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今秋の台風の被害の爪痕が海岸線のあちこちに残っていた。崖崩れのため、今でも片側一斜線通行になっている道路、積み上げられた真新しい土のう。集落一体が床上浸水した地域では、海沿いの広い空き地一杯に粗大ごみと化した電化製品やら畳やらがしばらく放置されていたそうだ。自然災害の脅威をまざまざと思い知らされた2004年が暮れていく。大いなる自然の前では、人間の力なんて本当に小さな小さなものだ。降る雪が災厄を洗い流してくれますように。
2004年12月31日
日頃TVをほとんど見ないので、年末特番が珍しくて面白い。冬のソナタも波田陽区も初めてじっくり見たし、深夜に北海道で人気の水曜どうでしょうまで見てしまった。岡山ローカルな話題で恐縮だが、RSKの浜家輝雄アナが随分お年を召されたな、と思ったり。昔岡山で働いていた時はたまに街を歩いているお姿を拝見していたものだが。ライブドアの堀江社長の露出の多さが目立つ。ある番組で、来年もどでかいことをやると公言していた。た。その中の一つに、AERAに何回か出た東京経済新聞構想も入っているのか、注目している
2004年12月30日
最近また地方の時代になってきたような気がしてたけど、岡山駅からのローカル線の中でそれを痛感。電車に乗っている人達が、男女共日頃東京の通勤電車で見ている人達より断然お洒落だったんだ。ショップスタッフが仕事を終えて一杯飲んで帰る頃だったからかもしれないけど、男性のユルデコ系ファッションあり、女性ではジッパー系カジュアルに始まって、DCあり、ベイクルーズ系通勤ルックありと、セクシー系を除いて百花繚乱だ。コートだってブーツだって個性的で面白いものを着ている。これが持ち家、自宅通いの強みか。
2004年12月29日
今夜の新幹線で岡山に帰省します。明日29日(水)から新年1月1日(土)まではケータイからのエントリーとさせて頂きます。本格的なエントリーは1月2日(日)より再会させて頂きますので、ご了解願います。さて、本年も最後の長文の日記なので、改めて今年の回顧と来年の展望について述べてみたい。ご承知の通り、今年の繊維ファッション産業は、いくつかの分野、一部の勝ち組企業を除いて全般的に極めて厳しい状況だった。個人消費中心の衣料品ビジネスという産業が、天候不順や社会不安にて弱いということが改めて浮き彫りになっている。また、少子高齢化の影響もここにきてじわじわ出てきている。これらのマクロ経済要因は、残念ながら新年以降も継続し、事実上の増税によって更に悪化すると予想さざるを得ないだろう。しかし、これらの条件は、どの企業に対してもほぼ平等に圧し掛かってくることである。そんな中でも業績を伸ばしていくであろう企業、堅実経営を継続できる企業も当然かなり多く存在するはずだ。それは、次のような企業ではないかと私は思っている。<2005年、こんな企業が伸びる>1.持たざる経営、大企業より小さな企業が有利。 ニッチに特化し、財務体質の強い中小企業は小回りが利きやすいので有利だ。逆に、店舗等への過剰な設備投資を行い、大量の人材を抱え、過剰在庫を持つ企業の舵取りは非常に難しくなる。2.IT経営は生き残りの絶対条件 大企業、中小企業を問わず、ITを活用し大幅なコストダウンと省力化を進めない企業に未来はない。この努力には終わりはなく、常にコストダウン、コストダウンである。特に、これから若い労働力が絶対的に不足してくる日本の企業にとっては必須条件だ。 また、リアルの店舗ビジネスは駅ビル、ローコストのフリースタンディングの立地以外はどの業態も安泰とは言えない中、ネットビジネスのみは今後もまだまだ大きく売り上げを伸ばすと予想できる。この分野に関しても特に中堅以上の企業で全く手をつけない、というのは中期的にみて非常に危険な戦略だと言わざるを得ないのではなかろうか。3.国際化、やるかやらないかは別として、意識はしておく必要有り。 国際化については、全ての企業が直接海外進出する必要性はないはずだ。ただ、川上から川下まで参入障壁が低い繊維ファッション業界に身を置く以上、個人の小売商店と言えども情報収集のアンテナは張っておくべきだと思う。 先日も書いたように、中小企業の場合は、これからは日本国内に居ながらにして、海外相手のビジネスを行うという選択肢も出てくる。例えば、ネットで海外から仕入れたものを国内の店舗で売ったってよいのだ。4.ビジョン、夢を持った企業が伸びる。 単なる儲けのためのビジネス、企業を存続するためのビジネスでは、労働者を集めることすら難しくなってくるはず。経営者は夢、ビジョンを語り、社員とその思いを共有し、経営そのものが社会貢献であるという意識を持って前進しなければならない。それを、例えばブログなどで社内外に明確に説明、発信できる企業と、そうでない企業の格差が開くのでは?以上、いろいろなところで有識者も指摘している当たり前のことばかりである。これから製造業、小売業共に、中小企業が大手の体力勝負、過剰な出店競争に巻き込まれていくことが懸念される。よく、ネット販売でも大手のショッピングモール1社だけでなく他社や自前店ももっておかなければならないと言われているのと同じで、資金力を要するリアルの店舗販売なら尚更そのことを意識する必要がある。それと、開店1年しか売れない店とそうでない店の見極めと、駄目になったら早く退店すること、これが益々重要になるだろう。以上の問題をクリアする企業にとっては、2005年は飛躍の年になるのではなかろうか。皆様が輝かしい希望に満ちた2005年を迎えられますことを心よりお祈り致しております。
2004年12月28日
両国にて今年最後の忘年会。おっと、違った、明日会社の納会もあるんだった。来年はもっともっと良い年になるように、皆さん力を合わせて頑張って参りましょうね。有難うございましたm(__)m昨今ファッション業界では、「次は北欧ブームか」という声をちらほら耳にする。人気ブランド「ミナ・ペルホネン」の根強い影響とか、もっとポピュラーなところでは「H&M」、広い意味でのファッション、デザインということになると、やれ「NOKIA」だの「バング&オルフセン」だの「ヤコブソン」だのは南方系カルチャーとは違った文化のパワーを見せ付けているし、来年はアンデルセンの生誕200周年という大きな節目の年でもある。だから、ファッショントレンド的には北欧にインスパイアされたデザインというのが出てくる可能性はかなり高いと私も思ってはいるのだが、ビジネスという点においては、私は中国の次は是非ロシアに注目したい。今、Googleの日本版でロシア、ファッションという2つのキーワードを入れて検索したが大した情報は出てこなかった。業界の方ならご存知だろうが、ロシアとの教育交流を行った杉野服飾大学の熊崎高道教授の書かれたレポートや、この楽天さんの中でロシアの腕時計などを売っているネット店とか、毛皮の展示会のニュースくらいが目を引く程度である。しかし、アメリカの素材メーカー(というより化学メーカー)は、今、中国からロシアへのシフトを強め、熱心に売り込みを図っているらしい、という噂を聞いた。いつもながらにもっとアクションが早いのは、フランス、イタリアのラグジュアリーブランドである。現在続々とショップを立ち上げているようだ。中国の時と同じで、市場が小さいうちからブランドイメージの浸透を図り、進出国の国民にすべからくブランド名を記憶させ憧れ感を植えつけるのが彼らの戦略だ。残念ながらわが日本勢は、今やっと中国へ皆で行こうか、という現状だから、ロシアにまで目配りが出来ている企業はほとんどない、と見てよいだろう。ファッション業界に限らず、マクロ経済全般において、中国の次はインド、ブラジル、ロシアだと言われている。インドとブラジルも昔から日本人にとってはなじみの深い地域だが、実は、ロシアは、もっと近しい国なのである。北海道や北日本の日本海側に行くと如実に感じるのだが、ロシアは環日本海圏の隣国なのだ。アパレル商品の販売ということを考えるならば、まずはモスクワやサンクトペテルブルグなどヨーロッパ寄りの大都市に対し、ヨーロッパの展示会やエージェント経由で入っていく、という方法論になってくるのだろうが、人的なつながり、街と街とのつながりがうまく持てれば、東側の都市で堅実にビジネスを立ち上げる、という方法もあるのではないか。こういう考え方は、案外東京発ではなかなか出てこないものかもしれない。地方都市で、ロシアの地方都市との交流を積極的に行おうという地域に本社のある企業にチャンスが来る。PS.ロシアといえば、最近人気の可愛いお人形マトリョーシカですね。ネットサーフィンで見つけました。「ハッピーマトリョーシカづくりキット」(税込み1,995円)。自分で好きな様に彩色したり、千代紙で着物を着せてあげることも出来ます。残念ながら品切れになってますが…早く復活してほしいですね。
2004年12月27日
毎年この時期のバカにならない重労働が年賀状書きである。上京して5年余り、データベースの整備をせず印刷&手書きで何とか間に合わせてきたが、ついに限界がきてこの間会社でも購入した『本格読取 おまかせ名刺管理スキャナ付き』を自宅でも使うことに。枚数は、449枚。仕事柄、人づきあいがどうしても薄く広くなってしまいがちなので、学生時代の友人など、年賀状だけのお付き合いになってしまっている方、岡山時代に仕事でお世話になっていて今は遠く離れてしまった方、セミナーで1度だけお世話になった講師の先生なども多い。最近は、リアルでほとんどお会いできない方より、メーリングリスト仲間、楽天日記仲間の方に親近感を感じてしまうから不思議だ。しかし、縁は異なもので、忘れた頃に何かの拍子でお付き合いが復活することもあったりする。いずれ年賀状というものは年賀メールにほとんど取って代わられるものかもしれないが、当面は、昔読んだ中谷彰宏氏の本に書いてあった「年賀状は貰った枚数より出した枚数の方が重要」という言葉を実践していきたいと思う。さて、2004年に本格的な日記をエントリーできるのもあと僅かなので、繊維ファッション業界に向けての提言を綴ってみたい。今、わが業界では、2年程前から再び輸出振興ということが声高に叫ばれるようになってきた。昨年のインターテキスタイル上海へのジャパン・パビリオン開設に続き、今年はアパレル業界においても、ジャパン・ファッション・フェア・イン・上海が開催され、中堅以下のアパレルでも上海を中心に新規出店する事例が増えてきている。ただ、中国を始め、海外に直接進出しそれを成功させるというのは、ヒト、モノ、金等々非常に大きなエネルギーを要することである。ファーストリテイリングの柳井正会長がアメリカ進出に当たって同国への移住を表明しているとの報道があったが、経営者自身がかなりのエネルギーをもってコトに望まなければ成功は覚束無い程ハードルが高い事業だと言える。実は、そこまでのエネルギーを費やさなくとも、海外相手のビジネスは可能だ。