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あと数時間で2005年ともお別れ。年々1年が過ぎるのがものすごく早くなったように感じる。変化の激しい時代、来年は今年以上に面白い年になりそうだ。よく働き、よく遊び、よく食べ、よく眠ろう。そして、ささやかでも、世の中の役に立つことを。健康に年を越せることに感謝!
2005年12月31日
岡山が東京に比べて暖かい。暖かすぎるくらいなので、頗る体調が好調な年末。世の中景気がよいせいか、いい意味で忙しいという話を聞く。郷里を離れた人間にとっては新しい市町村名に慣れるには、まだちょっと時間がかかりそう。
2005年12月30日
岡山のいろいろな情報をPCで検索したが、サイトの充実ぶりにびっくり。最近WEB構築、コンテンツ作りのレベルがどの企業さんも本当に上がっている。ちゃんとやって当たり前の時代になったのだろう。今日は、生協の白石さん、を読んで、ほっこり。
2005年12月29日
今、岡山に向かう新幹線の中。吉富有治著、大阪破産、を読みながら帰省しています。本日から1月1日まではケータイからのエントリになりますので悪しからず。皆様も良い年の瀬を。
2005年12月28日
今月16日に行われたジャパンブロガーカンファレンスの主催者で、アリエルネットワーク(株)プロダクトマネジメントマネージャーの徳力基彦氏が個人でやっておられるFPNに参画することにしました。徳力さんと名刺交換が出来る、という幸運に見舞われたのは、旧知の間柄である葛飾の若手IT社長さんのお陰であるm(__)m どこかでお見かけしたことがあるような、と思ったら、徳力さんはオールアバウトジャパンの人気ガイドさんの一人なのだ。FPNは、ビジネスブログのコミュニティなので、自己宣伝系、というか、さくらの地元企業さんやら応援している若手のデザイナー、クリエーターさんなどのネタは避け、まずはファッション業界全体に影響力のあるような【ニュース解説】を行う日のみアップします。いずれは、地元のファクトリーさんや起業家の皆さんの動きが、このブログオリジナルのニュースとして世間に認知されるようになって欲しいと思うのだが・・・。来年こそ両国発の元気なニュースをバンバン発信できるように頑張りますので、皆様応援ヨロシク、ですm(__)mさて、一昨日の話で恐縮だが、恵比寿のテクスタイルデポに出向いた帰り、代官山を散歩してきたので・・・。ワールドさんが今年9月に立ち上げた新しいセレクトショップ「ファウンドフレス」について少し記してみたい。同ショップは、同社の人気セレクトショップ「アクア・ガール」出身の女性の方をディレクターとし、「アクア・ガール」よりも大人のお客様をターゲットとしたセレクトショップである、という触れ込みである。代官山の八幡通りを、鉢山中学校の手前辺りまで歩いていったところに「ファウンドフレス」の1号店はあった。東急の代官山駅からは徒歩10分強。幾つかの有力店を見て、更に先まで行かないとたどりつかない立地だから、その先にワールドさんの他のショップがあるとは言え、当然ファッションが相当好きで、買い回りを真剣に行っているような客層向けの、濃いMD、店作りで勝負する必要があるのだが・・・。さすがワールドさん、期待に違わぬお店であった。ビルの1Fを改装して作った物件で、天井は低く、売り場面積も恐らく100平方メートルくらいかな、という程度の小さな売り場なのだが、店内を確か5つの部屋(?というか、コーナー、と表現した方が正確かもしれない。壁はないので)に仕切り、それぞれにまとまりのあるVMD、商品構成で、大人の上質感を表現してあった。物件全体では横長の売り場だが、一番奥の部屋には、非常に大判の写真がドーン、ドーンと飾ってある。その手前に、少しひとクセある個性的な商品を固めてあり・・・。エントランスの部屋は、今一番売りたいコート、次の部屋はニット中心で、売り上げを取っていくメインの売り場とし・・・。向かって左手は、アンティークのジュエリーや、スカーフなど、小物でインパクトを持たせ。向かって右手は、価格帯の高い、インポートの洋服主体の売り場となっているように思った。実際はもっと複雑な品揃えなのだが、一般的に長方形1つの売り場であっても、売り場を作る際に什器を幾つかの塊にグルーピングして、「ここは売れ筋のコーナー」「ここは見切り処分品」「ここはコートを打ち出す場」などということを決めてVMDを組む、というのは小売業の基本である。だが、インポートからオリジナルまで、重衣料から雑貨、小物まで、取り扱い商品の幅が広く、什器も個性的なセレクトショップならではの、非常に変化に富んだ売り場作りが出来ている。コーナーがはっきりしているので、専門学校生の方や新人さんでも売り場作りの意図は理解しやすいと思うのだ。それでいて、全体が、大人の女性のリビングルーム、というイメージで統一されている綺麗なVMDである。自分ならこういう風に商品を並べ替える、ということを考えながらご覧になられると勉強になると思いますよ{こんなこと露骨に書くのはちょっと申し訳ないようですが。ワールドさん、ゴメンナサイ。でも、きっと皆さんも商品は買って下さると思いますので(^^;; }しかし、既に期末の12月。当然のことながら、インポートは品薄だ。「ソニア・リキエル」とか「ベロニク・ルロイ」とか、「ルエラ」のバッグ(?たぶん?)とか、幾つかはあるが、雑貨を含めても全体の7割強がオリジナルブランドの「ファウンドフレス」である。しかし、だからこそこのショップは、しっかり利益が出る構造になっているのだ。セレクトショップさんの勝ち組と呼ばれているところ、UAさん、ビームスさん、ベイ・クルーズ系、トゥモローランドさん等は、皆オリジナル比率が高い。見せ筋のインポートは、仕入れで読みをはずすと一気に収益を悪化させる危険性が高い。だから、シーズンのトレンドをマス向けに落とし込んだり、その店ならではのニューベーシックを打ち出したオリジナルを米の飯にして、しっかりと数を売っていく必要がある。インポートは、もうたぶん売れてしまった後だから今回論評することは避けたいが、残っているオリジナルを見ると、一見目立たないようだが、その実、「大人向け」と謳っているだけの工夫が施されていた。一番に感じるのがサイズ。36、38と、40もかなり多く作られており、どの商品もヤング向けブランドよりはちょっと大きめである。それから色。パープル、グリーン、ピンクなど指し色もそこそこ残っていたが、皆落ち着いたトーンに抑えてある。ビビッドな原色ではない。デザイン的にも、アウターはシーズントレンドのミリタリーベースのかっちりとしたつくりのものが大半だ。ニット、カットソーも、ハイネックやVネックなど、シンプルでベーシックである。明らかにフェミニンなディテールが不足しているが、それは言い換えると、大人の落ち着き、ということになるのだろう。価格的にも、カシミア混のウールのニットが30,000円強、ウールのロングコートが68,000円くらいで、ワールドさんの「コルディア」クラスの商品と同等かやや安いくらいだ。百貨店さんの平場で、「アンタイトル」などを買っている層にとっては高い、ということになるのかもしれないが、この素材、このデザイン、この縫製ならば、「良い」とは言わないが、「ドンズバ」の価格(高からず、安からず)の線をきっちり出している。既にMDは完成されており、いつでも多店舗化できる完成度だと思いますね。しかし、ここからのワールドさんの戦略に実は大いに注目したいところなのだが・・・。残念ながら、この代官山店には絶対的に欠けているものが一つあった。それは、大人の客層に見合った年齢のショップスタッフさんである。あの場所では実際のところ、本来のターゲットよりも若いファッションフリークにもかなり売って数字を作れば済むことなのだろうが・・・。本当に30代後半から40代を取りたいと思うのなら、ショップスタッフもそういうベテランを配置すべきだと私は思うんですよ。若い子がオシャレなのはある意味当たり前だと思うのだが、自分と変わらない年齢に見えるのに断然垢抜けている販売員さんがいたら、絶対に親近感が沸くと思うんですよね。