最寄り駅の人民広場駅まで行くことが可能なので、つまりは今までのようにタクシーに乗らずとも展示会を見たり、上海市内に入ることが可能になったのだ。20分に1本しか発車しないのが少し不便ではあるが。でも、時間的には、飛行場から人民広場駅までの直行で、待ち時間も含めて約1時間を見ておけば大丈夫である。これで、非常に便利になった。タクシーは時間が読めない上、運転手さんがほぼ100%と言っていい程英語も日本語もできないため、タクシーがネックになって男性でも1人でなかなか上海には行けない、というケースがあったようだが、今やそういう問題はなくなった。経済的にも非常に安く済む(だから、私自身も、上海の百貨店で洋服を買った分を除けばこれまでになく使ったお金は少なかった)。公共交通機関が整備され、空港へのアクセスが向上したことで、上海は先進国への階段をまた一歩上がったと見てよいだろう。上海に行くと市内では私は地下鉄をよく利用する。ラッシュの時間帯でなくてもかなり込み合っているのだが、危険ではないので市内をリサーチして回る際にはうまく活用すると歩くよりも時間の節約になると思う。距離によって代金は違い、2元もしくは3元だ。これが、かなりハイテクイメージ、上海の人が好きらしい言葉でいうと「stylish」(この言葉、かなり多くの広告に出てくるんだよね。ファッション系はもとより、ITや家電関係の広告でも頻繁に見かける)な仕様になっている。日本の山手線を走る電車みたいに、社内には電子媒体(韓国のサムスン製だった)があってニュースやドラマ、CMがずっと流れている。大都会ならではの現象だろうが、上海はこれまた東京と同じで屋外広告や交通広告が非常に盛んだ。それ専門の広告代理店らしきところのCMもいくつか見た。駅構内のボードや、地下鉄の全車両を使った広告、そして、バスも多いのでバスの車体を派手に色づけした広告も多い。日系企業の広告も多く、家電や飲料メーカーのものが一番目立つが、わがファッション業界も頑張っている。デサントが地下鉄の車両全部に企業CIの広告を打っているものや、東レのTOREXのPRバスなどを見かけた。看板では婦人服関係もかなり出ているが、わが業界の企業の広告と、家電業界との違いは、ウェブサイトのURLを何故かファッション系企業は全く入れていない点だろう。(家電業界は揃ってcom.cnのドメインでHPを立ち上げているようだ)。気をつけて見てみたが、全くというほどなかった。確かに、欧米のラグジュアリーブランドは広告にはURLを入れないのが一般的であるが、中国の婦人服ブランド、韓国の婦人服ブランドや、外資系の化粧品ブランドなど、きちっとURLを広告に入れている企業もかなりあったのだが…。理由として考えられるのは、ファッションの広告には美的価値の高いビジュアルの作成が重要で、文字が少しでも増えるとバランスが崩れてしまうこと、実際の購買は売り場なのでそこへ誘導するためブランド名だけを強く認知させればよいという考えに基づいているのではないかと思われる。それに対し、家電業界では、商品スペックの比較を行うため、より詳しい情報を求めてサイトを訪れる消費者が多いことを見越しており、ITリテラシーの高い層と想定購買者層が重なっていることもあって、URLの告知も顧客サービスの観点から不可欠なものだと考えているのだと思う。だが、明日も少し書くつもりだが、中国は日本にかなり近いレベルか、若い世代の意識、エリートの意識は場合によっては日本以上の水準のIT大国である。それと見逃せないのは、完全に男女平等な国なので、女性の富裕層、ITリテラシーの高い層がかなり存在するということだ。しかも、日本と違い、先に雑誌ありき、ではなく、現在の中国ではネットと雑誌はほぼ同期的に発展しているメディアである。この国のネットの世界においてしっかりとしたイメージの構築、情報発信を行わない、というのはあまりにももったいないのではなかろうか。特に、大衆向けの価格帯ではなく、高額所得者を狙ったブランドでは、是非積極的な情報発信を望みたいものだ。大したコストがかかるものではないのだから…。追記:冒頭で述べた「上海磁浮列車」とは、2004年1月1日に正式開通した世界初の浮上式リニアモーターカーのことであった。単なるモノレールではないので、お詫びして訂正致します(hotaruさんとクックッくろさんさん、コメント有難うございました)。同列車のことについては、「海外鉄道旅行愛好者」というブログに詳しい体験記が出ているので、是非この日記と合わせてご覧頂きたい(トラックバックもさせて頂きました)。
2004年10月30日

今日は1日上海のショップを見て回った。始めに断っておくが、ショップのリサーチは定点的に行わなければ精度の高い情報は得られないので、より詳しく知りたい方にはできれば月1回は上海に足を運んで自分の目で確認されることをお勧めしておく。まず、朝10時30分に、上海久光百貨へ。今年開業したばかりのこの百貨店には、中国初出店の日系のブランドが数多く出店していることが話題となったが、今日見た感じでは、現地に認知されるにはまだ時間がかかりそうな気がした。平日のためか客数も非常に少ない。 むしろ面白かったのは、地下1階の食品売り場である。ここには、日本の調味料や、カップラーメン、お菓子など日式の食材が数多く並んでおり、見ているだけで楽しい売り場である。ヤマザキパンや、ビアードパパのシュークリームもあって、ショークリームはポツポツと売れていっていた。外に出て改めてお客様の流れを見ていると、入店するや否や地下に直行している人が半分くらいいたので、まずは価格が安くとっつきやすいところから固定客がついているのかな、という印象である。次に、ポートマン・リッツ・カールトンホテルの入っている上海商城の一部と、恒隆広場(プラザ66)へ。この2か所は、外資系のラグジュアリーブランドが集積しているビルだが、中でも圧倒的に来店客数が多く確実に売れているのは「グッチ」と「ルイ・ヴィトン」である。「グッチ」は、とにかく来ているお客様がオシャレ。例えば、金髪に近いショートヘアに、赤い個性的なフレームのサングラスをかけ、トップスはマスタード色のブラウス(これがたぶん「グッチ」だと思う)に、グレーのパンツ(近寄ってよく見ると細かいグレンチェック柄)姿の、まるでモデルさんのような女性とか、3人連れの女性客で、2人はローライズのジーンズ、もう1人は白地にピンクのラインの入ったヒップホップテイストのジャージのコンビネゾンで、3人ともベアミドリフ(いわゆるへそ出しルック)、ジャージの女性は、ヒップの上に、蝶のタトゥー(これはたぶんシールだと思うが)を意識的に見せるように入れている、といった感じだ。男性も企業の経営者然とした人達ばかりだが、総じて若い!「グッチ」が受けているのは、トム・フォードが描く強い女性像、コントラストが強くエッジの効いたデザインと、そして何より自分に自信があってボディコントロールも万全に行っている女性の体をセクシーに見せるからだという気がした。固定客はサービスで出された水を片手に次々と商品をチョイスしていく。この様相が、来春のデザイナー交代以後変化するかどうか、注目したいものだ。「ルイ・ヴィトン」は日本と同じで何と言っても皮革製品の売り上げの高さが目立つ。ただ、衣料品の方は、マーク・ジェイコブスのデザインが非常に若々しいため、ちょっと苦戦しているのではないかと思った。大人の女性があれを着こなすには、もっとファッション感度が高まらなければ難しいのだろう。日本のブランドで恒隆広場(プラザ66)に入っているのは、「アンテプリマ」「アツロウタヤマ」の2つのみである。いずれも、海外との強固なネットワークを持つブランドであり、こういう企業にしかラグジュアリーブランドへのチャレンジは難しいのか、と寂しくなるが、これからもっともっとこのゾーンに進出する日本の企業に出てきてもらいたいものだ。3時30分過ぎに、梅龍鎮伊勢丹へ。日本の伊勢丹と同じで、1年も経つと結構ブランドの入れ替わりも見られる。日本の百貨店なので日系の有力企業の中国進出組のブランドは一通り揃っているのだが、レディスでお客様を集めているのは韓国や香港系のブランドだ。バラエティに富む商品構成で、価格が日本のものよりこなれているのが大きな強みだろう。 中国のブランドでは、日本でも卸が始まっている「デコスター」の完成度が群を抜いている。新しいところでは「オーバーカムゾエ」というブランドがちょっと面白かった。プライスカードに「日本」と書いてあるので聞いてみると、「CEOは日本在住だが会社は上海」(と中国語で言っているように思ったのだが、間違っていたらごめんなさい)らしい。デビューの仕方も話題性があってユニークだと思う。今のところ、中国ドメスティックのブランドでレベルが高いな、と思えるものは、コレクショントレンドを落とし込んだMD型のブランドよりも、独自のスタイル、キャラクター性を打ち出した、いわゆる日本の昔のDCブランドタイプのものが多いように私は思ったのだが。最後に、ガイドブックに「お洒落なお店が多い」と書いてあった茂名南路へ初めて行ってみた。メンズはオーダーのショップが多く、レディスに関してはチャイナドレスのお店が多く観光客向きだろう。ここで見るべきはJ's GALLERYというギャラリーである。中国のコンテンポラリーアートが揃っていて面白い。王健という人の絵画が私は気に入った。50~60万円アートに出してもよい人にはオススメであろう。
2004年10月29日

今、ラマダプラザシャンハイホテルのビジネスセンターにいます。ホテルの職員の方のサポートで、無事ネットに接続できました(^^;;が、今朝メール送信したように、パソコンのコードを自宅に忘れてきたため、バッテリーが持つ間しか日記は書けない状態…。明日もあるので大急ぎでインターテキスタイル上海の感想をルポしますね。 まず、昨年と比べて一番感じたのは、来場者数がかなり減っているのではないかということ。日本人出展者の方々も同様の感想を述べていた。一つの原因として今年はインテリアファブリックの展示会は別に開催されることになったということが考えられるが、それにしても他に何か理由があるのではないだろうか。土曜日、月曜日の業界紙各紙には、最終の来場者数が発表されるだろうから、注目して頂きたい。次に、中国の出展者と話して多く聞かれたのは、内販より輸出がメインで、特にアメリカが中心になっているということ。2005年のクォーター撤廃に向けて、ロットが大きくまとまる対米輸出に有力メーカーの目線は完全に向いているようだ。日本に対しては、何人もの中国の方から、「市場はシュリンクしていますね」と言われ、非常に悔しい思いをしたが、これは客観的に外からみた事実であろう。日本の商社を中心に、中国の工場で日本への持ち帰り輸入を図っているところは、今後、彼らをキープするのに苦労してくる局面も出てくるのではなかろうか。だから、逆に、日本勢も、中国経由の三国間貿易を狙って攻めていく必要があるだろう。日本企業のブースの反応だが、「客数が減っている」という声と、「来場者数は多いが、ヒット率が少ない」という声、それに、「連続出展の成果が上がって、徐々に売り上げが上向いてきている」という3つに分かれた。企業の姿勢や商品の内容、それと価格帯(よいものでも高すぎるものはやはり難しいようだ)が明暗を分けているように思えた。私が見て回った今日の午後の時間帯は、いくつかの専門商社さんのブースが賑わいを見せているようだった。今回の展示会全体の傾向だが、まず、デニムを扱うブースの増加。中国の企業だけでなく、パキスタンや、香港経由のブラジルなどからも来ている。世界的なデニムブームや、中国におけるカジュアル人気の高まりを受けてのことだろう。それと、来春夏のトレンドを反映して、綺麗な色のプリントが多く見られたが、明らかに中国のブースの出してきているものは日本人の好みとはかなり違う。コントラストの非常に強い配色や、墨絵のようなモノトーンの中に1色ピンクを使ったもの、あるいは芙蓉、蝶々など中国人が伝統的に愛でるモチーフなど、「成程な」と思えるものが多く、面白かった。今日は、旧知の業界関係者の皆様や、私が前勤めていた日本繊維新聞の記者さんなど、多くの知り合いに会えたので、一人で行ったのだが全く不安はなかった。うちの地元からは、神奈川県の旭編物さんが初出展。皆さん本当に頑張っておられますね。嬉しいです!では、明日はバッテリーが続けば上海の百貨店&ストリートウォッチングの結果をレポートします。再見!