それは、日本国内に居ながらにして行える事業を選択するということである。代表的なものとして、1.海外向けのネット販売、2.日本在住の外国人向けのビジネス、3.海外から日本に観光客として訪れる人向けのビジネス、の3種類が上げられるだろう。1と2(特に2は、今後の日本の社会政策が外国人研修生の受け入れ拡大や移民の容認を行うかどうかによって大きく変わってくるだろう)については機会があればまた後日考察してみたい。今日は3の、海外からの観光客向けビジネスについて取り上げる。実は、旅行業界、ホテル・旅館の業界では、この需要に関してはここ数年のうちに大きく拡大が見込まれるとして、矢継ぎ早に対策が立てられているそうだ。これまでも、特に九州圏などでは韓国や香港、台湾からの観光客がかなり見られたようだが、これからは中国である。一般国民に対する旅行の制限が段階的に緩和されているので、今、香港が中国本土からの観光客で大賑わいを見せているのと同様の状況が、早晩日本各地で見られるようになるはずだ。そのブームの予兆とも言うべき様子を、先月北海道の小樽で見た。北一硝子など、市内の有名な観光スポットには中国人、韓国人の姿が非常に多く、びっくりした。中国人の観光客は、私が毎年上海に行き聞きなれているような上海語や標準語とは違うイントネーションで、恐らく北方地域の人たちが多いのだろう。ファッションも田舎の素朴なおじさん、おばさんスタイルで、ちょうど一昔前の日本の農協ツアーを彷彿とさせるようだった。繊維ファッションで観光、というのはちょっと難しいのではないか、という向きもあろうが、できないことはない。例えば、次のようなビジネスモデルがすぐ思い浮かぶはずだ。1.日本独自、地域独自の染め、織り、和調のアパレル、雑貨等を販売するショップ。2.1のショップに実演販売、体験教室、ワークショップ等を組み合わせた業態。3.1のショップにカフェもしくはレストラン、バー等を組み合わせた業態。4.衣料品のショップ運営のノウハウを生かし、異業種の雑貨店、飲食店等に進出するか、もしくはノウハウそのもののコンサルティング、人材教育。これから団塊の世代が大量にリタイアして、日本人による国内観光ブームも沸騰することが予想されるが、今後はそういう客層(それも更にリッチな層と大衆層に2分できる)と、アジアからの観光客の3つのレイヤーが形成されてくると思う。アジアからの観光客が果たしてどの程度の価格帯の商品、サービスを好むのか、それも年々グレードアップしていくだろうから、この分野のマーケティングリサーチは予断を許さないが、それは反面、伸びていく市場ならではの前向きな変化、ということでもある。小売業でも工場でもパワーのある観光地に近い所で営業なさっておられる方にとっては、チャンスである。観光客向けのビジネスは在庫回転率が低くても成り立ち得るので、へたに大型のショッピングセンターなどに出店するよりは堅実でうまみのあるビジネスに育てられるのではなかろうか。
2004年12月26日
文化出版局の『装苑』の最新号(2005年2月号)が久々に面白いね。何号か購入していなかったのだが、今日は即買いした。最近ファッションに食傷気味で、いよいよ来年は業界卒業か(笑)、なんて真剣に悩んで寝付けなかったりしていたのだが、刺激的な記事を見ると一気に元気回復してくる。ご承知の通り、同誌は文化服装学院さんの系列の雑誌なので、同校の卒業生をフィーチャーするケースが多いのだが、心情的にそれはよく理解できるし、コマーシャリズム中心の他の雑誌だって実はもっと偏っていたりするのだからその点はあまり気にせず楽しく読ませてもらっている。今回の号、まず、「コレクション大特集」の中のアントニオ・マラスとマルタン・マルジェラへのインタビューも面白かった。イタリアのサルジニア島出身のアントニオ・マラスは以前も書いたが「ケンゾー」のデザイナーに就任してから進境著しい。インタビューからも、彼のアートに対する造詣の深さ、美的センスの片鱗が伺われ、次回のコレクションへの期待が高まってくる。そして、「ゴシックロリータはモードになるか?」。これはヒット企画ですね~。「えー、ゴスロリ~」なんて一方的な思い込みを抱いてしまっている方、是非目を通して頂きたい。特に、「パリのゴス事情」という特集の中では、現在23歳になるパリのゴス界のトレンドリーダーであるローズさんへのインタビューや、小学生のゴスルックのスナップが紹介されており、新鮮な驚きを感じさせてくれる。ローズさんは日本のアニメ「ベルサイユのバラ」にインスパアされたそうだが、その一方で、ドイツやフランスのロマン主義文学を愛読しているらしく、中々のインテリである。同誌の特集タイトルになっている「ゴシックロリータはモードになるか?」ということについてだが、モードを流行、特に世間的に影響力のある程度の流行と定義するならば、私自身は、ゴシックロリータはモードに成り得ても成り得なくてもどちらでもいいじゃない、という感想を持っている。ただ、文化=カルチャーとしては、ゴシックもロリータも歴史的社会的背景を持ち存立し続けているものであり、メインストリームには成り得なくとも「h.NAOTO」のようなファッションを買う層は間違いなく今後も根強く一定数存在し続けると思う。私が拘り続けたいと思うのは、東京が、モードの生成都市になる、ということよりも、多様な個性を認め、ファッションを楽しめる都市の自由な空気に満ちた場であってほしいということである。最近人気のアートディレクター・野田凪さんも登場している。ファンの方ならご存知だろうが、彼女は根っからのゴス好きなのだそうだ。成程、黒と白に身を包んだパンダって生まれながらにしてゴスロリファッションを着てた、って解釈な訳か(笑)。「ハンパンダ」を単にカワイイだけのキャラだと思っている皆様、是非『装苑』をご覧遊ばせ。
2004年12月25日
今日は楽しい♪クリスマス・イブ♪~、皆様いかがお過ごしでしょうか?毎年クリスマスを迎えると、1年間元気で過ごせて本当に良かったなとしみじみ思います。健康という最大の幸せを噛み締めながら、ケーキにパクつく(笑)さくら、です。さて、年の瀬も押し迫り、挨拶回りや逆にご挨拶にお越し頂いたりという動きが慌しくなってきた。今年1年を振り返り、来年の見通しについて情報交換させて頂くのが常だが、ファッション業界内の同胞からは、「来年は今年以上に厳しくなるのでは」という溜め息めいたつぶやきが多い。景気の回復が、国民すべからく平等、という形では訪れることがない現状、少子高齢化の影響、所得税の定率減税の縮小・廃止、そして更に拡大するかもしれない天候不順等々、確かにマクロ的にはマイナスの要因が多いことは事実だろう。だが、繊維ファッション業界の中だけに限っても、全ての分野が苦戦している訳ではない。ここにきて原料高の影響が出てきてはいるものの、ITや自動車産業の好調のあおりで川上の産業用資材の分野は絶好調だ。また、ユニクロやジーンズカジュアル系ショップ、古着ショップ、駅ビル系のショッピングセンターや、ネット通販、TV通販など、小売業の分野でも好調な業態、まだまだ大きく成長していくと見込まれる業態もある。確かに、業界の中で大きな勢力である大手アパレル、百貨店、量販店にとっては、グロスの数字が大きいだけにマクロ環境要因は大きな影響を与えるものだと思う。ただ、こういう風潮に中小企業までがつられてマイナス志向に陥る必要は全くないのではないか。先日、ベンチャー支援団体・ドリームゲートのトークバトルの中で、私が尊敬する同所代表の吉田雅紀氏がはっきりと次のように言い放っておられた。「少子化、零細企業に関係あらへん!」。これはけだし名言だと思う。起業したばかりの小さな企業は、しっかりした事業計画と有望なシーズを持ち、積極的な販路開拓を行っていけば倍々ゲームで売り上げを伸ばせるはずである。また、他社が容易に真似できないような突出した高い技術力を有する中小企業、大手企業がいやがるような、例えば細かくて面倒な仕事をいとわず行っている中小企業、大手では採算ベースに載りにくいニッチ市場に出ている中小企業、ローカルなエリアをがっちりと押さえている地方の中小企業等は、業種業態にもよるが概して不況には左右されにくいはずだ。また、日頃からキャッシュフロー経営を心掛けていれば多少の売り上げの落ち込みにも堪えられる筋肉質の企業体質にもなっているはずだ。これから5、6年程の間に、日本の社会構造は激変していくはずである。この混乱は、ある面ではチャンスなのだ。新しい時代に合った商品、サービスを柔軟な発想で提案していける中小企業ならば、売り上げは今以上に伸ばせるはず。皆さん、仕事は明るく楽しくやりましょう。大企業と一緒になって縮み志向になんて陥っているヒマはないはずですよ。
2004年12月24日
さて、昨日は渋谷区松涛までファッション業界のある知人に勧められた写真展を見に行ってきた。最近写真はあまり見ていなかったし、行きたかったヴォルフガング・ティルマンスも、この週末も行けるかどうか微妙なところなので、たまには、と思い気張って時間を作ったのだ。写真展が行われていたのは、ギャラリー・アッド・ドゥという、今月オープンしたばかりのギャラリーさんだった。「音楽シーンがいちばん輝いていた’70年代を駆け抜けた懐かしいミュージシャン達のポートレイト展」(同ギャラリー案内状)と銘打ち、7人の写真家の作品を展示していた。ギャラリーの中には、誰もが知っているようなミュージシャン達を被写体とする写真が沢山並んでいる。だが、残念ながら、写真の知識の乏しい私には、その写真を7人の写真家のうちの誰が写したのかがわからない。辛うじて想像がつくのは、ポール・マッカートニーの妻であり、ファッション・デザイナーのステラ・マッカートニーの母であるリンダ・マッカートニーが、たぶんポールを写しているのだろう、ということくらいだ。あと、『Rolling Stone』誌のチーフ・フォトグラファーであるマーク・セリガー氏も有名らしいが、どれがマーク氏の作品なのか???そう思って考えあぐねていると、テーブルの上に、写真集が置いてあった。ジム・マーシャルの『PROOF』である。早速1冊買い求めた。この中に、かなり多くの展示作品が取り上げられている。よく見ると、この人の作品にはサインも入っているので尚更よくわかった。拳を天高く突き上げるジミー・ヘンドリクス、ギターを楽しげに爪弾くキース・リチャーズ、気位の高さを感じさせる表情のサックスの帝王、ジョン・コルトレーン等々。しかし、今の私の心に一番響いたのは、不世出の歌姫、ジャニス・ジョプリンの何枚ものフォトだ。中学の頃、ラジオで初めてこの人の歌を聞いて、非常にショックを受けたのを今でも鮮明に記憶しているが、押さえきれない感情の迸りをぶつけているかのような歌声そのままに、彼女の喜怒哀楽がはっきりと写真から読み取れる。本当に可愛らしく、そして哀しいくらいに透明な女性。他のミューゾシャン達もそうだが、写真というのはこうまで個性的なキャラクターをはっきりと表してしまうものなのだろうか。しかし、やはり誰もがかっこいい。突出した才能と、スターならではのオーラに魅せられた。オーナーの有竹さんの話だと、同展は来年1月末までの開催だが、展示作品はかなり売れていっているとの話なので、沢山ご覧になりたい方はお早めに足を運ばれることをお勧めします。(今日の日記のBGMは、ジャニス・ジョプリンでした♪)◆ギャラリー・アッド・ドゥ 渋谷区松涛2-7-4サバン ナB1 TEL03-3467-9577