それとこの業態、直営の路面店及び駅ビル内への出店、という形がイメージをコントロールしやすく、王道になるのだろうけど・・・。ワールドさんの取引先である、地方の県庁所在地クラスの都市の有力専門店さんこそが、一番欲しがっておられるお店のように思うのだ。商品もよくよく見るとかなりベーシックだし、イマドキの地方の人もこれくらいの感度の商品を、イメージの良い売り場で買いたいはずなのである。もし有力専門店さんが抱えるエース級の人材達が店舗を任されたら、今の代官山のお店よりも面白い売り方をされるように思います。これくらいの価格帯の商品だったら、その上のプライスのインポートを噛ませながら数字も相当取る力はお持ちだと思う。30代後半から40代、というと、地方にはそういうお客様の数は少ない、というのは真実だが、良いお店は限られた上顧客、例えば地方大学の助教授、看護婦の婦長さんクラス、大手企業のお局様層、水商売をやっておられる方、建設会社など中小企業の社長夫人等々の中で、本当に服が好きな方、ショップでの息抜きを楽しみにしておられるような方をきっちりと掴んでおられる。だから、FCとか、販売代行、というのもアリかもしれない、と私は思うんだけど。「アクア・ガール」と変わり映えしないお店にしないためには、MDだけでなく、狙いたいターゲットに合わせた販路政策というのも必要だと思うのだが。もちろん、ベタなイメージに振れるかも、というリスクは承知の上で書いているのだが、地方の専門店さんと組んだセレクトショップの出店というのはワールドさんにしか取り得ない戦略だ。是非是非ご検討下さいませ。人気blogランキングへ
2005年12月27日
M&Aに明け、M&Aに暮れる2005年、最後の最後に真打が登場しましたねぇ・・・。セブンイレブン、イトーヨーカ堂等を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスが、そごう、西武百貨店を有するミレニアムリテイリングの発行済み株式の65%を取得する。これにより、セブン&ホールディングスは2005年の連結売上高が約4兆5,400億円となり、世界の小売業売上高ランキングの5位、日本国内でも同業他社のイオンを抜いて1位に浮上する、というものだ。セブン&アイの財務力の強さをまざまざと見せ付けるM&Aである。西武百貨店とそごうは、共に経営不振、経営破たん後の再生に苦しんできたが、リストラもひと段落し、和田繁明社長の下で業績も持ち直してきた。自ら手を汚す必要はなく、既に贅肉がある程度取れて筋肉質な体制になりつつあった虎の子を手中にする。再生型よりもいち早く攻めに入ることが出来る。これこそが、M&Aの理想形、と言えるのではないだろうか。今、NIKKEI NETを見ると21時24分付けで、「(前略)既存のイトーヨーカ堂の店内に『ミレニアムグループの専門店が入るなどと言ったアイデアが出てくると思う』」(同サイトより引用)云々の鈴木敏文・セブン&アイ会長兼CEOのコメントを織り交ぜた記事がアップされていた。もう少し詳しい会見の内容は、明日の朝刊各紙を待たなければならないのだろうが、今の時点での私の個人的なフォーキャスト(予想)をここに記しておきたい。セブン&アイさん、というか、鈴木会長兼CEOの凄さ、と言った方が良いかと思うのだが、常識にはとらわれず、お客様とか、売り場のリアルな現実から出発して戦略を組み立てておられるところにあると私は思っている。その最たるものは、コンビニでも最近のGMS改革でもそうなのだが、ここに来てもやはり「中の上」の消費の取り込みを狙っているところにあると思うのだ。今年になって急に「バブルの再来か」と言われるほど、一部で高額品が売れたりしているけれど、その一方で、「下流社会」の広がり、消費の2極化が以前にも増して叫ばれるようになっている。今回の百貨店買収を、「高級消費を取り込もう」としている、という見方もある面正しいだろうし、リアルの小売業の中で業態別のポートフォリオを組んだ時唯一同社に欠けていたものを手中に収めた、というものアリ、なんだろうけど・・・。鈴木会長兼CEOは、たぶん、日本のマスの部分の消費者の購買力は、そんなに落ちていないし、これから少子高齢化が進んだとしても、10~15年くらいは持ちこたえる、と思っておられるように私は思うのだ。この辺を、是非、どこかのマスコミさんには突っ込んでインタビューして頂きたいのだが。これから大量にリタイアが始まる団塊の世代は、減りつつあるとは言え、まだ年金をそれなりにもらえそうだし、銀行や郵便局、タンス預金もキッチリしている。地方で田んぼや畑を持っている人ならば、実は、そんなにお金を使わなくても生活はやっていけるんですよ。実は、「買いたいものがない」「お金を使いたくなるところがない」という風に見ておられるのではないか。だから、下流階層、低所得者層向けの低価格MDで勝負するのではなく(土台、そういう点ではそれぞれのカテゴリーキラーに勝てる訳はないのだから)、より上の層を取り込む作戦を取ろうとしているように思うのだ。100円のおにぎりの代わりに、150円のおにぎりを買って頂き、客単価アップ、ひいては売り上げアップを図る、ということである。前にもこの話、書いたことあると思うけどネ。ただ、今回、西武&そごう連合を手中に収めたことで、こと衣料品や服飾雑貨、化粧品等の分野では、セブン&アイの取れる戦略、戦術ははるかに広がったことは間違いない。今、セブン&アイのGMS部門、イトーヨーカ堂は、深刻な不振に悩む衣料品改革に懸命になって取り組んでいる。また、イオンともつながりの深いダイヤモンドシティや、イオン本体自身が90年代から郊外型の大型ショッピングセンター(SC)の開発を進め、最近では百貨店を巻き込んだ2核1モールの形も実現しつつあるのに対し、やっと昨年くらいから「アリオ」の出店が始まり、出遅れが否めない感があった。しかもここに来て、大店法の再来か、というような出店規制が再び設けられつつあり、その種の政治的な動きが今後どのような方向に行くのかにも目配りする必要性が生じてきている。しかし、百貨店業態がグループ内に加われば、普通に考えても、アパレルや雑貨メーカー等に対する交渉力は高まる上・・・。アリオのような郊外型大型SCの1核として西武百貨店かそごうを入店させれば、SC内には、百貨店内に「アパレルの百貨店向けブランド」「百貨店の自主MD売り場(これはなくてもあっても良いが)」、SCの専門店ゾーンに「ユニクロ、ポイント、ライトオンのような全国区のチェーン専門店」「ハッシュアッシュ、アンドバイピーアンドジーのような大手アパレルの郊外型SC向けブランド」「アクシーズやサキヤクリエイトのような、地方の有力専門店による郊外型SC向けショップ」等がそろい踏みする。これは、非常に魅力的なラインナップですよ。そうなると、郊外型大型SCのGMS部門には、極論すると、肌着や靴下等のコモデティ商品だけがあれば十分、ということになる。GMSの衣料品部門、改革せずして改革終わり、ということもありなのだ。今までGMSの衣料品部門の改革が難しかったのは、店舗の標準化や立地による分類が出来ていなかったからであった。そういう状態だから、ターゲットを定めたり、VMDを組むのが難しかったと思うのだが、都心部とか、地方でもコアになる店舗、RSC(リージョナル・ショッピング・センター)は切り離し、いわゆるCSC(コミュニティ・ショッピング・センター)向け、田舎のコンサバな層にのみ照準を当ててMDを組めば済むことではないか。もっというと、セブン&アイさんにとって、最早既存のGMSの衣料品部門は全部カットオフすることすら可能だと思うのだ。今頑張っておられる皆様には非常に申し訳ない表現になってしまうかもしれないが。それ以上に、大手アパレルさんはまだ良いが、量販店向けアパレルさん、と言われる企業さんは、セブン&アイさん向けでけでなく、自社のブランディング、ターゲッティング、商品政策、そして販路政策について相当真剣に考えられる必要があるように思う。益々競争は激化しますよ。