2004年10月28日
今日は、ヨーロッパコレクションのトレンドについて解説するセミナーがあった。このセミナー、うちの会社と兄弟会社の(株)大阪繊維リソースセンターが共同で開催しているものだが、規模的にはファッション業界最大級、東京エリアでは今は1シーズン3回も実施するまでになっている。会場には衣料品の業界の方々だけでなく服飾雑貨、化粧品、雑誌編集者やスタイリストの皆様が多数お見えになられるため、さながら「オシャレ頂上決戦」といった華やいだ雰囲気になる。このセミナーのお陰で、うちの会社の業界内での知名度は高いんだよね、実は。私は最近は会社での留守番組だが、一度は完全にお客様の立場になってあの雰囲気の中に身を置いてみたいと思うくらいだ。今の時期行われているのは、ミラノコレクション、パリコレクションで発表された各デザイナーの作品を基にしたもので、2005年春夏(業界ではSSと呼ぶことも多いが)のトレンド情報である。今日のセミナーの内容を受けて、アパレル企業の各ブランドでは、早いところでは冬物の終盤企画、あるいは12月に投入する梅春物からは、完全に企画の内容を次シーズンのトレンドにシフトしてくる。また、百貨店などの小売業のストアMD(マーチャンダイジング)のディレクション作成にも、セミナーの内容は大きく反映されてくるものである。今回のコレクション、全般に今の秋冬よりかなり若いイメージの作品が多く出ており、カラフルな色、エスニック調の打ち出しが目立った。現在の日本のマーケットの状況からして、次のシーズンも全体の売り上げが上向くことは非常に難しいのではないかと予想される中、各ブランドがどのような戦略を取っていくのか、注目したい。個人的には、こういったコレクショントレンドの推移とは全く違う次元のフィロソフィーなりスタイルを打ち出したビジネスの方が今の日本では堅実でうまみがあるように思っているが、それでもマスの部分を動かす大きな仕掛けがなければ、広い意味でのファッション業界が停滞してしまい、世の中も面白くなくなってしまうというのも一面の事実である。業界人として個々のデザイナーの作品一点一点を細かくチェックすることは常に怠らずにいたいと改めて思う。27日の日記 (AM 07:48)今、成田エクスプレスの中です。これから上海に行ってきます。パソコンのコードを忘れるという大ボケをかましてしまったのでバッテリーが続くまでしか日記書けませんが。1年ぶりの上海、進化が楽しみです。
2004年10月27日
新潟中越地震の被害、まだまだおさまる気配がないようで非常に心配である。まずは人命の安全が第一であるし、次には日常生活の回復、そして産業の復興であろう。既に繊維関係の業界紙にも報じられている通り、繊維産地の新潟は今夏の台風被害に続いてダブルパンチを受けている。生産設備、工場が破壊されている企業さんも多いようで、言いようのないつらさだ。心よりお見舞い申し上げます。こんな大変な状況の中で、心の灯火となるのは、他の地域の方々がお見舞い、義捐金を次々と寄せておられることだ。ここ数日、ネット上でも、そういった活動が活発になってきており、勇気づけられている。自分の身の回りのネット仲間の皆さんも、早速アクションを開始しておられるようだ。参考になる情報も多いので、いくつかご紹介したい。まずは、『メール道』のエバンジェリスタ(伝道者)・すみだを心より愛するclubSDCさんの日記で、著名なママさんアフィリエイターの藍玉玉ちゃんさんの呼び掛けの件を知った。藍玉玉ちゃんさんは、楽天日記内に大勢のお仲間がいらっしゃるようで、既に非常に多くの書き込みやトラックバックが集まっている。藍玉玉ちゃんさんの知人がご提唱しておられる、楽天募金のアイデアには、私も賛成である。次に、亀戸のいしじいさんの日記で、いしじいさんを通じて知り合ったあかりさんが、テレビ朝日のドラえもん募金について呼びかけておられることを知り、これはすぐ私もTELした。3分109円だが、手軽にできて、口コミしやすい仕掛けの募金だし、なかなか良いのではないか。最後に、ビジネスに関する分野では、e製造業の会でご一緒しているブラシビレッジのかっちゃんさんの町工場掲示板への書き込みで、製造業のポータルサイト・NCネットワークが「新潟中越地震・情報掲示板」を臨時開設していることを知った。こちらは、対象者が中小企業の経営者層なので、義捐金、災害の状況等の情報だけでなく、もう少し時間が経てば企業活動の復興に必要な情報が集まってくるのではないかと思われる。繊維関係の企業さんでも道路情報、資金調達の方法等は製造業全般に通じる部分もあると思うので、ご関心のある方は是非ご覧頂きたい。こういう善意の情報が口コミですばやく広がるところがネットの良いところだと改めて痛感した。私もアンテナを張っていろいろ検索もかけてみるつもりなので、今後も繊維ファッション業界の皆さんにも役立つ情報をキャッチしたら続報させて頂きます。
2004年10月26日
先週からいよいよ東京コレクションが開幕し、ファッションの秋たけなわである。私はバイヤーでもないし、今はジャーナリストでもないのだが、何かのご縁でお知り合いになれたデザイナーの方から貴重なチケットを頂くこともある。午後6時40分、渋谷からタクシーを飛ばして大急ぎで代官山へ。Restorante ASOで2005年S/S(Spring&Summer)の「翡翠」のファッションショーを見る。同ブランドはコムデギャルソン出身の伊藤弘子デザイナーの手によるもの。パタ ーンに凝った技巧的な商品が多いが、ジャージを多用しているのと、カラフルな色使いが、個性的な商品を好むヤングに受けそうである。今回は、「heaven colors of dream」と題し、60年代の長襦袢の柄をコラージュしたプリントや、インクジェットプリントのトップス、ドレスなどを中心に打ち出していた。いずれこれらの商品は店頭に並ぶので、是非手に取ってご覧頂きたいが、少しアンティーク調に色褪せた染まり具合が、雲や虹、星、涙のしずくなどをポップに描いた図柄と相反する雰囲気で面白い。昔懐かしいのだが、どこかポップで今を感じさせる雰囲気もある。襟ぐりの大きくあいたワンピースには、インナーに水着、という着方も提案。セクシー、というよりも、おきゃんな女の子の元気な夏休み、といった、何か楽しげでほのぼのとした気分にさせられた。それと、ショーの中盤に出ていたハイゲージの黒のニットが面白かった。ニット好きな方にはお勧めだろう。頂いたリリースによれば細かいパンチレースは70年代の柄で家庭機で編み立てたものらしい。黒のシリーズは夏に着るとかなり迫力がある。アダルトな客層を呼び込める商品群だろう。リリースを見て気付いたのだが、このショーの中に登場した商品のものづくりにも、私が知っているある工場さんが貢献しているようだ(^^)。本当に嬉しいですね。伊藤デザイナーの商品は前回から見せて頂いているが、強さと可愛さの2面性を持った方だと思う。そのアンビバレントな表現が彼女の持ち味だ。時代性よりもオリジナリティの強いタイプのデザイナーさんだと言えるのではなかろうか。今回は、強さよりも可愛さの方が前に出ておりこれが伊藤デザイナー風のガーリッシュというものだろうと私は解釈したのだが。新たなファンを呼び込みそうである。
2004年10月25日
いよいよ上海行きが今週の木曜日に迫ったので、やっと重い腰を上げてどうやったら向こうでネットに接続できるか調べてみた。いや~、これが大変そうなんだわ。はっきりいって、もうパソコン(PC)持って行くのやめたいなとも思ったのだが、年明けにはイタリア行きもあってこちらは期間も長いし、まだ日本人の多い展示会開催期間ならば人に教えてもらうということも可能だから、我慢して練習のために決行することにした。という訳で、今日の日記はITリテラシーに乏しい、ネット若葉マークのさくらの書いたものだということであんまし当てにしないで読んでチョ。もし読者の方でよりベターな方法をご存知だったら教えて頂けると幸いです。まず、ホテルの中にビジネスセンターのようなところがあって共用のPCが置いてあるのなら、メールのチェックだけなら重たいPCは持っていかずYahooメールサービスを利用するのが良いのではないだろうか。そうでなくとも、海外出張とか海外旅行には持っていかなければならないものが多い。ケータイ、デジカメ、PCのうち、一番必要なのはケータイで、あとの2つはなくてもいざという時困るものではない。Yahooメールサービスは、無料でも100MB、月294円払ってプレミアム会員になれば500MBまで使えるので、大容量の写真等を日本に送るのでなければ無料でも十分だろう。だが、私は、できれば上海でもこの楽天日記を書きたいのである。だから、ホテルの室内でローミングサービスを利用する方法はないかと思い、あれこれ検索してみた。私が加入しているプロバイダのOCNは、大手なので自前のアクセスポイントを中国に持っているのではないかと想像していたのだが、甘かった。GoRemote(旧GRIC)のアクセスポイントにアクセスしなければ利用できないようだ。早速Info Desic ダイヤラーというファイルをGoRemoteのホームページからダウンロードして調べると、上海のアクセスポイントは8か所あった。通信速度は全て56K、デバイスの種類も全てアナログ、である。プロバイダ名には、中国の固定電話最大手のチャイナテレコム、同2位のチャイナネットコム、ケータイキャリア1位のチャイナモバイル、同2位のチャイナユニコムなどが名を連ねているのだが、うーん、こりゃ本当に大丈夫なのかねぇ???というのは、検索に引っかかってくるいろいろな人の書かれたレポートによると、「つながりにくい」「すぐ途切れる」「他のアクセスポイントも調べておいた方がいい」などということがいろいろ書かれているからだ。実は、旅行会社を通じて、宿泊するホテルに、「インターネットは使えるのか。ブロードバンドかナローバンドか」ということを聞いてもらったのだが、「使えるが、おっしゃていることの意味がわからない」という回答が返ってきた。専門的なことはわからないが、先程の「アナログ」とか、「通信速度56K」とかいうことから想像するに、きっと向こうはまだISDNレベルなのだろうから。「ブロードバンド」なんて言う方が悪かったのだろう。ということは、やっぱりつい5、6年前の日本のように、つながってもぶちぶち途切れる、という状態が予想される。やばいね~。ただ、今回は空港から展示会場に直行するので、プレスルームにもぐりこんで書く、という奥の手もある。そうすれば確実につながる回線は用意されておりサポートもあるだろう。イタリアでもその手を使えば済むのだが、でも、どこまで出来るかなるべくホテルで自分で自力でやってみたい。皆様、ちゃんとアクセスできれば今週末の日記更新アリ、できなかったらまとめて帰ってきてからのエントリーということに相成りますが、どうかさくらの上海ルポ、お楽しみに!
2004年10月24日
10月1日(金)に一度トラックバックさせて頂いた北海道の春日一秀さんのブログは、ITや産業支援に関心のある方には非常に参考になる内容なのではないかと思う(またまたトラックバックさせて頂きました)。その、「中小企業診断士/ITコーディネータ 春日一秀のブログ」10月7日付けに、経済産業省がブログを始めたことが紹介されていた。厳密にいうと、IT関連産業を所管とする同省の商務情報政策局と独立行政法人経済産業研究所(RIETI)が共同で実施しているものらしい。これを読んですぐ思ったのだが、繊維行政こそブログによる発信にもってこいの分野なのではないだろうか。特化された狭い分野の情報であるから、という大前提はさておき、それプラス、古い産業である分、いいか悪いかは別として、全国の産地の企業さんや組合の多くが官の発信する情報(特に補助金からみの)に関心を持っている。つまり、既に相当多くの潜在的固定読者が見込める恵まれたポジションにあるからだ。現状ではこれらの情報は、組合から組合員に送付されるFAXや、繊維関係の業界紙によって広報されているのだが、経済産業省が率先してブログを活用されれば、多くの業界人が、「ブログとは何ぞや」と関心を持ち、業界のIT化も多少なりとも前に進むのではないか、ということが一つ。もう一つは、業界人と行政との密なコミュニケーションを図る、ということに加えて、繊維とかファッションに対して関心を持つ一般の方々へのPRにブログは強い威力を発揮するのではないかということだ。例えば、昨年度から実施されている中小繊維事業者自立事業の交付決定者の情報が、今、独立行政法人中小企業基盤整備機構のホームページ上にPDFファイルでずらっと公開されているが、これだと恐らく業界内の人達しかこの情報を目にする機会は少ないと思う。ところが、もしもこういった企業が補助金を活用して行う展示会の情報を柔らかい文章でブログ上で紹介したり、あるいはネット販売を開始した企業のURLをブログ上にリンクとして貼っておけば、もっともっと多くの人達の注目を集めるのではないか。更に、経済産業省の繊維課とJETROが一緒になって英語版のブログというものを作れば、国際的な情報発信にもつながる。それこそ、これから開かれるインターテキスタイル上海のジャパン・パビリオンや、JFF(ジャパンファッションフェア)イン上海のPRをネット上で全世界に向けて行ってはいかがだろうか?ブログなら写真も簡単にアップできることだし。と、ここまで書いてきて反省したのだが、誰某に何々して欲しい、ということばかり要求するのはやめよう。自分も当事者の一員なのだから。まずは、自分から、自分の会社から、できるところからやる!である。PS.春日さんのブログで、RSSリーダーのことも初めて知り、早速無償の「goo RSSリーダー」をインストールしてみた。これは非常に便利だ。忙しい皆様には是非お勧めである。ちなみに、「産業支援」というキーワードで全ブログから検索してみたが、たった38件しか引っかかってこなかった。「ファッション」だと14,296件もあるのに。全国の産業支援機関の皆様、是非もっと情報発信致しましょう。自戒の念を込めて。
2004年10月23日