2004年12月23日
昨日で私が担当している年内の夜の講習、英会話等が終わり、やっと少しゆとりができた。すわ、急いで年末の挨拶周りに出ねば…ということで、ささやかなお歳暮を片手に人形町へ。古巣の日本繊維新聞(ニッセン)に出向いた。前もって電話を入れて置いたのだが、仕事が長引いて約束していた時間より遅くなってしまった。忘年会シーズン、外出している方々も多かったが、大先輩のYさん、Fさんと酒を酌み交わす。ニッセン社内の話題や、ファッション業界の企業さんの新しい動きなど、予想以上に前向きな話が多く嬉しい。こちらからも、「来年は今年以上に両国発のニュース、増えますよ」としっかりPRしておいた。私達がぼりぼりむしゃむしゃごくごく飲み食いしている間も、後輩諸君は懸命に働いている。エライね、さくらは昔、そんなには働いてなかったよな。そのせいで今こんな体たらくなんだろうか(笑)。ともあれ、私自身もニッセンの皆さんも今年1年元気で良かったです。来年はもっともっと良い年になるように一緒に頑張って参りましょうね!
2004年12月22日
昼下がりの神田小川町。この辺りは大学やオフィスが立ち並ぶ静かで綺麗な街だ。おっと、よく考えると、ここいらって千代田区だったんだ。タバコのポイ捨てが条例で禁止されているから、路上がクリーンなのだろうか?しかし、ヘビースモーカーにとっては、千代田区と聞いただけでぷるぷると震えがくるぐらい(笑)のココロの負担であるらしい。ちなみに、私の知人のある喫煙者は、有楽町(ここも千代田区)へ行くのを非常に嫌がっている。その反面、千代田区内の喫茶店を利用する喫煙者が増えて儲かっているのでは、という説も聞いたことがあり、経済効果的には、プラスマイマスゼロ、といったところだろうか。さて、今朝の繊研新聞に、「3強がけん引 ツイード ファー ヒョウ柄」という見出しで秋冬レディスヒット商品のランキングが掲載されている。秋の立ち上がりには確かにこれらの商品はそれなりに売れていたと思うが、その後盛り上がりに欠けたまま終盤を迎えていることは周知の通りである。天候の問題もあるが、以前にも書いた通り、今、平均的な消費者のファッションに対する関心は明らかに10年前と比べて低下してきていると思う。その一方で、雑誌情報等を熱心に収集しそれを基に先買いに走る一定の層も存在し、シーズンの立ち上がりにこの客層をうまく掴まなければ益々利益が取りにくい構造になってきていることは間違いない。従って、来春夏も、1月の中盤からの早期決戦になっていくと思われる。気になるのは、大手アパレルが競って百貨店向けを中心にセレブカジュアルの新ブランドを投入することである。これがどう出るか。このブームの元々の発端となった学生やフリーターなど、ギャル層に向けた渋谷109系のブランドや、神戸系のブランドの客層からどんどん離れて、元々百貨店での買物を好むようなコンサバエレガンス寄りの客層まで取り込もうとすればする程、焦点がぼけて、ブームは一気に終焉、結局本来のコアな客層を頑なに大事にしているブランドのみが残っていく、というシナリオも大いに考えられよう。逆に、最近ストリートのリサーチから少し足が遠のいているのでちょっと確信を持って言いがたいところもあるのだが、何となく、ヤングのゾーンでは、元々数的には最も多い、ポイントの「ローリーズファーム」やクロスカンパニーの「イーハイフンワールドギャラリー」のようなジミ系ファッションと古着、もしくは、「アバンクロンビーアンドフィッチ」のようなアメカジ系ファッションとの安可愛い組み合わせでこじんまりとまとめたファッションが益々元気になってくるような予感がする。アメカジと言えば、最近ファイブフォックスがモロこのテイストの新ブランドを発表したようだし、来年はギャップ社の「バナナリパブリック」も上陸する。これらのファッションは、リアルの店舗からも普及していくし、オークションサイトを中心に、ネットでもより活発に売買されることだろう。業界の皆さんに強く訴えたいのは、今、私自身が家でも会社でもネットに触れる時間が増えるに従って、買い物もネットで、という行為がごく自然に行えるように変わってきたということだ。私がそれでも休日に店頭リサーチに出ているのは、仕事上必要だからという義務感からであって、それがなければ街に買い物に出る回数は正直激減しているだろうと思う。家でネット見ている方が疲れないし面白いからだ。間違いなく、今後の日本の社会はもっとそうなっていくはずだ。今後、今より5倍から6倍、日本のネット販売の売上高は伸びる、と通販業界の関係者が予測しているらしいと聞くが、納得が行く。ということは、大手小売業、そして大手及び中堅のアパレルでネット通販及びネットでの情報発信を軽視している企業は、売り上げの何割かを確実に落としていくことになる、ということである。この時代の変化に機敏に対応できる企業は、衣料品消費が漸減していく時代を乗り切っていけるのだろうし、軽く見ていると店舗開発への過剰投資及び店頭流通の過剰在庫で財務が回っていかない、という最悪の事態を招くことになるのではないかと思う。
2004年12月21日
正午過ぎの中野・サンモール商店街。衣料品の専門店はユニクロを除いてやはり元気がない。しかし、この街には来街者が多い。これだけ魚が泳いでいるのだから、戦法を変えれば必ず釣れるはずだ。そう思いながらどんどん北に向かってブロードウェイに入ると、おやおや、よく見ると衣料品に関してもこっちに出店しているショップの方が概してマーチャンダイジングに特徴があって面白いではないか。これは一度また探検に来なければ。恐るべし中野パワー。ランチはある方にご案内して頂いた陸蒸気という和食のお店へ。シャケ定食を頂いたのだが、いろりで焼いたシャケ、ふっくらとしていてとても美味でした。東北の民家のような店舗設計も洒落ている。オススメです。さて、今日も外出の合間に事務処理をこなし、といういつもと変わらぬバタバタとした1日だったが、思わぬ方の来訪を受けた。葛飾の染色工場・東京和晒(株)の瀧澤一郎社長が、うちのビルに来られたついでだといって、事務所に立ち寄って下さったのである。瀧澤社長と言えば、2年も前にブロードバンド時代を先取りしたストリーミング放映によるeラーニングの講座「東京e大学」開講の立役者である。私にとっても、同講座の存在を知り、瀧澤社長や他の受講者の皆様と知り合ったことが、自宅でITを活用しネットで遊ぶようになるきっかけとなった。最初、上司の許可を得て会社のPCで「東京e大学」を視聴しようとしたがうまくいかず、授業を見るために自宅用にウィンドウズXPのパソコンを購入してADSLを導入したのだ。リアルでのスクーリングで、社長が投げかけられる鋭い質問や、染色工場という古い業種に積極的にITを導入することによって新しい顧客の獲得に成功しておられるお姿、そして何より、うちのような会社より余程堅実で先鋭な感性と行動力を持ってNPOで産業支援・産業振興事業をぐいぐいと推進しておられる行動力に、私は大いに刺激を受けた。お会いするのはたぶんほぼ1年振りだと思うが、既に次に向けてのアクションプランを準備中だとのこと。常に現状に満足されることなく、新しい目標に果敢に挑戦しておられる。瀧澤社長のNEXTに、大いに注目したいと思う。更に、IT経営応援隊事業の話になり、「もし東京に応援隊が出来たら、社長も一緒に隊員になって下さいますよね」と水を向けると、快諾して下さった。まあ、うちみたいに皆さんのお尻にくっついていくのがやっとの企業が東京エリアでリーダーになれるはずもないが、東京でも早く応援隊を結成して欲しいな、というのが私の願いだ。少なくとも、城東エリアはうちの会社と葛飾の東京e大学さんだけでもそれなりのパワーにはなると思うので、ITコーディネータの皆様、そしてベンダーの皆様、旗振り是非是非ヨロシクお願い致しますm(__)m
2004年12月20日
つい今しがたまで、友人と蒲田の超有名店、ベトナム料理の「ミ・レイ」に居た。数々の情報誌やグルメ雑誌に取り上げられているお店だが、本当に美味しい。あんなに太くて中身がぎっしりつまっていてしかも皮がしっかりしている生春巻きを私は生まれて初めて食べた。味付けはあっさりしており、香草の味が効きすぎていないのも日本人向きだと思う。揚げ春巻きの方は、えびせん好きにはたまらない香ばしさである。フォー(麺)やサラダ、デザートのベトナム風おしるこに至るまで、全て美味しく頂けた。行きたい方は予約してから出向かれた方が確実ですヨ。さて、昨日の話題、日本の美術館のミュージアムグッズとして、日本のテキスタイルを販売してはどうか、という提案の続きを少し。MoMAで販売されているスカーフには、英語で作者名が紹介されている。見る人が見れば、ああこれは、桐生のミタショーの三田修武氏とか、アンビアントの小松偕介氏とか、八王子の澤井織物工場の澤井伸氏等々の作品だなということがわかるだろうが、日本国内では通常名前が表に出ることのない、産地の機屋さんを、クリエーターとして取り上げているのである。こういう方法論が一つと、もう一つ、美術館と、他の分野のアーティストと、産地の企業とのトリプルネーム、という手法も考えられる。イタリア・フィレンツェのウフィッツィ美術館に行くと、フェラガモのウフィッツィ美術館限定商品として、ボッティツェリの有名な絵画『ヴィーナスの誕生』をプリントしたスカーフを販売している。これは、アーティストが既に他界しているケースだが、現役の人ならばアイデアを出し合いながら共同で全く新しい商品を創り出していくことが可能だろう。いずれにしても、先に価格ありき、ではなく、クリエイティビティの高いお土産を作ろう、という高い志がなければ実現は難しいだろう。それと、ビジネスをコーディネートする人のセンス、それに尽きるのではないか。誰に対して何のアイテムを頼みどういう注文を付けるのか。また、後者の場合は、誰と誰を結びつけるのかも、である。アーティストは、自分の数少ない経験から言ってもギャラさえ高ければ仕事を引き受けてくれるというものではないと私は思う。面白いな、とその方が思ってくれる企画であることが大事なのではないか。コラボレーションと言えばグラフィックデザインをプリントできるスカーフやTシャツなど限られたアイテムで展開されるケースが大半だが、むしろそうでないジャンルで取り組んで見たら面白い商品が出来上がるのではないかという気がする。繊維やファッションの業界以外からの視点で組み立てられたテキスタイル、是非美術館で企画・販売してもらいたいのだが、いかがでしょうか?
