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午後11時過ぎのJR蒲田駅ビル内のマクドナルド。一人の若い女性クルーが、「マックシェイクいかがですかー」と大きな声で呼び込みを行っている。閉店時間を既に少し過ぎているが、同店の店長やクルーの判断による自発的行動なのか、それとも本部の指示なのか。この、売り切る執念はすごい。尊敬に値する。最近のファッション業界は自分も含めてこういう執念を忘れかけてはいないか。あきらめが早すぎるのではないか。明日からバーゲン月突入。最後の最後まで、売って売って売りまくろう!6月27日付けのエッセー「アクティブ・エルダー向け新業態、新ブランドの開発を急げ」の中でご紹介したUA(ユナイテッドアローズ)さんの新規事業の件を、繊研新聞の記者が同社常務の栗野宏文氏(注:先日お名前を間違って栗野正文氏と表記しておりました。申し訳ございませんでした。翌日から訂正致しております)に取材したらしく、本日付けの同紙1面トップのニュースになっている。45歳から60歳前後の“ゆたかな大人”を対象としたメンズ中心の新ブランドの名称は、「ダージリン・デイズ」に決定、同社の実験業態「UAラボ」として立ち上げる、との報道だ。記事中のポイントは3点。まず、販路は百貨店で、220平米前後の広さの売り場で来春3店をオープンする、ということ。現在の百貨店は、団塊の世代のリタイアに伴い、これまで百貨店でスーツを購入していた層の百貨店離れを危惧しており、この層、そしてそれよりも若いリタイア予備軍の層に対して訴求力のある商品ラインアップが組めるUAの新業態を大歓迎するだろう。百貨店の売り場としては異例の売り場面積の提案も、UAの実績からすると、すんなりと認められる公算も高いのではないかと推察される。UAが路面店出店を後回しにし、最初まず百貨店を出店立地に選んだのは、既存の30代以下の主力客層や、今同店で20~30万円や場合によっては50万円台のスーツを購入しているような洋服好きの上顧客とは違う新しい客層を取り込みたいを考えているからだろう。ずばり、今、百貨店でメンズを買っており、UAではほとんど買っていない客層の取り込みだ。同社のマーチャンダイジング力から言うと、これは十二分に可能だと思われる。何故なら、伊勢丹新宿店、松屋銀座店の自主編集ショップSOHO'S ROOMなど一部の例外を除き、現在の百貨店のメンズ売り場には高感度なカジュアルのスタイリング提案が全く欠落しているからである。これは、既存の大手アパレル、メンズ専業アパレルにとっては非常な脅威でもあり、また逆に、UAが口火を切ることによって、まずは三陽商会当たりから似たような切り口の」「お友達ショップ」の開発が促進されることになってくるかもしれない。第2のポイントは、生産面での「脱セレクトショップ戦略」。今年2月のIFIビジネススクールのシンポジウムで重松理社長(当時の肩書き。現在は会長)が語ったように、ものづくりを商社に任せきりにするのではなく、必要に応じて、時には素材調達の段階から自社で企画・生産を行っていく。繊研新聞は、これを「マルチ調達チャンネル型スーパーSPA(製造小売業)構想」と報じている。この動きは、今のファッション業界の多くの企業が陥っている行き過ぎた商社丸投げによる商品の同質化と、万一今後商社に何かがあった場合のリスクに備えるものとして高く評価できよう。そのため、6月には企画・製造・販売を行うコンプリスという新会社を設立するそうだ。第3のポイントは、場合によってはショップスタッフに業界外から人材を採用する可能性がある、と言及していること。「コンシェルジェのようなスタイルをめざす」(同紙)そうだ。残念ながら、業界のベテランの接客スタイルは手垢がついたものになっている場合が多い。「店舗周辺の映画、飲食店の情報も持っていてお客を楽しませる能力も必要」という指摘は、正鵠を射ている。どこの企業、ブランドで働くスタッフであっても、こういう情報感度を上げる努力はまずは自分一人からでもすぐさま実行できることではないだろうか。
2004年06月30日
表参道のベーカリーショップ・アンデルセンでランチ。パンが美味しいから、とか、トレンディなスポットで人間ウォッチングに最適の場所だから、というのはもちろんだが、私がここに良く立ち寄る理由は、もっと別のところにある。アンデルセンの店舗は、東京では新宿伊勢丹の地下など限られた場所にしかないが、岡山や広島では珍しいものではなく、バターがたっぷり入ったペストリー類を昔は頻繁に購入していた。広島市最大の商店街・本通りにあるアンデルセンの本店には、私が日本繊維新聞の今はなき中国(岡山)支局に勤めていた時は、広島取材の際には必ず立ち寄った。サンドウィッチならば5分で食べて次の取材の準備に入れるからだ。初心忘るるべからず。アンデルセンの美味しいパンは、私にいつもそのことを思い出させてくれる。打ち合わせの後、南青山散策。この界隈は外資系ラグジュアリーブランド、デザイナーズブランド、セレクトショップの旗艦店が軒を並べる立地だ。例によって移動の合間の限られた時間でのショップ観察なので、今日はデザイナーズブランドに的を絞って見て回ることにする。一番に、昔から好きなデザイナーの一人であるヨウジヤマモトのショップへ。ダンガリーのようなライトオンスのデニムを大胆なモーニングカット(前を短く後を長く段差をつけた裾にしていること)にしたものなど、デニムで思い切って遊んだタイプの商品が目立つ。8万円台の価格設定でも、買う人はいるだろう。後で行ったコムデギャルソンでも、普通と違い藍色ではなく空色に近い青い色にしたデニムを見たが、プレミアムジーンズ全盛、デニム旋風が吹き荒れる現在の市場においては、やはりアメリカでデニム業界でキャリアを積んだ人達の立ち上げたブランドに対抗するのは難しい分野であるような気がする。しかし、昨今のブームの中で、自分のブランドのファンでデニムを着たい人、市場にないデニムが欲しい人に対して、デザイナーとしても何かをクリエイトしなければというチャレンジ精神はさすがというべきだろう。2番目に、三宅一生氏がインテリアデザイナーの倉俣史朗氏にオマージュを捧げたコラボレーションショップ・PROJECt1-KURAMATA SHIROへ。去年の早稲田アートマネジメントコースで両国さくらと同級生だったMさんが現在は倉俣史朗事務所のプレスに転職して頑張っているのだが、彼女もショップに居た。洋服はイッセイミヤケらしい合繊使いのものが多い。フューチャリスティックな素材使い、デザインに、倉俣氏のリリカルで繊細なプリントを載せ、一味違う表情に仕上がっている。倉俣氏のアクリルに薔薇を閉じ込めた「ミス・ブランチ」という名の椅子や、風にゆれる枯れ草のような秒針がついた掛け時計が目を引いた。接客中だったので、早々に退散。次に、アンダーカバーへ。このブランドの、特にレディスの感覚は、すごい、と思う反面、正直いって「わからん」と思うところがある。認めるのはツライが、やはり年なのだ、私も。裏原系メンズのノリの色づかい、デザインに、若い子が好みそうなフェミニンなディテール(例えばフリルとか)がついていたりして、この「キモカワイサ」がある種の女性のツボをくすぐるだろうのか?美的バランスは一部崩れて(というか、意図的に崩して)いるところが、オバサンには見ていてしんどい。ヨーロッパにはこの種の幼さの残るブランドは存在しないと思う。アントワープ派のどのデザイナーだって、みんなもっと大人っぽい。アンダーカバーをひととし取った大人が着るのには非常に勇気がいるような気がする。もし「着ろ」といわれたら、非常に恥ずかしい。何故かというと、デザインの若さもそうだが、今時「カウンターカルチャー」という言葉が似合いそうなブランドはないと思うからである。このブランドを見ていると、年甲斐もなく自意識過剰にさせられる。そういいつつ、職業柄、というか、大胆不敵な性格からか、もし着ろと言われればサイズさえあえば何とか着てしまうのだろうと思うが。最近話題になっている(この楽天広場では、桑原茂一2さまが取り上げておられましたが)MADSAKIとアンダーカバーのコラボTシャツも入荷していた(税込み6,300円)。また、メンズでは、黒茶っぽい生地にプリントを施した男性用スカートが面白かった。続いて隣のディエチ コルソコモ・コムデギャルソンへ。こちらももう6月末なので見慣れた商品ばかりであるが、このお店の場合、インポートブランドとのセレクトショップになっているのでまた違った楽しみ方ができる。ドルチェアンドガッバーナ、ディオール・オム、フセインチャラヤン、マルタンマルジェラ等々。ただ、なんと言ってもアライア。もし体型に自信があったらアライアのデニムのスカートかワンピースを買うのに!川久保玲さんは、ぎりぎりのところでうまくクリエーションとビジネスのバランスを取っている人だと本当に感心する。処分期に近い6月でも「コムデギャルソンシャツ」は訴求力のあるブランドだ。ジュンヤ・ワタナベは女性的感性の人だなと私はいつも思うがやっぱりレディスの方が面白い。メンズの肩章尽きサージ(ウールの生地の一種)のブルゾンジャケットは秀逸だ。最後に、デザイナーズブランドではないが、セレクトショップ・ドゥーズィエム・クラスへ。ここは先日の日記にも書いたエディット フォー ルルと双璧をなすベイクルーズの最高級ゾーンに位置するショップだ。感度の高さと売り上げ面での両立、ということからいくと、今までみてきたデザイナーズブランドとこのようなお店は同列に論じることはできない。明らかに、取り込める客層の幅と価格帯が広いのはセレクトショップの方であろう。入り口のディスプレイにうーんと唸らされた。生成りのリネンのシンプルなノースリーブのワンピースを着て篭を持ったボディが4体。フレンチカジュアルをベースに、清楚で上品、ブルジョワジーの子女の夏休み、というシーンが脳裏に浮かんでくる。業界関係者の皆様、お近くの方は是非是非このディスプレイ、見にいきましょう。この上質な店作り、一貫したテーマ性とこだわりぬいた商品の見せ方は、ネットやTVでは再現はできないと私は思う。リアルのショップでしか表現できない世界観だ。店内も商品量、什器の数を抑えて、非常に贅沢な空間演出となっている。今の時期ならではの工夫として、1階はプロパーのみ、地下1階は一部セール、そして2階には一部秋物が入っていたのもさすが、である。秋物の色調(特にパープルと茶)もきっちりと今シーズンの王道を押さえている。ランバンの濡れ葉色のコート、垂涎ものでしたね~欲しい!!(28万ン千円では、トホホ…)。
2004年06月29日