トピックその1:台風今回の台風も大きな爪痕を残していった。被害に遭われた皆様、心よりお見舞い申し上げます。産地のメーカーさん、小売業の方々など、繊維ファッション業界の被害も甚大である。心配なのは、こういう天候不順はこれからも半永久的に、というか、もっとひどくなっていくのではないかということ。気候に売り上げが左右されやすい衣料品の業界にとっては、生産コントロールが難しくなることと、心理的な買い控えの両面からこたえてくる。この台風、自然界からの人間への、「生き方を見直すように」という警告なのであろうか。私自身もそういう考えがとみに強くなってきたが、これから来シーズンに向けて、エコロジー、とか、ナチュラル志向、ヨガ、ウォーキングなどのヘルスコントロール、ハンドメイド、リメイク等のムーブメントが一層盛り上がってくるのではないかという気がする。次の台風も心配だ…。皆様、とにかく、命を、何よりも命を大切に!トピックその2:サンエーインターナショナル今日付けの繊維ファッション業界の業界紙各紙に、サンエーインターナショナルの今期から3か年の中期経営計画の記事が掲載されている。三宅社長が、「現在の(当社の)中心対象の20~30歳の人口は将来大幅に減少するため、ヤングブランドの開発は当面中止する」と発言しておられる。とうとう、来るべき時が来たか、という感じ。覚悟はしているが、いよいよ日本が未曾有の超高齢化社会に突入し、ヤング中心に隆盛を誇っていたファッション業界にとっては、へたをすると売り上げの激減を招きかねない厳しい時代の幕開け、である。しかし、同社の戦略は明快で、これからどのような方向に歩いていけばよいのかという的確なポイントを突いたものである。1つは、郊外型SC(ショッピングセンター)への進出。2つ目は、中国・アジア市場へのグローバル展開。3つ目は、団塊ジュニアとそのファミリーの攻略である。郊外型SCという販路については、人口の推移、そしてSCの種類と立地によりけりというところもあって、中長期的には不透明な部分もあるように私は思うが、中国を中心とするアジアでは、間違いなく同社のブランドは圧倒的な支持を受けるような気がする。アジアの若い女性達から見て、若くイキのいい、文字通り「日本らしさ」を感じるブランドイメージ、及び、商品企画だからだ。今後の本格的なアジア拡販に期待したいと思う。それと、この記事を読んで私が一番注目しているのは、第3の、団塊ジュニア親子に向けての新ブランドの投入である。「ダブルラップ」、アングローバルから買収した「マーガレット・ハウエル」もさることながら、特に、子供服の分野が面白い。ナルミヤインターナショナルの独壇場だった女児服の分野が、同社の本格参入によって活性化してくるのではなかろうか。少し大人っぽい目線でみたガーリー&フェミニンな、オンナの子らしい服を始め、様々な切り口、仕掛けが考えられると思う。要チェックの分野だろう。
2004年10月22日
両国元気亭ですこやかランチとオーガニックコーヒーを頂いた後、表参道へ。まずは、今回が初の展示会だというメンズの合同展「journey」へ。大手セレクトショップ、地方の有力セレクトショップ対象の商品なので、若干プライスは高め。既に知名度、実績のあるブランドから、今回が初めての展示会出展だというものまでバラエティに富んでいた。洋服だけでなく、靴のブランドもある。ご招待下さった主催者の方は私の知人の知人だが、それ以外にも、他の展示会でお会いしたことのある方や、岡山時代にお世話になっていた方の先輩だという方までおられて、本当に世界は狭いな、を実感。来春夏のトレンドである、綺麗目な色の服の打ち出しが目立っていた。皆、きちっと生産背景を確保した上での出展なので、ショップ側も安心して取り引きが出来ると思う。素材については、実績のあるブランドと新進ブランドではちょっとレベルに差があると思ったが、新進ブランドの方々にも儲かり始めたら少しずつバリエーション、グレードを上げていってもらいたいものである。メンズ業界はまだまだ新しい商材が不足している。この展示会、業界関係者にはとても喜ばれたのではないか。次回以降が非常に楽しみなデビュー展だった。続いてモーダポリティカの「d&a lab」へ。この展示会は、ロサンジェルスとニューヨークで行われている「d&a(designers and agents)」という展示会の日本版である。今回が東京では2度目であるが、アメリカ、カナダ、ドイツ、スコットランド、そして日本から前回の約2倍の出展者を迎えての開催となった。アメリカに行かなくても、「d&a」のエッセンスがピックアップできるとても貴重な機会である。外国人の出展者も多いので、さくらにとっては久方ぶりに英会話の腕試しの出来るチャンス(^^)でもある。半年前の展示会では、レディスのプレミアムジーンズの過熱振りを反映してか、場内は芋の子を洗うような人手で大賑わいであったが、今回は、ここに来てレディスのプレミアムジーンズブームはちょっと一服かな、逆に、後を追うようにメンズが徐々にブランド数も増えて浮上しつつあるかな、という感を受けた。だが、創業者がデニム、ジーンズに対して確固たるポリシーを持ち、無理な売り上げの拡大を狙わず自分のペースを貫けるいくつかのアメリカ発のプレミアムジーンズのブランドは、今回のブームが去った後も一定の売り上げはキープし残っていくと私は思う。ちょうど昔、80年代末のディナージーンズブームの後に、フルカウントやエヴィスジーンズやステュディオ・ダ・ルチザン、ドゥニームなどのレプリカ・ジーンズブームが来て、その波が去った後も幾つかのブランドは頑張り続けているように。インポートードメスティックーインポート、とくれば、そろそろメード・イン・ジャパン、ブランド・オブ・ジャパンがもう一度来る頃かも、と思うのは、私だけだろうか?岡山には10年前にはなかった若い新しい生産チームも誕生している。セクシー系レディスではなく、メンズ寄り、ものづくり寄りの視点からの新しい仕掛けを打つなら今、ではなかろうか?その他の印象だが、今回の「d&a lab」は、全般に、日本人クリエーターが元気だった。見違えるようにレベルアップしたなと思うブランドもあった。墨田に東京の事務所を構えている旧知のA社さんも頑張っておられ、非常に嬉しい。主催者のIFCAさんのこだわりと気配りが随所に感じられる展示会であった。
2004年10月21日
今朝の日経MJは、注目の「2004年版eショップ・通販調査」の特集。2003年度は、カタログ通販の売上高が2年連続で減少する一方で、インターネット通販が売上高で2年連続前年比40%以上の高い伸びを示し、テレビ通販は比較可能な20社で前年比6.5%増と、伸び率は鈍化している。楽天さんの中にショップを開設しておられるような皆さんはこういった情報は周知のことだろうが。リアルの店舗販売も行っている兼業組で衣料品に強い業態でいうと、百貨店は概ね苦戦、ファッション専門サイトとしては、セレクトショップ系ブランドを中心に感度の高い商品を集積、ネット、ケータイ、雑誌通販の3本立て体制の「スタイライフ」(2003年度売上高26億8,600万円)と、雑誌掲載品を切り口に大手アパレル系の人気ブランドが充実しているネット、ケータイ通販の「マガシーク」が2強の地位を確立している。「スタイライフ」も、「マガシーク」も、現金問屋ルートや海外からの並行輸入等で開設した個人のネットショップでは入手することは難しいドメスティックのプロパーで売れる人気ブランドの集積であり、点ではなく面の商品ラインナップが確立されたので、ひとまずは勝ち組のポジションを手に入れたと言ってよいのではないか。日本ではアメリカと違って、買い取り制が発達していないので、百貨店や量販店が自前で衣料品のネット販売をする以前のレベルであったことも幸いしている。商品の安定的な調達から物流の問題までをクリアしているのが強みだろう。この楽天さんの中にも、大手アパレルのネットショップもあったりするが、ミセスブランドもヤングも一括りにされており、オシャレなイメージはないし、そこから何かの新しい情報が得られる、といったメリットが全く感じられない。そういうサイトでは、「○○ブランドの○○が欲しい」という目的がはっきりした人の検索には引っかかっても、「何かいいものないかな」という、それこそファッションビルを何となく見て歩く時のような感覚で、衝動買いを誘うことは不可能だ。その点、「スタイライフ」と「マガシーク」だけは、ある価値基準でセレクションされたファッションビルのようなサイトになっていると言える。今、ファッション業界にとって、特にヤングのゾーンで脅威なのはオークションの存在だが、書籍やCDと違うのは、当然コピーは出来ないし、基本的には一定期間消費されてからオークション市場に出るまでにタイムラグがあるということである。常に新しい魅力的な商品を出していける良いブランドを集積し、売り切りゴメンのマーチャンダイジング手法を取れば、まだ売り上げは伸長できるのではないか。それにしても、このランキングに「ユニクロ」のファーストリテイリングが入っていないようだが、同社の2004年8月期決算資料によると、前期の通販売上高は73億6,800万円もある。これは、ファンケルの63億6,000万円を抜いてネット通販売上高ランキングの9位に位置するレベルである。来年からは是非同社も含めて頂きたいものですね。衣料品業界でも欧米の企業さんに負けずリアルのSPAとバーチャルの双方で突出した企業があるということをゆめゆめお忘れなく!
2004年10月20日
今週と来週はファッション業界では展示会のピークだ。今日は外苑前に行ったが、いつものように外苑前交差点の角にあるカフェ「Sign」で美味しいコーヒーとケーキに舌鼓を打つ前に、ちょっとインテリア専門店の「シボネ青山店」にでも寄ってみようか、と思い立って、ふらふらとベルコモンズの地下に入っていった。うーん、相変わらずソファや机などの大物は高いわい、と溜め息を付きつつ、自然と目線は、クッションやラグマットなど繊維製品にばかり集中していく。そういえばここ、ジュエリーや服飾雑貨、少しはアパレル製品も置いてたはず、と思いつつ、どんどんとお店の突き当たりまで進んでいくと…。あったあった、「ジョン・スメドレー」のニットや、岡山の「ソメット」のジーンズなどが置いてある。マフラーやストール、バッグなど、雑貨感覚で買えるものも多い。ここのバイヤーさんは、少しカサカサしたテクスチャーの方が味があると思っておられるように見受けられる。私の個人的好みとは違うな、と思いながら、「シボネって確かイーエムのジュエリーがあったはず…」とジュエリーのショーケースの中に目をやると…。ややっ、こんなところにもうちのベンチャーさんが!2期生期待の新鋭・「nineSIXty」のメンズジュエリーが大量に入荷しているではないか。昔、ネット販売していた商品は3~5万円前後の価格帯だったようだが、今は20万円台以上にグレードを上げ、本物の宝石を使って大人の男性の装いにマッチする風格を備えた商品になっている。スカルデザインを筆頭にした、ストリートファッションを単純に解釈したようなタイプのよくあるメンズジュエリーとは違って、フォルムや色使いにもオリジナリティがある。全体に、男っぽさ、武骨さとは少し違う、清々しさ、何かしら清らかな美しさが感じられるところが非常に個性的で面白いと私は思う。『LEON』などの雑誌が起爆剤になって、また、景気の回復と共に、大人のメンズマーケットが活性化してきている今、商品グレードとプライスを上げて自らの実力を十二分に発揮したデザイン、ものづくりを進めていくことは、正しい戦略ではないだろうか。「nineSIXty」さんとほとんど話す機会はないのだが、しばらく前に用事があって事務所にお邪魔した際に、「あるブランドとのコラボレーションでパリコレに出る」ということをおっしゃっておられた。将に今が勝負の時、であろう。頑張って下さい!しかし、さくらは本当に幸せ者だね。ブログのネタに不自由することなんて、全くないんだから。うちのベンチャーさんのニュースだけでも、1日3本ずつは書けそうな勢いである。お世話させて頂いているなんておこがましい話で、皆さん自力で着々と地歩を築いておられる。私も負けずに頑張らなくっちゃ!
2004年10月19日
3日も続けて先週の土曜日・16日のネタだが我慢して読んでチョ。私が住んでいるマンションの裏の一戸建てにお住まいのご家族は、ネコを3匹飼っておられる。ひょっとしたら飼っておられるのは2匹で、1匹はその家の周囲を徘徊している野良猫なのかもしれないが、とにかくよく見かけるのは3匹、である。その3匹、本当は名前があるのか、どういう名前なのか知らないが、私は勝手に「ミャアミャア」「ミュウミュウ」「プラダ」と命名している。お母さんらしき三毛猫、美形猫でもブス猫でもない、とりたてて外見は普通っぽいのだが、時々発情期の時期などに「ミャアミャア」と可愛らしい声で鳴いていたので一番に「ミャアミャア」に決めた。その夫、らしきトラ猫。これまた普通っぽく、中肉中背で大人しい性格の猫なのだが、迷ったあげく、「ミャアミャア」という響きと語呂が良い「ミュウミュウ」に決めた。こっちの方が「ミャアミャア」より女の子っぽい名前かもしれない、と後で思ったのだが。そして、その後、よくよく見るともう1匹、「ミャアミャア」によく似た三毛猫がもう1匹存在することに気付いた。オスかメスかは不明。だが、何となくメスなのではないか、というのが私の直感。「ミュウミュウ」とくれば、お前の名前は「プラダ」しかないよね~(笑)、と軽いノリで決めちゃった。猫ちゃん達は夜私が帰宅する時間帯はお散歩にでも出かけているのか家の中に入っているのかほとんど見かけることはないが、朝はよく裏の家の3階のテラスに寝そべっている。見かけた時は必ず手を振って、時には小さい声で(笑)、「ミャアミャア」などと声をかけてやることもある。そうすると、いつもはダランと寝そべって目を細めたままでいるか(夏場の暑い時は特にそうである)、トロンとした眼差しを私の方に向けて少し首を振るか、という反応が返ってくる程度であったのだが…。ところが、である。16日の土曜日に限って、お母さん猫の「ミャアミャア」が、「ミャア、ミャア、ミャア、ミャア、ミャア、ミャア、ミャア、ミャア…」とものすごく興奮した調子で大声で鳴き続けたのである。そう、まるで、猫なのに犬が吠えるみたいな形相で!「な、何~っ」とびっくり仰天したのだが、ここでハタと私は気付いたのであった。実は、16日の土曜日は、9月17日の日記に書いた、渋谷パルコパート3の「istint」で買ったグレーの豹柄のフェイクファー・ボレロタイプのジャケット(自己トラックバックしているので、下欄を読んでチョ)を初めて着て外に出たことを。猫だから私の格好が変だと言って鳴くことはないだろうから、ひょっとして豹柄にコーフンしているのだろうか???それも、いわゆる本物の豹に近い茶系の豹柄ではなく、動物界には実際に存在しないグレーの豹だから、異形の巨大動物が出現したと思って警戒心を露にしたのだろうか。もし、私が茶系の豹柄の服を着用しても、同じようにコーフンするものなのか、それと、「ミャアミャア」だけがコーフンしやすい猫なのか、他の猫も同様な反応を示すものなのか、次々と頭に浮かぶ疑問と、鳴きながら益々コーフン度を高める「ミャアミャア」の姿が相まって、私の方までなんだかコーフンしてきちゃったりしたのである。うーむ、猫ですらコーフンするこの豹柄、やはりワイルドなアイテムなのである。人間様に好まれるのも、野性の本能を呼び覚ましてくれるからであろうか。もし皆様の中で、さくらと同じく、豹柄着用時に猫に吠えられた(笑)経験をお持ちの方、猫以外の動物(人間のオスメスも含めて)の面白い反応を見た方、いらっしゃいましたら、是非コメントを下さいませm(__)m。本当に面白い経験をしました。ちなみに、翌日の日曜日は、「ミャアミャア」ではなく「ミュウミュウ」が裏の家の3階テラスの定位置に鎮座ましましていたが、豹柄ではない服を着ていた私が手を振ってもいつものようにトロンとした眼差しで私を見つめ返してきただけだった(おしまいっ)。
2004年10月18日