しかし、考えれば考えるほど、セブン&アイの今後の針路、非常に興味深い。この間の独自の電子マネー発行の問題も、西武&そごうまで加えれば、「エディ」同様、上限5万円くらいでやってしまっても面白いのではないかと思うし・・・。もう一つ、中国進出の問題もあるんですよ。既に北京の有力小売業に成長しているヨーカ堂だが、百貨店業態も向こうに持っていく、ということもアリ、なのではないか。しかし、いいことずくめのように書いてきたが、日本のリアルの小売業最大の強者、セブン&アイさんに死角はないのかというと・・・。当然もう一方の雄、イオンさんも負けじと矢継ぎ早に手を打ってくることは間違いないと見てよいだろうし・・・。もう1つ、今朝の日経さんもチラリと「ウォルマート」の名を出していたが、絶対にカルフールみたいに諦めは早くないだろうから・・・。次なる買収先を探し、試行錯誤を続けていくのではないだろうか。ウォルマートが今後浮上する局面があるとしたら、それは、日本経済が今後衰退に向かい、日本がアメリカのように本当に貧しい国民を数多く抱える日を迎えた時であろう。そうなれば、同社の「オールウェイズロープライス」は、セブン&アイの150円おにぎりを売る戦略より圧倒的に支持されるかもしれない・・・。さくら的には、日本がそういう国にはなってほしくはないんだけどなぁ。あっ、でも、ウォルマートさんに優れた点があることも認めています。自由競争の世の中なんだから、皆さん頑張って消費を活性化して下さいマセ。人気blogランキングへ
2005年12月26日
HARRYさんのブログ「世祓い」で知ったのだが、総務省がビジネスブログ及びビジネスSNSの活用事例を公表したそうだ。しかし、ここで紹介されている事例、HARRYさんがおっしゃられる通りで、IT系企業さんといわゆる士業系のオンパレードだ。ファッション業界関連でもアパレルウェブさんとかフットマークさんのように、情報収集力の高い企業さんはしっかりと名を連ねておられるようだが、他にも優れた事例は、うちの業界に限っても幾つもあるように思うのだが・・・。中小企業さんが、社長自ら情報発信し、B2Bの受注につなげているケース、私も会員に名を連ねているe製造業の会のHPのように、中小企業のブログのポータル的な役割を果たしているブログ、更にはネットショップとブログを連動させているタイプ、1社で複数のブログを所有する例など、枚挙にいとまが無い。ブロガーなら、ネット上で情報を察知して公募してくるのが当たり前、と言われればそれまでだが、もう少し周知徹底をしっかりお願いしたかったですね。うちのような会社におっしゃって下さっても推薦はできますので。総務省さん、次回はヨロシクお願いします。さて、年末の準備に追われているさくらだが、今日は約束の場所へ・・・。恵比寿のテクスタイルデポで行われている、OC2のイベントを見て参りました。まず、皆さんに知って頂きたいのは、東京のテクスタイルデポさんの事務所は非常に便利な場所にあるということ。JR恵比寿駅東口から、動く歩道に乗って恵比寿ガーデンプレイスの手前、終点まで行き、そこから左に折れて、来た方向に約20メートル程進んだ右手にある。テクスタイルデポは、瀧定大阪さんが若いデザイナーさん等のために生地在庫をストックし1メートルから切り売りする、という素晴らしい事業だが、この立地の良さも、デザイナーさんや小規模な企業さんにとっては魅力となるように思った。次に、会場内で目を引いたのは、OC2のサイトでも紹介されている、「つくりて」さんが制作したというオブジェだ。木を組み合わせた直線的でシンプルなフォルムだが、建物の雰囲気にもマッチしていたし、デザイナーさん達の個性的な商品をうまく引き立てていたように思った。会場には何故か、OC2のメンバーは誰もおらず(立川のグランデュオに皆行っちゃったのかな?)、旧知のデザイナーKさんのみ。他のデザイナーさん達も、皆不在だった。しかし、私が応援していたり、このブログを通じて知り合ったデザイナーさん達の作品が沢山あったので、楽しく商品を見せて頂くことが出来た。今回の展示会の参加者の中には、「OOSO」「ZOESTYLES」「Rajyu Lab」のように、リアルでの販路を次々と拡大しているブランドもある。インディーズデザイナーと消費者をつなぐことを目的として活動を開始したOpen-Clothesだが、ネット販売OC2の開始以後、着実に力をつけ、最近は参加してくるデザイナーさんのレベルも相当上がってきているようで、喜ばしいことですね(^^)Kさんと話していると、入口から、IFIビジネススクールの後輩で某デザイナーブランドに勤めるS君と、S君の友人のK君が入ってきた。S君とは、こういう所でよく会うんだよね(笑)、ホント。しかし、今日着ていたトレンチ・コートは、なかなかカッコ良かったなぁ。襟の立ち具合が様になってましたよ。元々小売りを目的とした場所ではないので、売り上げの方がどれくらい上がっているのかはわからないが、セレクトショップのバイヤーさんや百貨店、SCの催事担当者の方など、業界のプロはかなりこのイベントには注目しているはずだ。といいつつも、直ぐお持ち帰りできる商品が大半なので、これから冬休みを迎えるヤングの皆様や、勤めておられる方でも会社のお昼休みか帰りにでも、良かったら是非お立ち寄り下さいませ。26日までの開催です。人気blogランキングへ
2005年12月25日
商店街から聞こえる「ジングルベル」の唄をBGMに、年賀状と年賀メールの準備に大わらわの一日、である。というか、先週裏面を350枚弱印刷したのだが、作業は今日の今の時点でも全然終わっていない。なるべく多くの人をメールに変更しようと思っていたのだが、意外とそれが難しそうなのだ。郵送分がやはり400枚くらいにはなりそうなので、まだまだ印刷しなければならない。住所や肩書きの変更、新しく知り合った方の入力など、要領が悪いせいか、結構大変である。今年は、何名か、非常にお世話になっていた方で、それもまだお若い方が亡くなられた、ということもあった。とてもショックだったのは、小学校時代の担任の先生だったM先生の突然死だ。私達が六年生の時、就任2年目の24歳だったこともあり、先生にとっても初期の頃の可愛い教え子だということで、私や友達は何度か先生のご自宅に遊びに行かせて頂いたこともある。まだ53歳。校長先生としてまだまだこれから、という時のあまりにも早すぎる死であった。最近つくづく思うのは、健康管理の重要性だ。よく、リタイア後の老後の心配をする人がいるが、ハードな仕事をしている人、体の弱い人の場合、リタイアを迎える前に体調を崩す、というリスクもあるのだ。特に、自営業の経営者の場合、後継者が決まっていなかったり、事業承継の準備が整わないうちにもしも、というようなことがあれば、家庭人としてだけではなく会社の経営にも大きな支障を来すことになる。私の周囲の多くの自営業の方は、人間ドッグに入るなど、万全の備えをなさっておられる方が多いが、ストレスの多い激務だけに、くれぐれも健康には留意なさって頂きたいと切に思う。それから、うちの業界の場合、フリーランスの方、個人事業主の方も多い。サラリーマンと違って、なかなか健康診断に行く暇がない、という方も多いだろうが、絶対に行かれた方が良いと思いますね。M先生の年賀状に添えられた私へのメッセージを読んでいると、今年からはこんな文章にはもう2度とお目にかかることはないのだ、という思いが込み上げてきて、胸が詰まりそうになった。私とひと回りしか年が違わない先生。もし、私の人生があと10年余りしか残されてなかったとしたら、私は「人生に後悔はない」と言い切れるのであろうか?果たして自分は、先生のように、後進の育成に魂を込めていると言えるのであろうか?本当に人生は長いようで短い。今年1年も、やろうと決めたことで実行できていることはあまりにも少ないが、時間を大切に、来年は1日1日を大切に生きていきたいと想うのである。人気blogランキングへ
2005年12月24日