両国さくらが応援しているクリエイター集団・STORE(ストアー)の記事が、本日6月28日月曜日付けの繊研新聞カラー別冊『h(アッシュ)』に掲載されていた。STOREさんとは知り合ってからかれこれもう3年程になるが、多摩美術大学在学中より大掛かりなインスタレーションを実施し美術界の注目を集めた新鋭で、ここ数シーズンは、服作りを本格的に勉強して頑張っている、未完の大器です。アートとかファッションとかの、既成の枠組みにとらわれないで、己の道を切り開いていって欲しい。次のアクションを楽しみにしてるからね!さて、最近は日本の業界より海外の動きの方が気になったりする。本日付けのWWDジャパンに、世界最大の小売業チェーン・GAPが、トレンド重視の新業態をチェーン展開するとの噂がある、との趣旨の記事を取り上げていたので、早速調べてみた。インターネットで検索すると、これは全く根拠のないガセネタではなく、確かにある会合でポール・プレスラー会長が「既存の3業態(筆者注:GAP、OLD NAVY、BANANA REPUBLICを指す)とは違う新コンセプトの店を出店したい」と発言していたらしい。但し、具体的にはどんなコンセプトなのか、については、その記事には書かれていなかった。◆マネーCNN.comhttp://money.cnn.com/2004/06/15/news/fortune500/gap/しかし、業績も順調に回復した同社にとって、次の成長を既存業態=アメリカンカジュアル、ユニセックスカジュアルの拡大におくのではなく、世界的に見てまだ参入の余地があると思われるトレンディ、フェミニン色の強いレディスを機軸にメンズ、キッズを加えた「ファッションアパレル」の分野に殴りこみをかけよう、というのは、十二分にあり得るのではないかと私は思っている。もちろん、WWDの記事が指摘しているように、新規事業の成功にはノウハウを持った人材の存在は不可欠であるだろうが。ちなみに、ファッションアパレルのSPA(製造小売業)としてGAPのコンペチターと想定されるのは2社。スペインのZARAとスウェーデンのH&Mである。但し、現状の売上高、税引後利益の額、店舗数では、GAPはこの2社を大きくリードしている。GAPの2003年1月期決算は、売上高が159億ドル(前年比9.7%増)、税引後利益が10億3,000万ドル(同115.9%増)、期末店舗数3,022店であったが、ZARAの2003年1月期は、売上高56億800万ドル(前年比15.7%増)、税引後利益5億4,400万ドル(同1.9%増)、期末店舗数1,922店、H&Mの2003年11月期は売上高75億2,900万ドル(前年比6.0%増)、税引後利益8億5,000万ドル(同12.3%増)、期末店舗数945店である。(注:但し、3社の決算数字は、GAPがドル、ZARAがユーロ、H&Mがスウェーデンの通貨クローネで計上されていたため、便宜上、本日の為替レート1ドル=0.82ユーロ、1ドル=7.51クローネで換算した。この方法では、決算が発表された時点での正確な国際間比較とはなりえない)。しかし、売り上げや利益の額ではなく、店舗数の割にZARAとH&Mの利益率が良い、ということが、逆に、低価格帯でトレンディなファッションを訴求するゾーンが世界的に見てまだまだ空白の大きい市場であることを浮かび上がらせている、とも読めるのである。ちなみに、ファーストリテイリング(「ユニクロ」)の2003年8月期決算は、同様に本日付けの為替レート1ドル=107円でドル換算すると、売上高28億1,900万ドル(前年比11.7%減)、税引後利益1億7,300万ドル(同41.0%減)、期末店舗数605店である。財務面だけを見れば、日本の専門店の中で、同社のみが国際競争のステージに上がることのできる実力を備えていると言い切っても過言ではないだろう。なお、ファーストリテイリングは2004年度に入って順調に売り上げを回復しつつあることを念のため書き添えておく。
2004年06月28日
月間業界誌『チャネラー』8月号の、船井総合研究所・小山政彦社長と、紅虎餃子房など205店舗以上の飲食店を有する際コーポレーション・中島武社長との対談(「BIG対談 エルダー市場の特性をどう見るか」)が面白い。2人共、50代半ばで、いわゆる団塊の世代、サラリーマンならば間もなくリタイアの時期に差し掛かる年代だが、『チャネラー』が今月号全体のテーマに設定している、元気な高齢者=「アクティブ・エルダー」のマーケットの可能性について、経営者としての目線と、自らの消費者としての目線双方から放談している。中島社長は、「この10年くらいの間、30代の人々が主導権を握っていたように感じます(中略)。でも、今は若いロジックが崩れてきた感じ」と述べている。それを受けて小山社長が「エルダー層に、お金や時間があるのは、ぼくらの前の世代も同じでしょ。マインドの違いですよ(中略)。…キレイな70歳になるんだと強烈に思いました。たぶんぼくらの世代は、そういう思いを持っていますよ」と応えている。そして、「その世代をつかむには、30代の感覚ではだめなんです」(中島氏)という結論を導き出しているが、将に慧眼だろう。その後、「マクドナルドで育っている若い人と、ある年齢になってからこれと出会ったぼくらは違う」(小山氏)、「ぼくは成熟したリタイアした人たちをもう一回採用しようとしているんです」(中島氏)、「…社長とわかる。でもね、隠しているくせにイヤじゃない(笑)。…それまでよりちょっと暖かい待遇受けるかな、なんて」(小山氏)、「…わかんない人に教えてあげるのはイヤじゃないんです。…こちらのうんちくを相手も理解してくれる、時間に対する満足感ですかね」(小山氏)など、鋭い発言が目白押しだ。興味のある方には『チャネラー』は一般の書店でも販売されているので是非ご購入をお勧めしたいが、さすが一流の経営者2人、自己分析、人間の心理の分析に非常に長けていると感嘆させられた。それと、発想の柔軟なこと。こういう対談が、ファッションの専門業界誌でありながら、業界外の企業のトップ同士の企画になっているのも無理はない。ここ数年、例えばコンサルタントで名古屋学芸大学教授の高見俊一氏などの業界の有識者から、アクティブ・エルダー向けのファッションの提案の必要性が叫ばれてきたが、今秋立ち上がる大手アパレルの新規ブランドのラインアップを見てもわかるように、何故かどの企業もこの市場に向けての新業態、新ブランド開発には取り組もうとしていないからだ。過去においても、私が記憶する限りでは、親娘3世代をターゲットとしたレナウンの「スタイズ」というブランド(現在は休止)くらいしか、このマーケットに真っ向から挑んだ例はない。その理由として考えられるのは、中島、小山両氏が指摘しているように、このマーケットが理解できるのはやはり顧客ターゲットと同世代の人達だからだと思う。この世代は、経営者は別として、社員ならばこれまでならばもうリタイア、となっている年代だからだ。だが、人生80年の時代を迎えた現在、60歳になっても事業意欲の高い方々は多くいらっしゃるはず。また、厚生労働省がらみの施策で、高齢者の起業及び雇用については様々な補助金等も用意されている。今、ユナイテッドアローズの重松理社長(注:明日付けで会長に就任)とクリエイティブ・ディレクターの栗野宏文氏がこのマーケットに向けた店舗を開発する意向を公式に表明しているが、一旦ある企業をリタイアされた方々の中からも、是非自分が着たい服、欲しいものがあるブランド、ショップに挑む方々に出てきて頂きたいと切実に思う。また、大手アパレル、中堅アパレルならば、かつて自社に在籍していた社員で事業意欲を持つエルダーと業務委託契約を結ぶ、という手法も考えられるだろう。この2~3年が勝負時であろう。今頑張らなければ、せっかくのゆとりあるこの世代の消費が、またまた他産業に流出していってしまうことになるのではないかと思うのである。
2004年06月27日
昨年度の映画館入場者数が日本一だったらしい川崎チネチッタで、「トロイ」を観てきた、遅ればせながら。単純な感想を書くのは今更、の時期なので、衣裳について少しうんちく話を。インターネットで既に「トロイ」を鑑賞した方々の感想をさっと読ませて頂くと、「トロイ側の藍色の衣裳がきれい」「綿、麻使いが涼しそう」「ブラピ(ブラッド・ピット)の太腿があらわなスカート姿が印象的」といったコメントがかなり見られた。藍染めについては私も気になったので調べてみたが、ネットや自分が所持している服飾史、テキスタイル史の本には予想通り出ていなかった。なんせ、紀元前1200年頃の話なので、完全に近い形で残っている衣服は発見されていないようだ。但し、この時代、いわゆる歴史上「小アジアの時代」といわれる頃は、「革細工や金・銀・青銅の金属細工が盛んで、葬礼用の黄金のマスクや冠帯、銀杯や銀壺など優れた金工品が今日に残されている」(深井晃子監修『世界服飾史』、1998年初版、美術出版社)ようだ。映画の中で王や王子達が身に着けていたような宝飾品に近いものは実存していた訳である。それから、素材の麻、は正しいが、この頃のヨーロッパには綿は存在しない。メソポタミア発祥の毛(ウール)ならば考えられるが。ちなみに綿の発祥の地はインド、絹は中国である。ギリシア時代と言えば、服飾史の知識が多少ある人ならば、後世19世紀末~20世紀初頭のベルエポックからアールヌーボー、アールデコの時代のマドレーヌ・ヴィオネらや、更に1980年代の三宅一世、川久保玲、山本耀司に影響を与えたドレーパリー(ドレープ)使いの「ペプロス」や「キトン」という衣服が思い浮かぶが、これはもっと時代が下る紀元前6世紀以降のものである。また、何かと話題を呼んだ、ブラピを始め男性陣のスカートだが、やはりギリシア時代は、それ以前のエジプト時代の「シェンティ」と呼ばれる腰衣に近いものを身に着けていたようだ。但し、前述の『世界服飾史』によれば、この時代のミュケナイ文明では、「男の衣服はエジプト風の腰衣からショート・パンツの形態に変化している」とある。スカート、パンツ双方存在したとしても、映画的には絵になるのはどう考えても腰衣だと私は思うけど。映画「トロイ」の公式サイトには、映画衣裳担当のボブ・リングウッド氏の「世界中から必要な織物を集め、3000年前と変わらない織り方を研究、イラク、トルコ、インド、スリランカ、中国に製作をアウトソーシングし、4か月半で8,000着の衣裳と10,000足の靴を用意した」という趣旨のコメントが紹介されている。◆映画「トロイ」日本版公式サイトhttp://www2.troy.jp/phase2/pnotes.html製作が行われた国は全て現在の繊維、特に縫製の大国だが、この中に太古の昔の4大文明の地域がエジプトを除いて揃っているのが興味深い。
2004年06月26日
ついさっきまで渋谷のコルクルームで、東京山の手・高円寺で婦人服の縫製工場を経営しているS社長の講演を聞き、親しい方々と飲んでいた。久々に、体が熱くなる良い話が聞けて大満足の雨の夜。S社長は、実は私が勤めている会社がOEM、下請け主体の工場さんを対象に行った昨年度のアパレルマーチャンダイジング講座の受講者だったので、既知の間柄だったが、地元・両国の方ではないので、実際のところどのような考え方でものづくりや人材育成を行っておられるのかを詳しく伺ったのは今回が初めてのことだ。私を始め、聴講者の多くが感嘆の声を上げていたのは、同社の社員さんの育て方だ。入社の時点から、貴方はパターンナー、貴方はオペレーター(縫製工)という職種分けはせず、全員にオペレーターを経験させる。早い人は2年半でグループリーダーとなるそうだが、その後、そこまで到達した人全員に対し、パターンの作成と、工業用パターンへの変換の方法を指導するというのだ。更にその後、裁断、プレス(アイロン)、CADへと進む。つまり、全員が単能工ではなく多能工なのである。多くの経営者の考え方は、苦労して縫製をやっと身につけたばかりのオペレーターを異動させると、ラインがガタガタになってまた一からやり直しではないか、というものだ。だが、S社長は、工場を安定させるのは極力バラツキをなくすことである、という信念を持っており、非常に細かい工程分析を行い時間当たり作業量を測定してオペレーターの能力を客観的に測定する仕組みまで構築している(驚くことに、トヨタ生産方式の「作業の見える化」に近いこの仕組みは、書物や人に頼らず、自身で悩みながら少しずつ作り上げていったものだそうだ)。では、何故、苦労して次々人を育てているのか。S社長はその理由を、「何かができるようになった時、次の目標を見せてあげないと社員は頑張れないと思ったから。