2004年12月19日
中国でパソコンの調子が悪くなるのが心配で心配でたまらないという人へ。良い本を発見した。『日中パソコン用語辞典』(日経パソコン編集部著、3,990円)。ちゃんとピンイン(四声という中国語の発音を示したもの)入りです。とはいうものの、私のようにそもそもIT用語に疎い人は、それからまず勉強しないとこの辞書持ってても意味ないかも?それと、かなりの用語は日本と同じでITの本場の米語のまんまである。しかし、ヒマな時に中国語の学習を兼ねてパラパラめくって見るのにはなかなか楽しい本である。閑話休題。昨日財団法人ファッション産業人材育成機構・IFIビジネススクールのK先生との話の中で、最近リニューアルしたばかりのニューヨークの美術館・MoMAの話題が出た。「日本の機屋でMoMAに入っている人は一流だと言えるが、数は少ない」という趣旨のことを先生はおっしゃられたのだ。私も、MoMAにミュージアムグッズを収めている方々を何人も存じ上げている。桐生や八王子の機屋さんが中心だが、うちの会社のベンチャー1期生だったアーティストのタカハシマサミさんや、地元企業でバネを作っておられる楓岡工業(株)さんなど、異業種の方もいる。MoMAに取り上げられたことがきっかけとなり、日本国内でも知名度が上がったという話や、アイテムによってはMoMAの中で思った以上に点数が掃けていくという話を聞いており、MoMAミュージアムグッズが、商品に対する一種の格付け機関としてのステイタスの高さを顕示していること、そしてビジネスとしても成功していることを強く感じる。K先生は、「もっと他の機屋さんもMoMAに取り上げられるようにならなければ」というご意見を持っておられるようだったが、私は少し違った観点からの提案をしたい。それは、日本の美術館のミュージアムグッズとして、日本のテキスタイルを販売してはどうか、ということである。周知の通り、日本の美術館、特に公営の美術館の営利事業の運営というのは、ひどく遅れた状況で、赤字は当たり前になっていると聞く。最近はかなりましになってきたとはいえ、収蔵品の絵葉書等を除いて、いかにもちゃちな土産物、お義理で友人知人に配ったらそれでおしまい、といった作り手の思い入れの感じられない商品から、自分で愛用したくなる商品、美術館ならではのセンス、ユーモアとエスプリの効いた定番品で客単価の取れる品揃えへ変えていけば、来館者にとっても、赤字に悩む美術館側にとってもメリットが大きいと思うのだ。MoMAにはミュージアムグッズを開発する専門のセクションがあるように聞いているが、この分野は日本においてはファッション業界出身者が力を発揮できる格好のマーケットだと思う(但し、そんなに大きな市場ではないが)。興味のある方、是非企画書を作ってプレゼンに行かれてはどうだろうか。私なら例えば繊維産地の金沢に開業したばかりの金沢21世紀美術館に、日本のテキスタイルアートを集めたミュージアムグッズのコーナーを作るよう提案してみたいが。森美術館の六本人もいいが、切り口は他にも無数に考えられるはず。隣の江戸博さんにも是非提案したいのだが。「自分のところの催し物の感性を上げろよ、先に」って怒られるだろうね、きっと(笑)。
2004年12月18日
今日は会社を出たり入ったりの1日。いつもと変わらぬ光景だが、2、3日前から「よいお年を」という挨拶が加わり始めた。いよいよ2004年もあと残りわずかである。たまたま私が社内に戻っている時に、Iさんがご挨拶に見えた。彼は今まで勤めていたアパレル機器の商社を退社し、別の企業さんの契約社員兼自分プロジェクトの立ち上げを進めるという。理想的な形での独立だろう。実は、私は心の中で、「彼のような優秀な若い人が自分の後継者になってくれたら」ということをずっと考えていた。しかし、新しい酒は、やはり新しい皮袋に盛らなければならない。ITと中国、両方に関心と造詣の深いIさんならば、繊維ファッション業界の既成概念にとらわれず新しい切り口でのビジネスを創出することだろう。Iさん、おめでとう。そして頑張れ!日が西に傾きかけた午後3時、K先生が来社。先生は、財団法人ファッション産業人材育成機構・IFIビジネススクールの講師を務めておられる方で、合繊メーカーの元マーケティング部長さんだ。といっても、私自身は先生の授業が始まる前にIFIを中退してしまったので、厳密に言うと教え子ではないのだが(^^;;;現在、織物メーカーさんや、地方の織物産地のコンサルティングをなさっておられるので、今日はご自身の事業の参考にされたいからと言ってうちの会社で行っている人材育成事業の内容を聞きにこられたのだ。と言いつつ、途中から私が先生の教えを請う、という形にだんだんなっていった…。現在は私はニット、先生は織物に関する情報を多く持っているのだが、K先生のお話の中で非常に気になる点があった。先生は、「織物メーカーが解決しなければならない問題点が3つある」として、国内の販路開拓(特に、最終製品まで手掛けた上での販売)、輸出振興と、もう1つ、小ロット化が求められる時代なのに撚糸、整経がボトルネックになって対応しきれていない、ということを指摘されたのだ。最後の問題は、織物ならではで、ホールガーメント機の導入が進むニット業界とはかなり様相を異にするような気がする。更にK先生は、「見かけ上の稼働率を上げることに汲々とする機屋が多いが、実質稼働率を60%にしても採算ベースに乗るように生産性を向上させ、人手をかけないスリムな体制にしていくべきだ」と主張された。これには全く同感である。今、産業用資材ではなくファッションテキスタイルを手掛けている織物メーカーさんは、先の需要見通しを厳しく立てておいた方が懸命だと思う。これから日本のマーケットは徐々に縮小していく。その裏には、日本に移民が来ない限りは人口が減っていく、ということがあるのだから、自社の経営も極力スリム化していくようにソフトランディングしていかなければならない。もっとはっきり言うと、大きな機械をドンドン回してくれる若い人の採用は、これまで以上に難しくなるのである。売上高よりも利益率、キャッシュフローを重視した経営への転換、ということを先生はおっしゃられたのだろう。更に、「世界に通用するレベルの機屋は少ない。大多数が普通レベル」と手厳しい指摘も。ううっ、ニット、カットソーの業界も同様の状況で、耳が痛い。JCの来年以降の見通しも憂いておられたが、本当に今、なすべきことは山積していますね。
2004年12月17日
皆さん、feed meterって知ってます?私は今日初めて知りました。確か北海道のITコーディネータ・春日一秀さんのブログから飛んでいってそれから毎日のように読ませて頂いている、仙台のITコーディネータ・ハリーさんのブログ「世祓い」に紹介されていたのだ。わざわざ訪れてくれた方にクリックしてもらわなくてもいいのが便利だね。早速私もトップページに貼り付けました。しかし、feedmeterのホームページの、更新頻度の5段階評価に関する説明で、「ほとんど更新のないものが1、週に数回が2、毎日が3、1日5件以上が4、1日50件以上が5」とあるけれど、個人でもし50件以上更新しておられる人がいたとしたらすごいっすね。さて、本日の本題へ。昨日付けのセンイ・ジヤァナルの、JC2005(ジャパン・クリエーション2005)を振り返った特集ページの中に、島精機製作所の新しい編機2種類について触れた記事があった。さすがにニットを専門とする新聞である。その2種類のうちの1機種、「ニューSES123SI」というマシンについて、最近業界内でちょくちょく「面白いのではないか」という声を耳にするのだ。同機は、ホームページにも書いてある通り、最大30色使いのインターシャのニットの編み立てが可能だというのだ。しかも、「(島精機の編物設計システムの)SDS-ONEの活用で、キャリアのデータ作りが20分以下で出来るようになるなど、大幅に効率を改善している」(同紙)という。トレンド的には、既に今秋冬からコレクションブランドでもジャカードやインターシャのニットは浮上してきている。それと、例えばイーリー・キシモトなどはその代表格だと思うが、グラフィックデザインを切り口に商品の差別化を図っていくスタイルのデザイナーというのは、その方法論がコンピュータが発達した今の時代を象徴するものであり、今後は益々増えてくるような気がする。この機械、ホールガーメントとはまた違ったタイプで、今の時代ならではの面白いツボを突いた商品であろう。日本でも海外でも、色や柄というものに関心の高いニッターさんは、競って触手を伸ばすのではなかろうか。
2004年12月16日
この間からケーキ食べたい病にかかっているさくらが渾身の力を込めて書いたクリスマスケーキの話題が、メンテナンスの為にアップ出来なかった。ガーン。悔しいので今週末は美味しいケーキを食べに行きます。
2004年12月15日