少し前のニュースで恐縮だが、Apple社が日本国内の直営店Apple Storeで、今年もまた「福袋」を売るらしい。詳しくは日経BP社のサイト、デジタルARENA内のブログ「iPod情報局」をご覧頂きたいのだが、4万円の福袋の中に、iPod nanoや5GのiPodなどの商品が投入され、お得感を感じさせる内容となるのではないかということだ。この福袋、ネット販売は行わず、リアルのApple Store6店舗(銀座、渋谷、大阪、名古屋、仙台、福岡)のみで売る、というあたりが、よく考え抜かれていると思う。アクセスが集中し、買えなかったお客様から苦情が出る危険性が大きいからだろう。顧客サービスのつもりが、反って不満の元になったのでは元も子もない。しかし、2005年もまもなく暮れようとしているが、今年最も流行った商品、今一番ファッショナブルなアイテムと言えば、やはりこのiPodであろう。同じ日経BP社のサイト内に、同社編集委員の林伸夫氏が、米Apple Computerのフィル・シラー上級副社長にインタビューした記事が掲載されていたので是非ご覧頂きたいが、市場シェアが60%をわずかに切るところまで到達しているそうである。今週号の『日経ビジネス』にも、Appleが怒涛のごとく短期間のうちに新商品を投入し、逆にまだまだ行けると思われたiPod miniを潔く休止した事例について触れた記事があったが、技術革新のスピードが昔に比べて速まっている今の時代は、商品のライフタイムサイクルも短くなる、ということを理解し、ただ理解するだけでなく実行してきたことが成功につながっているように思う。同誌には、「iPodの2個持ち」の話もあったが、実際そういう人は結構いるようである。パソコンだって複数台所有している人も多いが、2000年前後くらいから、IT関連やケータイ、モバイル機器等への投資を惜しまない層は増えてきているように思う。しかも、昔ならそれは一部の男性に限られていたが、今は女性も負けてはいない。通信費の支出増の問題も含めて、限られた可処分所得の多くがこの分野に引っ張られている、ということは、相対的にわが業界が受ける影響、というのもかなり大きいはずなのだ。たまたま今は景気がよく、しかも非常に寒いのであまりそのことを感じずに済んでいるが・・・。この問題への対策は、まずは、他産業の魅力ある商品に負けないだけの価値ある商品開発とサービス、広告プロモーションを行うことももちろんだが、これだけ旬な業界にこちらからなるべく近づいていく、ということが肝要なのではないかと私は思っている。一つは、このiPodに関しても、イヤホンやiPodケースを始めとする関連グッズがものすごい数発売され、非常に大きなマーケットになっている。そういう市場に、ファッション業界ならではの切り口、デザインセンスで参入するということと・・・。もう一つは、販路や広告プロモーションの場として、ITメディアを活用することである。ネットやケータイでの販売、来年は今年以上に話題となるであろうポッドキャスティング、そして、大手企業さんならば、IT企業との共同販促、という手法もあるはずだ。話は最初に戻るが、私がブログ「iPod情報局」のエントリを読んで唸ったのは、福袋の発売のこともそうだが、そのイベントが実施できる場=旗艦店が既に6店舗も出店されていた、ということである。リアルのApple Storeの発想は、ファッション業界におけるラグジュアリーブランドや欧米のSPA(製造小売業)の主要都市の旗艦店の発想に近い部分もあって、情報発信、広告宣伝を行い、ブランドイメージの向上と認知度のアップを図る、という点は共通していると思うのだが・・・。商品の性格上、そのお店で売り上げそのものをガンガン取る、ということはあまり考えていないはずだ。今やIT関連の商品はネットでガンガン売れる時代、ヨドバシカメラさんのような家電量販店さんでさえ、店頭では商品は見るだけで家に帰ってからネットで買う、という人の方が多いらしいよということを言う人もいるくらいだから。あのお店は、実は、使い方や機種別の特徴をお客様に説明したり、お客様に自由に商品を試してもらったり、クレームを受けたりするための、顧客とのコミュニケーションの場なのである。この点から、わがファッション業界が学ぶべきことは、非常に大きいのではないかという風に私は思うのだ。「売り場」=商品を売る場、であることは誰でも認識しているが、日々の売り上げを作ることに追われて、ブランドなりショップのファンを育てる場でもあることを忘れてしまっていないだろうか?更に言うと、iPodの場合は、顧客とのコミュニケーションだってWeb上でもかなりの部分は出来るはずなのだ。だが、それなのに敢えてリアルとネットの両面作戦で行く理由は、ネット上でRSSリーダーを活用したりイノベーターのブログを読んだりして自分から情報を取りに行く積極的な層以外の、マスにまでブランドの価値を浸透させたい、始めからトップを狙って思い切った勝負をかけてきたからだ。こういう活動を通じて、恐らく同社は、顧客が実際にどんなライフシーンで、どんな使い方をしているか、そして、潜在的なニーズが何で、次はどういう方向に商品を進化させればよいか、といったヒントを掴んでいるはずだ。そこからまた、次の手も素早く打つことが可能になる。交通広告やTVCM、雑誌、そしてネット上のアフィリエイト等も含めた新旧のマルチチャネルでの大規模なプロモーション手法もさることながら、マス・マーケットを狙いながらも、ファッッショナブルなイメージを保持し、上から商品をプッシュしていくだけでなく、顧客の中に入りこんでしっかりとしたブランド・ロイヤリティを確立する・・・。iPodの快進撃、2006年も暫くは続きそうである。人気blogランキングへ
2005年12月23日
寒~い。あまりにも寒すぎませんか?今日は午後から、自転車で墨田区内を年末の挨拶回りで回っていたのだが、イタリアで買ってきたレザーの手袋をしていても手先が冷たくなるほどであった。この手袋、「海外に行った時くらいしか使うことないだろうな」と思いつつ、フィレンツェでレザーの指輪と一緒に購入したのだが、買っといて本当に良かったっス(^^;;; 寒がりのさくらにとっては少々つらい年の瀬である。さて、いろいろと書きたいことはあったのだが、あんまり寒いので思いつきでテーマを変更しちゃいますね。今年は世の中景気が良い(?中小企業にとっては実感に乏しい部分もあるんだけどね?)らしく、リアルの店舗、百貨店さんやファッションビルさん、ホテルさんなどのクリスマス向けの店頭ディスプレイが非常にゴージャスである。先日、横浜ランドマークプラザには、スワロフスキpresentsの巨大クリスマスツリーが鎮座していたし、昨日日本橋の三越さんの横を通ったら、赤い洋服を着た女の子が主人公の、ストーリー仕立ての凝ったウィンドウディスプレイであった。うちの「メーカーのための実践的ファッションマーチャンダイジング(2005年版)」のパート3の講座の講師を務めて下さっていたK先生曰く、「今年は白と、ブルーを基調としたクリスマス・ディスプレイが多い」ということである。確かに、銀座辺りを歩いていてもそういう印象を受ける。寒色系の打ち出しを行っている企業さんが多いのは、恐らく景気が良いのでクールでスタイリッシュなイメージでも押せるからであろう。今年はどこの企業さんも予算が前年よりも潤沢だろうし、デコレーターさんにとっては腕の奮い甲斐のあるシーズンだったはずである。さて、ここからが本題の本題。そうやって、リアルの店舗さんは、この時期、お客様に夢と感動を与えようと皆さん奮起しておられるのだが、ネットのファッション店さんはどうなんでしょうか?と思って、いろいろなサイトをチェックしてみたのだが・・・。まずは、レディスファッション系サイトの2強、スタイライフさんとマガシークさんは、既にセールに突入しておられました。念のため書いておくと、両者共、月初にはちゃんとクリスマスらしいイメージの美しいトップページになっていたのだ。しかし、明日からの3連休前、解放的な気分になっていたり、もしくは彼氏がいないとか、別れたばかりとかでブルーになっている女の子達が「なんか買おうかしらん」と思って来店してこられる今は(明日ではないですよ、今のこの時間帯こそが!)