自分自身がまずそういう人間だから」と説明した。ある方も懇親会で述べていたが、日本のファッション業界の企業の多くが「スターシステム」に依拠している。すなわち、ものすごくパターンがうまくスピードも速い一部のスターが会社を支えているか、もしくは実際はチームで仕事をしているかそうできる条件は持っているのにベテランのスターのお陰で会社が回っていると誰もが思い込んでいるか、である。この「スターシステム」の呪縛から逃れ、きちんとした業績評価と目標管理の仕組みを作ることによって、同社の社員は全員が社長がびっくりするくらいの成長を遂げているとS社長は誇らしげに語っていた。次に同社がすごいのは、会社としても着実に一歩一歩ステージを上っているところである。最初、ドメスティック(国内)の最高級プレタの縫製工場としてスタートし、次にウエディングドレスのオーダー、そして仲間3社と共同で協同組合を作りレディスのオリジナルブランドを立ち上げ、ニューヨークの「インダストリー212」展に出展、現在は日本国内の専門店販路開拓を本格的に行うまでに進化している。そのオリジナルブランドも、面白いのは、トレンドやある特定の女性像をイメージするところから入るのではなく、着心地が良くかっこ良く見えるスーツを作ろう、というファクトリーならではの思いが起点になっている。生地も産地の企業から上質のものを直接調達し、なんとパターン(型紙)作成の基となるボディ(人台)から自分達で作ったという。残念ながら直近のサンプルをまだ見ていないのだが、パワーポイントのビジュアル資料を見る限りでは、非常にシャープで構築的な美しい肩線が出ている。実際の肩幅サイズを聞いてびっくりしたが、アームホールの位置と、目の錯覚を利用した襟ぐりの形、そして絶妙なウエストシェイプが相まって、実寸より5センチくらい肩幅が狭く見える。つまり、女性の体を美しく見せる服だ。「アルマーニやジル・サンダーなど、スーツに強いイタリアンブランドのように、御社のプロトタイプ(原型)は完成しましたね」と私が水を向けると、「まだまだです」と謙虚なお返事が返ってきたが、同社と同社が中心となっているグループが日本の縫製工場の成功事例の先駆けとなりつつある、ということが今日改めて確信できた。懇親会後、河岸を変えての2次会では、S社長と、S社長達のブランドのデザイナーSさん、今回コルクルームの安達市三先生(我が社のカットソーパターンメーキング講習会で講師を務めて下さっているあの安達先生です)にS社長を推薦した企画情報会社のHさん、自身もイラストレーション、パターンメーキングから芸能人の衣裳製作まで手掛け、更に産地企業や若い人材の支援まで行っているWさん、デザイナーを志し、コンテストへの応募を続けているI君、それに私がテーブルを囲み、よく考えたら今までもユルくつながっていたお互いの馴れ初めや、楽しいエピソードの話を肴に盛り上がった。
2004年06月25日
「あれ、どこかで見たお店の写真だ」と思ったら、やはりちょくちょく利用している蒲田パリオの「ファンケルハウスJ」だった。今日6月24日付けの日経流通新聞によると、ファンケルは、化粧品、サプリ等の物販に、ジューススタンドを併設した店舗の名称とストアデザインの変更を進めており、「J」と銘打った店舗としては、蒲田パリオ店は一号店になるのだそうだ。ジューススタンドが出来る前は、サプリをちょくちょく買っていたのだが、現在は同社が成長事業として力を注いでいる青汁を頻繁に飲んでいる。まず、びっくりするのはその価格。小さいサイズと大きいサイズがあるが、小さい方はなんと100円(消費税込み)。今時、自販機の缶ジュースですら120円はする時代に、非常なお得感を感じさせる。この価格設定と比べると、デパ地下の生ジュースなど、いくら美味しくてもやはりそうそうは飲めないわね、という気分になる。次に、感心するのは味。食品・飲料業界において、味の良し悪し、万人に受ける味かどうかは売り上げを決定付ける一番重要な問題だと思うが(ちなみに、私の考えでは、販路開拓もまず味あってこそ、だと思う。例えばコンビニや量販店のバイヤーはいくら大企業が持ってきた商品であってもまずいものは大量には仕入れないはずだからだ)、本当にサラリとして飲みやすい。一杯では物足りない感じすら受ける。おまけに、恐らく店舗販売のみのサービスだと思うが、何種類かのトッピング剤も用意されている。ちなみに、両国さくらはいつもダイエットトッピングを選んでいるのだが(^^;これは、無料である。最後に、化粧品やサプリのポイントカードとは別のスタンプカードも集めることができる。前述の商品群とは別の幅広い顧客ターゲットを意識した戦略であると見てよいだろう。日経流通新聞によると、ファンケルは、今期(2005年3月期)は「J」以外の店舗も含めて過去最高水準の33店舗を出店する計画だという。同社のような財務体質が強く確実な売り上げの計上が見込める企業の出店加速化は、駅ビル、郊外型の大規模SC等にとっては朗報だろう。ファンケルのリアル店舗「ファンケルハウス」「ファンケルハウスJ」は、リアルの店舗ビジネスに慣れた私のような者から見ると、マーチャンダイジングがドラッグストアよりも更に絞り込まれており、ちょっとわかりにくい表現かもしれないが、「カテゴリーキラーのカテゴリーキラー」だな、という風に思える。だが、通信販売から出発した同社の商品構成は、実は「非常に強力な単品通販がいくつか集積した業態」、になっているのである。流行を睨みながら商品を次々入れ替えることはせず、定番商品をリピーターに繰り返し購入してもらう仕組みを取っていることが成功につながっている。(もう一つ、企画ーー製造ーー販売の一気通貫の問題もあるようだが、ここでは割愛したい)。但し、同社にとって前期(2004年3月期)の連結売上高は、創業以来発の減収減益決算だったそうだ。気になって決算資料を見ると、天候不順に影響された発芽玄米事業の問題は別として、コア事業である化粧品関連事業と健康食品関連事業の2つのうち、化粧品関連事業の売上高が前期比6.0%減の349億2,500万円と、大きく落ち込んでいる。特に、「ファンケル化粧品」の基礎化粧品分野が苦戦したようだ。恐らく、今期以降同社がリアル店舗の出店を加速するのも、青汁事業の伸長を狙うと同時に、化粧品事業等の新規顧客開拓を最大の目的としているのではないかと想像できる。通販販路と違い、リアル店舗は来街者数の多い場所ならば、認知度は確実に上げることが可能だからだ。ちなみに、同社の健康食品関連事業の販路別構成比は、通販55.4%、店舗販売20.2%、その他(コンビニ、スーパー等)24.4%であるのに対し、化粧品関連事業は通販62.6%、店舗販売30.4%等である。マルチチャネル化が進んでいる健康食品に続き、直営店出店で早期に化粧品の売り上げも再浮上させたいところだろう。店舗販売でも、顧客データベースの管理やお友達紹介キャンペーンなどでは通販出身の同社ならではの強みが生かせるはずだ。問題は、リアル店舗の出店の際の立地選定及び条件交渉と、いかに財務体質が強いファンケルと言えども急激な出店は販管費の増大を招くということである。この踊り場でこそ、前ローソン会長であった藤原謙次社長の持つノウハウの出番となるか。手腕が問われる。
2004年06月24日
会社から出たり入ったりしながら、いろいろな方と中小企業の将来について口角泡を飛ばして語り合った一日。午後一番、上司と共に、東京商工会議所墨田支部の方とお会いする。前回訪問時と同様、墨田区内の中小企業の状況は全般的には厳しい状況にある、ということだったが、その反面、中小企業の2世、3世で、幾つかの企業で修行したり、アメリカでMBAを取得するまでみっちりと勉強してきた人などが後を継ぎ、業績を大きく伸ばしている事例があると聞き、希望を感じた。今、ある墨田区内の優良企業の経営者の方から、製造業、中小企業のB2Bを推進するための勉強会、組織づくりをしてはどうかという提案が寄せられているという。最近も、墨田区内ではないが、最近起業された企画情報会社の社長さんと、「名刺にIP電話の電話番号を書いていたら、ファッション業界では非常に珍しがられる」といった話から、業界のIT活用の遅れを嘆く話で盛り上がったばかりだったので、「個人的には大賛成。ファッション業界限定でやるより、異業種の方も含めて幅広く呼びかけた方がお互い勉強になって良いのでは」という見解を伝えた。夜、ファッションビジネス英会話が終わって帰ろうとしていたら、私が勤めている会社のビルの12階に入居している東京都立産業技術研究所の職員Hさんとバッタリ会い、「両国さくら(仮名)さん、ちょっと飲まない」ということになってそのままJR両国駅前の「ビアステーション両国」に雪崩れ込む。昨今の税収減、行財政改革に伴う現場の変化(特に、国や地方公共団体の補助金を活用した補助事業の成果を厳しく査定されるようになってきたこと)や、東京都内の同業者組合が、力をなくしてきていることなど、私が思わずちょっと愚痴めいた話をすると、Hさんからは力強くこんなアドバイスが。「東京は、世界の一大マーケットなんだから、東京の製造業はマーケットの情報に機敏に対応する都市型製造業としてやっていけば良いのだ」とーー。ものづくりだけでなく、クリエイティブやリテイル(小売り)にも詳しいHさんならではの言葉だ。今、素材に非常にこだわりを持っているある中堅デザイナーと共同開発を進めているなど、夢のある楽しい話も披露して下さり、残業疲れも吹き飛んで気分良く帰宅できた。
2004年06月23日
両国のちゃんこ屋さん「川崎」で、西村和弘さんと、アマチュアフォトグラファーのsakuramaruさんとちゃんこに舌鼓を打った。西村さんは、6月19日(土)付の日記でご紹介したTシャツビジネス塾の主宰者。sakuramaruさんは、6月6日(日)付の「早稲田アートマネジメントデイ」の立役者の1人。2人共パワフルで前向きな方々なので、Tシャツや写真、アートのことからビジネス談義まで話に花が咲いた。西村さん、sakuramaruさん、有難う!またやりましょうね!!閑話休題。表参道の展示会に行った帰りに、セレクトショップのエディット フォー ルルを覗いた。同店は、「イエナ」「エディフィス」などと同じベイクルーズ系列のお店だ。マーチャンダイジングの基本軸は、「大人になっても砂糖菓子のような濃い甘さを好む女性」に置いているのではないかと私は解釈している。これは、ほどよい甘さが入ったフレンチカジュアルの進化系、というテイストでUA、ビームス、シップスといった元々はメンズのセレクト店としてスタートしたセレクトショップとは一線を画すベイクルーズの他ブランドの延長線上にある路線で、企業としては一貫性のある納得のいくラインである。但し、エディット フォー ルルはオリジナルも置いているがインポートのプライスは高く商品的にも尖ったものが多いので、万人に向く、といった類のお店ではない。この時期になると、専門店、アパレルの直営店も売り上げが取れないので徐々にマークダウンを始めるが、同店も既に一部の商品を値下げしていた。春先に見た時も感じたが、セクシーなお姉系、B系全盛の昨今、同店のイメージする女性像は時代のメインストリームからははずれているような気がする。これは、あるテイストに依拠するセレクトショップ業態全体に共通する弱点だ。加えて、同店だけでなく、例えばヴィアバスストップなど、インポート主体のショップ全てに共通することであるが、ユーロ高もこの春夏は大きな逆風になったのではないかと推察される。そういう状況にあっても、さすがは一流セレクトショップ、随所に見習うべき工夫が見受けられた。