12月13日付のWWDジャパンの特集を見て思い出した。7月のパリメンズコレクションで発表された「ジバンシィ」のオムは、デザイナーがオズワルド・ボーティングに交代して初めてのコレクションだったのだが、期待に違わぬなかなかいい内容だったのだ。関心のある方は、WWDジャパンは地下鉄銀座線の主要駅の売店で一般の方向けにも販売されているので是非買って読んで頂きたいし、「ジバンシィ」の公式サイトのトップページから、「Mode」をクリックして、次に「Homme」、更に「Printemps-Ete 2005」をクリックすると2005年春夏コレクションの作品を見ることができる。オズワルド・ボーティングと言えば、思い出がある。前職の新聞記者時代に、時々九州地区の小売業の取材に行く機会があったのだが、確か98年の春だったかと思うが、博多大丸さんにオズワルドのショップが入ったのを見て、その才能と、服作りの技術力の高さに強烈なショックを受けたのだ。色が黒いガーナ系英国人であるオズワルド本人が着ると一番似合いそうな、ショッキングピンクやコバルトブルーなど鮮烈な色のシャツやタイとスーツとのコンビネーションと、ロンドンのサビルロウ仕込みの美しいパターン…。これはなかなか日本では売れないだろうが、これからこのデザイナーはどんな風に成長していくのだろうかと思い、その頃心斎橋にあったショップをわざわざ見に行ったりもしたものだ。今、名門「ジバンシィ」との出会いによって更にスケールアップしたオズワルドの世界観。細身のシルエットや肩のラインの取り方はオズワルドならではの個性プラスブリティッシュスタイルの流れを汲むものだろうが、黒、グレー、白と、指し色に赤を用いたシンプルな色使いや、ポルカドットによるディテールの遊び、ベルト、バッグ、帽子などの小物使い、デニムを機軸としたカジュアルで肩の力の抜けたコーディネートは、軽妙洒脱なフレンチスタイルそのものにも見える。完璧な構築美を見せつける自身のブランドの直球勝負も良いのだが、名門の歴史と伝統に基づき、一歩引いた所から冷静に組み立てられた今回の「ジバンシィ」でのデビューショー、これは大人の男性(特に細身な方)にとっては非常に魅力的なラインナップに仕上がっているのではないだろうか。ちなみに、英文でGoogleを検索してみると、いろいろな情報が出てきた(今はキャッシュしか残っていないものも多いが)。「ルックオンライン・コム」によると、「オズワルド・ボーティング」本体の顧客には、ミック・ジャガー、デビット・ボウイ、キアヌ・リーブスなどがいるらしい。成程納得、特にデビット・ボウイなんてホントにオズワルドが似合いそうだな~。
2004年12月14日
さて、展示会が終わったら、来場者名簿の作成だ、という訳で、早速名刺の整理に取り掛かった。何事も段取りが重要、という訳で、昨日のうちにさくらや川崎店で購入しておいたソースネクストの名刺管理ソフト「本格読取 おまかせ名刺管理スキャナ付」の封を切る。CD-ROMからソフトをインストールするところまではスムーズに行ったのだが、あれれれ?どうやってもスキャナのドライバがインストールできないよ~(^^;;わが社には、まだWindows98のパソコン(PC)が現役で健在している。私のPCも98だ。「本格読取」のスキャナドライバは、98の場合は、自動検出してくれないので自分でドライバのある場所を指定する必要があるのだが…。何故かその画面に進まず、いつの間にか「ドライバは検出されませんでした」となってしまうのだ。あれこれと小1時間トライしたがニッチもサッチもいかないので、ソースネクストドットコムのFAQを見る。が、「本格読取」に関する項目はたった2つしかない。仕方ないので、ソースネクスト本社のサポートセンターに電話するがなかなか通じないので、申し訳ないなと思いつつさくらやにTELし、その後もう1度ソースネクストに電話して、やっと原因がわかった。昔使っていたマウスのドライバで、今は全く使っていないものがCのドライブの中に残っていたからだそうだ。こういうものがあると、道に迷ってしまうんだね、98は。それを捨てて、ようやくスキャナが使える状態になった。「さあ、これからスイスイ名刺を読み取らせるぞ」と思ったら、これがとんでもない。速度については、事前にホームページやソフトが入っている箱の表示を見ていたのでこんな程度かと思っていたのだが、とにかく誤字がやたらに多いのだ。100枚読み取らせて、全く誤りがないのはたった1枚くらいしかない。間違いをいちいち打ち直さなければなならいので、慣れるまでは非常に時間がかかった。数ある名刺管理ソフトの中から私が「本格読取 おまかせ名刺管理スキャナ付」を選んだ理由は、とにかく安いから(笑)。他のいろいろなソフトの情報を見ると、読取速度の速さを謳っているのはもちろんのこと、英文標記に強いとか、ネットワーク上で名刺管理が可能だとか、一度読み取った名刺の上書き機能等が上げられている。今日実際に作業してみて感じたのは、上書き機能はあった方が便利だな、ということだが、皆さんの中で、名刺管理ソフトを使っておられる方、いかがでしょうか?ご意見や使って見られた感想等を是非聞かせて下さい。あと、常日頃からエクセルで顧客名簿の管理を行っている立場から見ると、アクセルの入力テーブルのようなフォームは項目ごとの境がはっきりわかるので、慣れてくると入力スピードは格段に上がる。それと、名刺をスキャナで読み取らせている間に腕を休められるのも良い。夜になってやっと慣れてきたのか、1時間で40枚程度は何とか入力できるようになった。今日は10時30分頃まで頑張ったのだが、結局予定していた入力完了には至らず。う~ん、残念。明日早めに出社して頑張ろう。皆さんが首を長くして待っておられるもんね。
2004年12月13日
仕事がひと段落着いたので、昨日と今日は久々に読書三昧で幸せな時間を過ごした。まずは、山田雅彦氏著『最新版 これがバカ売れネットショップだ』(翔泳社、定価1,575円)。この本には知り合いが3人出ていた。まずは、うちの会社のベンチャー1期生だったメイド服をネット販売している「キャンディフルーツ」さん(小野さ~ん、お元気ですか?)。しばらくHPを見ていなかったのだが、英語版が立ち上がっている。どんな反響があるんだろうね。欧米よりアジアで受けそうに私は思うんだけれど。次に、うちのビルの1階にリアルのオーダー水着ショップ「ukiuki」を出店して下さっているフットマーク(株)さんのネットショップ「水着で元気工房 うきうき屋」さん。店長のくぼたさんは、ママさんにして、スーパーネット店長なのである。非常に筆の立つ方で、話題も豊富なので、店長さんの日記も読み応えがありますよ。最後に、この楽天広場を通じて知り合った日記仲間のガラスさんの、「匠の革トランク」。これは、革フェチ、バッグフェチには垂涎モノのサイトですね。さくらもお金持ちになったら買いた~い。ガラスさんとは、まだリアルではお会いしたことがないので、実はこの本に載っている写真で初めてお顔を知った。何故か、私が想像していた感じに似ていたので不思議である。頻繁に日記を読ませて頂いているせいか?やはり、文はその人となりを表すのだろうかと、妙に感心してしまった。もう1冊、先週ドリームゲートのイベントで購入した栢野克己氏著の『逆転バカ社長』(石風社、定価1,575円)も読破。2冊の本を読んで感じたのは、素直さと努力。これが成功の秘訣だと。あと、経営者の勉強会、ネットショップ運営者の勉強会など、同じ志を持ちモチベーションの高い人達が集う勉強会の場に参加して学ぶことの重要性だ。うちの会社の仕事は、そういう学びの場の創出なので、それを今後ただ学ぶだけの場から、帰ってすぐ実践する人を1人でも増やすように変えていくことに注力しなければならない。そのためには、私自身が、まずは実践あるのみ、である。
2004年12月12日
さて、昨夜は展示会の後、セミナーまで開催したのでメチャメチャ大変だったのだ。しかし、自社オリジナルブランドの立ち上げも重要だが、「IT経営」、こちらの方は狭義のファッション業界のみならず、全ての業種に関係のある事柄で、やはり非常に急を要する課題である。ということで、午後6時30分から、「IT経営応援セミナー」を開講した。うちの会社のホームページや、セミナーのDMをご覧頂いた方は気付かれたかと思う、三角形の形をした「IT経営応援隊」のロゴマークが入っていることに。これは、経済産業省が推進する「IT経営応援隊」事業のロゴマークである。民用インターネットが立ち上がってまだ10年しか経っていないが、特に2000年以降の後半5年で、ITを経営にうまく活用している企業とそうでない企業の業績の格差は大きく開いてしまった。国は、これから3年間ほどを、やる気はあってもどうしていいかわからないという「ためらい経営者」や、一度IT導入に失敗して懲りてしまった企業さんなど、出遅れ組支援のラストチャンスの期間だと位置づけているそうだ。日本は2007年に、俗に言う「2007年問題」、すなわち団塊の世代の大量リタイア時代を迎え経営環境が激変していくと予想されるため、本当に、この呼びかけは、時宜を得たものだと私は思う。セミナーでは、ITコーディネータ、いわゆる企業さんへのIT経営指南の先生とでも呼ぶべき存在の方々の更に先生、「先生の先生」のような存在で、現在中小企業やITコーディネータのための教科書の策定にも携わっておられる、プロセス経営研究所代表・川内晟宏氏と、株式会社イー総研代表取締役・中村和夫氏の両名に、IT経営とは何か、どのようにIT経営を進めていったらよいか、他業界の具体的事例等について詳しく解説して頂いた。最後に受講者の皆さんからご質問を受けたのだが、IT技術の進化のスピードが速いので非常に強い危機感を抱いておられることがひしひしと伝わってきた。少し時間不足だったので、まだまだご質問されたい方がたぶん多かったのではないかと思い、非常に申し訳なかった。後からアンケートにざっと目を通すと、総論の、まず社長の思いがあって、その思いを実現するためにITを活用していくのだ、というところはすんなりとご理解頂けたようだが、各論の部分については、「難しい」「言葉の意味からして全くわからない」というコメントが続出していた。確かにネットのショッピングモールの話題や、C言語やJAVAではなくPHP、MYSQLという言語の指定でネットショップ開設のコストを落とす話題、中国と日本のやりとりに1万円前後のウェブカメラを買ってTV電話を活用しコミュニケーションの円滑化を図っている事例、VPN対応ルーターの話、RFID(ICタグ、無線タグ)のこと、STILLによる売上、受発注管理システム作成等々、少しでも取り組みを進めていなければイメージすらできないというのは正直な感想だと思う。私自身も、技術的なことは特に全くわからないし、知らないことばかりなのだが、自分のつたない経験から言っても、是非、セミナーで取り上げられていた話題の中から、1つでも自分が興味を持てたことを実際に試してみて頂ければと思う。もし駄目だと思ったら、その時はすぐに止めればよいのだから。すぐやってみて駄目ならやり方を変える、これが大切なのだ。昔のようにじっくり考えてから、では遅い。もう1つ、もうどうにもちんぷんかんぷん、これは大変だ、と思われた方は、是非ITコーディネータにご相談頂きたい。東京東部地区の企業さんならば、うちの会社におっしゃって頂けばご紹介致しますので、1人で考え込まず、すぐに行動致しましょう。最後になるが、今、エリアごとに地域IT経営応援隊というのが結成されていて、様々な活動が始まっている。東京ではまだなのだが。私がよく参考にさせて頂いている中小企業診断士/ITコーディネータ春日一秀さんのブログによると、最近札幌で北海道IT経営応援隊のセミナーが開催されたようだ。(トラックバックもさせて頂きました)。同応援隊のホームページ及び(株)デジックさんのホームページ上から、セミナーの内容がストリーミング映像で放映されているので、関心のある方は是非ご覧頂きたい。今の時代、忙しい人でもネット上からいろいろ情報収集できるから、とても便利ですね。わが社もそろそろ、eラーニングを本気で考えなきゃいかんかな~。