、販売の絶好のチャンスなのだ。これはTV通販さんも同じようですね。明日から、ではなく、今夜からが勝負なのだろう。その他、大手アパレルさん等のサイトを見たのだが、クリスマス仕様のところはあまりなさそうで・・・。ホント、ちょこっとそういう画像やFlashを作って訪問してくれる人に喜んでもらおう、という、そういう気持ちを持つということについては、リアルもネットも同じはずなのに・・・。何故リアルで出来ていることがネットでは出来ないのか、非常に残念である。外部委託、ということもあるのかもしれない。それであっても、「こういう風にしてほしい」という要望をきっちりと伝えることは、非常に大事なのではないだろうか。唯一さくらが発見したのは、コチラ、フランドルさんの企業ホームページである。見ていると、心がホカホカしてきますよね。次、行きます。ヨーロッパ最大の通販サイト、YOOXさん。年商は70億以上あるらしい、と書いてあるブログを見たが、確かに面白い品揃えである。右上のスクリーンにご注目を。スパイク・リー、カイカイ・キキの青島千穂、マルコム・マクラーレンによるスペシャルな編集ページが掲載されている。青島さんのイラストが可愛いですよね。YOOXさんを見る度に思うのだが、日本のデザイナーズ・ブランドとネット販売の企業さんが組んで、こういう形で輸出、というのもアリなのである。実店舗を持つよりもはるかにローリスクだ。欧米の前に、まずはアジアから。誰かに是非チャレンジして頂きたいものである。マガシークさん辺りなら、伊藤忠さんの背景もあるので楽に立ち上げられる事業のように思うんだけどなぁ・・・。最後にもう一丁。ページデザインはクリスマス仕様になっている訳ではないのだが、今年ファッション業界内で大きな話題になった企業さんの一つ、小杉産業さんのサイトである。同社がスポーツ専門店チェーンのミナミを買収した時に、再生ファンド、ジェイ・ブリッジさんの凄さを感じたが・・・。来年の同社の攻めの動きには是非注目したいですね。こういう、復活への予兆を感じさせてくれる企業さんのことを考えると、寒さも心なしか和らいでくる気がしませんか(^^) サイト内には、11月11日に地下鉄銀座駅のオアシス広場で同社が開催したコンサートの映像もアップされているので、是非どうぞ!人気blogランキングへ
2005年12月22日
本を読むのは好きだが、例外なく面白いのは経営者自らが書いた本である。文章が上手な方かどうかは関係なく、実体験に基づいた成功事例には強い説得力があるからだ。前、「自由が丘スイーツフォレスト」の話題の中でもご紹介した、スイーツショップ、シリアルマミー代表の篠直余さんの著書『知識0の専業主婦が楽天・デパ地下で大成功した秘密』(ブックマン社刊、定価1,238円+税)も、そんな本であった。楽天さんの人気店さんなのに、何故か楽天市場の中での取り扱いがないのが残念だが、これから起業されたい方、中小企業の経営者の皆様には、是非一読をお勧めしたい。シリアルマミーさんはリアルでもネットでもご商売なさっておられるので、どちらか一方しか手掛けていない方にとって非常に読みやすい本だという気がする。専業主婦だった篠代表が、ご主人が経営する代官山のレストランで、インフルエンザで倒れたパティシエとフロアスタッフのピンチヒッターに立ち、周囲の反対を押し切ってフレンチトーストを販売、雑誌「Hanako」編集部の目に留まってから大ヒット商品に・・・というところから、ビジネスチャンスを掴み拡大していかれる様が、非常にドラマチックに描かれている。私も仕事柄数多くの経営者の方にお会いする機会に恵まれているが、篠代表は、やはり、成功する人に共通する資質を持ち合わせておられるように感じた。それは、次のような点である。・素人の利点を最大限に活かすこと。経験がある人が必ずしも起業に向くとは限らないが、仕入れルート、販売ルートを持っているとか、業務プロセスに精通しているとか、従業員のスカウトにも有利とか、全くの素人よりは相当に起業しやすい、というのは事実だろう。しかし、「わからないことは素直に認め(中略)、お願いすることはお願いするという姿勢でいると、なぜか周囲のプロフェッショナルの人たちが手伝ってくれるようになるものです」(同書)と篠代表は記している。後述するが、人一倍努力する、という一生懸命さと、素直さ、謙虚さ、それがあれば、道は開ける、ということだろう。このことは、わが業界で工場の方がファクトリーブランドを立ち上げる際に、外部の企画のプロの方と組む場合にも言えることではないだろうか。・タイミングを逃さない新規事業の立ち上げにとって一番重要な点である。タイミングには外部環境の問題と内部環境の問題があり、双方が良い、と思われる時でないと難しいと思う。かなり優秀な経営者の場合、早すぎて失敗、というケースもあるが、2次起業しようとする中小企業さんの場合、いつまでも踏ん切りがつかず、結局踏み切れず年をとってしまう、というケースの方が圧倒的に多いようだ。非常にもったいないと思うんですけどね。それこそ、「失敗したらやり直せばいい、それだけのことなんです」(同書)なのだ。早くチャレンジできる人は、撤退もスピーディーに出来るはず。これも、短距離走のスタートダッシュのように、イメージトレーニングと実戦経験で自分の能力を高めることは出来るようになるように私は思う。・自分が納得するまで努力することこのくだりには、「うん、うん」と思わず頷いてしまった。私自身が大した努力もしていないのに書くのは僭越だが、篠代表はこう言い切っておられる。「努力しても報われないことのほうが多いかもしれません。しかし、努力しなければ成功の可能性も無いということを知ることが肝心。(中略)私は努力している、と公言している人の中で、本当に努力している人が、何人いるのでしょうか。努力の度合は人の感覚によって千差万別かもしれませんが、私は極限まで自分を追い込んで、もう死ぬというところまでやらないと納得できないのです」。激しい文面だが、具体的な場面場面を読むと篠代表が本当に言葉通り半端ではない努力を重ねてこられた方だということがおわかり頂けると思う。特に、ネットショップ立ち上げ後、当初売れなかった楽天のサイトを必死に研究して改良していかれるくだりには、私は強く感動した。・商売には観察力が必要メーカー、小売業を問わず、これは必須事項であろう。篠代表の場合、起業される前に日本舞踊を真剣にやっておられた経験から、観察力が身についたのだそうだ。観察力、言い換えると、「気づき」、そして、気付いたことをすぐに現場に落とし込み改善する、その繰り返しで、商品もサービスもお客様に喜ばれるものになっていく。私が感心したのは、「行列の法則」である。行列を途切らせないようにするために、篠代表は、お客様の人数が少なめだな、と思ったら、接客の際ひと手間増やして(要するに、お包みしたりする工程を1、2増やす、ということである)丁寧な接客に務め、列の長さをキープするように心がけておられたそうである。これ、私自身も、販売をやっていたときに先輩から教わって実行していたことに近い。店内にお客様の数が少ない時は、お客様を少し「遊ばせてあげる」=沢山試着して頂いたり、少し世間話を長めにして、売り場に活気を持たせる、ということである。・地名の法則新宿の伊勢丹さんでの催事販売の初日、「シリアルマミーです」と言っても誰も振り返ってくれなかったので、「代官山『シリアルマミー』です」と言い換えたところ、とたんにお客様が反応した、という話・・・。これにはいろいろと考えさせられるところがあった。地名って、その街の持つ歴史というか、時間をかけて形成されてきたイメージと分かちがたく結びついているところがある。更にその根っこには、その時が台地なのか沼地だったのか、というような、地質学とか、お城を建てるのに向いている立地なのか、逆に攻め込まれやすい立地なのか、といった地政学的な要因も絡んでいたりして、コトはそう単純ではない。岡山に居た頃、大学の社会人向けゼミで一緒に勉強していた一級建築士の方が、「地霊」という言葉を使っておられた。