1階のメインのカウンターに「ディズニーヴィンテージ」のタンクトップがディスプレイしてあった。ヴィンテージと銘打っているが本当の古着ではなく、ロサンゼルスで人気のセレクトショップ・フレッドシーガルの元プロデューサーとディズニーがコラボレートしたカジュアルブランドだ。6月14日付のWWDジャパンにファッションジャーナリストの奥恵美子さんも書いておられたが、セレブー西海岸と来たブームが、次はディズニーに移行しつつある。この3月のミラノコレクションでドルチェ&ガッバーナがディズニーのモチーフを取り上げたのが発端ではないかと私は思っているが、日本では渋谷109系のブランドが一早く目を付け、更にメンズカジュアル(先週下北沢の専門店ではイギリスからのインポートのリメイク物を見た)やジーンズのチェーン専門店(ジーンズメイトでも品揃えを厚くしている)などにまで飛び火している。例によって、3月の秋冬コレのネタは、秋口までに使い果たされてしまうのか、という見方も一つ正しいだろうが、別の観点からも考察してみたい。今、6月商戦(中でも特にレディス)が大苦戦している、という声をあちこちで聞くが、これは今年に始まったことではなくて、もう何年来「お約束」の出来事になっている。これから暑くなるという時期に、セール待ち、果てはその対策として早すぎる初秋物の打ち出しが始まるからだ。せっかくこれから楽しい夏が始まるのだから、バカンスへ海へ山へと繰り出す際に着られる服の提案がもっとあっても良いのではないだろうか。コンサルタントの小島健輔氏も以前指摘しておられたかと記憶しているが、いわゆる欧米のラグジュアリーブランドが行っている「クルーズライン」(避暑地に着ていく服)の提案である。今、日本で一番、夏を楽しむことを知っているのは、やはり渋谷109系のブランドであろう。このゾーンのブランドは、「夏休みを楽しく過ごしたい」という顧客である高校生、フリーター、OL層のキモチをちゃんと掴んでいるのだ。前述のエディット フォー ルルは、他にも、ハワイのインポート商品やゆかた、フリーダ・カーロの自画像入りの2,800円のカラフルなバッグなど、夏らしい商品を大きく展開していた。これは、先買いではなく、今の気分に合った購買意欲を掻き立てるだろう。時流と自店の軸がずれている時、また、期末のような厳しい時期にこそ、ショップの真の実力が浮き彫りとなる。エディット フォー ルルが一流のセレクトショップであることはやはり間違いないだろう。
2004年06月22日
アパレル、雑貨関係等の企業が入居する複合ビルを管理するテーオーシーが主婦の友社の雑誌『雑貨カタログ』とタイアップしたイベントを開いたという記事が繊維関係の業界紙各紙に掲載されていた。専門家によるトークライブ、8,000円の仕入れ券を持って館内の協力企業を回り仕入れを体験できるというワークライブ、交流パーティーの3部構成からなるこのイベントには、ホームページ等を見て当初募集予定の90名を大幅に上回る約200名が押し寄せたそうだ。日本繊維新聞6月21日付の報道によると、「参加者は(中略)既に雑貨店を経営している人。もう1つはこれからお店を経営したいと考えている人たち(同紙)」の2タイプに分類され、「女性が多く、年代も20代から高年者まで(同紙)」だったという。この成功を受け、テーオーシーでは、「近く、バイヤーズカードを発行、月間情報誌『コネクター』と連動した『通販問屋』で独自サイトを立ち上げる予定(繊研新聞)」だということである。まさに、時流をうまく掴んだ仕掛けが当たり、してやったりというところではなかろうか。今年に入って世の中全般が景気回復ムードになっているのに、ファッション業界だけが沈滞ムードだ、というのは既存のメーカー、問屋、小売店の売上高だけ見ると正しいような気がしてくるが、消費者の実像は必ずしもそうではない。かなり多くの層が、うつむいて節約ムード一辺倒だった時期を既に脱しているのではないかというのが私の実感だ。消費者、中でも女性が自己実現を図ろうと行動を始めていることは、この楽天市場を見ても顕著であろう。昔から自分のセンスを生かした雑貨店を開きたいという夢を持つ女性は多かったが、最近はネット店舗ならば低資本での開業が可能なので、夢が手に届く範囲にあると感じて一歩を踏み出す人が増えてきているのだ。この記事にも関連する話だが、工場と発注元とのビジネスマッチング事業を行っているある産業支援施設の職員の方によると、最近ネット販売を手がける主婦の方から「オリジナルグッズが作れないか」という相談が激増しているそうだ。そちらでは、工場に迷惑がかかると思われる事案に対してはお受け致しかねるという厳しい姿勢を貫いておられるが、シロウトのアイデアとは思えない優れた企画もあってびっくりさせられることも結構あるのだとか。今回のイベントに参加した起業希望者の全員が新しくリアルもしくはネット上に雑貨店を開店する訳ではなく、夢のまま終わらせるケースがやはり多いのではないかと推察されるが、これまでやってきた事業だから、という理由でやる気がないのにダラダラと赤字企業を存続させている旧いショップよりも、ありあまる情熱と今風のセンスを生かし、ある面では主婦や経済的にゆとりがある層だからこそ可能な採算度外視のオシャレな雑貨店が増えた方が、買う側にとっても絶対ハッピーなはず。このニュースを読み、やはり店舗の新旧交代があってこそ市場は活性化し、メーカー、問屋も活気づくのではないかと改めて考えさせられた。
2004年06月21日
特に関西在住の方には、今更、と叱られそうだが、「ナニワのスゴ腕再建屋」の異名をとる日本アシストグループ代表の桂幹人さんの本を読んでいる。桂さんは、最近は日経BP社編集・発行の月間誌『日経ベンチャー』に連載もお持ちなので、経営者の方ならば目を通されたことのある方も多いかと思う。少し前に、関西在住の方で大阪市の産業支援施設・大阪産業創造館主催の短期集中企業再生プログラム「売って儲ける社長道場」に実際に参加され、桂さんの指導を受けた方のお話を伺う機会があり、強い印象を受けた。普通コンサルタントの方と話していると、よくノウハウの出し惜しみをされているのでは、という疑念を持つことが私自身も多かったが、桂さんはそうではなく、本当に最初から画期的な提案を矢継ぎ早に出されるそうだ。そして、社長自身が、その提案をしっかりと受け止め、本当に儲けたい、という思いを強く抱くよう後押しをしてくれ、時限を切って実行に移していくことで短期間で成果が上がり、会社が変わっていくという話だった。今、桂さんの3部作のうち、3作目の『ドキュメント会社再生ーーアンタ、覚悟はできてるかーー』と、1作目の『儲からんのはアンタのせいや』を読み終え、2作目の『アンタがやったら、もっと儲かる』に進んでいるところだ。一番強く感じたのは、桂さん自身が、若き日に上場寸前までいった会社を黒字倒産させ、地獄の日々を経験しそこから這い上がってきた、という経歴の持ち主であり、体験から来る言葉の重み、説得力が非常に大きい、ということ。「経営者は常に恐怖感を持ち続けなければならない。売り上げに安住する時が倒産の始まり」、「銀行にお金を返すのは後からでも良い」、「経営者はワガママなやつの方がいい」等々、全て非常に腹に落ちることばかりである。それから、繊維ファッション業界人にとって参考になるなと感じたのは、「必ず売れる4原則」である。「お客が買いたいものを、買いたい値段で、買いたいときに、買いたい方法で売れ」。これは、時代とともに、また競合環境の変化とともに変わってくるものである。特に、中小のメーカー、問屋、小売業にとっては、大手が仕掛けてくる価格競争に乗ってしまうことは死活問題になる。価格競争を避け、いかに違う方法でお客様に満足して頂くかが勝負なのだ。一般的に、旧い業界である繊維ファッション業界人は、発想がカタく、旧来型の販路や商売のやり方にしがみついている場合が多い。この本に出ている異業種の事例で、まずは閉店時間の延長、宅配、見積もりを出した際にきっちりとした納期を告げる、などは今日からでも実践できることではなかろうか。シリーズ1作目の巻末には、繊維ファッション業界のある企業さんが桂さんのコンサルを受けて劇的に変身した事例が社長インタビューとして紹介されている。まさに、社長が変われば企業は変わる、のである。
2004年06月20日
思い立って、モアイ像を横目に一路下北沢へ。ずっと前から行かねば行かねば、と思いつつ忙しさにかまけて先延ばしにしてきたNo More Tears行きを今日こそ決行するのだ。◆No More Tears http://www.nomoretears.ne.jp/index.html今日、同店のみやじまのりさんや、Tシャツ仲間一同は錦糸町の久米繊維工業さんを会場に開かれる第2回Tシャツビジネス塾に集結しているハズ。可愛いヒットリーニちゃんがひょっとしたら一人で店番しているのではないか、これは是非激励してやらねばならぬ、とここぞとばかり姉御肌振りを発揮する両国さくらであった(皆さん、わっかるかな~このシャレ)。土曜日だからお客様の数も多いだろうが、てきぱきと対応しているかしらん、などどあれこれ考えているうちに、京王電車はあっという間に下北沢へ。強度な方向オンチの両国さくらにとって地図は必需品だ。No More Tearsの地図はちゃんと下北沢駅の北口と南口双方からの行き方が詳しく、しかもユーモアたっぷりに書いてあってわかりやすい…はずだったのだが、アレレレ、何故か2回も道に迷ってしまったが、なんとか例のビッグフラッグ(旗)が2階から下がっているのを発見(ホッ)。ドキドキしながら、階段を一段ずつ上がっていくと、アレレ、ヒットリーニちゃん、いないじゃん。代わりに、目に飛び込んできた美女は、ハッ、この方こそ、楽天広場でも有名なNo More Tears店長様ではございませんか!心臓の鼓動が異様に高まる。両国さくら、オンナのくせに、美女の笑顔にメチャメチャ弱いんです。えーっと、えーっと、とりあえず商品から見せてもらいましょうか。とそそくさと奥に入っていくと、あるはあるは、ネットでおなじみの強力ラインナップの数々。まずは、ネットにリアル店舗での販売、人材育成にと大車輪の活躍を見せるみやじまのりさんの「IAN-BAKAN」と、私が勤めている両国の某産業支援施設のベンチャー2期生でもある西村和弘さんの漢字Tシャツ「Anything」。◆Anythinghttp://www.anything.ne.jp/index.htmlそれから、恐らくこのお店のツートップのポジションを占めているであろうナカイさんの「レッド・バズーカ」とセイマニン君の「セイマニ」。両者共本当に色使いも美しく、コンセプトとグラフィックデザイン双方のバランスが取れており、全ての商品が完成度高いです。◆レッド・バズーカ http://red-bazooka.com/◆セイマニ http://www.seimani.com/更に、バリ島在住のばるばん君が描く伸びやかなイラストが魅力の「Baru bangun」、Tシャツビジネス1期生クン達のデビュー作などが、狭いお店の中にワンサと並んでいた。◆Baru bangunhttp://barubangun-bali.web.infoseek.co.jp/◆オリジナルTシャツ(Tシャツビジネス塾卒業生の商品も買えます)https://secure.originaltshirts.jp/index.htmlどれもこれも選ぶのに困るくらい魅力的なインディーズTばかりだが、売れに売れているようで結構サイズがなかったりした。とりあえず、私が買ったのは、セイマニン君のドットリンゴ柄(ボディーはグレー)と、IAN-BAKANのほっぺにバースマーク(母斑)を持って生まれてきた美女のイラスト入りT(ボディーは赤)の2枚である。その後、レジで店長とお話ししたのだが、キンチョーのあまり、会話の内容はあんましよく覚えていません(笑)。家に帰ると早速私の日記に書き込みをして下さり、リンクまで貼って頂きただただ恐縮至極だ。いつもネットで買っておられる皆さん、下北沢のNo More Tearsへ即Let's go!他のお店とは一味も二味も違った商品が揃っております。これから更に強力な新人が続々デビューすると思いますんで、応援してやって下さいm(__)m