2004年12月11日
墨田区内のカットソーメーカー8社による初の合同展示会「Act21」は、本日を持ちまして2日間の会期を無事終了致しました。主催者の予想を上回る多数のバイヤーの皆様、企画ご担当者の皆様にご来場頂き、暖かい励ましのお言葉を頂きました。心より御礼申し上げます。お忙しい中、本当に有難うございました。また、平素より地元企業及び弊社に対し、力強いご支援を賜っている行政機関等の皆様、取材及び早々に大きく取り上げて頂きました報道関係者の皆様にも、深謝申し上げます。有難うございましたm(__)m
2004年12月10日
墨田区内のカットソーメーカー8社によるグループ「ファクトリーエイト」の、初めての合同展示会「Act21」が今日から始まりました。◆YOMIURI ON-LINE 本日は、お忙しい中、予想以上に多くのバイヤーの皆様、企画ご担当者の皆様等にお越し頂き、本当に有難うございました。同展示会の開催は、明日午後5時までです。是非ご来場下さいませm(__)m
2004年12月09日
明日午前10時30分、グループ「ファクトリーエイト」が、合同展「Act21」にていよいよデビューします。当事者の末席に名を連ねる自分が言うのも何ですが、今日ディスプレイされた8社9ブランドの商品サンプルの数々を見て、「これはひょっとしたら、大化けするのでは」という予感がしてきました。バイヤーの皆様、企画ご担当者の皆様、そしてジャーナリストの皆様のご来場を心よりお待ち申し上げておりますm(__)m
2004年12月08日
今日は展示会の打ち合わせ、若いクリエーター志望の人の相談に乗ったり、IT経営応援セミナーの準備、夜はMD講座パート3の最終回、その後有志による打ち上げと、フル回転だった。とにかく、我社の仕事を手伝って下さっている業界の皆様、業者の皆様に感謝、感謝デス。さあ、明日は8時半までに出社だ、頑張るぞ!
2004年12月07日
今日付けのWWDジャパンの1面トップの記事は、先頃終了した2005年春夏東京コレクションの参加ブランドが、ピーク時の100超に比べ4割減の60ブランドにとどまったことについて触れた記事。同紙はその理由として、世界的にラグジュアリーブランドと呼ばれる老舗のビッグブランドがトレンドをリードしており、かつて東コレを牽引していたストリート系、アバンギャルド系の両テイストが大きく後退してしまったことを挙げている。私も概ねこの論旨に賛成であるが、もう少し自分なりの視点を加えて補足解説してみたい。まず、マクロ的な環境要因として、日本においてはヤングの数が年々減少してきていること、一部の産業の景気は復活しているが、構造調整のしわ寄せは特にヤングに押し寄せており、おこづかい、所得が少ない層がバブル期に比べ増えていること、ITの普及、の3点がある。ヤングの多くは、高い服は買えない、故に我慢するか他のものを買う、という層か、じゃあ安可愛いもの、安いけどこだわりがあって面白い服を買う、という層に属すると私は思う。学校やバイト、会社へ行ったり合コン、デートなど、生活パターンが固定化してしまっている大人と比べ、彼ら・彼女らはまだまだ新しい服でぱりっと決めたいシーンが多いので、数的には後者が圧倒的に多いのではないか。だから、ストリートファッションがなくなった訳でなく、今の時代に合ったストリートファッションの流行はちゃんと存在する。それが、渋谷109系や、セレブカジュアルなどのセクシー系、ゴージャスなエレガンスファッションなのではなかろうか。この流れは、WWDジャパン言うところの、ラグジュアリーブランド、(例えば「ドルチェアンドガッバーナ」や「ディースクエアード」などがその典型だが)、と同期的に動いている。更に、アメリカやイギリスのミュージシャン、女優などセレブの発信する着こなしともシンクロしている。もっと厳密に言うと、当初は海外の業界人は、日本の渋谷のストリートからかなり影響を受けたのではないかと私は思っているが、今やお互いに影響を与えたり与えられたりしている。その生命力と肉感・情感溢れる南国系の女性像、疾走するスピード感、躍動感はネット時代ならではの勢いに溢れた生き生きとしたものだ。ここで表現されている女性像は、明らかに、今の時代の気分にマッチしたものである。しかし、何故か東コレに参加するクリエーターでこういうゾーンにマッチした商品を出す人が少ないのだ。みんな暗くて哲学的でおりこうさんでエエカッコシーなんだね、きっと。「ドレスキャンプ」と「ハンアンスン」くらいか。商品の完成度云々は別として、時代の気分を的確に捉えているという意味では、私はこの2ブランドをやはり高く評価したい。プラス、ビジネス的にも軌道に乗っているようだし。この2ブランドには、企業のバックアップがあるということも見逃せないと思う。最早、インディーズでなけなしのこづかいをためてデビュー、という形からでは、ビジネスの拡大は難しい時代になっている。日本の名だたるアパレル企業は、海外のラグジュアリーブランドに負けず、これと思う人材をバックアップしてデビューさせてはどうか。ショーをそんなに数多く見た訳ではないし、渾身の力を込めて懸命にデザインし商品を作りショーを行っている方々に向かって安易なことを言える立場ではないが、東京のデザイナーに不足していると思うアプローチが2つ。1つは、前述の、「時代の空気」を反映させた服づくりである。もう1つは、「地域」を考える際、海外も良いが、まずは日本国内で自分が育ったり、学生時代を過ごした地域、自分の血となり肉となる部分、オリジナリティのコアを養ってくれた故郷の個性、泥臭い部分を徹底的に掘り下げてはどうか。この辺が、例えばイタリア出身のデザイナーでもイタリアのどの地域出身かによってかなり雰囲気が違うような様相とは違い、日本人デザイナーの弱いところだと思う。今、東コレには海外のファッションスクール出身者の姿がかなり見られるようになった。ヨーロッパの教育は「個性」を徹底的に掘り下げるようなものだと耳にするが、個人主義が確立していない日本人の場合それが社会との関わり抜きに狭い範囲のミーイズム、個人的趣味に堕していく傾向があるのではないかという気がする。時代や地域というものについて、もう少し視野を広く持ち、「わかってくれる人にだけ買ってもらえばいいんだ」というのではなく、共感の輪を広げる努力が、今の東コレにはやや足りないのではなかろうか。
2004年12月06日
昨日はドリームゲートのイベントに参加する前、錦糸町の複合商業施設「アルカキット錦糸町」に立ち寄ってきた。日本アパレル産業協会さんが、1日から10日までオンワード樫山のブランド「組曲ファム」でICタグの実証実験を行っているというので、様子を見ようと思ったからである。以前この日記でも一度書いたことがあるように、「アルカキット錦糸町」は、昔の「錦糸町そごう」跡に出来た施設で、「アカチャンホンポ」や「ザ・ダイソー」などの大型のカテゴリーキラーや、CD、書籍の大型店、高級食品スーパーの「クイーンズ伊勢丹」などが入っており、そごう時代よりは入店客数も増えなかなか活気がある。衣料品関係では、1階にオンワードの「MIX-O」(この中の一部が「組曲ファム」である)、ワールドの「3can4on」「HUSHASH」「ジ・エンポリウム」、2階にイトキンの「MAXY」と、郊外型SC向けに大手アパレルが開発した新業態が揃っており、専門学校生、OL層と、子供連れのヤンママ層の両方をうまく取り込んでいる。私が「組曲ファム」をチェックしに訪れたのは午後1時20分から50分くらいまでだが、お客様は常時3名から6名前後滞留していた。ご存知の通り、同ブランドは子供服(やや女児向けが男児向けより多い)及び婦人服の複合ブランドである。一通り売り場を見て回ったところ、ICタグらしきものは3タイプ存在した。目測なので間違っているかもしれないが、4センチ×6センチくらいの大きさのラミネートフィルムに包まれたものが2種類と、2.5センチ×8センチくらいの、長細いラミネートフィルムに包まれたタイプのものが1種類。前2者のうち1種類には符丁のような記号や文字が入っていた。インターネットで見た大日本印刷製のものに似ているが、確かめた訳ではないのでそうかどうかは不明。このタイプが一番数多くの商品に付けられており、売り場のトドラー向け子供服のコーナーの1つ(什器7つ分)が完全にICタグ実験用に決められていたようだ。ここの什器には全て「商品の一部にICタグを取り付けている」旨の表示もされている。もう1つは、同じ大きさだが文字、数字等は何も記されていない。これは、店頭に近いところに置いてあったバッグの一部と、奥の子供靴の1品番にのみ付けられていたようだ。長細いタイプは、店頭の一番良い場所にある婦人服用のラックのショートコートやスカートなどに付けてあった。後者2つの売り場には、ICタグ取り付けをお客様に知らせる表示はなかった。