その土地土地に棲む神様のようなものを無視して、地域開発、都市開発を行うと、うまくいかないのではないか、ということを話しておられ、そういう宿命論的な考え方には同意し難いところもあるのだが、しかし、その説には非常に説得力があるように思ったのである。広い東京の中には、いろいろな街があり、それぞれの地質、立地、歴史を背負っている。その結果、オシャレな街・○○、とか、下町・△△、といったイメージが多くの人の間で共有されるようになっている。篠代表のショップがある代官山は、ファッショナブルな街、というプラスのイメージがあり、ファッションビジネスや食のビジネスの発信地としては最適の場所であろう。だが、わが愛する「両国」はどうか?「墨田」はどうか?背負っているモロモロのイメージの中には、ファッションの発信地としてそのままプラスに活かせるものもあれば、やや不利なのではないか、と思えるものもある。この問題は、正直、うちの地元を始め、東京東部地区の企業さんが事業を立ち上げる際には自社のターゲット、ポジショニング、販路、ブランディングの問題と絡めて相当真剣に考える必要がある問題だと私は思っている。ただ、どちらかというと「古い」とか「ものづくり」とかいうイメージがあるだけに、その対極にあるような若さ、斬新さ、感性、クリエイティブ力があればそれは突出した個性として評価される可能性も非常に高いのではないだろうか。もしくは、歴史や伝統、ものづくり系企業の強みを素直に生かしてブランディングするか。残念ながら、東京は山の手にクリエイティブな企業や人材、そして大学や専門学校などの教育機関が集積してしまっており、非常に東西格差が大きい地域である。面白いヒトと出会えない、出会う絶対回数が少ない、ということは、数年のスパンで考えると非常に大きな機会損出なのだ・・・。このハンデを補うために外へ出て行くのか(リアルだけでなく、ネット上での活動も含めて)、あるいは、自分のリズムでじっくりと腰を据えたビジネスを行うのか、その辺も、熟考する必要があるでしょうね。以上、この他にも、商売をなさっておられる方が読まれるとすぐに自社のビジネスに応用できるような記述が多々あり、面白く読ませて頂いた。それ以上に、同書の末尾の方で切々と綴られている、主婦業、家庭と仕事との両立に関するくだりは、本当に綺麗事ではない篠さんの生の声、心の叫びのような文章で、読んでいて涙がこぼれそうであった。皆様も良かったら是非どうぞ!オススメです。人気blogランキングへ
2005年12月21日
今日も3つの講座があって、その後K講師と上司と3人で飲みに行ったのでまたまた帰りが遅くなってしまったのだが・・・。今日から(もうこの時間だと、厳密にいうと昨日20日、と言うべきか)から立ち上がった「music focast 247(mF247)」、早速メンバー登録して1曲ダウンロードさせて頂きました。247Music代表で、元ソニー・ミュージック・エンターテインメント代表の丸山繁樹氏という音楽業界の大物が立ち上げたこの事業、記者発表の際に何と800名もの報道関係者が集まったそうである。酔っ払ってちょっと細かく書く元気がないのだが、ご関心のある方はこのニュースサイトを是非ご高覧頂きたい。「コピー自由の無料音楽配信」ということの根っ子に、有望なアマチュアアーティストを世に輩出したいという丸山氏の思いがあること、ギャザリングなど、ネット特有のビジネスモデルの成功例をうまく取り込んでいることも素晴らしいのだが・・・。私が非常に感銘を受けているのは、ベテランの大物アーティストのカムバックや往年の音楽ファンを呼び込むことを狙っていたり、音楽のジャンルもJ-POPやロック、ヒップホップなどだけでなく、クラシックや現代音楽、演歌など、非常に幅広いジャンルを包括しておられる視野の広さである。爆風スランプ、大江千里など、さくらにとっては懐かしいミュージシャンの皆さんが同社のチャレンジを応援しておられることも心強いですね。今のところ、一番ダウンロード数が多い曲でも午後1時の時点で200曲のようだったが、路上ライブで200人に曲を丸ごと聞いてもらう、なんてことを考えると画期的なことだし、しかも全国、海外からもアクセスは可能である。いずれは、mF247の中から、必ずスターが登場しますよ。このサイトを見て、私はわが業界のOpen-Clothes(オープン・クローズ)&通販サイトOC2のことを思い出した。志は非常に似ていると思うのだ。Open-Clothesよ、頑張れ!人気blogランキングへ
2005年12月20日
おお~ブルブル、ここは本当に東京なんだろうか、と思えるような寒さである。今日は午前中は江戸川区内、夕刻は高円寺に行っていたのだが、思わず首と手先を胴体にひっこめたくなるような(笑)感じであった。先週、健康診断の検査の続きで病院に行き運悪く風邪の菌を貰ってきてしまったようなので、今夜はビタミンを大量に摂取して首にマフラーを巻いて完全防備で早めに寝ます。さて、今日のお題だが、日経MJさんの見出し「パソコンを接続しなくても」は間違いである(笑)。いくら何でもそんなソフトはないのだが・・・。正しくは、「サイトを訪れなくてもパソコン画面に常時商品画像を表示するサービスを始める」というものである。という訳で、さくらも早速このページからダウンロードしてみました(^^)これはどうやら、レッドクルーズ(株)さんのeクルーザーというソフトらしい(同社のブログからリンク&トラックバックさせて頂きました)。見たところ、RSSリーダーの機能の応用のように見えるが、文字情報だけでなく、画像が加わったことのインパクトは大きいように感じた。技術的には恐らく、そんなに革新的なものではないかと思うが、ジュピターショップチャンネルさんにとってはそこそこプラスになるように私は思う。確かに、同社のメインターゲットは、40代、50代の主婦層で、彼女達の多くはPCではなくTVを見て注文、という行動パターンが多いと思うのだが・・・。日経MJの記事文中に、「同社は文字情報で商品を常時紹介するサービスを展開中で(注:これまでのサービス)、利用者は3万人前後」とある。この人数は、次に取り込むべきターゲットである団塊ジュニア、そして、いずれはその下のプリクラ世代、というか、インターネットのネイティブの世代になれば、もっと増えることは間違いないと私は思うからだ。私の知人にもそういう若い人はいるが、TVをつけっぱなしにし、ネットで時々気になった情報はチェックし、更に友達とケータイでメールする、なんてことを同時に行う、ということは当たり前だからだ。IT時代は情報が非同期化する時代、つまり、見たい時に見たい情報を取りに行って見る時代だというが、それと同時に、コンカレント(並列的)に情報を処理できる時代でもある。だから、ネットしながらチラチラとジュピターの画面の写真を見て、良いな、と思う商品の写真がアップされた時だけジュピターのサイトに飛ぶ、なんてことには、すぐに皆慣れると思いますよ。よくよく考えてみると、主婦って昔から、お洗濯をしながら晩御飯の支度をしながら子供とも会話する、なんてことをこなしてきたのだから。しかし、同社の目標は、「来年3月までに同サイトのページビューを現在の1割増の百十万にする」(日経MJ)と控えめだ。その背景には、ホームページからの受注率がまだまだ少ない、というところにあるようだが・・・。1割と言わず、4、5%の上顧客の方が喜んで下さるだけでも十分ではなかろうか。恐らくそこまでの投資は行っていないと推察されるので。ひょっとしたら今回のケースはベンダーのレッドクルーズ(株)さん側が先に売り込まれたのかもしれないが、ジュピターさんがネットでも本当に真剣に商売をなさっておられるから技術の進化を自社に有利な方向に取り込めたのだと思う。IT技術と顧客サービス、商品開発、販促等を一体化して考えられるかどうか、この辺が、2006年以降、小売業、アパレル、雑貨メーカー等の勝ち負けの一つのポイントになってくるような気がする。人気blogランキングへ
2005年12月19日