2004年06月19日
仕事で京成線の青砥駅へ。久々の葛飾区入りだ。荒川を電車の窓越しに見る。隅田川と比べて、雄々しい川である。平日なので河原に人っ子一人いない。今日みたいな日にお休みを取って河原を独り占めしたら気持ちイイだろうな。お天気がいいので、水面がキラキラ光って美しかった。今日付の業界紙各紙に、ジャパンクリエーション(JC)実行委員会から出たニュースが掲載されている。それによると、今年12月に開催されるJC2005の申込状況は、950小間の目標に対し、まだ855小間しか集まっておらず、今後も出展者の勧誘を継続するというものだ。JCをご存知ない方のために補足すると、アジア最大級のテキスタイル等の総合見本市である。もっと平たくいうと、洋服作りの材料となる生地や副資材などを、産地のテキスタイルメーカーなどが、アパレルや商社等のバイヤーに向けて提案する原則として業界関係者のみを対象とする大規模な展示会だ。但し、上述の説明の中にわざわざ「原則として」という文言を入れたのは、専門学校の学生さんなど、広い意味での業界に関わる方ならば、入場料さえ支払えば比較的簡単に入場できるからである。そのため、JCの来場者数は非常に多く、昨年のJC2004の場合は65,351名にも上った。これは、昨年10月のインターテキスタイル上海展の46,434名、今年3月のインターテキスタイル北京展の16,334名を遥かに凌駕し、確かに来場者数のみを見れば「アジア最大」の繊維総合見本市となっている。但し、出展者数を見ると、前述の上海展は926社、北京展でも526社に達しているから、現時点のJC2005の出展希望者数では中国の展示会を下回ることになってしまう。JCの出展状況については、一昨年、昨年から既に異変が見られた。有力企業のブースが見当たらなかったり(つまり、出展していない)、テキスタイルメーカーではない、情報関連のブースの増加が目立っていたからである。その理由として、年1回開催のJCでは、十二分な情報発信と商談ができないため、2002年秋から来場者を厳密にバイヤーに限定したJCプレビューを別途スタートさせたことが挙げられよう。JCプレビューに対する評判は上々で、今年春の第4回展では、出展者数100社、来場者数が2日間で計3,522名となっている。日本繊維新聞の記事の中では、「海外の関係機関から出展希望の問い合わせがあり、これへの対応を中心にJCの国際化を推進する」というくだりがあったが、私は一刻も早く、まずは欧米の高感度なテキスタイルを扱っているメーカーに対しては門戸を開放すべきであると思う。何故なら、世界の見本市は、今、重心をヨーロッパから、急速にアジア、特に中国にシフトしつつあるからだ。例えば、元々は日本の産地振興の目的で立ち上がったJCと同様に、リヨンのテキスタイルメーカーが生き残りをかけて始めたプルミエール・ヴィジョンが、2002年9月から欧州以外の企業の参加も認めるようになり、今年3月には初めて上海でPV・インターナショナル・チャイナを開催している。彼らの動きは、今、お客様がどこにいるのか、今、お客様は何を欲しているのか、という観点からの変革であり、中国人のバイヤーが多いのならば、彼らにとって便利なように中国まで出向いて展示しよう、彼らの足元にある素材にはない、差別化された高級なものを持っていこう、という筋の通った戦略であろう。翻って日本はどうか。アジアのバイヤーはおろか、今のJC本体は日本のバイヤーすら満足させられる状況になっていないのではないか。初期のJCの目的であった、産地企業が問屋経由ではなく直接情報発信する、という点は、かなり達成された。残念ながら、一通りJCの趣旨は行き渡り、これ以上元気な産地企業が新しく出てくる、というのは見込めないのが現状だと思う。アパレル機器の見本市では、大阪で開催されているJIAM(国際アパレルマシンショー)は完全にシンガポールのITMAアジアにアジアのリーディング見本市のポジションを奪取されてしまっているようだが、JCはその轍を踏まないことを祈る。一刻も早く国際化を進められ、アジア全域から来場者を集められる内容となることを望みたい。
2004年06月18日
久し振りにお気に入りのあんみつ屋さん・みはし上野松坂屋店に行ったら、「昨年の天候不順の影響でもち米、小豆、赤えんどう、黒砂糖が不作で価格が高騰しているため、値上げさせて頂きます」という趣旨のお詫びの文章が貼ってあった。お天気の問題はファッションビジネス以上に食に関わる業界でも一大リスクのようだ。仕方ないな、と思って注文したら、サクランボが国産(たぶん「佐藤錦」だと思う)に変わっていたので、ほんのちょっと嬉しかったです。ちなみに、Googleで「あんみつ」を検索すると29,100件ヒットしたが、なんとトップがこの「みはし」だった。味も一流だと思うが、さすが、である。◆みはし http://www.mihashi.co.jp/top.shtml今日は、今年4月に開業した台東デザイナーズビレッジ初の合同展示会「デザビレのたまて箱」へ。同所は、台東区の旧小島小学校を改装し、公募で選ばれた靴、バッグ、アクセサリー、アパレル等、ファッション雑貨関連のデザイナー、クリエーター18組が入居する産業支援施設だ。「ん?何かどっかの企業さんのやってることに似てるな?」と思ったアナタ、そうです、両国さくらの勤める両国の某産業支援施設も同じようなことをやっているので、世間の人達には「ライバル登場ですね」と言われたりする。それは正解だが、でも実は、仲良し。ウチとしても、デザビレさんができたことで、相乗効果が出ると思って喜んでいるのだ。私がデザビレと気安くお付き合いできるのは、村長の鈴木淳さんの存在が大きい。彼は、NPO法人ユニバーサルファッション協会を立ち上げ、単に流行を追うだけでなく、高齢者や体が不自由な人でもファッションを楽しめる世の中を目指して、地道な取り組みを続けてきた方だ。皮革業界のコンサルティングも長く従事し、行政、ファッション業界の双方に人脈と知識を持つうってつけの人材だ。初めて同校に足を踏み入れると、いきなり鈴木さんが目に飛び込んできた(背の高いヒトなのです)。「両国さくらさん(仮名)、こんにちは」。ああ、もうこの一言だけでいい、鈴木さん、十分今日は満足致しました~という気持ちになるのだ、鈴木さんと話すと。鈴木さんの後ろから、さわやかな風が吹いてくる感じ。忙しいんだろうな、と思っていたら、やっぱりそうで、台東区の職員の方をご紹介して下さると、風のごとく去っていった。今日の展示会には、「kanmi..」「m+」「白文鳥舎」「エレクトラウエッジ」とゲストブランド「CHIDORII」の5ブランドが出展。何人かのデザイナーの卵さんとは直接お話しすることもできた。皆さん、若く、まだまだ初々しい。(ウラヤマシイですね~)。作品については、発展途上だな、という感は否めなかったが、今後、雑貨のまち台東区の持つインフラをうまく活用するようになれば、完成度は高まっていくだろうと思う。アイデアのリソースをもっともっと増やすことと、商品アイテムの拡充、機能面の追及(特に靴とバッグ)、そして、皮革製品の場合、主素材のレザーと、副資材とのバランス(レザーだけ質の良いものを使っても、価値観は表現できない)、ハンドメイドの場合、もっともっと試作を重ねて商品としての安定感を追求することーーこれからのデザビレでの濃密な時間、次の展示会で更にスケールアップされることを期待している。展示会場では、雑貨業界紙「洋装ロータリー」記者の山口博孝さん、まちづくりコンサルタントの佐藤賢一さんなど、既知の方々にお会いした。皆さん、デザビレに大きな期待を寄せている応援団だ。この場所には、人を引き付ける魅力がある。出会いが出会いを呼び、当初思ってもみなかったような面白いコトが始まっていくのでは…そんな期待を抱かせるに十分なデビュー展だった。◆台東デザイナーズビレッジhttp://www.designers-village.com/
2004年06月17日
今日付の繊研新聞に、私が勤めている会社主催のファッションビジネス英会話講座のお客様だった女性の方の写真が出ていた。ご主人がアパレルを独立・起業され、彼女はその仕事を手伝いながら頑張っている。こういうことがあると本当に嬉しいです。ウチが何かお手伝いしたって訳じゃなく、ご本人の努力の賜物なんですけれど。Hさんの益々の飛躍に期待します!さて、何気なく本日6月16日付のセンイ・ジヤァナルを読んでいて、「アパレルのニット戦略 ファイブフォックス」という記事が目にとまった。同社を直接取材したり、関係者のお話を伺った経験はないが、私が勤めている会社がお付き合いさせて頂いているコンサルタントの先生方や、アパレルの現役マーチャンダイザーの方々が異口同音に、ベンチマーキングすべき優良企業として挙げるのが、ファイブフォックスである。SPA型アパレル(製造小売業型アパレル)である同社の販売力の高さは、一度でも同社のショップで買い物をされたことのある方ならご存知かと思うが、商品戦略についても、やはり非常に卓抜している。思い切って絞り込まれた素材、万人に似合い、しかもコーディネート性の高いデザイン、着易いパターン、ニット、カットソーの回転率が高いが、その一方でオケージョン需要にきちっと対応できるベーシックカラーのスーツ、コート等の重衣料の完成度の高い商品の型数の充実、そして何より、今自社が売りたい商品を明快に打ち出すことができる提案力には目を見張るものがある。その背景にある極めて高い情報収集力を感じさせる商品ラインアップである。センイ・ジヤァナルの記事によると、同社の「コムサデモード」と「KTキヨコ・タカセ」のニット作りでは、素材選びから編み地チェックまで、全てに目を通しているという。特に私が感心したのは、「中国生産でもパターン(型紙)をつける」というくだりである。というのは、ニットはおろか、昨今は布帛でもアパレルサイドから中国の工場にマスターパターンを送らず、縫製仕様書だけで「後はお任せ」という話をよく耳にするからだ。その理由として、中国の工場が目覚しいレベルアップをとげ、自社内にCADオペレーターを育成してパターン作成まで請け負ってくれるようになったという点があげられる。同様に、縫製技術、生産管理のレベルが上がってきていることもあってか、「工場に商社マンが全然回ってこない」という話も聞いている。小売上代の低い商品ならば、こういった部分まで簡略化してコストダウンを図る、というのも一つの考え方だろうが、少なくとも百貨店や、ブティック向けの商品でパターンや生産に手を抜く、というのはいかがなものだろうか。記事を見る限り、ファイブフォックスのものづくりは、「こだわってこだわってこだわりぬいて」というくらい、同社が重要と考えている素材とパターンに関しては手間隙を惜しんでいない。だから、売れているのだ、と素直に納得できた。ファイブフォックスはそうではないが、コストを優先する余り、アパレルビジネスにとって肝心要の部分を外に出さざるを得ないアパレルが増えていること、また、商社がある意味では中国生産に「悪慣れ」してきていることは、両国界隈を始め日本全国の製造メーカーにとっては逆にチャンスであろう。中国の工場に何度もきっちり足を運び、商社がいやがる難しい仕事、丁寧なものづくりを納期を守って行う製造メーカー、自社でLC(信用状)を開設し、商社を通さず直接取引しコストを下げることも可能な製造メーカーへのニーズは存在する。現に、それを実践することで業績を伸ばしている製造メーカーは出てきている。