伊勢丹新宿店に8月22日(日)にオープンした「リ・スタイル・プラス」を遅まきながら見てきた。この日記を書く前にGoogleで検索したところ、財団法人ファッション産業人材育成機構・IFIビジネススクールのブログに売り場のご担当者の方、MD統括部婦人第4営業部アシスタントバイヤーの塚田久美子さんという方のメッセージが出ていたので、トラックバックさせて頂きましたm(__)m。さすがIFIさん、業界内での影響力は大きいですね。この日記と合わせて是非ご一読下さいませ。さて、「リ・スタイル・プラス」であるが、新聞報道やファッション雑誌等での報道によると、既存の「リ・スタイル」にすら飽き足らない程高感度、エッジィな顧客層に向けて、「NO TREND NO BRAND」をコンセプトに開発されたそうである。とはいえ、実際の売り場はブランドごとにグルーピングされたコーナーが作られており、明らかにある種のテイスト、コンセプトめいたものが匂ってくる様相を呈していた。売り場の目玉商品は、「リーバイス・ビンテージ」。1966年発売のリーバイスを復刻した4型を目当てに、開店初日には大勢の人が並んだとか。女性だけでなく男性にも人気で、大きいサイズが品切れになっているというのが販売員の方の話であった。それから、「ブディスト・パンク」のTシャツ。これも、「rsp」という同売り場のフリーペーパーに載っていたものは完売していた。「ベス・フランク」の6~7万円台のベルト(ベルト好きのさくらの心をわしづかみにした革の柔らかさと面白いバックルだった…)、「ジェレミー・スコット」(この人って雑誌での言動が面白いんだよね。なかなかお茶目なキャラのようである)など、ロック×アメカジテイストが一つ。次に、日本の隠れ実力派クリエーターのブランド。「アトウ」のレディスが入っていたが、これはパターンが非常に良いので服好きの人には人気を博するのではないだろうか。「ミキ・フカイ」は、デザインにひねりのあるカットソーが揃っている。「ケムリ」のレザーグッズも非常にインパクトがあって通好みのアイテムだ。最後に、クリエーター系ブランド。これまた日本のブランドと同じく、ひねりのきいたデザインで黒っぽい服が多いブランドが主流だ。「クレメンツ・リベイロ×ピーター・サヴィル・コラボレーション」「アン・ソフィー・バック」「アン・ドゥムルメステール」「ジャン・ポール・ゴルチェ」「リック・オウエンス」など。現時点での裏コンセプトは、ロック&アメカジ&ヴィンテージミックス、プラス、デザイナーズ、ということか。(「クレメンツ・リベイロ×ピーター・サヴィル・コラボレーション」など、ちょっと違うな、という感じのブランドもあるが。)売り場全体も武骨で黒っぽい作りに仕上げてあり、ロック好きな男性と同じような格好をしてしまう彼女が買う店、というイメージか。セクシー系の浮上以来、最近ちょっと下火だった、「カウンターカルチャー」とか、「反抗」とか、人間の持つ「影」とか「毒」とか、「異界」、「負の世界」、そういう匂いを感じさせるアイテムがふんだんに揃っているな、という感じである。女性だけでなく、男性に人気を博している、というのは、非常によくわかる気がする。それと、「リーバイス・ビンテージ」がその象徴的アイコンだと思うが、モノそのものをクローズアップさせることで、フェティシズム的消費を呼び覚ましているのだろう。百貨店なので、そこまではっきり裏コンセプトを謳わず、ぼかしているところがミソ、だろう。実は、このテイストをガンガン買う女性の数は、非常に小さなマーケットではないかと私は思うからだ。基本的に女性は、モノフェチではなく自分フェチな存在である。自分に自信があってスタイル、ルックスの良い層は、セクシーなファッションに走る、というのが常道だろうと思う。また、男性ほど突き詰めて物事を哲学的に考えたり徹底的に追求する左脳的タイプというのも数は少ない。ということは、売れない商品も出てくるのではないか、という気もしないではないが、売れなくなれば、機動的に内容は修正していけば良い。何と言ってもここは百貨店の店内。たった75平方メートルしかないからだ。この狭さと、周囲を取り囲む集客力に満ち満ちた安全圏=正の世界の存在が、ほんの小さな異界=負の世界に過ぎない「リ・スタイル・プラス」の最大の強みなのである。ゴルチェまで自主編集平場に入れ込んでしまう、というところなど、伊勢丹ならではのパワーをまざまざと感じずにはおられなかったが、不思議なもので、黒っぽいこの空間の中に置くことで、「アン・ドゥムルメステール」のように生き返ってくるようなブランドもある。心配なのはインポートは期末の入荷商品がないということだが、その点も国内ブランドの「L.G.B」などを入れてきちっとフォロー可能な体制にしてあるところがさすがは伊勢丹であろう。ロック、アントワープ系とくれば、ゴシック、パンクと突き進んではどうか、ということが当然ひらめくが、百貨店さんではここまでは無理でしょうか?それと、完全にアートの領域に入っている服!是非是非頑張ってみて頂きたいものである。それと、ジュエリー、靴の品揃えが非常に少ないのが残念だったが、「ユナイテッド・ヌード」というイタリアのブランド、これは靴フェチ、靴コレクターの皆さんを喜ばせそうである。「こんなの本当に履けるの?」と思っちゃうデザインだが、スリムな方は気合いで履いてみてちょ!是非是非売り場へGo!
2004年10月17日
とうとうこの日がやってきてしまった。重たいパソコンを抱えてアルカディア市ヶ谷へ。社団法人東京都服飾学校協会さん主催の「平成16年度第72回服飾ゼミナール」で、さくらの講師デビューと相成ったのである。この会場ではちょくちょくファッション業界向けの催し物が行われているので場所の雰囲気は知っていたし、自分自身毎週のようにセミナーや勉強会を運営しているので、自分が話す側に回るのは初めてだが今日は不思議と全く緊張しなかった。さくらって、業界の人の前だとしゃきっとできるんですよ、不思議と。「ファッション業界で夢をかなえるために」という演題で、私の周りで頑張っているベンチャー企業の皆さんや主婦の方のグループなどの事例をご紹介させて頂いた。ちょっと時間を超過してしまい、用意した内容も最後の方はかなり端折り気味だったのだが、皆さんどれくらい理解して下さっただろうか。終わった後、ネットビジネスやブログに関心のある方が2人程話しに来て下さったこと、嬉しかったです。事務局の皆様、そして、この私の日記を見て私に白羽の矢を当てて下さった銀河の星野さん、今日お手伝いにきて下さったオープンクローズの幸田君、そしていつもうちの会社の講習会で講師を務めて下さっている東京ニットファッションアカデミーの師田範子校長先生、つたない私の話を最後までご清聴頂き、有難うございましたm(__)m。また、受講者の皆さんもひょっとしたら何人かこの日記を見て下さっているかもしれませんが、是非夢をかなえるべく、頑張って下さい!さて、授業の後、「リ・スタイル・プラス」を見るために伊勢丹新宿店へ急いだのだが、何と、伊勢丹の2階の「アーニーアーノルドパーマー」の売り場で、昔うちのビルの2階に居た高橋紀子デザイナーにバッタリ再会したのである!いや~、お互いホントにびっくり、大感激だった。今日同ブランドのイベントでデザイナー本人の高橋さんが来店していることを私は全く知らなかったのだが。彼女は、うちのビルが開業した2000年度に1年間だけ、ビル2階に社団法人日本ニットウェアデザイン協会(JAKDA)さんの協力を得て開設していた新進デザイナーの工房兼ショップ「デザイナーズ・ラボ」の出身者なのだ。うちのビルにおられた頃から、その作品のスケールの大きさ、圧倒的なレベルの高さは群を抜いていたが、同所を休止した後の彼女の活躍振りは、ファッションフリークの方ならご存知の方も多いと思う。レナウンの子会社・マキリスのアーノルドパーマーのチーフデザイナーに大抜擢され、ブランドのリノベーション、躍進の原動力になった。ファッション雑誌にもちょくちょく顔写真入りで記事が掲載される人気者である。「アーニーアーノルドパーマー」は「アーノルドパーマー」をより若々しく、自由なデザインで表現したブランドになるという。私も早速パープルの傘マーク入りVネックのセーター(税込み8,305円)を購入させて頂いた。一緒に撮ってもらったポラロイド写真に、「両国さくら(仮名)SANへ*今日あえてHAPPYです*」(注:*は、傘のマークに読み替えて下さいマセ。パソコンでは絵文字が書けないので)とサインして下さった優しい高橋さん。この写真は貴方達が昔作っていたレザーのバングルと一緒に一生宝物にします。どうか、お体だけは大切に、益々のご活躍を!
2004年10月16日
新宿の小田急百貨店に今秋オープンした、ワールドと外部デザイナーとの協業プレタ婦人服新ブランド2つを見たが、いずれもなかなか良い出来栄えなのではないかと思った。田山淳朗氏との協業ブランド「トアディモンション」、福屋千春さんとの協業ブランド「リラエール」とも、本館4Fのエスカレーター横の好立地。売場面積は、前者が59平方メートル、後者が46平方メートルと、ハコショップとして商品をフルラインで見せられる広さは確保している。いずれもまだ、全国で小田急百貨店だけの展開であるようだ。「トアディモンション」は、DCブランドの匂いのする、ディテールに凝った洋服。マニッシュ×フェミニンがフィフティ・フィフティの構成比になっている。セットアップのジャケットが13万円台、パンツが5万円台だから、同社の「ビルダジュール」クラスのプライスだ。この価格帯だと、競合は国内ブランドよりインポートになってくるが、インポートとの違いはDCっぽいディテールだけでなく、デザイン、パターンにある。吊るしてある状態では平板な服に見えるのだが、日本人の胸板が薄くべっちゃりとした体には合う。逆に、グラマーな人にはあまりお勧めできないかもしれないが。黒のテーラードスーツ、グレーの黒のブレード付きトレンチコートで、上襟のみ取り外し可能なファーがついたタイプなど、私には似合う服が非常に多いと思った。ミンクのコートなど150万円以上する商品も置いてある。「リラエール」の方は、もっと数字が上がりそうなテイストである。フレンチトラッド×フェミニン×マリン、という、王道を行くお嬢様系路線である。基本カラーは紺とベージュ、ウエスト部分に大きなリボンの付いた膝下丈のフレアスカート、ラウンドネック・ノーカラーのAラインのコートなど。幼くなりすぎない、デザインのバランスと丈、そして上質な素材使いである。『VERY』『STORY』の読者層で、トゥモローランド、ベイクルーズ系の商品が好きなタイプの中で更に甘口好みの若奥様、つまり大人になったお嬢様が喜びそうだ。このブランド、細部まで非常にこだわっているのだということが随所に感じられた。例えば、大きなボタンは細かな刻み柄入りのオリジナルだったし、プライスタグには全部紺のリボンがあしらってあった。こういう心遣いって、すごく嬉しいですよね。銀座松坂屋にオープンした「ラミアヴィータ」はまだ見ていないのだが、上記2ブランドに関しては、デザイナー、そしてワールドの担当者の皆さんの並々ならぬ気合いを感じた。久々に面白い服、買いたいな、と思う服に出会った、という感じである。特に、専門店ではなく百貨店のインショップで見て商品構成のバランスの良さを感じるのは、恐らく同社の商品開発が、企画担当者のひらめきや思いつきに任せるではなく、どういうターゲットに向けて、どういうテイストの商品をどれくらいの構成比で出すか、という戦略戦術を外部デザイナーに明確にディレクションしてから行われているからだと思う。そういう開発意図、狙いどころがはっきりと読み取れる。だから恐らく、期中から期末になっても、内容がブレてくることはないのではなかろうか。小田急百貨店のケースで言えば、4階のヤング&キャリアのフロアに面取りした、ということも適切だと思う。たぶん、この2ブランド、特に「リラエール」は、50歳以上にはちょっと厳しいのではなかろうか。セレクトショップでも買い物できる世代以下がベストマッチのような気がする。(もちろん、地方の専門店さんで、販売力のあるお店は別だが)。ワールドさんは勝ち組企業なので、敢えて厳しいことを言わせてもらえば、最近ヤング、キャリアのビッグブランドの企画の精度がちょっと落ちているのではないかと懸念するところもある。しかし、ターゲット別、販路別、価格別にブランドポートフォリオを組み、郊外型大型ショップ、雑貨ショップ、メンズなども含め全方位型のブランド開発、業態開発を進めている点では他アパレルの追随を許さない状態だと思う。国産プレタの開発の点で言えば、かつて日本の百貨店の中で隆盛を誇っていた著名デザイナーのブランドのほとんどが顧客と共に年を取ってしまった状態である今、非常に大きなビジネスチャンスがあるのではないだろうか。しかも、ワールド全体の商品企画のレベルアップにも役立つだろう。今朝の繊研新聞にミセス向けブランド「インテレクション」も絶好調だと掲載されていたが(都内の百貨店では京王百貨店に入っている)、一顧客としても、本当に買いたい、欲しいと思えるような商品をどんどん世に送り出していってもらいたいものである。
2004年10月15日
お昼前に久々に八王子に移動。昨日から東京都立産業技術研究所八王子庁舎で一般の方々への施設公開が行われているので、一緒に見学させて頂く。施設公開の日に同所を訪れるのは初めてだったのだが、何と2日間で1,000名の来所があるという。うちのビルの中に入っている墨田庁舎の倍以上だとは!ま、負けたぁ~。八王子はまるで工場みたいな大きな建物で、撚糸、織物、ニット、染色など一通りの生産設備を備えているから、専門学校生がものづくりの工程を学ぶために大挙して押し寄せるのだとか。確かに、タオル織機、たて編み機、ニードルパンチなど珍しい機械も置いてあるので勉強になるだろう。さくらが訪れた時も、熱心に質問する学生さんの姿が見られた。今年は八王子ファッション協議会の展示会も同時開催されていた。昔から三多摩地区に伝わる「青梅ほぐし」の技法を生かし、産技研の藤田茂主任研究員がデザインした夜具は、民俗調の温かみのある色柄でなかなかイケている。「青梅ほぐし」という技法は、タテ糸自体にプリントするため自然とよろけたような絣調の柄になってくるそうだ。また、「村山大島紬」は、一度絣染色した生地に、更に擦り込み染色を施すという非常に手の込んだ技法で仕上げられている。2年前の国の委託事業「産地シーズ調査」でお世話になった織物メーカーS社のS専務にも久々にお会いすることができた。お元気そうで、何よりでした(^^)さて、八王子を後に原宿へ移動。上司に譲ってもらった日本デザイナーズクラブ(NDC)のファッションショー「2004Collection des Modes」を見るためである。これが、予想以上に良いものであった。オーダー中心に頑張っておられるデザイナーの方々が顧客をお招きして行っているショーだったが、作品からはオーダーならではの良さ、強みというものがはっきり伝わってくる。オーダーのお客様は、大きいサイズの方がかなり多いのだが、ふくよかな体型の方に似合うデザインというのはこういうものなのだ、というのを、ショーを見せて頂いて再認識させて頂いた。例えば、大きめな襟、くっきりした肩線、Aライン、ビビッドな色+黒、とかコントラストのはっきりした色の組み合わせ、大柄なプリント、などなど。それと、既製服とは違う個性的な素材(特にシルクのプリント柄の美しさが目立った)、プラス、縫製の技術の高さ。既製品とは仕上がりの良さが全く違う!私は、メンズに続いてレディスでもこれからまたオーダーが見直されていく時代になってくると思っている。個の時代になり、カスタマイズ、マイオリジナルを徹底して追及していきたいお客様が一定数出てくると思うのと、超高齢化社会になれば、イレギュラーサイズのお客様が急増してくるからである。今日は和柄の部分使いが多いことにも感心したが、何といってもエミ芳賀さんというデザイナーがベレー帽+黒のベルベットにラインストーンをブレード状に貼り付けたブルゾン+ピンクの豹柄のベスト+クロップドパンツの組み合わせ(ブラウスもピンク、更に多色使いのカラータイツ)を、男性のゴルフスタイル2型と共に提案しておられたのが一番印象に残った。場内からもやんやの歓声が挙がっていたが、恰幅の良い大人の男女のモデルさんに本当に似合っていて、かっこ良かったです!