ヨガのせいで全身が激しい筋肉痛に見舞われているが、年の瀬も押し迫っているので年賀状に取り掛からねばならぬ。今日半日で、やっと裏面のみを仕上げることができた。いろいろ迷ったのだが、今年から、年賀葉書と、年賀メールの2本立てで行くことに決めた。年々枚数が増えてきて、作業が負担になっていることと、確かに紙の年賀状を頂くのも嬉しいのだが、それよりも、日頃のお付き合いがあまりない友人、知人についても、年に一度、メールアドレスをお互いに確認する方が、これからの時代は余程意味があるのではないか、と思ったからだ。不着だった場合は、それから年賀状を送れば済む訳だし。とはいえ、人によってその辺の考え方・感じ方はいろいろだろう。中には、「両国さくら(仮名)さん、手抜きじゃないの」と思われる向きもあるかもしれない。私の独断と偏見により、この人ならメールでもご容赦頂けるのではないかと思われる方、私よりも若い方のうち何人かの方をメールに変えさせて頂いておりますので、何卒ご了解下さいm(__)m昨日の話になるが、横浜美術館で開催されている「李兎煥 余白の芸術」の感想を少し。ネットで検索してみたのだが、どうやらあまりこの展示会の感想はアップされていないようである。たぶん、多くの若い人にとっては、李氏の作品群は非常に単調なものに感じられたのだろう。それと、1960年代末から70年代にかけてに盛んだった「もの派」のムーブメントの意味が、その時代にリアルタイムで身を置いていない人には実感としてわかりにくいのではないか、という風に思うのだ。「もの派」という言葉の意味の説明が、大日本印刷さんのホームページ「ARTSCAPE」の中の現代美術用語集に掲載されていたので、ご覧頂きたい。「もの派」には、ほとんど手を加えられていない石や木や鉄などが並んでいるだけのように見える作品も多いが、そういう作風は、第二次世界大戦を引き起こした西欧の近代文明のあり方、人間の力を持ってすれば何でも可能である、といったような科学万能主義への批判から出発しているものだという。今回の展示会は、2000年以降、特に今年になって制作した新作が中心で、李氏がこの展示会に並々ならぬ意欲を持って臨まれたことを伺わせる内容になっている。作品は、大きく言って2タイプあった。1種類は、絵画。それも、白い大きなパネルの真ん中から少し下くらいの位置にグレー1色を塗りこめたものが多い(タイトルは「照応」と付けられていた)。絵画というよりは、書のようにも見えるその絵だが、一筆描きではなく、一度色を塗り、数日置いてまた色を重ね塗りし、という作業を何度か繰り返して制作したものらしい。一見不作為に見えるが、実は計算され作り込まれたものなのだ。もう1種類は、自然石と鉄、場合によっては木も合わせて地面の上に並べた作品群。「関係性」というタイトルのシリーズだ。3つの石が3角形の頂点の位置に置かれ、その間を湾曲した鉄パイプでつないだ「関係項ー張り合い」とか、石と、向かって右下が少しだけ床から持ち上がった鉄板が少し離れた位置で向かい合っている「関係項ー彼と彼女」とか。屏風状の鉄板の前と後ろに石が1個ずつ置いてある「関係項ーメディテーション」が私は一番いいなと思ったのだが。前述のシリーズが書だとすれば、こちらは竜安寺の石庭のような趣だ。一見静かに見えるが、その実、非常に強いエネルギーを放っている作品達。李氏は西欧とも日本とも、母国の韓国とも一定の距離を保っていると、展示会場に掲示していた説明文には書いてあったが、アジア的な伝統文化の影響を色濃く反映した作品だと見て間違いはないように思う。李氏の語録の中に、「在らしめようとする力と無に帰そうとする力の激しい張り合いは美しい」という一節があった。今ここにずっと座っているが、いつバランスを崩してしまうか、いつその磁場から飛び出してしまうかわからない石の姿は、世の中の種々雑多な物事の暗喩に見える。そして、最後には、とうとう李氏の「グレー」は、キャンバスから展示会場の壁面に飛び出してしまった!最後の作品、「関係項ー照応」は、展示会場の大きな白い壁面3方に描かれていたのである。展示会が終わったら、この作品はどうなっちゃうの?、と、思わず考えてしまったのだが。同展の見所はもう一つ。戸外にも作品が3点設置されていることである。もの派の作品はパーテーションで区切った狭いところで見るよりも、外の方が似合うような気もする。外に出ると、本当に石庭の現代版のようだ。これを展示会終了後撤去するのはもったいないくらいである。ゆったりとした気分になりたい方、ちょっぴり哲学したい方にはお勧めの展示会です。PSその1関西方面の方は、今、国立国際美術館で「もの派ー再考」という展示会をやっているので、そちらでも李氏の作品は見ることが出来るようだ。その2今日のエントリに関連して、水戸芸術館の森学芸員のブログ「MORI channel」の中に、参考になると思われるエントリがあったので、リンク&トラックバックさせて頂きましたm(__)m人気blogランキングへ
2005年12月18日
皆さ~ん、お待たせ致しました。横浜美術館の「李兎煥 余白の芸術展」に行った帰りに、バナナ・リパブリックの横浜ランドマークプラザ店をじっくりと見てきた。アメリカのGAP社が展開するバナナ・リパブリックが、北米以外の国に初めて進出したのがこの日本である。今秋に4店が開店している。これまでも、六本木ヒルズ店を何度かちらちらと見ていたのだが、3か月も経過し、オープン景気もひと段落したので、いよいよ今日は1点くらい購入もするつもりで午後5時過ぎに店内へ。まず、目を引いたのは、店内のVMDの美しさである。メインのディスプレイ、棚の上などは、三角形の形に飾り付けるとか、棚の上に置くニットやパンツなどは、3枚なり4枚の定数定量を守って高さを揃える、フェイスアウト陳列とスリーブアウト陳列のバランス良い組み合わせ、といった基本がきっちりと出来ている。それ以前に、内装にかなりお金をかけていることにも驚かされる。写真を数多く飾っていたり、ディスプレイ用の小物も数多く配置されていた。ランドマークプラザ店は、間口も広いが、奥が3段構え、3室構造の設計になっていたが、一番奥の部屋には大きなソファまで用意されている。8室あったフィッティング・ルームの中は広く、そこにまで額縁入りの写真が掛けてある徹底振りだ。通路幅も非常に広く取ってある。また、ラウンド型のハンガーラックを配置し、トップス+インナー+ボトムスをコーディネート提案しているのも新鮮な印象だ。今はクリスマス・シーズンということもあって、メインのディスプレイは白を基調としたものになっていた。1番目の部屋の商品も白の分量を圧倒的に多くし、VMDと商品のカラーコントロールを連動させている。また、ホームページにもアップされているような、クリスマスギフトになる小物類、マフラーや帽子、手袋、バッグやレザー小物、ジュエリーなどが壁面の棚に美しく三角形の形で並んでいる。いわゆる、SPA(製造小売業)のお手本となるような、店内レイアウトと商品MDとプロモーション計画が、期末になっても完全に綺麗な形で継続している姿が見て取れた。次に、商品についてだが、既に業界紙等でもかなり報道されている、サイズを日本人向けに変更している、というのは、メンズでもレディスでもはっきりとわかった。日本でいうところの13号サイズの人だと、かなり厳しいように思う。逆に、7号、場合によっては5号の小柄で細身の人には、レディスの4サイズ展開のうち一番小さいサイズなら対応可能なようで、店内にはスリムな体型のお客様がジャスト・フィットするサイズを求めて試着をする姿もあった。企画の30%が日本市場向け、という報道もあったが、実際のところ、店頭で目を引くのは日本のアパレルの感覚とはちょっと違う商品であったりする。細かなことだが、セーターのUネックのUの空き具合とか、ジャケットの背中の切り替え(それこそU字状の切り替えなんかもある)とか、透かし編みを多様しているニット等々。縄編みのマフラーやニットの帽子など、防寒小物が充実しているのも、アメリカ北部の寒さへの対応と、前述したホリディ・商戦の問題、クリスマス向けのギフトが非常に良く売れるお国柄を反映しているように見える。逆に、秋口にはあったクロップドパンツやショートパンツとか、ベロアのジャケットなどの日本の今秋、冬の売れ筋は現在は皆無である。