2004年06月16日
本日から両国さくらが名誉の中退(^^;を果たした我が母校・(財)ファッション産業人材育成機構・IFIビジネススクールさんのブログがスタートしたようだ。おめでとうございます(拍手)。早速トラックバックさせて頂きました。OB・OGだけでなく、ファッションに関心のある方、そしてこれからファッション業界を志す方を巻き込むムーブメントにしていけたら素晴らしいと思います。皆さん、共にガンバリましょう!本日付の日本繊維新聞に、ショッキングなデータが掲載されている。1985年以降2002年までのの繊維製品の小売販売額と、家計可処分所得の推移だが、可処分所得がこの17年間に4.6%増加し、402兆2,400億円となっているのに対し、繊維製品小売販売額は、ピーク時の1991年から26%マイナスの14兆9,860億円に減少しているというものだ。個人的には、今後まだまだ可処分所得に占める繊維製品構成比はシュリンク(縮小)してくると考えている。理由は、高齢化と社会の成熟化である。以前、私が勤めている会社のセミナーで、(株)アパレルウェブの千金楽健司社長が、「日本の人口は1.2億人で、衣料品の総消費額は約15兆円。アメリカの人口は日本の約2倍だが、20兆円の消費しかない。このことから推し量ると、日本もいずれ衣料品は10兆円前後しか売れない時代を迎えるのでは」と述べていたが、全く同感だ。昨今、有力総合商社の繊維部門は、事業ドメインの拡大にやっきになっているが、こういう時代の変化を見越した動きと見てよいだろう。但し、この記事の出所データが、「商業統計表」であることに注意を払うべきだと思う。何故なら、この調査は、百貨店、総合スーパー、衣料品専門店、衣料品中心店など有店舗ビジネスのみを対象とし、カタログ通販、ネット通販、TV通販、訪問販売等の無店舗ビジネスは対象外だからだ。一方、繊研新聞を始め、各紙が今日付けで大きく取り上げていたのが、経済産業省の「03年度電子商取引に関する実態・市場規模調査」である。同調査によると、衣料・アクセサリーのB2C市場が1,640億円、モバイルB2C市場が190億円と、急成長しているという。「商業統計表」とはカテゴリーの分類方法が違うので単純な足し算はできないが、Eコマースが急拡大しているといえども既存販路をカバーする数値には至っていないということは推論できよう。どんな時代を迎えようが、規模の小さな企業ならば、ある分野で強い競争力を持てば日本のマーケット全体の浮沈に関わらず好業績を上げることは可能である。但し、大企業はそうはいかない。売上高を少しずつ減らしながらも財務体質を強化することで耐え忍ぶ、というだけでは、企業としての発展性が閉ざされてしまう。進むべき道は3つ。まずは、雑貨、リビング、化粧品、食、建築等の分野までファッションビジネスの外延を拡大すること。次に、既存販路とのバッティングを覚悟の上で、ネット通販、TV通販などの新規販路に真剣に取り組むこと。最後に、これが日本の大企業にとっては実は一番困難な道かもしれないが、マーケットを海外へー本腰を入れて輸出に取り組むことである。
2004年06月15日
講習会シリーズ第2弾!ついに始まってしまいました。両国の某産業支援施設の“メーカーさんにパワーアップしてもらおう新企画”2発目は、カットソーメーカーさん向けのパターンメーキングの連続講座である。衣料品作りも、ある面では機械・金属加工の業界に似ているところがあって、まず、設計図に当たる縫製仕様書を元に、型紙(パターン)を作り、それに合わせて生地を裁断し、縫製していく。この、ものづくりの要となるパターンの作成には、大きく行って平面製図(アパレルCADも原理的には平面製図の応用である)と立体裁断の2つのやり方がある。両者の長所を取り入れつつ、特に伸び縮みのするカットソーの生地をうまく扱うノウハウを学ぼうというのが今回の講座の趣旨だ。これから22回、2月までの長丁場の講師を務めて下さるのは、日本で始めて工業用ボディを共同開発されたという輝かしいご経歴の持ち主である、株式会社コルクルーム代表取締役の安達市三先生である。本日は、初回なので、実習は行わず工業用パターンに関して知っておくべき基本事項についての座学講習となった。安達講師が言及されたことの中で、印象に残った点が2点ある。一つは、日本の工業用ボディの業界では、標準化が行われていないということ。ボディにはゆるみ入りとゆるみなしがあり、ゆるみ入りについてもゆるみの大きさはメーカーによって違う。但し、デファクト・スタンダード(事実上の標準)がない、ということは、アパレルビジネスの場合、必ずしも消費者にとっては不利益とはならない点が面白い。有力アパレルは顧客ターゲットに合わせて自社独自のボディを開発し、商品の個性を競っているという。もう一つは、アパレルや工場内でのパターンナーの仕事に無駄が多いと指摘された点だ。過去に製作したパターンをシルエット及びディテール別に分類すると、似たようなものを何度も何度も作っているケースが多い。特に、同じシルエットのものについては、途中までは過去に作ったものを使用し、ディテールだけ変えていけば作業効率は飛躍的にアップする。パターンナーがいつも残業、という状況を当たり前と思わず、業務効率アップの方法を工夫するよう知恵を出しましょうという安達講師の呼びかけに思わず深く頷いた。これは、自動車業界のプラットフォームの共通化と同じ考え方で、異業界の製造業では当たり前の考え方である。繊維業界でもアパレルCADの普及と共にかなり改善されてきたかと思うが、まだまだ努力の余地がある工場の問題点であろう。話は変わるが、今日の講義の中で安達講師が、「工業用ボディ(人台)を最初に開発したのがアメリカのチャールズ・イームズである」と説明していた。あの、ミッドセンチュリーの椅子や家具のデザインで有名なイームズが、ボディを作っていたとは!イームズは多才な人だったようなので、ありうると思い、帰ってからGoogleで英文検索をかけてかなり調べたのだが、イームズの仕事の中ではマイナーな実績だからか、そのことに言及してあるアーティクルを発見することはできなかった。どなたかお詳しい方、是非教えて下さい!情報のご提供を待ってます(この項続く)。
2004年06月14日
昨日の日記、nifty・ココログの映画「スチームボーイ」公式ブログからトラックバックしたお陰か、昨夜から今日にかけて楽天日記ユーザーでない方に多くご訪問頂いているようだ。皆様、有難うございましたm(__)mさて、今月発売のマガジンハウスの『GINZA』7月号に、「ミラノ&パリコレのスナップから、トップH&Mアーティストがレクチャー 最新ヘア&メイクレッスン」と題して、ヘア・アーティストのShinya for Tomi&Emi氏と、メークアップ・アーティストのYUKIさんの対談が掲載されている。その中で、Shinya氏が、2004~2005AW(秋冬)のパリ・コレクションでのヴィクター&ロルフのコレクションを「あ、ヤラれたな、という感じ」と評価していた。ファッションショーの際スピードを要する洋服の着脱は大丈夫だったのだろうか、というのはいかにもプロの視点らしく面白い。今回のヴィクター&ロルフのコレクションでは、モデルが全て大きな鹿の角をつけて登場したことで、注目を集めた。多くのデザイナーが洋服のスタイリングでもクラシックでゴージャス、タイトなラインを出しているのに対し、ややルーズで、チカラの抜けたナチュラルなイメージを打ち出し、異彩を放っていた。(VOGUE NIPPONのサイトで、コレクションのスライドショーを見ることが出来る。ご関心のある方はどうぞ)。◆VOGUE NIPPON http://www.vogue.co.jp/collection/fw04rtw/index.jsp彼らは本来的には、構築的なエレガントな服づくりがうまいデザイナーで、次の秋冬シーズンは直球を投げていればトレンドのツボにハマった商品を揃えることは楽に出来たはずだ。あえてそれをせずに、ニンフ(精霊)のようなイメージを打ち出したところに、デザイナーとしての力量の高さを私は感じた。彼らが投げかけた変化球は、次の秋冬シーズンよりは更にワンシーズン先を行く、「ナチュラルで自由」な女性像だったのではなかろうか。ヴィクター&ロルフは、現在京都国立近代美術館で6月20日までの会期で開かれている「COLORSファッションと色彩」展のゲストキュレーターを務めている。同展は、日本国内では久々の大型のファッション展であり、秋には東京にも巡回するので、日本の業界関係者の間でもヴィクター&ロルフにインスパイアされる人達が出てくるのは必至だろう。いずれ、同展については感想をこのブログでも報告したい。◆京都国立近代美術館 http://www.momak.go.jp/excol2000_i.htm/
2004年06月13日
大友克洋氏の映画「スチームボーイ」の公式ブログがniftyで始まっていることは、ネットをよく見ている映画ファン、大友ファンなら既知のニュースだと思う。大友克洋氏の作品について語る程の見識はないので映画そのものに関するコメントは差し控えたいが、今回のキャンペーンを見ていて、この手法、むしろファッションブランドにも有効なのでは、と思えたのでそのことについて書きたい。顧客ターゲット層とネットのヘビーユーザーが重なっている商品、マスへの訴求を行い、大人数の顧客を短期間で動員し巨額の開発制作費を回収しなければならない商品である映画やゲームの業界の販促にブログが活用されることは容易に想像される。いわゆる短期決戦型の商品に対しバイラルマーケティング(クチコミ)での盛り上がりを喚起しようという方法論である。ファッションブランドの場合、決定的に違うのは、ブランドの立ち上げ以降も、ブランドの中身、実体となる商品、すなわち、店頭に毎週投入されるジャケット、カットソー、スカートなどは刻々と変わっていく、という点だ。ブランドそのものの認知は、店頭を実際に見て存在を知ってもらうことによる効果の方が大きいだろうが、ブログを通じ、マーチャンダイザー、デザイナーなど本社の商品企画担当者や、全国の店長、ショップスタッフ、そして場合によっては取引先の商社、工場の担当者などの裏方にまで登場してもらって、ブランド開発のウラ話や、商品に込めた思いなどの肉声を語りかけることで、そのブランドのファンを、ますます強く引き付けることができるのではないだろうか。商品が次々投入されるファッションブランドならばこそ、ファンからの書き込みを次の商品開発に生かせる。ブランドが時々刻々と姿を変えていく生き物だからだ。ブログはインタラクティブ(双方向型)のコミュニケーションツールとして息長く活用できるはずである。例えば「タケオキクチ」のようなヤングのブランドにブログを用いれば盛り上がるだろうということは誰でもすぐ思いつくだろうが、私はむしろ顧客年齢の高いブランドでも固定客比率が高く販売員と顧客の間に強い信頼関係があり、しかも全国津々浦々に店舗があるブランドでブログを始めたら面白い反応が得られるかもしれないと思っている。例えば、インパクト21さんの「ラルフローレン」など。いかがでしょうか?