2004年10月14日
おとつい10月11日(月)付けの日経MJの1面トップはマック(マクドナルド)の特集だった。何のかんの言っても、マックは凄い。ファッション業界にとっても、高級料亭のケースから学ぶより、マックのやっているチェーンオペレーションの基本からしっかり学ぶ方が基本だと思う。今や、標準化を超えて、店舗を複数のプロトタイプに分類し地域性、客層に合った店づくりがかなり進んでいるのではないだろうか。厨房の作業工程の徹底した合理化からは、製造業の皆さんも学ぶところも大だろう。同社の社会的責任に関するサイト「GO ACTIVE」も面白い。日本語版は、是非日本のスポーツマンや学者の先生に取材、オリジナル編集も加えて頂きたいものですね。蛇足だが、McDonaldは、欧米で一般的なMacdonaldの綴りではないところが検索エンジン的にはミソ、である。さくらは最初入力間違いして、「何でマックが上位にこないんだろ?」と思っちゃいましたよ。さて、本日の本題。10月に入って、私が勤めている会社の繊維ファッション業界向け講座もいよいよ内容が深まってきた。今日は、「メーカーのための実践的ファッションマーチャンダイジング」のパート3をご担当頂くK講師とのお打ち合わせ。今回、うちの会社史上初めての店頭リサーチの実習を試みるため、思わず打ち合わせにも力が入る。とはいえ、K講師とのお打ち合わせは、いつもそんなに時間がかからない。業界の仕掛け人として、今年1月1日付けの繊研新聞にも登場した程の超売れっ子の先生だけに、いきなり本題から入ってズバズバ話を進めていくことになる。早い時は20分程でお打ち合わせは終わってしまう程なのだが、非常に密度が濃く、必ず「じゃあいついつまでに何々させて頂きますね」という次のステップも即座に提示して下さるから、安心できる。本当に、お仕事のしやすい方である。K講師は、今、会社のスタッフの皆さんと一緒に上海マーケットのリサーチもなさっておられるそうで、その成果にも私は非常に注目している。K講師のリサーチは、単なる調査のための調査でなくて、きちっと商品企画のための「次の芽」を探し当てられる具体的なものだからだ。以前のうちの勉強会でも、「訓練すれば誰でもわかるようになります」ときっぱりとおっしゃっておられたが、そういう前向きな姿勢も大好きなところである。あ~、そういいながらも、実はさくらは実習にかなりドキドキしているのだ。というのは、自分自身が某I○Iの不肖の生徒だった時、店頭リサーチでは百貨店さんファッションビルさん等に多大なご迷惑をかけてきた経験があるので。怪しいグループが入れ替わり立ち代わり1つのブランドの周りにたむろする訳で、お客様やお店の方にとっては困った存在になってしまうんだよね。うまいこと行くんだろうか?受講者の皆様、でも、これは座学とはまた違って、本当に自分のカラダで覚えられるものだから。自分達で調べたことをまとめて発表するのって、本当に勉強になりますよ。どうか楽しみに待っていて下さいね!
2004年10月13日
昨日までの3連休は、外出の傍ら、今週末に迫った専門学校の学生さん向けの特別講義のレジュメと講義資料作りに追われていた。告白してしまうが、実は、生まれて初めてマイクロソフト社の「パワーポイント」(ヴァージョンは2003)をまともにきちんと学習しつつ、プレゼンテーション用資料を作成したのである。なんて言うと、「お前、セミナー担当のくせに、今までよく4年半もやってきたな」と呆れられそうなのだが、そうです、講師の方に「両国さくら(仮名)さん、ここをちょっと修正しておいて頂けますか」なんて言われたら、マニュアルも読まず適当にちょこちょこっと直してきたのである。でも、今回自分用の資料を作成したことで、テキストに書いてある技は一通りマスター致しやした。バックアップも、CD-RWにきちんと取ったし。エッヘン、これで私もパワポ達人だぞよ(「何を今更」と怒られそうですが)。ヴァージョン2003は、ブロードバンド化、PCのハードディスクの容量アップに対応し、サウンド、いわゆるBGMなんかも付けられる。まあ、パワポの難しさは使用法より、中身をいかに作るか、いかにして定められた時間内に論理的で説得力のあるプレゼンテーションを行うか、の方に実はあるんだけどね。この辺は、うちの会社の英会話中級で英語でやっておりますので、さくらも少しは鍛えられております。ストーリーはすぐ組み立てられたので一気に作っちゃいました。ところが、である。印刷をしようと思ったら、マイオンボロプリンタのケーブルの穴(接続端子)が大きすぎて、今私が使っているノートパソコン(日立のプリウス)に全然入らないのである。なんせ、アンフェノール36ピン(オス)なんだから!仕方ないので、川崎のサクラヤに走り、「USBtoパラレルプリンタケーブル」を購入する。販売員さんのお話しでは、「絶対につながることを保証するものではありません」とのことだったが、背に腹は変えられず、4,000円以上の痛い出費となった。自宅に帰り、プリンタドライバをキャノンのホームページからダウンロードし、やっと5年前に購入したわがおんぼろプリンタはギーコギーコと動き始めたのである。このプリンタ、なんせまだウィンドウズ95対応だったもんで。本当にこの間のIT機器の進化はドッグイヤーだったな、と感慨を新たにした。話は戻るが、パワポの欠点として、ホームページビルダーと同じで、細かい行間の設定ができないことがあるように思う。実はデザインにそれなりのこだわりのある私としては、かなり我慢しがたいところであるのだが、もう、「これはビジネスユースだから」と割り切っている。デザインを捨てて進んでいるのだ。デザインの領域に入り込むと、たぶん性格的に徹底してやらないと気が済まないとわかっているので。本当はいやなんだけどね。しかし、デザイン云々を語る前に、まずは人並みのIT常識を身につけることが先だから、とりあえず今は、割り切って前進、前進である。
2004年10月12日
さて、お待ちかねのバーニーズニューヨーク銀座店ルポ、ですよ。昨日の夕刻、10月1日(金)にオープンしたばかりの同店を見てきた。銀座7丁目、旧・交詢ビルの外観を一部生かし現代建築とミックスさせた外観の素晴らしさは、既に業界紙各紙が報じている通りである。予め予想していたことだが、オープン直後の3連休中日とあって、新宿店のバーゲン時のような混雑振り。しかも、8月下旬や9月上旬ではなく、秋冬シーズン最盛期の10月になってのスタートとあって、店頭在庫もボリューム陳列、ラックに商品がかなりぎゅうぎゅうに詰まった状態で、中々落ち着いて買い物できる雰囲気ではなかった。最も気になったのは、致し方ないことであろうが、2,900平米という店舗面積の狭さである。それなのに、横浜、新宿の既存店と同じ、メンズウェア、レディスウェア、レディスランジェリー、靴、アクセサリー、コスメティックス、果ては同店が「チェルシーパッセージ」と呼んでいる、ホームギフト、ベビーギフト及びステーショナリーを集積したコーナーまでフルラインで揃っている。だから、通路が異様に狭い。同店はもともとPP(ポイントオブプレゼンテーション、ラックの前にラック内の商品を用いたコーディネートを提示すること)は少ないVMD(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)を組んでいるが、衣料品については棚什器の数まで少なく、ニットもほとんどハンガー陳列されていた。恐らく、アメリカ本国のバーニーズの意向もあったのだろうが、この店舗面積ならばはっきり言ってメンズオンリーで3層でちょうど良い広さなのではなかろうか。メンズ、レディス共、衣料品も靴も全く面積が足りないと思う。少なくとも、ランジェリーやチェルシーパッセージなどはやめて、同社が強いゾーンの商品の品揃えをもっと厚くできないものだろうか。もう1点は、昨日見た限りでは、思った以上に若い20代、30代前半の顧客が多い。同社の首脳はオープン前に「銀座店は既存店より大人の客層に対応したい」との趣旨の発言を行っていたが、新店の開店というニュースにはやはり若い人達の方が早く反応したということなのだろう。この状況が、今後もずっと続くのか、それとも、一定期間を経たら、元々銀座7丁目を回遊していたような大人の客層に徐々にシフトしていくのか、また、バーニーズ側が、戦略的に、どれくらいの客単価、どういう年齢層を狙ったMD、販促を組んでいくのかによって、売り上げはかなり変わっていくような気がする。私見だが、昨日の様子では、若い方にもアダルトな方にも振ることは可能なのではないかという気がした。秋口に横浜店を見た際、メンズではカジュアルのコーナーでロックテイスト(意外なようだが、このテイストは若い層より45歳から下は35歳くらいへのウケがかなり良いように思う。私の年代から少し上の層は、昔TVの「ベストヒットUSA」やラジオでロックにはまっていた層、少し下は「イカ天」世代である。この世代より下になると、ヒップホップ系になる)、レディスはプレミアムジーンズスタイルをかなり打ち出していて、特にメンズは面白いMDだと思ったが、銀座店はとにかく面積が不十分なので店としての主張が感じられるようなMDが組める状態になっていない。春夏からは、コンパクトな形でもいいからそれを出していかないと、単なるブランドの寄せ集め、しかも、高いゾーンもボリュームのゾーンも中途半端に置いてあるお店になってしまう危険を感じたのは私だけだろうか。しかし、とはいいながら、さすがバーニーズだと思われる品揃えは随所に見られた。まず、メンズスーツのコーナー。どーんとメインに据えられているのは、我らがタッキー、ことIFIビジネススクールマスターコースで教鞭を取っておられた滝沢滋氏の「シゲル タキザワ バーニーズ ニューヨーク」である!滝沢先生はメンズに関してはハンパでない知識と経験をお持ちの方だが、今回の商品、バーニーズ側の意図を十二分に汲み取り、ディテールやスペックで過剰な自己主張のない、素直な服、日本人の普通のサラリーマンに似合う服、に仕上げておられるように思った。つるした状態より、着ると良さがわかると思う。最近の流行も加味してか、ちょっとブリティッシュっぽいラインで、ラペルもやや小さめ、ナチュラルな肩のラインである。消費税込みで103,000円台なので、2着買うところを1着にしても、買っておいて損はないと思う。さくらも男なら即買いしたのに。これはイチオシですよ!!また、レディスではコート(モンクレールが何色も揃っていたが、他はまだこれから、といった感じか)よりニットが目を引いた。「ルッツ」の布帛と横編みの大胆なコンビネーション、今や日本人デザイナーではニットの第一人者的存在に成長、バーニーズでも人気の上位に入っているのではないかと思われる「サカイ」のブレード、くるみボタン使いのニット、そして、「バレンシアガ」の立体的パターンのニットは最高!ニットに10万円以上出せる人、これは買い、ですよ。あと、ジュエリーの新ブランド「スティーブン・ウェブスター」。コントラストがはっきりした強いイメージの商品なので、あまり売れないかもしれないが、こういう新しい佳品を発掘してくるところが、やはりセレクトショップの良さだと思う。何のかんの言っても、銀座という最高の立地への出店、客層、イメージの良さから言ってもここはやはり日本のバーニーズのフラッグシップショップだと思う。総投資額30億円で初年度の年間売り上げ目標が50億円、従業員数100名、というのは、合理化の時代に壮大な無駄かもしれないが、「高くても価値ある商品、サービスを手にしたい」という顧客にフォーカスしたビジネスで店格の差を見せ付けてもらいたいものである。
2004年10月11日
グランドオープン1日前だが、三越日本橋本店の新館を見てきた。売場面積は増床前の約3倍に広がった15,000平米、総投資額165億円にも上る大規模改装である。売り場を一巡し、今回のリニューアル、三越の狙いはずばり当たっており、ひとまずは大成功なのではないか、という気がする。売り場作りの特徴は4点ある。第1は、多くの百貨店が効率重視の観点から切り捨ててきたカルチャーセンター、ホビー、家電、玩具、書籍、子供服等の売り場を今一度再構築し、三越らしいグレード感のあるMD、見せ方で展開、顧客の滞留時間の延長をもくろんでいること。シニア向けのパソコン教室や、サンリオの玩具の売り場も素晴らしいと思ったが、中でも特に感心させられたのは8Fのクラフト・ホビー・手芸用品のコーナー。クラフトヒロのニット、田川啓二氏のオートクチュールビーズ刺繍、ハンドメイドのビーズアクセサリーを扱うカーラミモザは、それぞれ手作りを志す主婦の愛好家の多いジャンルの商品だが、プロならではのテクニックの違いを見せ付ける品揃えとなっている。アマチュア手芸家は、プロの商品を見ることで、尚更創作意欲が掻き立てられ、同じフロアで売っている手芸用品を購入したくなるのではなかろうか。心憎いばかりの売り場作りである。第2は、4Fの「ネオジャパネスク」フロアの新しいコンセプトとブランド揃え。和が来る来る、とあちこちで叫ばれて暫く経つが、ここまできちっと、しかも新しい解釈でのブランド揃えを図ったのは三越が始めてだろう。古野雅子デザイナーの「ソールワーク」、うちのベンチャー1期生だった岡正子デザイナーの「エコマコ」、45RPMの新業態「45RPM アンリークィール」、DCブランド「パウダー」は和テイストの「粉」を含んでの品揃え、「ホンマ」「ハート」「ヨーガンレール」、そしてバッグの「ヒロコハヤシ」、手紡ぎの麻素材を使ったインテリアグッズ、雑貨を取り扱う「播・イノウエ」の全国2号店など、ミセス向きだが新しい感覚、オリジナル性の高い解釈で和を表現したブランドラインナップである。今日見た限りでは、価格的なこともあってか、三越オリジナルの図案を2型採用した商品を用意していた「ソールワーク」と、「播・イノウエ」が来店客の人気を呼んでいた。ミセスで和テイストを好む層は、潜在的にはかなり存在すると見られるため、新しい商品の投入を切らさなければこのフロアの人気は持続するのではないだろうか。第3は、宝飾、ジュエリー、アクセサリーの充実。もともとこの分野は三越の得手とするところだが、この分野においてはコンテンポラリー感覚のもの、クリエーター系のブランドを拡充した。