但し、レジのところにはトドラー向け子供服のコーナーと同じ表示はきちんと置かれていた。いずれのタイプからも、小さいものではあるがそれと知っていればここにICのチップが入っている、ということは肉眼でもはっきりわかるし、さわるとそれなりの感触もある。しばらく店内でお客様の様子を観察していたが、「これ何?」とか「ICタグって何ですか」などというような声は全く聞かれなかった。皆、意に介さず普通に試着したり買い物したりしていく。私も女児向けのプルオーバー1着と、トートバッグ(いずれもICタグらしきもの付き)を買うため、レジに持参。すると、アレレレ、ICタグをはさみでチョキンと切って、レジの横にしまいこんでしまったではないか。PDA型のリーダーで、売り上げになったタグを読み取らせる場面を目撃できると思っていたので、拍子抜けしてしまい、「ICタグ、読み取らせないのですね」と言ってしまった。販売員の方曰く、「そうなんですよ、入荷検品の実験をしているのです。それと、売り上げを立てる作業は、奥で行っています」とのことだった。こうなったら素性を正直に明かして、少し話を聞いた方がよいと思い、両国の某産業支援施設の職員であることを名乗った。タグは私が予想した通り、やはり3種類。「折れませんか」という問いに対しては、「今のところ1枚も折っていません」との話だった。想像通り、業界関係者はかなり多く店頭を見にきているそうである。詳しくは日本アパレル産業協会さん自身からの結果の発表や、RFID関連の専門サイト等の報道を待ちたいが、私なりに実際に店頭に足を運んでみて感じたことがいろいろある。まず、レジのところではさみでタグを切る、という行為は、アパ産協さんが打ち出している「ICタグはプライバシーの侵害にならないよう顧客には持ち帰らせない」という方針に基づくものだと思う。これは、ひと手間かかる作業だが、こうしておけばクレームが起こる可能性も著しく減るし、リードライト方式(1枚のICタグを何回も上書きして使用する方式)を取った場合のリサイクルも進めやすいので、よいことだと思った。次に、今回の実験は、販売員の方の話だと、小売店頭への入荷検品及び売上登録のみの実験のようだが、この他、店頭で考えられる実験として、リアルタイム在庫確認、売価変更、返品、万引き対策、棚卸しがあると思う。今も続いている三越日本橋店と靴のシンエイとの実験では、顧客にもわかる形でリアルタイム在庫確認の検証が行われているようだ。アメリカの場合、万引き対策というのが大きくクローズアップされているとも聞いたことがあるが、日本の場合は、私の過去の経験から言っても、やはり棚卸しの省力化が実現すれば大きな成果だと思う。いくつかのホームページでも、「理論上は毎日棚卸しも可能」と書いてあるので、これについても是非実験して成果を披露して頂ければと思う。第3に、昨日見たICタグは全て、これまでのバーコートとブランドタグが一体化したタイプと違い、顧客にブランド名や価格がわかるものにはなっていなかった。ということは、やはり従来通り、ICタグを挟んだラミネートとは別に、紙のブランドタグ兼価格表示は必要になるのだろうか?レジでの回収を前提としなければ、一体的な表示も物理的には可能なような気もするが、昨日の様子だと、今のところ対お客様向けの情報を記入した紙のタグは当面存続していくような印象を受けた。第4に、ICタグは、繊維ファッション業界で長らく叫ばれているSCM(サプライチェーンマネジメント)という異企業間のやりとりよりも、SPA型のブランド、ショップの自己完結型ならば、恐らくかなり早く普及していくだろうという気がする。今、異業界で、大手企業が単独でリアルタイム在庫確認のためにICタグを導入していく事例が出てきているが、どう考えても1社でコトを進める方が決定、実行は早いだろうから。業界全体で、ということになると、電波帯域の問題、タグそのものの標準化の問題が出てくる。物流センターの中で、どの範囲までリーダーが効力を発揮するようにするか、この問題はかなり難しい気がするのだが。だが、もし、日本のアパレル業界がこの問題に先鞭を付け、早く標準化を進められるならば、うまくするとICタグのデファクト・スタンダードを日本発で普及させていくことも可能になってくるのかもしれない。ちなみに、この日記を書くためにいろいろホームページを検索してみると、電子商取引推進協議会(ECOM)のホームページの中に、昨年度の「官民合同ICタグ米国視察調査」のレポートが出てくる。その中に、ソーホーのプラダ、あのエピセンターではICタグを非常に先進的な用途に用いているというくだりがあった。プラダのロゴがエッチングされた特殊仕様のICタグを、アンテナ付きの試着室に持ち込むと、商品のデッサン、素材、色、サイズに関する情報やファッションショーが見られるというのだ。ちなみに、このICタグは、在庫管理と売上計上には使われておらず、盗難防止用のタグも別についているという。さすがラグジュアリーブランド、この種の情報に関する感度の高さも並外れている。こういう面白いニュース、最近の業界紙誌は全く報じないが、本当にもう少し視野を広げてニュースをピックアップしていかないと、日本のファッション業界は益々世界から遅れていってしまうと思うのだが…。もっともっと頑張ってチョ(>
2004年12月05日
何度もこの日記でご紹介させて頂いているDG(ドリームゲート)の話題。今日は、横浜の岩崎学園大ホールで、栢野克己さんと、私が尊敬するDG総合プロデューサーの吉田雅紀さんの「バトル」(ホームページにも、パネルディスカッションとかトークショーとかではなく、ちゃんとバトルと書いてあります!)を聞きにいった。(栢野さんと吉田さんのブログからトラックバックさせて頂きました)。栢野さんはブログ愛好家の皆様や中小零細企業の経営者層には非常によく知られた方なので、この場ではご説明は敢えて避けたいが、ご存知ない方は、是非、栢野さんが主宰される「九州ベンチャー大学」のホームページと、ライブドアの日記、楽天日記をご覧頂きたい。私が栢野さんのことを初めて知ったのは、今年の1月、村上肇さんが主宰するe製造業の会大阪セミナーに講師としてお招きされたからである。栢野さんの共著書『小さな会社★儲けのルール』(竹田陽一氏と共著、フォレスト出版)もそれを機会に初めて読んだのだが、中小零細企業及びベンチャー企業で経営に携わる方は、あれこれ多くの本を読むヒマがあったらこの1冊を繰り返し繰り返し読み、読むだけでなく実践した方が良いと思う。それくらい、この本に書いてあるランチェスター戦略は、小資本で少人数の社員しか持てない、場合によっては一人で企業活動を営んでいるというような企業にとっては重要なことだと思う。今日の講演の中でも、栢野さんはそのことを強調されていた。「大企業が出てこないような小さな市場、田舎が良い」と。私も昔は地方にいて地方の成功した企業を幾つも知っているので、おっしゃられることは非常によく理解できた。それから、「早起きと掃除、人に会うことが重要」だというお話、これは、何度も失敗され苦労しておられる栢野さんならではの実感なのだと思う。懇親会の席上で、著書を購入された方々と言葉を交わし、一人ひとりにサインをしておられた。私も書いて頂いたが、「日記を読ませて頂いています」というと、「是非書き込みもして下さいね」とにっこり。こんな風に言われると、書きたくなりますよね(^^)しかし、何より感激したのは、栢野さんの身のこなしの早さ、動きの切れ味のよさである。講師として紹介を受けた後、壇上まで駆けつけさっと飛び上がるようにして上がられた姿が非常にかっこ良かった。動きの早い方には仕事の出来る方が多いと私は思うのだが、さすがにキックボクシングをなさっておられる方です。この姿を拝見できただけで横浜まで出向いた甲斐がありました。栢野さん、吉田さん、そしてDGスタッフの皆様、有難うございましたm(__)m
2004年12月04日
夜の丸ノ内を抜けてEC研究会の懇親会会場へ急ぐ。クリスマスのイルミネーションが光る街。都会ならではの人工的な光景だが、色鮮やかな光には心癒される。どうかクリスマスまでには、冬らしい寒さが到来しますように。厳しかった2004年も、残すところあと1か月を切った。さて、展示会準備に追われつつも、何とかビッグサイトには短時間だが足を運ぶことができた。年末好例の繊維総合見本市「ジャパンクリエーション(JC)」の、今日は最終日である。繊維ファッション関連業界紙各紙が報じている通り、昨日までの来場者数は前年に比べ減少傾向にあったようだ。今日も、私が自分の目で見た感触でも、また、いろいろなブースの知人から聞いた感想でも、「やはりお客様は少ない」という印象であった。2004年6月18日付けのこの日記でも書いた通り(自己トラックバック致しました)、有力企業はJCより年2回開催で入場を完全にバイヤーに限定しているJCプレビューの方に力を入れるようになってしまったようである。今回の話題の1つに、海外の出展者を初めて受け入れた、ということがあった。フランスパビリオンだが、出展者数は7社、ブースも小さく、やや期待外れ、の感も否めなかったが、それでもさすがにフランスの企業らしいな、と思われる商品構成でキラリと光るところを見せていた。レースや、ストレッチ系のジャージ、シルクのプリント等を扱う企業群であったが、2005年春夏及び2005~2006年秋冬のトレンド、すなわちカラーや柄の傾向等を意識したものづくりが行われている。この辺が、日本の産地の織物メーカー等の弱い部分なのだ。1998年から始まったJCも第7回目を向かえ、初期の頃の、「全国のやる気のある織物メーカーさん、製造業の方々と直接話が出来る」という熱気と興奮のようなものは完全に薄れてしまった。アパレルや企画会社サイドから見て、どこそこの産地にどういう企業がある、という情報はある程度行き渡り、新顔が登場しないので「JC見に行ってもしょうがないよね」というムードがあるのだと思う。