2004年06月12日
スワッチ(生地見本)を見ずしてテキスタイルのことを語るのは拙速だと怒られそうだが、今朝の繊研新聞の見出しを見た瞬間に、「さすが野村産業さん」と唸った。同社が特許を取得している竹繊維の製法は、自社のウール混素材「バンブール」のみならず、東レ、日本毛織、倉敷紡績でも商品化され、広く世に普及している。その成功に満足せず、次の開発を矢継ぎ早に進めたところが素晴らしい。白松を原料にした「レンプール」が今月の展示会でデビューし、第3弾として、梅炭混入繊維の商品化も進めているという。昨年12月のジャパン・クリエーション(アジア最大級のテキスタイルの総合見本市)で同社のブースを訪ね、素材に無知な私が「竹繊維はたけのこから作るのですか?」というアホな質問を投げかけた相手がなんと社長の野村弘さんその方であった。とても優しく、「成長した竹を細くカットしてから作るのですよ」と答えて下さった。野村産業さんのスワッチを見ようと、ヨーロッパの一流メゾンがお忍びで立ち寄られたという話も披露して下さったが、ブースに並んでいる商品は「バンブール」以外にも非常に感度の高い面白いものが多く、機会があれば是非一度同社を訪問したいと思ったことを記憶している。繊研新聞の取材に対し、野村社長は「たまたま松竹梅になった」とコメントされたようだが、やはり狙って開発されたのではないかと私は思っている。海外、特にヨーロッパへの輸出に際しても、国内での販売においても、アパレル、そしてエンドユーザーたる消費者に対してもアピールしやすいテーマだからだ。素材そのものもエコロジー性が高い上、何より縁起が良い。日本の優れたテキスタイルをヨーロッパに紹介し続けておられる伊藤忠ファッションシステムのクリエイティブ・ディレクター池西美知子さん曰く、今年2月のプルミエール・ヴィジョン(テキスタイルの展示会)でも、折からのナチュラルブームに乗って、バンブーへのヨーロッパの来場者の反響は非常に大きかったそうだ。ナチュラル、エコロジーは、一過性のトレンドではなく、もう何シーズンも続いており、今後もものづくりの底流に永久的に持続するテーマだろう。松竹梅の三拍子を揃えた野村産業さんの更なる快進撃に期待したい。
2004年06月11日
今日から私が勤めている会社の新規事業が始まった。ニットメーカーの方などを対象とした「横編みニットデザインワーク講習会」。東京ニットファッションアカデミーさんの全面的な協力を得て、西日暮里の同校で午後6時から4時間缶詰めになって学ぼう、というハードな企画だ。1時限目は、トップバッターとして、産地のニットメーカーのコンサルタントをなさっておられる方が登壇。企画能力、QR(クイックレスポンス)能力の2つを高めOEMの新規取引先を獲得するため積極的に攻めの営業活動を展開すれば、アパレル、セレクトショップ、チェーン専門店などからの国内生産への受注を得られると、自身の体験を披露した。一方、百貨店の催事契約の消化売上については、売り上げそのものも大して上がらない上、利益率が低い、と指摘された点が印象に残った。2時限目は、ミラノ在住のデザイナー・小川健一氏が講師。同氏は、イタリア式の工場とデザイナーが直接契約し、世の中にないもの、面白いものを作ろうとしている様子を具体的な事例を挙げて解説。技術的に難しいものにトライしたいという思いが強すぎるため、展示会にサンプルが間に合わないこともしばしばあったり、良い意味で「いい加減」なところがあるというイタリア人気質をユーモラスに紹介した。その一方で、同じ素材をなるべく多くのアイテム、デザインに展開し素材コストの低減及び工場の生産性を高める意識が徹底している点も指摘した。両講師の日本とイタリアのビジネスの話は非常に対照的だが、「どうすれば工場がもっと儲かるのか」というテーマを真剣に追求しているという点では共通していると私は思った。それと、両者の意見が一致していたのは、日本のニットメーカーには、まだまだファッションを語れる経営者が少ないという問題点である。この講習会は、来年2月まで全20回開講される。追ってまた続編をレポートしていきたい(to be continued…)
2004年06月10日
データメディア(株)の代表取締役社長・唐澤豊さんが送って下さるメールマガジン「唐澤塾」で、「墨田の花火」という名前の紫陽花のことが紹介されていた。なるほど、どんと鳴って広がった花火の姿に良く似ている。器量良しの花です。當麻寺(当麻寺・たいまでら)・中之坊のホームページ、よかったらご高覧の程を。◆當麻寺・中之坊 http://www.taimadera.org/ajisai.htm今日の本題は、WWDジャパンの今週号の記事の話題。同紙のランキングは、繊研新聞や日本繊維新聞とは違い、売上高ランキングではなく、2003年度の申告所得のランキングの掲載である。更に、アパレルのみを対象とせず、靴・バッグ・アクセサリー、化粧品の製造卸、そして衣料品と上述の分野全ての専門店を含めていること、国内企業と外資系企業双方を対象分野とすることで、日本国内で活動している広義のファッション関連企業の真の実態を反映しているものと見ることができるだろう。納税額第1位はファーストリテイリングで389億700万円。第2位のLVJ(ルイ・ヴィトン・ジャパン)が341億8700万円で猛追していることを同紙は指摘している。LVJだけでなく、ラグジュアリーブランドを始めとする外資系企業の高額納税振りが目立つ。トップ20位までのうち、6社が外資だ。うち2社は、ナイキジャパンとアディダスジャパン。両者共、「売上高でミズノを抜く」と公言しているらしいが、現時点で納税額100位にすらランクインしていないミズノを始め日本のスポーツ専業メーカーとは、財務内容の点ではケタ違いに優位なポジションにある。トップ20位までの残り14社の国内企業の業種別内訳だが、アパレルメーカー2社(ファイブフォックスとオンワード樫山)、化粧品メーカー・卸4社、靴・バッグメーカー・卸1社、時計・宝飾メーカー・卸0社、専門店7社であり、アパレルメーカーで高収益企業というのが非常に少ないことがわかる。トップ100に目を転じると、まず外資系企業は24社。なんと、約4分の1を外資に席巻されている。ちなみに、対前年伸長率が最も高いのは、「ディオールオム」ブームに沸いたクリスチャン ディオール(前年比1,570.2%)だ。残りの国内企業の内訳は、アパレル35社、化粧品メーカー・卸8社、靴・バッグメーカー5社、時計・宝飾メーカー・卸3社、専門店25社である。現在ではあらゆるアイテムでメーカーと専門店業態の垣根があいまいになっており、メーカーでもSPAの直営店を多店舗展開している会社が業績が良い。それと、衰退している分野、市場規模が小さいニッチな分野で一人勝ちしている企業の存在も目を引く。例えば総合衣料品スーパーのしまむら、ベビー・子供服専門店の西松屋チェーン、ローティーンのナルミヤインターナショナル、白衣のナガイレーベン、ワークショップのワークマンなどである。
2004年06月09日
6月の八王子を訪問するのは、よく考えると初めてのことかもしれない。三多摩は、両国と違い、緑が多く気持ちの良い場所だ。江戸時代に、糞尿の捨て場だったため、木の成長にとって良い栄養になった、という説を以前本で読んだことがある。中学生の頃、東京にまだ一度も来たことのない時分から、国立方面にすごく憧れを抱くようになった。冬の風が強い日、裸木の木立が幹からゆさゆさと揺れている風景が何故か思い浮かぶのだ。実際に東京に着てみると、想像と違って常緑樹が多く、冬でも緑がけっこうある。むしろ、5月、6月の、草いきれがむんとする季節の方が気持ちが良かった。But、ブログに熱中しすぎているせいか、いつもなら移動の電車では車窓の風景を眺めるのが楽しみなのだが、行きも帰りも爆睡してしまった(^^;閑話休題。今日の目的は東京都立産業技術研究所の八王子庁舎訪問。同研究所の墨田庁舎は、私が勤めている両国の某産業支援施設にも入っており、旧知の職員さんも多い。最近の都内の製造メーカーさんの動向について情報交換する。午後からは企業訪問。八王子産地は都心に近く早くから開発が進んだため、産地の規模は縮小してしまっているが、商品開発で気を吐いている企業さんは幾つも存在する。両国以上にクリエイティブなものづくりに関心のある方が多く、若いデザイナーを受け入れる懐の深さがある。しかし、最近もぽつぽつ倒産や引っ掛かりの話があるそうだ。現在繊維の製造業を続けている企業は、厳しい経営環境に立ち向かう中で競争力のある技術と強固な財務体質を構築しているケースと、やめようにもやめられない、いわゆる自転車操業の状況に陥っているケースに二極化している。(その他の圧倒的多数として、自分の代で廃業できるよう、着々と準備している、という企業群も存在することは言うまでもない)。倒産予備軍の企業については、産業支援、産業政策の対象外だという考え方に異論はないが、社会政策的な観点からの支援というのも絶対に必要なのではなかろうか。繊維産業はかつて容易に起業しても儲かる時代があったため、下請け、孫受けの零細企業、ほとんど個人営業に近い企業では、経営者といっても経営に対する必要最低限の知識に乏しい場合が多い。「自助努力」は必要だが、ではどういう方向に向かって、何をすれば傷口を最小限に止められるのか、ということのヒントを与えてくれる行政、商工会議所等の相談窓口の存在意義は、非常に大きいと思うのである。
2004年06月08日
昨日の「早稲田アートマネジメントデイ」の余韻も覚めやらず…リーダーのSさん曰く、参加して下さった方からお礼のメールも届いたとか。ほんと、嬉しいっす。さて、せっかくなので、素晴らしいワークショップを創出して下さったクレイアーティストの森井ユカ先生のサイトをご紹介したい。作品集は、デザインやファッションに関心のある方にとっては必見。また、リンク集も非常に参考になる。◆ユカデザイン http://www.yuka-design.com/それと、会場に使わせて頂いたアップリンク・ギャラリーのサイトも。同所はインディペンデント・ムービーに詳しい方ならピンとくるだろうが、映画配給会社のアップリンクが運営するギャラリーだ。6月20日(日)まで開催中の企画展「ノストラダムスは生きていた!~地球は既に滅亡している~」、どうぞヨロシク。◆UPLINK GALLERY http://www.uplink.co.jp/gallery/index.html
2004年06月07日
今日はたのし~いに~ちよ~うび~(でも雨だったけど)、という訳で、本業はしばし忘れて盛り上がって参りましたよ!早稲田鶴巻町のアップリンク・ギャラリーで、我らが同級生有志がアートイベントを決行したのだ。名付けて「早稲田アートマネジメントデイ」。といっても、プロフィールに書いてある通り、私両国さくらは、早大卒の才媛ではない。昨年度早稲田大のイブニングコースで、平野雅章教授の「アートマネジメント講座」を聴講させて頂いたというだけの、いわば「チョイ早稲田」である。同コースには、アートの好きな多士済々なユニークなメンバーが揃っており、講座終了後も何かをやろうという意欲的な声が上がってきた。クラスメートの一人、キュレーターのリュストゥール・キエロフスキー氏(注:ロシア人ではございません、正真正銘の日本女性のキュレーター名である)が、アップリンク・ギャラリーが主催する第2回キュレーターコンペティションでグランプリを受賞し、同ギャラリーで企画展を実施するのに相乗りする形で、ワークショップが開かれることになったのだ。私は残念ながら、貧乏暇なし(笑)の業務に追いまくられる毎日だったため、今までのミーティングや準備には全く参加できておらず、本番の今日になって受付の手伝いのみをさせて頂いただけなので、「イベントやったんだよ」と自慢できるような立場ではないのだが。クレイアーティストの森井ユカさんを講師にお招きし、働き盛りの大人・ビジネスパーソンを対象に、企画展とも連動する「地球滅亡の日」というテーマで粘土を用いた造形にチャレンジして頂いた。雨の中お集まり下さった33名の皆様の作品が、絵の具や蛍光ペンできれいに彩色され、思い思いの形に仕上がっていく。人の手を2対作成し、平常心と絶望というアンビバレントな感情を表現しようと試みた作品、本物そっくりのとけかけたアイスクリームを再現し、「自分一人が生き残って不安にかられる気持ちを表した」というもの、人類が破滅した後に生えてくる植物=希望の心を、爪楊枝を用いて薄い花びら状に伸ばした粘土を重ねて作り上げた薔薇の花に託したものなど。スタッフ一同、「こんなに素晴らしい作品が出来るとは」と感嘆する結果となった。森井講師は、非常にお人柄の良い方で、受講者一人一人の個性を肯定的に受け止め、表現を引き出すことに務めておられた。本当に、誰にでも表現したい「思い」というのは秘められているのだ。反省会の時、私達が、「森井先生、こんなにすごい作品ができるとは思っても見ませんでした」と申し上げたら、「私は最初からきっとできると思っていました」という答えが返ってきたのが非常に印象的だった。今日のイベントは、これまで中心になって準備を進めてこられたSさん、Nさん、Oさんと、きっかけを作ってくれたリュストゥール・キエロフスキー氏などの汗と涙の結晶、といっても過言ではない。仕事の合間をぬって何回もミーティングや各方面との調整を行い、ワークショップを成功に導いた皆さん、そして本日お手伝いに駆けつけた皆さん、本当にお疲れ様でしたm(__)mいずれ、リーダーのSさんが展示の内容をホームページにアップされるそうなので、関心のある方には是非ご覧頂きたい。また、リュストゥール・キエロフスキー氏の企画展「ノストラダムスは生きていた!~地球はすでに滅亡している~」は6月20日(日)まで続行中なので、こちらも是非どうぞ。
2004年06月06日
(財)ファッション産業人材育成機構・IFIビジネススクールマスターコースのホームカミングデーに参加した。1999年のマスターコースの開始から5年を経て、初めて開かれる1期生から現役の7期生までが勢ぞろいする大同窓会である。同校は、日本で唯一、経済産業省所管・ファッション関連の有力企業の出捐により設立された高等教育機関だ。ちなみに、私が勤める会社のビルの11階に入居して頂いているので、私の会社にとっては大事なテナントさんでもある。同窓会ながらいきなり飲み会からはスタートしないところが真面目な校風を誇るIFIらしい。最初に尾原蓉子学長の講義を全員で聴講する。テーマは「米国ファッション小売業最新動向」。非常に刺激的な内容で講義を聴いているうちにいくつもの新規ビジネスのアイデアが浮かんだ。特に印象に残ったのは、全米小売業大会で配布されたというドイツのラインバーグに2003年にオープンした「FutureStore」のイメージヴィジュアルである。RFID(無線タグ)の普及、ITの進化が有店舗ビジネスを革命的に変化させることを説明している。IT家電と化した家庭の冷蔵庫の中の在庫情報がスーパーの店内にいる消費者のカートに映し出される様子、そして、レジでの購入後、バックヤードの倉庫の中で即座に在庫情報が変更されPDAを活用しベンダーに対し補充発注が行われる風景が映像化されていたが、更にその先にある物流、生産も含めて、リードタイムと人的作業量が革命的に削減される。そして、顧客情報に対するより詳細で深い把握に基づくワントゥワンマーケティング。更に、顧客データベースとMD(マーチャンダイジング)データベースの一元的活用へ。RFIDの活用に最も積極的な企業は言わずと知れたウォルマートで、同社は来年1月までにトップ100ベンダーにまずは納品用のダンボールにRFIDを使用するよう要請しているという。尾原学長は、「ゴリラ対ゲリラ」という比喩を用いて、国際競争に勝ち抜くゴリラになるためには、企業をより巨大化しなければならない。巨大化しなければ、巨額のIT投資が行えず、また有能な人材が採用できない、と述べていた。日本の流通業において、このような世界の上位企業の動きに対抗できるのは、個人的にはイオンとイトーヨーカ堂の2社しかないと思っており、このことを真剣に考えると戦慄すら覚える。自分自身は現在、ゴリラではなく、小さくともキラリと光る企業=ゲリラ側に身を置き、働く立場であるが、このように広い視野に立った話を聞き、考えることは有意義である。非常に勉強になった。講義の後、何人かの卒業生の近況レポートがあったが、皆それぞれの場でIFIで学んだこと生かして頑張っている。嬉しいことに、マスターコースの先生方も何人も駆けつけて下さっていた。わが同期は、高松から参加のKちゃん、T.G君、大阪からわざわざ出てきたMちゃん、Yちゃん、E太郎君、H君と私の7名が参加(注:両国さくら以外は全員オトコです)。それぞれのフィールドで活躍している。みんな、元気で、とにかく元気で。夢に向かって頑張ろう!!