「ポメラート」「ヴェイド」「ミズキ」「パトリス・ファーブル」「スティーブン・デュエック」など。ジュエリー、アクセサリーに関しては、今回の改装で、伊勢丹に完全に引けを取らない内容になったと言っても良いのではなかろうか。第4は、ここ数年三越が注力してきた自主MD(マーチャンダイジング)売り場の充実。3Fのキャリア~アダルト向け婦人服のセレクトショップ「モーダ・エレッタ」及び、B1Fの「ザッカエディション」「グローバルメッセージ」である。特に、「グローバルメッセージ」は面白い。世界各国の洒落た小物を服飾雑貨に限らず幅広く集めてきている。トランプやチェスなど、目を楽しませてくれる商材が多かった。対照的に、「ザッカエディション」は「エミリオ・プッチ」「ルル・ギネス」など知名度が高く確実に数字が上がるブランドで手堅くまとめてある。「モーダ・エレッタ」は、銀座店よりは相当年齢層の高いターゲットに照準を合わせているような品揃えである。以上見てきた通り、今回の改装は、同店に欠けているコンテンポラリーからアドバンストテイストを好む先鋭な若い顧客の取り込みではなく、どちらかというとコンサバ寄り、60代以上の従来の固定客の顧客満足度アップ、リピート来店を促すMDにポイントが置かれている。詰め掛けた多数のお客様の反応を見る限りでは、大半の方が満足し喜んで下さっているのではないかと思った。平日の日に来店し、カルチャー教室やパソコン教室でしばらく学んだ後、食事を取り、ゆっくりと買い物を楽しむーー1日このお店の中でのんびりと楽しめるようになっているからである。但し、衣料品のMDに関しては、本館も含めて課題があるのではないかと思う。それは、今日の来店客の60歳以上の人達の大半が、イレギュラーサイズ、全体に太っているか、もしくは細いのにお腹周りだけ出ていたり、背中も曲がっていたり、という方達だからである。現状では洋服の購入の際相当直しを入れなければ着用できないというお客様が多いのではないかと推察する。今後、80歳、90歳になっても着物やゆかたではなく洋服で過ごす日本人が増えてくる訳で、アパレルと共同でサイズデータの収集、着心地と見栄えの良いシニア服の開発を進めていくことが急務になってくるのではなかろうか。三越さんには、この分野でも是非先鞭を付けて頂きたいものである。今回の三越日本橋本店の改装では、同社がここ数年危機感を持って矢継ぎ早に進めてきたリストラ、業務改革、人材育成等の成果が現れているのではないかと思った。同店の弱みとして、首都圏で2番店以下のお店が多いということがあったが、新宿店の業態転換、横浜店の閉店を英断したことでその問題は解決しようとしている。逆に、地方においては、札幌、仙台、名古屋、広島、福岡と、大阪以外に有力な店舗を持ち上顧客を抱えている。日本橋本店は、これらの地方店の顧客の上京して高額品を購入したいという意向にも十二分に応えられる内容となっている。更に、ネットでの情報発信及びネット通販、モバイルコマースの分野においても、百貨店業界の中では同社は先行し頭一つ抜けた存在となっているのだ。最近現・大阪店の閉鎖を発表したが、2011年にはJR大阪駅近辺に新・大阪店を開業したい意向も持っているという。百貨店業界の中では勝ち組への体制作りを一足速く整えたと言える同社の動向は、他社にとっては大きな脅威となりそうである。
2004年10月10日
台風が怖いので、ついさっきまでお布団の中で小さく丸まっていた。今は、雨風も止んだが、いつになく外はしんと静まり返っている。きっとみんな家の中で大人しくして過ごしているんだろうね。今日は早々と午後3時頃に商店街に買い物に行ったら、もう既に人通りは少なくなっていた。パン屋さんは予め来店客数の激減を見越してか店頭在庫を非常に少なくしていた。今月リニューアルしたばかりの大型店は、今日の売り上げが上がらないでさぞかし悔しがっていることだろう。リアルの店舗、特に大型店は、こういう天変地異に弱いものだ。1日分の売り上げが激減するだけでなく、地方では特に、公共交通機関が止まった際、自宅へ帰れなくなる可能性のある従業員への配慮などの問題も出てくる。一般的に百貨店、量販店などは、従業員の車での通勤を認めてはいないケースが大半なので。その点、ネット通販、TV通販はいい。外で大雨が降っていようが、自宅の中で買い物を楽しむことができるのだから。しかし、年間数日の特別な天候の時だけの問題ではない変化をここに来て痛感している。一般の人達の、休日に買い物に出かけるのが面倒だ、という声である。自分の周囲の反応では、年配の人と、若いが忙しい人、若いがファッションにさほど関心のない人、の3タイプがあるように思っているが、バーチャルなショップの発達と、郊外店の発達がこの流れに拍車を掛けていることは間違いないだろう。私自身はどちらかというと頻繁に動き回ることが苦にならないタイプだが、それでも最近はネットに慣れたので外に出なくてもネットでマーケットリサーチをすまそう、と思うようになってきたもんね。買い物もサイズを細かく見たいもの以外はほとんどネットで済ませられる程品揃えは充実してきたし。よくよく考えると、外で買わなきゃならない必然性がないのだ。まあ、通勤とか、デートとか、美容室に行くとか、理由があって人は外出せざるを得ないということがあるから、そのついでに、ということはあるが、最寄品ではなく衣料品のような買回り品の場合、わざわざ休日に買いに出向かせるだけのパワーのないリアルの店舗はまだまだ売り上げが年々微減していくような気がしてならない。衣料品の場合特に、ヴァーチャルな販路との競合だけでなく、家電など他産業の魅力ある商品に売り上げを食われているところもあるので。ここで参考になるのは、映画の業界である。シネマコンプレックスの登場以来、映画の業界は若いファンを獲得して劇場への動員数もきっちりとキープしている。衛星放送やビデオがあるのに何故人は映画館に足を運ぶのか?それは、映画館では、常に他の流通ではまだ見ることができない新作が上映されているからである。結論、他にはないモノポリー、オリジナルをどれだけ揃えられるかが、リアルの店舗の強みになってくると私は思う。特に、百貨店の生命線は、自主MD(マーチャンダイジング)の充実、ということに尽きるという気がする。これから益々アパレル自体がネットやTVでの販売に注力していくと思われるので、残された猶予は最早あまり存在しないと思うのだが。
2004年10月09日
打ち合わせ及び企業訪問のため、千葉県の五井(ごい)という所に行ってきた。市原市の、JR内房線五井駅がある所である。時々千葉県内の企業をご訪問させて頂くことがあるが、総じて優秀な企業さんが多い。まあ、両国から離れた場所へ行く際は、無差別的な訪問ではなくうちのセミナーにお越し頂いている企業さんとか、業界紙に取り上げられているような企業さんとかに的を絞っているので、当たり前といえば当たり前なのだが。いつも千葉県に行くと感じるのだが、千葉って縫製工場を始めとする繊維関連の製造工場の設立・運営には向いている立地だと思う。まず、東京に物理的距離は近いのに、JR千葉駅を過ぎるととたんに交通の便が不便になる。桐生のある知人も言っているが、このことは働き手を確保する上で非常に重要なことだ。家も急にまばらになり、田んぼや畑、ところどころにロードサイド型の専門店があったりして、「地方に来たな」という感じになる。完全に東京のベッドタウン化してしまった八王子産地とは対照的である。都会に通うのが不便で、はっきりした街が形成されていない、つまり、街ならば存在するサービス業の雇用が少ないならば、消極的動機ではあっても「働き口が欲しい」と思って応募してくる優秀な人は増える。実際、私が過去に訪問した千葉県内の工場さんは、皆優れた企業さんだということもあるだろうが、全て「パートさんの採用に苦労したことはない。うちの社員、パートさんは大半が長いこと働いてくれている」とおっしゃっておられた。もう一つ、有利なのは、東京都内と違い、信用金庫、信用組合だけでなく、地銀、第2地銀が頑張っている、ということである。はっきり言って、大手の都市銀行は非常に繊維関係の企業には冷たい。その点、地方の金融機関は、地域振興とか、雇用の確保、という観点からも経営を評価してくれるようで、対応が柔軟だという話を時々耳にする。だから、都内の企業さんで東北に工場を持っているところは、工場は別会社にして東北地方の地銀や第2地銀をメインバンクにしたりしておられるようである。むろん、都内で工場経営が全くやれない、という訳ではない。家業に近い規模で頑張っておられるニッターさん、高付加価値型のものづくりを究めておられる婦人服のプレタの縫製工場さんなど、優れた例を幾つも知っている。だが、千葉の優位性は、巨大マーケット・東京に非常に近いのに、ローカルである、という特殊性にある。何たって、日帰りで簡単にアパレルへも小売業へも商社へも営業に気軽に行けるのだから。このメリットを最大限に生かさない手はないと思う。
2004年10月08日
10月の声を聞き、さすがに半袖とはサヨナラしたい気分になってきた。お待ち兼ねの、秋冬シーズン、ニットの季節の到来である。今、「ニット」といきなり書いてしまったが、ここで言うところのニットは、横編みニットのことである。ニットは、編み機の種類によって、丸編み、横編み、経編みの3種類に分類できる。丸編みはTシャツ、ポロシャツ、カットソーなど、主として夏の需要が多く、経編みはカーテンレースなどに用いられることが多い。広い意味でのニットは、セーター、カーディガンだけでなく、肌着、Tシャツも含めればオールシーズン愛用されており、更にインテリア、カーシートなどの産業用資材としても普及していることを念のためお断りしておく。で、今日は(横編み)ニットに関することで、私が最近気になっているトピックをちょっと取り上げてみたい。まず、商品企画面では、ジャガード(ジャガートという編み機で編んだ柄物)が気になる。「ミュウミュウ」や「スポーツマックス」などのインポートのブランドで、非常にモダンなグラフィカルなデザインをジャガード編みに落とし込んだ企画が新鮮だ。ここ何シーズンか、ニットのヤーン展ではジャガードの復権が提案され続けているが、中々本格化しなかった。布帛に比べて柄物のニットはどうしても重くなってしまうこと(構造的に、裏に何色も糸が這ってしまうので)、へたな柄を持ってくれば上質な素材の良さ、特に、ニット独特のつややぬめりが損なわれてしまうことが原因だと思う。だが、きれいな色が復活してきたのに合わせて、モダンなグラフィックデザイン、イラストレーションをニットに表現することにスポットが当たり始めている。ジャガード復活、といっても、全体の構成比がそんなに急増することはないだろうが、見せ筋のゾーンではかなり前に出て来ている、という意味である。考えて見ると、「ニットは簡単にクイック生産できない」というのは糸から手当てすることを考えるからであって、ストック糸を使用すれば柄物を仕込むのは布帛のプリントよりははるかに早くできるのだ。日本では、ジャガードというと、一昔前のミセスブランドの古臭いイメージが強いが、ニットを得手とするアパレルさんには、インテリアファブリックやコンテンポラリーアートにインスパイアされたようなモダンなデザインのジャガードニットに是非チャレンジして頂きたいものである。次に、今春からエージェント(輸入総代理店)が変わった「チヴィディーニ」の動向。トータルブランドではあるが、元々ニットから出発し非常に質がよくひねりの効いたものづくりをしている同ブランドのエージェントが、トレリから業界大手の三喜商事に変わった。元々、ニットの分野では知る人ぞ知る隠れ人気ブランドだったが、イタリア本国のチヴィディーニ社及び三喜商事双方から、力を入れて拡販していくというコメントが出ているので、今後はメジャーブランドになっていく可能性もある。ただ、これまでの店頭での商品を見る限りでは、MDブランドではなく、卸型のブランドで、1型1型がバラバラの発想でデザインされている、つまり、それぞれに面白いが、シーズンテーマとか、コーディネート性があまり感じられなかったように思うので、その辺がどうなるのだろうか。最後に、イタリアの毛紡績、ヤーンメーカーの将来性に対する不安だ。今年7月のピッティ・フィラッティに行ってきたというある人が、「イタリア糸の販売状況は悪い。出展ヤーンメーカーの経営者は、集まっては『企業合併しようか』といった不景気な話ばかりしていた」と言っていたが、業界紙に紹介される統計数字からもそういう空気は読み取れる。ヤーンの分野でも中国の追い上げが激しいのと、最近のユーロ高もイタリア糸にとっては痛打となっているようだ。展示会では固定客にこっそり格安のブックを見せるブースがかなりあったとか。日本の商社、アパレルは、ゼニア・バルファ、リネア・ピュウ、フィルプッチ、ラネロッシといった特定少数の大手としか取り引きしないようで、染色を中国で行う体制を構築している。安いゾーンの商売はそれでもいいのかもしれないが、日本のニット市場は、特に百貨店系のアパレルのヤング・キャリアゾーンを中心に、素材の同質化が進み、非常に面白くない状況になっている。残念ながらこれからイタリアの中小紡績、ヤーンメーカーの整理・淘汰が進むのではないかと私は見ているのだが、その反面で、残った会社はニッチな分野で商品開発力と個性を強めていくような気がする。しかし、このユーロ高は、日本のヤーンメーカーにとってはチャンスである。シルクに強い長谷川商店、ファンシーヤーンの野呂英作、紡績から2次製品までを手掛ける佐藤繊維など、果敢に海外展示会に挑戦してきた企業は評価を高めている。ニッターさんを回っていても、これらの企業さんの社名の入ったダンボールを見かけることがあって、非常に嬉しいですね(^^)これらの企業の糸は、中小個性派のブランド、デザイナーズブランドにとっては非常に有難い存在だし、大手アパレルであっても、売り上げをあえて抑えて付加価値を高めたブランドを開始すれば、差別化、上質化の武器となるだろう。2005年のクォーター撤廃により、先進国のファッション製造業にとってはより厳しい状況の到来が予想されるが、全ての企業が駄目になるわけではない。商品戦略の明確化、生産ラインの整備とロスの排除を進め、小さくともキラリと光る企業になること、財務体質を強化すること、それに尽きる。生き残ろうという強い意思を持って前に進むしかない。