JCの開催は、日本の繊維産業の歴史にとって画期的な出来事だったと私は思っている。そして、今でもアジアの国際見本市として海外企業にも更に門戸を開き開催を継続すべきだと思うが、日本国内の産地の企業さんに対しては、「まずは存在を知ってもらう」という第1段階をクリアした今、第2段階にステップアップすべきなのではないかと思うのだ。その1つは、フランスの出展企業のように、各企業の特徴を生かしながら、シーズンのテキスタイルトレンドを自社なりにうまく落とし込んでこなす、という作業である。他の方法論として、第2にストックサービス等、便利で新しいビジネスモデルの提案と、第3にトレンドではなく確立されたスタイルの提案、というのもある。この2つの方法論をからめたものとして、今回の会場で目立ったのは、産元商社による一般消費者向けのテキスタイルの小口ネット販売とか、染め、織りにこだわった衣料品やバッグ、マフラー等のトータル展開でネット販売、TV通販での販売とか、リアルの店舗販売ではない、ネット通販、TV通販の分野への進出事例である。後者の切り口の方が、ある意味では第1のトレンドの落とし込みよりは産地の企業さんにとっては取り組みやすいと言える。だが、その分、ここにきて急速に競争も激化してきている。第1の方法を自社のみで行うのが困難だと思うのならば、企画会社さんの知恵を借り、協業すればよい。うちの地元の企業さんでも、ある企画会社さんとタイアップしてからめきめき商品サンプルが洗練され、特にカラー出しが著しく改善されてアパレルさんからの引き合いが急増した事例があるので。いずれにしても、日本の産地メーカーは今、もう一段のレベルアップを図らなければならない時期を迎えているのだと私は感じた。
2004年12月03日
イタリア貿易振興会さんのご厚意で、来年2月も今年に続いてピッティ・イマジネ・フィラッティ2006年春夏展に入場させて頂けそうである。パソコンは抱えていくつもりだが、心配なのはやはり接続。プレス待遇にして頂ける模様なので、最悪の場合でも1回はプレスルームから送信できると思うが…。頑張ってホテルや空港からもイタリアからのレポートを送信しようと思うので、皆さん楽しみになさっていて下さい♪さて、今日の本題。今日付けの繊研新聞の1面トップ記事は、「ユニクロ」のファーストリテイリングの経営計画について。「10年度グループ売上高10兆円構想の具体化に向け、国内外でファッション関連企業との提携や資本参加、M&A(企業の合併・買収)を加速する」(同紙)という壮大な目標だ。先頃同社はアメリカ進出を発表したばかりだが、それは現状約3,400億円(2004年8月期売上高)を約3倍にするための計画の端緒であった。同社の動き方は、完全に旧来型の日本のアパレルや小売業のそれとは違う。最初から最後まで自社の作りたい商品や顧客ターゲットに拘り、その狭い範疇の中でのみ動いていくのではなく、潤沢なキャッシュフローを背景に、事業としての投資効率、社会的貢献度等を客観的に判断してリターンがあると思えば事業化する、というものだ。判断基準がはっきりしているから、食品事業「SKIP」の時のように、失敗した時の事業の見切りも早い。マーチャンダイジング以前に、マネジメント優先の戦略的行動である。欧米、特にアメリカのアパレル業界と同様な価値観ではなかろうか。現在の日本において、専門店の分野では、唯一、とまでは言わないが、グローバル・スタンダードに準拠し、オリンピック、ワールドカップで戦える突出した力を有するのは間違いなくファーストリテイリングである。繊研新聞によると、「(売上高1兆円を)実現するには「現在の3~4倍のハイレベルの人的インフラが必要」と柳井会長が発言された模様だが、現在の日本のファッション業界の状況は間違いなく同社の人材採用にとっては有利に働くだろう。まだまだこれからシュリンク(縮小)していく業界の負け組企業に見切りをつけた優秀な人材、あるいは勝ち組からも同社に魅力を感じて移籍する人間はどんどん出てくると私は思う。残念ながらマネジメントを担う人材はわが業界出身者よりは、異業種のMBAホルダーなどに占拠されてしまうだろうが、商品戦略においては、業界出身者しか持っていないノウハウがあるからだ。プラス、遠からぬ将来は、中国を中心に海外の優秀な人材もファッションやマネジメントの分野に加わると思う。同社の実力主義の社風ならば、外国人も日本人と一緒になってバリバリと実力を発揮するのではなかろうか。しかし、2004年下半期の世界のファッション業界のニュースを見ていると、グローバルSPA各社は益々絶好調、更に出店エリアを拡大し、マーチャンダイジングや広告宣伝の手法等も益々洗練されレベルアップしてきていることを痛感する。インターネット、ブロードバンドの普及も強大なブランドが国境を越えて知名度を上げていくことを更に後押ししていることは、この楽天さんのショッピングモールやヤフオクなどで周知の通りである。日本のファーストリテイリングのライバルはというと、この日記の中でも度々取り上げてきたように、アメリカのGAP、スペインの「ZARA」等を擁するインディテックス、スウェーデンのH&M(ヘネス&モーリッツ)などである。GAPは先頃、「GAP」ブランドより一格上の「BANANA REPUBLIC」の日本出店を来年から開始すると発表したばかりである。11月27日(土)のこの日記でも触れた通り、インディテックスは基幹ショップブランドの「ZARA」に次ぐ次世代のショップブランドの育成を着々と進めている。また、「H&M」は、聞くところによると、ヨーロッパで商品構成やVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)を店舗によって変える実験を始めているようだ。ファーストリテイリングは、自社のようなグローバルSPA企業に今大きな大きな風が吹いてきていることをちゃんとわかっているのだ。2005年は、グローバルSPA企業旋風が今年以上に吹きまくると私は思う。この世界的バトル、一消費者としては非常に楽しみであるが、ファーストリテイリング以外の製造メーカー、アパレル、小売業の立場に立って考えるならば、同社の動きに惑わされず自社のスタンスを貫き地に足のついたビジネスを進めることが肝要だろう。
2004年12月02日
この記事の斜め上に載っている「宝島社 IP携帯、全社に導入」というニュースも気になったのだが、専門領域外なのでアメリカの高級百貨店、ニーマン・マーカスに関する話題の方を今日はご紹介しよう。インターネット戦略USA代表、川端宣智氏が執筆された、「米国発eコマース最新事情」という囲み記事である。それによると、既にブリック・アンド・モルタル、即ちネット販売の方でも確固たる実績を持つニーマン・マーカスが、「フェラガモ」とジュエリーの「デビッド・ユーマン」の米国内のネット販売を全面的に請け負う、というのだ。googleで検索すると、InternetRetailer.comというサイトが同じニュースを取り上げていた。「デビッド・ユーマン」の方はまだリニューアルされていないが、フェラガモの方は既に「SHOP(US only)」というニーマン・マーカス仕様のページが立ち上がっている。この記事を読んで思ったのだが、以前日本のバーニーズのネット販売に触れて書いた平成16年9月4日(土)の日記(自己トラックバック致しました)へのtak-shonaiさんとのコメントの応酬の中でちょっと触れたように、百貨店というのはネット販売は非常にやりやすいポジションにある。理由の第一は、顧客、という大きな財産を既に抱えていること。第二は、バックヤードに大きな物流設備=配送センターを有していることである。ネット販売の規模が大きくなればなる程普通はこの問題が業務拡大のネックになってくるのだが、当初は投資ゼロでも外部委託なしで始められるからである。ただ、残念ながら、日本の百貨店ではeコマースはまだまだ著についたばかりである。その最大の原因は、自社でリスクを張って商品を完全買い取りで仕入れておらず、売り場の大半を消化仕入れや委託販売でアパレル、納入業者等に任せてしまっているため、ネット上でもリアルの店舗同様、リスクが張れず、また、アパレルの商品を売らせてもらうための交渉の場すら設けられないからだと思うのだ。私は売り場の全てが完全買い取りであるべきだ、というような現実的でない考え方は持っていないが、現在のように小売業側の自主マーチャンダイジング(MD)に乏しい売り場の状況は、極めて憂慮すべき、深刻な事態だと思っている。外資のネット販売を肩代わりしてあげよう、つまり、小売業らしく売り切ってあげよう、というニーマン・マーカスの生き様とは正反対に、日本の百貨店はとんでもなく不利な条件の掛け率で売り場の一等地を外資に明け渡してしまっているのが現状ではないか。アメリカは階層分化が進んでいるから、というのも一因だが、百貨店各社は自社の顧客像を明確に絞り込み、そこにフォーカスした自主MDを組んでいる。ニーマン・マーカスの場合、最高級ゾーンの富裕層の客層である。同社のサイトにも、リアル同様、ちゃんと「Personal Shopper」のページが設けられている。サイズ、デザイナー名、色の好み、価格帯等の希望を書き込んでメールすれば、リアルの店舗もしくはメールでお勧めの商品をアドバイスしてくれるというものだ。これは、百貨店ならではの手法をネット上に置き換えたものである。また、品揃えそのものも、ご覧頂けばすぐわかるように、ウォルマートやアマゾンなどとは違う、百貨店らしい商品ラインナップになっている。日本のリアルの大手小売業は、何故自社はネット販売ができないのか、その裏に企業としての本質的な問題=小売業として真摯に顧客に向かい合っていないということ、が潜んでいないのかを真剣に省みるべきなのではなかろうか。
2004年12月01日
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