2004年06月05日
ファッション業界の大半の人は日経本紙と日経MJは読むが日経産業新聞は読まない、というのだろうが、たまには発想の転換のために、カタイ業種の話に目を通すのも悪くない。本日付の日経産業新聞の特集「ビジネス新潮流 医療フロンティア」は、医療の業界における新規ビジネスの可能性を様々な角度から探る内容だったが、その中の、「複数の施設が同居する医療モ-ル」の話が目を引いた。大型複合商業施設の中に複数の医療機関が出店(!)したり、大手ゼネコン、商社も医療モール開設に乗り出しているという。商店が集積する場合と同じく、医院の集積にもまずは医院側にとって患者の集客力アップ、オペレーションコストの削減に大きな効果があるが、商業施設の中へ医院が出店する場合、施設サイドにも相当大きなメリットがあるだろう。何故なら、衣食住の物販中心の売場面積は、既に完全なオーバーストア状態であり、今後日本の人口が減少しはじめれば、その状況は更に悪化することは目に見えているからだ。今後高齢化に伴いニーズが増える医の分野の導入は、特に、複数の核テナントを持ち超広域からの集客を見込む大型のショッピングモールと、小型商圏の食品主力のスーパーに挟まれて苦戦する中途半端な売場面積のGMS(ゼネラルマーチャンダイジングストア)にとって福音となる可能性を秘めている。以前、コンサルタントの(株)TOMの柳田信之氏だったかと記憶しているが、「高齢者の多い地域では、深夜営業ではなく、早起きの高齢者に合わせて朝早く開店してはどうか」と発言されていた記事を見た。全く同感である。これから日本は移民を導入しない限り未曾有の高齢化社会に突入する。主たる客層のニーズに合った商品開発、業態開発が絶対に必要だ。ファッション業界は全般にヤングの動向ばかりを観察する傾向が強いが、例えば葬儀のファッション化、カスタマイズ化など、業界独自のノウハウを高齢化社会に合った形で転用することをもっともっと考えていくべき時にきているのではないか。
2004年06月04日
私の勤めている会社・某産業支援施設では、ファッション業界向けのビジネス英会話講座を開講している。今日は、講座のカリキュラム編成と講師の派遣をお願いしているお取り組み先の会社からご提案頂いた、来期から新しく使用する中級クラス用のテキストの候補本を買いに行った。トコロは日本橋の丸善である。ちなみに、世の中にファッション業界向けに特化した英会話のテキストなんて便利なものは市販されていない。百貨店やホテル業界向けの接客英語の本が少し存在するくらいである。それはおろか、「ビジネス」and 英会話、という条件を加えただけで、テキストの選択肢は激減してしまう。それでもなんとか、良いテキストが探せた、と自負しているので、10月に新しく入学を考えておられる皆様、是非お楽しみに!ついでにレッスン内に私が勤めている会社からお客様にサービスでオススメしている、面白く且つ英語の学習にとって役に立ちそうな英文雑誌の記事を探すため、「magazine」のコーナーへ。これがまた、総合誌、経済誌、ITやサイエンス関連の分野とは違って、まずファッション関連では英語よりはフランス語、イタリア語の雑誌の方が置かれている種類が多い。英語圏の雑誌でも、cutting edge(最前線)のものは、写真中心で残念ながら面白いのだが文字量が少なすぎる。丸善に限らず、どこの大手書店でも見かけるスタンダードな雑誌となると、『VOGUE』のアメリカ版、イギリス版、『Harper's Bazzar』、そして『COSMOPOLITAN』くらいに絞られてくる。本家・アメリカの『COSMPOLITAN』の表紙を見ると相変わらずスゴクて、「Guy Unzipped」なんて見出しが平気で躍っている。日本のコギャル向けセクシー系ファッション雑誌(例えば、『egg』とか『Cawaii!』とか)ともまた違う、このノリ、読者層、やっぱり異文化ですね~。「こりゃ、B先生なんか真っ赤になってゼッタイ授業にならんわい」と思い、即却下。『Harper's Bazzar』も悪くはないんですが、無難なトコロで、やっぱり『VOGUE』に落ち着いてしまうんですね、結局。真剣に良い教材、良い雑誌を探していますんで、もしどなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。
2004年06月03日
2日(水)、企業訪問で北千住へいったついでに北千住マルイへ。今年2月26日にオープンした同店に立ち寄るのは初めて。店舗面積3万5300平米、地下1階、地上11階の計12フロアの売り場を持つ同店は、現状ではマルイの全店の中で最大の広さを誇る。時間がないので、衣料品と服飾雑貨のみを見て回ることにした。平日の正午過ぎということもあって予め、ヤンママ、若い主婦層が多いことは予想していたが、びっくりしたのは年配の客層の多さ。60代、70代、80代と思しき方が非常に多い。男性もかなり居る。しかも、ただ見ているだけでなく、しっかり買っている姿が目撃できた。同店のMDは、当初からミセス~シニアを取り込むことを狙って構築されていたようだ。まず、一番入店が多い2階が化粧品と服飾雑貨になっているのは通例通りだが、3階にミセス、4階にヤングを持ってくることで、ミセスに対し「ここは私たちのお店なのね」という安心感を持たせていること。また、丸井が得意とする服飾雑貨においても、ベルト、サングラスなど若いお客の購買が主となる商品は、今なら例えば白いベルトなど思い切ってトレンディなラインの品揃えの幅をぐっと厚くしているが、ミセスやシルバーの買い上げが見込める靴ではコンフォートタイプのコーナーを大きく広げていること。しかし、その反面、ミセス、シルバーに対しても、いわゆる昔の五大ブランドのような古さを感じさせる品揃えは全く行っていない。「ピノーレ」「ギビー」「スペッチオ」から「アップルハウス」に至るまで、コンサバな70代、80代にとっては、「かなり若いな」と思わせるブランドまでに留めている。もちろんヤングと同じものを押しているのではないが、その年齢なりに「相対的な若さ」を打ち出しているのは、「ヤングの百貨店」を標榜する同社として一貫性を感じさせる良い戦略であろう。そのせいか、店内を歩いているミセス、シルバーの中には、年齢の割には若い服装できれいに着こなしているなと感じさせる人が多かった。若いゾーンは想像通り渋谷109系のブランドが雑貨も含めて絶好調である。丸井のPB「アールユージーンズ」「タスタス」等も含めて大きいサイズを充実している点は高く評価したい。一方メンズだが、子供服を5階に下ろし、その分6階、7階の各半分で、6階はスポーツの「フィールド」、7階は「東急ハンズ」と売り場を分け合っている。「東急ハンズ」の効果もあって、上のフロアであるにも関わらず客数は多かったが、丸井が得手とするヤングは取り込めているが、せっかく来店しているミドル~シニアが買える商品がないのが惜しい。正直、ここに「ユニクロ」のメンズだけ入っていれば相当売れるだろうという感じである。子供服のフロアでは、時間帯のせいもあるかもしれないが、ナルミヤインターナショナルの「ジュニアシティ」に全く人が入っていなかった。同社の商品は高いので、シックスポケットの時代といっても買える層は限られている。一度見ただけで断定はできないが、そういう層は北千住あたりからでも渋谷や新宿へ出て買うのかもしれない。ナルミヤインターナショナルが出店できる店舗というのは、やはりそう多くはないのだろう。同社が最近韓国に進出したのは、やはり正しい戦略であると改めて思った。北千住マルイは、都心に残された数少ない大型店の空白地を押さえ、地域性を見極めたMDの構築で順調なスタートを切っているようだ。競合がいない地域ならば小売業は一人勝ちできる。前期の決算資料に載っている1か月強の売り上げを見る限りでも、初年度350億円は達成できるのではないかという気がする。丸井は、2007年には有楽町への出店計画もある。北千住に比べ、既存の商業施設も多く、逆に難しい点もあろうが、同社がどのような売場構成、品揃えを展開するか注目したい。
2004年06月02日
6月なんて、春夏シーズンも終盤に近づいてニュースが枯れてくる時期に、何でブログ立ち上げちゃったんだろう、とボヤキつつ…。家に帰るまでは、「百貨店は6月商戦をどう戦うか」というテーマで書こうと思っていたのだが、郵便受けを見て気が変わった。行きつけの美容室「カキモトアームズ」川崎店のMさんから、絵葉書が届いていたからだ。最初、ビジュアルをぱっと見て、「どこのショップからだろう?お洒落だな」と思って表書きを見ると、「少し早い夏休みを取らせて頂きます」という用件と、私の個人的な状況をわかってくれた上での心温まる手書きのメッセージがしたためられていた。高感度なショップや美容室からこういう葉書を頂くと、個人的にはメチャメチャ心のつぼをくすぐられる。写真やイラストレーション、文字組みのレイアウトなどが、美的好奇心に強く訴えてくる。職業柄、婦人服のDMで商品を見てもそれをそのまま買おうというような単純な発想に駆り立てられることはないが、今という時代の空気を強烈に発散しているDM、また、「うちのお店は今このラインを売りたい」というメッセージが明確なものにはどうしても目が留まる。昨今はケータイメールDMによる販促流行りであるが、画面が小さいという決定的な限界性があるため、通信料の値下げや動画技術等が進化しても視覚的な感性の表現には限界が伴うような気がする。(但し、聴覚=音に関しては、技術革新と同時並行的にエモーショナルなマーケティング手法が展開されていくのではないだろうか?)ファッション、美容などの分野で、高感度、高価格帯の商品、サービスを販売しているショップにとっては、やはりデザインに創意工夫を凝らした紙媒体によるDMは、今後も強い吸引力を持ち続けるだろう。伊勢丹新宿店などは、雑誌に対する広告戦略と合わせてこのことの重要性を強く理解している優れた企業だと思う。手書きの文字の向こうに、スタッフの真心と、優しい笑顔が透けてみえる気がした。ハイセンス、ハイタッチなサービス。うれしかった。1日の日記 (PM 10:36)日記シルバ-層の取り込みにも奏功している北千住マルイ今日、企業訪問のついでに北千住マルイに行った。ファミリ-はもとより、60代以上が多いことに驚く。 地域に合わせたMDが支持されているようだ。 偶然かも知れないが、ジュニアシティにまったく人がいなかったのが気になった。 ここまでケ-タイで2タッチで打った。疲れた-。
2004年06月01日
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