2004年10月07日
繊研新聞の連載「沸騰セレブカジュアル 身近なカリスマたち」を興味深く読んでいる。今日付けではいよいよ、あの「コーコレ」こと神戸コレクションの話題が取り上げられていた。2002年9月から始まった同コレクションは今年から東京でも開催されるようになる程の過熱振りだそうだ。9月11日は、できれば見に行きたかったのだが残念ながら足を運べなかったし、神戸で行われたものもまだ一度も見たことがないので、マスコミの報道や、参加した若い人達が書いたブログでその様子を垣間見ている。Googleで「神戸コレクション」というキーワードで検索して上位に来ているブログを見ると、大半が同コレクションに好意的だ。「気合いを入れてオシャレしていった」「読者モデルの○○さんに親近感を感じた」--この2つが代表的な感想である。それと、大阪の毎日放送が深夜にオンエアした番組を見た、というブログが男性も含めてかなりあり、同コレクションの熱烈なファンの周囲に、相当数のフォロワーが育ってきており、既に関西では一つの社会現象になっているのではないかということが伺えた。先程書いたように、実際に私自身が現場に足を運んでいないのでファンの気持ちを想像する他ないのだが、思い出すのは自分が岡山に居た頃のことである。ファッション業界に入ってからは必ず新幹線に乗って3か月に1回、大阪、神戸、京都のいずれかに出て街やショップの定点観測を行っていた。リサーチの正しいやり方すら知らない頃、直感的に、この先もずっとファッション業界で生きていくためには都会の空気を吸うことが必要なのではないか、と感じての行動だったが、やがて、街の魅力に見せられ、お金をためて出かけることが嬉しくて嬉しくてたまらなくなっていた。その頃は、ファッションの情報に飢えていた。パリ、ミラノどころか、業界の雲の上の人達にしかご招待状が届かない東京コレクションなんて遠い遠い世界の出来事だった。一介の地方のショップスタッフが見ることができるのは、お金を払えばチケットが買える一般向けのファッションショーだけである。だから、千趣会さんが主催していたミラノコレクションは、毎年自腹を切って見ていた。大阪まで大阪コレクションを見に行ったこともある。今、きっと神戸コレクションに集まっている若い人達の気持ちも、あの頃の私に近い部分もあるのかもしれない。ファッションへの憧れを満たしてくれる場、オシャレして出かけられ、友達とファッションについてしゃべれる場そして、ライブの持つ高揚感を求める気持ちの集積が、コーコレの盛り上がりにつながっているのだろうと想像する。ただ、昔と決定的に変わったな、と思うのは、読者モデルブームに象徴されるように、プロとアマの境目がなくなり、一般のお客様のファッション感度が飛躍的にレベルアップしたことである。この時代の変化を体感できている企業とできていない企業の差が、ファッション業界では現在好不調の差になって大きく現れているような気がしてならない。それと、わが業界の人達は、消費者を細かくセグメント化し、個性化、多様化しているという面にばかり焦点を当てがちだが、ここに来てもう1回マス・マーケティングとか、大衆、という視点を見直すことが重要なのではないかということを感じる。業界外の人と話していて、「両国さくら(仮名)さん、ファッションショーってどうやったら見られるの?」とか「ファッションショーを見るツアーを企画したら?」と言われることが良くある。不思議なことに、この種の声は、業界内からは全くといっていいほど聞かれない。業界の人は、「ショーはバイヤーやジャーナリスト向けのもの」と思い込んでいるからだろう。だが、本当にファッションショーを一度見てみたい、という声は巷では多い。これは一つのビジネスチャンスであって、コーコレはいち早くその波を捉えて行動に移したイベントなのだと評価したい。それから、業界人が思っているよりセレブ系ファッションに関心を持っている層は、憧れ層も含めれば潜在的にはかなり大きいのではないか。ゆめゆめ、マスを軽んじたり、馬鹿にすべきではないと思う。そういう憧れ層までも巻き込んでいくパワーと仕掛けが、今、業界の内部には欠けている。自分に自信が持てないからイマイチ、のところで自分を止めてしまっている女の子に対して、「あなたも変われるよ」というメッセージを発する仕掛けをして、実際に店頭では変えていってあげるのが業界の使命だという気がするのだが。みんな、オシャレになりたいのである。最後に、関西は東京と違い自宅通いで通勤時間も短く、自由に使えるおこづかいと時間的余裕のある層が多いこと、首都圏程キャリア志向が強くないこと、関西の中でも神戸にはお嬢様系の大学、短大が集まっていること、神戸は昔から山の手風のエレガンス志向が強かったことなども、このムーブメントが東京ではなく神戸から立ち上がった要因であることは様々な業界関係者が指摘する通りだと私も思う。パワーをバクハツさせるには、モノやイベントがありすぎて一般の人達の関心が分散してしまう東京よりは地方都市の方が遥かに有利である。神戸コレクションの成功は、その好例の1つだと言えるだろう。以上、見てもいないのにいろいろ想像で書いて参りましたが、実際関西におられる方はどんな風に受け取っておられるんでしょうか?私の日記の読者の方で関西在住の方、是非是非コーコレに関する意見、情報などカキコして下さいませm(__)m
2004年10月06日
コレクション・サーキット真っ盛りですね~。トップを切って行われたニューヨーク(NY)・コレクションは既に終了し、ファッション関連の業界紙には速報に続いて総評記事もちらほら掲載されている。今週2004年10月4日付けのWWDジャパンには、恒例のアメリカの有力百貨店、専門店のバイヤーのコレクション評が掲載されていた。例によって関心させられるのは、皆が言うことがバラバラなこと。総評も違うし、良かったデザイナー、気になったアイテムもかなりばらついている。まあもちろん、その中でも複数名が名前を挙げているものもあるのだけれど。これは、ショップがそれぞれに自店独自の顧客を持ち、その顧客に合ったものをという視点で品揃えを組み立てるからである。あるお店にとっては合わないブランド、商品であっても、別のお店ならば大量に買い付けたいということが彼の国では存在するのだ。日本と違い階層分化もはっきりしているので、どういうプライスゾーンのお店なのかというのも明確だという。同じWWDに定期的に掲載される日本のセレクトショップと伊勢丹のバイヤーのコメントが、業界人が見れば微妙な差は感じ取ることは出来てもかなりかぶっているのとは全く違う。日本社会も急速に成熟化してきているが、欧米と決定的に違うなと思うのは、雑誌媒体の影響力の強さである。その影響を受けて、お客様の側も、自分のスタイルを貫くタイプよりは、トレンド好きな方が多い。これが続く限り、アメリカやヨーロッパのようにはなかなかならないだろうなと私は思っているのだが、今後どうなるのだろうか。残念ながら、お客様が変わらない限りは当面は金太郎飴のような店づくりが続いていくんだろうね、きっと。しかし、アメリカ経済は好景気で、大型店の売り上げも軒並み前年をクリアしているようだ。そのせいか、ひところのような、デザイナー受難の話題も最近はあまり耳にしなくなったような気がする。大統領選挙を控えた政策的なドル安の効果はいろいろな面でファッション業界にもプラスに働いているようだ。さて、さくらのファッションチェック!今シーズンも今の秋冬に続いて明るい色が沢山出てきているが、その一方で、ベージュ系のヌードカラーにオンナらしい艶やかさを感じる。春夏なのでシフォンやジョーゼットのワンピースがイチ押し。それと、ニットでは、鈎針使いのレース編みが新鮮。日本ではコスト面で国内生産は無理だが、中国をうまく活用した企画も出てくると思う。ヤングはもとより、ミセス向けのレース編みというのも昔懐かしい感じで面白いのではないか。デザイナーでは、誰もが指摘していることだが、デレク・ラム、プロエンザ・スクーラー、ザック・ポーゼンの3人がNYの新御三家、といった感じになってきた。WWDジャパンの報道によると、デレク・ラムは、今年亡くなった故・ヘルムート・ニュートンの自伝に登場するシンガポール時代の愛人、ジョゼットをイメージしたコレクションを展開。柔らかな素材感を生かし、ほんのりと色香の漂うエレガントなドレス等を提案している。2人組のデザイナーが手掛けるプロエンザ・スクーラーは、店頭に出した時1点1点が売りやすいコレクションだ。ジャケット、パンツ、スカート、インナーのうち1点にアフリカン調、ハワイアン調のプリント柄のアイテムを差し込み、後は基本を押さえたかっちりとしたデザインに仕上げている。WWDジャパンも「成熟した女性に向けたコンサバなコレクション」と評していたが、60代の目の肥えた女性にも喜ばれそうな感じがする。バイヤーに人気なのが非常によくわかる。ザック・ポーゼンは、今回で6シーズン目だが、非常に技術力のあるデザイナーだ。毎回何型かはその片鱗を見せ付けている。デコルテ(胸元)を中心に、ボディラインを強調するシルエットに特徴がある。また、このデザイナーは色に関してもちょっとひねりのきいたセンスを持っていて、毎回独自の渋みのある色同士の配色を出したりしている。これらのコレクションに関心のある方は、エルオンライン、VOGUE NIPPONのサイトに写真がいずれアップされるので是非チェックしてみてチョ!但し、業界の皆さんは、そのまんま真似、はNGですよ。あくまでもこれをリソースにオリジナリティを出しましょうね。
2004年10月05日
日本繊維新聞に9月29日(水)に掲載されたファッションジャーナリスト・平川武治氏のエッセーがこの1週間ずっと頭に引っかかっていた。アントワープのロイヤルアカデミーの卒業コレクションが2年連続で低調だったことを挙げて、その理由を分析した内容の文章である。平川氏は、「異変」の理由として、この2年来、アジア系の学生にのみ年学費が40万円加算されるようになり、その結果、この2年間は日本人が毎年12人、全体の20%を占めるようになっていること、EU統合の影響で都市間の差異が縮まり、あまりにパリに近づいたため、学生が中央集中型になり、結果、ベルギー国籍の人が少なくなり、ユーゴスラビアを始めとする東欧、オーストリアとドイツ系、プラスフランス、イスラエル、中東及びアジア系で占められるようになってしまったことを指摘している。前者は、少人数制で質の高い教育を旨としてきた同校が、経営の問題に突き当たって路線転換をしたという、専門学校ならばどの学校も悩んでいる象徴的な問題の表れといえよう。また、後者の問題は、ファッション業界、というか世界経済全体の国際化の波が、アントワープの小さな学校にも押し寄せてきたということだと思う。表現は不適当かもしれないが、経済的には中進国のレベルにあるベルギーの同校に対して、お金の力にものを言わせた先進国からの留学生と、新興国から、レベルはまだまだだが情熱だけはありあまる人材の挑戦を受けている、つまり、上と下から挟み撃ちに合って自国の個性が薄らいできてしまったということなのではなかろうか。平川氏の原稿には書かれていなかったが、更に、世の中の大きな流れも同校にはアゲンストの風だという気がする。まずは、ファッショントレンドが、明らかに10年前のモード系、アバンギャルド全盛だった時代とはうって変わって、クラシック、エレガンスにシフトしていること。90年代はアントワープ派の時代だったが、10年の歳月を経て、風は遠くに去ってしまったのだ。いわゆる「アントワープシックス」と呼ばれたデザイナー達も、既に若くはない。新鮮味が薄れてしまった現在、トレンドの流れに身をゆだねた発信ではなく、あくまでも「個」としての成長と成熟の姿を表現していかなければならないだろう。更に、もっと大きな流れとして、9月12日(日)のこの日記にも書いたが、21世紀は最早ファッションの世紀ではなくなった、ということも言えると思う。では、次が何なのか、ということは今の私にも明確に見えている訳ではないが、1つはアートのようによりパーソナル、インディヴィジュアルなもの、もう1つは、インターネットなどもそうなのだが、空間、物質といったものよりは、時間というものを軸にして展開されるアクション(その時間の中にも速い時間とスローな時間があると思う)、次に、メイク、ネイルケア、ボディケアなど、より人間の身体そのものを美しくしたりコントロールしようとするジャンル、それと、土地、民族の歴史、風土に根ざした土着的なカルチャーの表現、といったものに、先鋭な感性を持った人達は走っていくのではないか。今挙げた4つのテーマの中では、特に最後のものに対して、新興ファッション国から斬新な感性を持ったクリエーターが登場する可能性があると私は予想する。ロイヤルアカデミーの質の低下の問題、平川氏以外に詳しい方の評論、是非読みたい気がする。ユナイテッドアローズの栗野宏文常務のコメントなど、雑誌『フィガロジャポン』さん当たりが載せてくれないだろうか?日本の専門学校関係者の皆様のご意見も是非伺いたいですね。アジア人留学生への受講料の値上げという点を除くと、同校の努力だけではなかなか跳ね返せない時代の流れというものを感じずにもいられないのだが、平川氏のエッセーの中にあった、「この学校が今、本当にしなければいけないことは、生産背景を自国または自分たちの手が届くところで拡大することである」という意見には全く同感である。この点は、まさしく日本のファッション専門学校が抱えている深刻な危機と同次元に位置する問題だと私は思う。
2004年10月04日
大枚を叩いてついに高電社「J北京V4」を購入してしまった。今月末の上海行きに備えて。44,940円は貧乏な私にとってはメチャメチャ痛い出費だったのだが(TT)。だが、この日中・中日翻訳ソフト、やはり中国に関心のある人ならば、是非購入しておいて損はないものだと思う。同社は「J北京」と「chinese Writer」の2種類のソフトを出しているが、前者が中日翻訳に強く、後者は日中翻訳に強いという内容になっているそうだ。中国にバンバンメールや文章を書いて送るのではなく、主に中国のホームページの検索・閲覧を目的にしたいのならば、「北京」の方がお勧めだという。早速インストールし、YAHOOのチャイナ版を開いてみたのだが、使えるなと思うのは予想以上に翻訳のスピードが速いこと!1ページを1分半程でサクサクと訳してくれる。確かに直訳調の変な文章ではあるのだが、大意は読み取れるからこれで十分だ。とにかく、毎日中国のホームページを数多く見て情報収集するためにはこれで用を成すだろう。次に、ワードにこのソフトをアドインして簡単な日本語を2、3書いてみたが、きちんと翻訳されていく。複雑な構造な文章を避け、わかりやすく簡潔な内容にしておけば、中国の展示会で出会った方への御礼メールくらいは十分こなせそうである。このソフトはエクセル、パワーポイント、アウトルックへもアドインできるので。ちなみに、私の中国語の学習暦は、17~8年前にNHKのテレビ中国語講座を1年やって、その後全く何もやらず、という時期が長く続き、ここ2~3年程はたまにCDを聞いたり教科書を読んだりして入門編を復習している、といったレベルである。多少の文法と語彙があって、中国への関心のある方ならば、私と同じような効果は見出せると思う。早速、「J北京V4」を活用し、大胆にもヤフーのチャイナ版でチャットして見ようとサインインしてみた。実は、日本版のヤフーでのチャットすらしたことがないのに、とんでもないですね~(笑)。日本版でのメンバー登録もまだだったので、ヤフーIDとパスワードを取得しようとしたところ、あれあれ、何故かその画面は英語になってしまう。おまけに、国籍を入力する欄にJAPANが何故かない!?と思い、仕方なくUSAにして先に進むと、エラーを認識したのか、次の画面の国籍選択の欄ではJAPANが選択できて、運よく先に進むことができた。それは良かったのだが、最初はアメリカ版のヤフーの画面にサインするようになっちゃったんですね。まあいいや、と思い、とりあえず英語でちょっとチャットしてから、いよいよ本番の中国語でのチャットに挑戦!!!ところが、何故か、ヤフーチャイナのチャットの画面はリアルタイム翻訳を起動させても翻訳できないのである。それならば次々画面に現れる何人もの人の言葉を部分選択して翻訳しようと思ったが、選択すらできない。逆に、私の言葉を書き込む欄も選択できないので、仕方がないから簡単な中国語と英語交じりの文章でチャットしました(^^;;しかし、英語でのチャットも中国語でのチャットも初体験だったのだが、私の場合は中国語の方がはるかにチャット初心者にはやりやすい気がした。英語は英文のブラインドタッチになれていないと皆が会話するスピードに全くついていけない。それと、非常に顔文字やら絵文字やら書体の変化やらスラングが多い!たぶん、皆チャット慣れしているのであろう。その点、中国語の漢字は日本人には見慣れたものなので、少し文法や語彙を知っていれば一読すれば内容はわかる。スピードも遅く、文章も短いのでわかりやすかった。いずれも、「日本人です」、というと、皆が非常に喜んで歓迎してくれた。アメリカ版のヤフーのチャットルームにはインドの方もおられ、文字通り世界中からチャットしたい人が集まっているようである。中国版でも、「私は上海に行く」と英語で書くと、「何故上海に行くのか」など質問攻めにあった。これはかなり語学の勉強、スピードとユーモアのセンスの習得には役立つようである。はまりそうですね~。話は戻るが、ヤフーのチャットのページが翻訳できなかった理由は、「J北京」のマニュアルにあるように、「リアルタイム翻訳には、セキュリティ(SSL/PCT等)で保護されているページは翻訳することができません」ということなのではないかと思う。その他、アドイン翻訳上の使用事項のページに「javaやその他のスクリプトの文字は正しく翻訳できません」というくだりもあった。あくまでもHTMLで書かれたテキストの翻訳のみができるソフトのようだ。その証拠に、バナー広告の部分の中国語は全く翻訳されていなかった。これで中国行き準備の第1段階は終了したのだが、これからが難題である。今回は中国に私のノートパソコン(PC)を持参しホテルでネットに接続してこの日記を更新してみたいのだが、さてどうなることやら。心配なのは、まず中国に持っていく間にPCが壊れないか。今回はハンドキャリーで入って展示会場に直行するつもりなので、飛行機よりもむしろ展示会場でぶつけたりしないかそっちの方が心配だったりする…。更に、ホテルでの接続。昨年止まったホテル日航埔東には、ホテル備え付けのPCもあったのでそれを利用するという手もあったが、今度のホテルはどうなんだろう。ブロードバンド環境が整っているのかどうか今旅行会社の方に調べてもらっているのだが、返事も遅いし…。私の乏しいITと語学の知識では、トラブルがあった時その内容を英語や中国語で伝えられるか…。本当は日本でもホットスポットへ行って外でPCをつなぐ練習をしておくつもりだったのだが、得意でないことは後回しに、と思っているうちにずるずると時間が過ぎてしまった…。ということで、中国でのPC接続、ぶっつけ本番になりそうなので(^^;;;;;、もしうまくいったら日記更新アリ、うまく行かなかったらその日の日記は更新ナシになりますので、請うご期待!
2004年10月03日
昨日10月1日から日経MJがリニューアルして、これまでファッションビジネスに1ページが割かれていたのが、リビングのページと統合されて1ページになってしまった。ファッション業界が縮小傾向なのは十分自覚しているが、こういう業界外の判断を見ると改めてショックは大きい。わが業界はこれからどうなっていくのか。自分自身もどういうスタンスで生きていくべきか悩みは深い…。さて、同紙で私が常にチェックしているのは海外情報のページである。こういうのは昔ながらのやり方で本当はもっと自分でネットを使ってダイレクトに情報収集していくべきなのだろうが、日経の記者さんがセレクトした情報ということでやはり1つの判断材料にはなる。世界最大、そして現時点では唯一といっていいかもしれないネットスーパーの成功事例・イギリスのテスコが、同国の調査会社の国内ネットユーザーに対するリサーチで、UK版のアマゾンや格安航空会社のイージージェットなどを押さえてトップに立ったという記事を見たので、早速テスコのホームページ(HP)をチェックしてみた。私が疑問に思ったのは、食品スーパーのテスコがネットスーパーだけで2004年8月中間期に3億ポンド(約600億円)、営業利益1,500万ポンドをあげた、という点である。実はこれまで全くテスコのHPを見たことがなかったので。見て頂くとおわかり頂けるだろうが、肝心のグロッサリー(食品)のネット通販のページはサインインしなければどうなっているのを見ることはできない。だが、それ以外に、アマゾンとバッティングする書籍やCD、DVD、そして家電、花、ワインに始まって、金融商品、旅行、ガスや電気、更には固定電話、ケータイ、インターネットのプロバイダー事業までを幅広く展開していることがわかる。この間、ネットちらしの時にお恥ずかしい勘違いを仕出かしてしまったのだが、日本のネットスーパーの実態を先に知っていてその基準を海外の先行事例に当てはめるから頭がこんがらがるのであって、同社は食品だろうが他のカテゴリーだろうが同一のくくりでネットスーパー部門の売り上げに計上しているようだ。製品、商品のスペックがはっきりしていて比較購買しやすいもの、ギフト向きのものなどをどんどん拡充し売り上げを増やしていったのだろう。Googleで検索すると、2年くらい前に「ネットスーパーは採算ベースに乗るか」という議論が盛んに行われていたようだが、その頃はまだADSLも普及しておらずネットユーザーが少なかったということを差し引いても、一つの大きな問題として「差別化されていない生鮮食料品をネットでどれくらいの人が購入するか」ということが指摘されていた。この問題をカバーする最良の解決策は、ネット向きの商材も一緒に売ることである。要するに、テスコは日本的な基準でいうところのネットスーパー(ネット食品スーパー)とオンラインショップが合体したようなHPなのである。テスコの成功の要因として、倉庫配送型ではなく店舗配送型を取ったことが識者からよく上げられている。日本でも、差別化された食品で即日配達でなくても売りやすいアイテムが強い生協は別として、量販店系(イトーヨーカ堂の2店舗、西友の東京、川崎地区等、イズミヤの京都府、大阪府の一部)ではテスコの例にならってやはり店舗配送型でネットスーパーを展開しているようだ。ただ、今日決算資料を見たことで私は始めて知ったのだが、イギリス国内の1,878店舗のうち、ネットスーパーを行っている店舗は270店舗しかなく、それで96%のエリアをカバーしている。このビジネスモデルは非常に参考になる。アメリカでネットスーパーがうまく行っていない要因の1つに、国土の広さがあると思う。日本はイギリスに似て、国土が狭く、しかも首都圏、関西等の一部地域にかなりの人口が密集している。特に首都圏では車を持てない層(従って重い物を持つのが大変)、子供を保育園に迎えにいったり、あるいは残業のためスーパーの開いている時間になかなか帰宅できないといった悩みを持つ層も多いので、何%かの層にニーズがあることは間違いないと思う。ただ、日本という国においては、食品の宅配分野では古くからの歴史を持つ生協が存在することが、後発組の量販店系には厳しいところだろう。今や時既に遅し、といった感もあるが、この楽天さんなどのように、取り扱い分野を広げ本腰を入れてネット販売を行う、という姿勢があれば事態は違ってきたはずだが。日本の量販店は、欧米に比べてネット販売に対する本気度が小さすぎたのだと私は思う。ちなみに、決算資料を読み込んでいくとそれだけでいろいろと面白いことがわかったりする。テスコのネットスーパーでは、1週間に120,000件以上の注文があるそうだ。1年52週では6,240,000件。そして、クリスマス商戦では、500,000件もの注文がある、ということが別のページに書いてあった。ということは、クリスマス商戦だけで、ネットショップの発注数の8%にも上るのである。(この辺はアメリカのホリディ商戦にも似ていると思う)。それから、同社は昨年から、ワインと花は電話での配達注文も受け付けることにしたそうだ。この辺は顧客満足ということを良くわかっているような気がする。ネット時代だから何でもネットで、と思い込まないところが素晴らしいのではないだろうか。参考までに書いておくが、テスコの2004年2月期のグループ売上高(海外事業も含む)は、355億5,700万ポンド、税引後利益が16億ポンドである。
2004年10月02日
半分眠気眼で朝から溜池山王の全日空ホテルへ。経済産業省が推進するIT経営支援隊発足記念セミナーに参加してきた。わが社にとってITはかなり苦手な分野なのだが、今年後半からはもう一回本腰を入れて再挑戦しよう、ということを私が所属している部内で意思統一を図ったばかりなのだ。はっきりいって、人様を支援する前に、わが社が支援してもらわなければならないお粗末なレベルなのだが(^^;;、以前の日記にも書いた「特訓」や、このブログのお陰もあってか、情報発信、販促という分野に限って言えば、私個人は急に自転車の乗り方がわかってきたかな、という感じなので、ITベンダーさんなどプロフェッショナルが集う会場に恐れも知らず乗り込んだのである。いや~、やはり、うち主催のファッション系セミナーとは、客層が明らかに違うな~と緊張を覚えつつ聴講…。実は、バタバタしていてレジュメや資料を会社から持って帰るのを忘れてしまったので自分の取材ノートしか手元にないから詳細をお知りになりたい方はIT経営支援隊のホームページで確認して頂きたいのだが、大きく言って活動の内容の柱は2つである。1つは、教科書の作成。もう1つは、IT経営百撰という表彰制度の新設である。事業の進め方で面白いなと思ったのは、教科書作成の事務局にシンクタンクを起用しておらず現場の独立系ITコーディネーターの方々を中心に作業されるということ。あくまでも現場がわかっている人達中心で推進していくということだ。また、IT経営百撰は、賞状等の授与のみで、補助金が出るものではないこと。これって、すごくいいことだと私は思う。補助金を当てにしていたのでは、真の意味での自立はないと思うので。100社の中に、繊維ファッション関連の企業さんが5社は入って欲しいな、というのがさくらの願いなのだが、果たしてどんな企業さんが選ばれるか。私も末席を汚している、村上肇さん率いるe製造業の会のメンバーからは、皆さんがエントリーすればかなり選ばれそうですね。本日の講師の1人、日経BP社の上村孝樹氏もおっしゃっておられたように、企業によりそして業種業態によって成功のビジネスモデル、ITの活用手法は千差万別かと思う。われこそはと思う企業さん、そして、こんな良い企業さんを知っている、という方は是非是非IT経営百撰にエントリーして見られてはいかがだろうか。それと、経済産業省商務情報政策局の方針では、行政や商工会議所、産業支援機関、ITベンダー、ITコーディネーターなど関係者を網羅した各地方振興局レベルでのIT経営応援隊を結成し、地域の産業構造や経済状況、IT環境などの実態に即した活動を展開していくとのことである。北海道が先行しているようで、今さっきGoogleで検索すると北海道経営応援隊についてブログに書いておられる方々が何人かいらっしゃるようだ。代表として、中小企業診断士/ITコーディネーターの春日一秀さんのブログからトラックバックさせて頂きましたm(__)m。関西でも9月27日に発足式が行われているようである。もう1つ、IT経営応援隊では、中小企業のIT化を支援するためのセミナー等の事業で、オリジナルのロゴ使用を認めている。これにはかなり感心させられた。この事業って、本当に無駄なお金をかけずに社会的広がりを持たせる工夫がなされていると思った。ロゴは、明朝体と筆文字が合体した特殊な書体なのだ。アナログとデジタルの融合、をイメージしているかのようである。早速近いうちにわが社でもこのロゴを使用を申請し、セミナーを実施したいと思うので皆さん楽しみに待っていて下さい!
2004年10月01日
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