それから、クリスマス前だというのに、ワンピースの型数も非常に少なかった。これは想像だが、期初には日本市場対応商品を用意していたが、ある時期でそれはストップしてしまったのではないか、という気がする。そうなると、日本のアパレルブランドのようなレイヤードルック(ジャケット+ベスト+キャミソールとか、スカート+パンツ等の重ね着)もないので、どうしても非常にコンサバなルックスに見えてしまうのだが・・・。商品のディテールが微妙に日本のアパレルとは違うことが、こうなってくるとかえって個性になって良いように私は思った。怪我の功名ってやつでしょうか。素材も3割は日本仕様、というのは、さっき書いたように今は店頭には恐らくほとんどなかったのではないかと推察されるからか・・・価格の割には、うーん、我慢できないことはないが、すごくいいものとは思えない気がする。ツイードにしても、ニットのヤーンにしても。ユニクロさんが、価格の割には素材はかなり良いのとは対照的ですね。縫製も然り。アメリカのブランドにしては相当頑張っている方だと思うけど、ウールのジャケットやスカートの脇が少しつれているのではないか、と思えるものもあったりした。何人かの一般の方のブログにも書いてあったが、アメリカのバナリパの価格を知っている人、特にアウトレットで買って味を占めている人から見ると、やはり、高いな、という印象を持つのは否めないような気がする。とはいえ、今日私が試着して商品を購入している間にも、ぽつり、ぽつりとだが商品は売れていた。好立地にあるランドマークプラザの、入店客数の多さから見ると、買い上げ率はヤング向けのブランド程高くはないかもしれないが、恐らくいつもそこそこは売れているのではないか、という感じである。どういう客層が買っているのかというと、ランドマークプラザ店の場合は、今日見た感じでは、30~40代前半の男女、カップル(シングルのカップルの場合と、既婚者と双方あるだろう)が中心なのではないかという気がする。もちろん、それより下、上の層もいるだろうが、下の層にとっては、バナナ・リパブリックの価格は高すぎる。また、40代後半、50代になってくると、サイズの問題と、デザインが若い、ということになるであろう。実は、都市型のややコンサバな大人市場を狙ったブランド、というのは、日本市場にはそう多くない。特にレディスは。結婚しても働き続けていたり、あるいはシングルだが、セレクトショップで自分でチョイスして買うまでのセンスがない層で、それなりにきちんと見える服を買いたい、でも、「マックス・マーラ」なんかのように高すぎるものは買えない、という層は、郊外型SCにはもちろんそんな服は売っていないし、百貨店に行くしかなかったのだ。昔だと、「ニューヨーカー」「ポール・スチュアート」などトラッドベースの売り場、最近だと「アンタイトル」や「23区」などキャリア向けSPAに向かう層は多いのだけれど・・・。駅ビルとか、ファッション・ビル系には、それらの売り場はないんですよ。だから、「ノーリーズ」とか、「ヒューマン・ウーマン」みたいなブランドにエイジの高い層が集まっていく。意図してか意図せずしてか、ここにはまっていると思われる「バナナ・リパブリック」は、この調子だと、そこそこの実績をキープしていけるのではないかとさくらは思いますね。百貨店さんより出店コストは安いし、オイシイところをうまく突いていますよ。但し、坪数の問題もあるし、百万都市クラスでないとこういう客層は少ないと思うので全国20店舗くらいが限界かもしれないけど。それでも成り立つのは、バナ・リパは、「GAP」が既に日本国内に定着し、社員数5,000人を誇るギャップ・ジャパン社のプロジェクトだからである。既に社員の教育・育成が十二分に出来、想像だが物流等のインフラも整備された上での出店だから、小規模でも利益が出る事業でOKなのだ。バナ・リパさんをまだ見ておられない方、是非接客を受けてみて下さい。「こんにちは」といってアプローチをかけてくるスタイルはGAPと同じだが、なかなか粘り腰で素晴らしい接客である。市場の穴に近いポジショニングのブランドとはいえ、ふり客をコツコツ拾わなければイメージの良い外資ブランドという知名度だけでは数字は作れないと思うが、販売力はかなりハイレベルである。これならば、自分でチョイスする力に乏しいコンサバな層、ブランド名に憧れ感を持って来店する層をうまく拾っていけるだろう。一番難しいかもしれないと思ったのは、メンズの重衣料である。ジャケット40,000円、スラックス22,000円といった価格帯は、百貨店ブランドやセレクトショップさんのスーツに比べると安いと思うのだが、いかんせんセレクトショップさんが強い!そこへ行かない層、行けない層は、青山商事さんやアオキさんなどが押さえている。つまり、団塊ジュニアより上の年齢層に関しては、市場が未発達で単純すぎるのである。その中で、どっちつかずのブランド、というマイナスのイメージを持たれるか、あるいは、お洒落なのに価格は少し安い、というポジティブなイメージを持たれるかは、広告宣伝次第かな、という気がする。レディス以上にメンズの方が、広告宣伝は必要なように思ったのだが。PS.バナ・リパの日本進出については、小島ファッションマーケティング代表取締役の小島健輔氏が、雑誌『ファッション販売』の12月号に寄稿された文章が、非常に的確な分析を行っておられるので、是非ご高覧下さい。人気blogランキングへ
2005年12月17日
「両国さくら(仮名)さん、最近付き合い悪いね」というお叱りを頂戴する今日この頃・・・皆様、本当に申し訳ございませんm(__)m忘年会がピークの今日も、実は他のイベントもあったりしたのだが、敢えてこっちに参加する方を選ばせて頂いた。今話題の、アルファブロガーの皆さんを始め、ブロガーが160名以上も集結したイベント「Japan Blogger Conference(ジャパン・ブロガー・カンファレンス)」である。誰にも声をかけず一人で会場に赴いたのだが、「両国さん(仮名)」と後ろから声をかけられた。振り返ると、旧知の、葛飾の若手社長さんだった。こう見えても、ファッション業界の外に出ると急に人見知りが激しくなるさくら、百万力の味方を得たような気がして、ちょっとだけ元気を取り戻したのであった。カンファレンスは3部構成で、第1部「Blogから次の舞台へ」、第2部「ブログはネットの外でも面白い」、第3部「実名?匿名?企業人ブロガー」という演題で各3名ずつのパネルディスカッションが行われていったのだが・・・。はっきりいって、期待以上にエキサイティングでした。後の部になればなるほど、ホンネトーク満載で盛り上がりましたよ。これは、パネリストの皆さんのお人柄でしょうね。人気ブロガーの皆さんは、人間的にもやっぱりユニークでそして非常に魅力的な方々ばかりだ。飾ることなく率直にご自身のお考えを語っておられるように思えた。パネリストの中には、コンサルタントとして起業された方や社長ブロガーもいらっしゃったが、サラリーマン、ビジネスパーソンのブロガーが中心だった。それも、どちらかというとIT系企業の社員さんとか、ITリテラシーの高い方々なので、私のブログ仲間であるファッション系ブロガーや、中小企業の社長ブロガーさん達とはまた雰囲気なりこだわりのポイントが違っているように思えて、なかなか面白かったです。皆様ユーモアのセンスが豊富で、ポジティブかつ頭の回転が速いところが素晴らしいですね。特に、第3部に登壇された、「小鳥ピヨピヨ」の執筆者、いちるさんと、「好むと好まざるとに関わらず」のcatfrogさんのお話、最高でした(^e^)今日のお話の中で、私の印象に残ったのは、次の3点である。1.ブログはパーソナル・ブランディングの手段(「ネタフル」のコグレマサトさん他)。これ、私自身もブログをこれまでやってきて強く感じていたことなので、我が意を得たり、という気がした。特に、起業や社内起業、転職しようと思っている人には重要なことですよ。2.(「ブログをやっているメリットはあるか?」という質問に対して)、「メリットはないが、仕事と家庭と趣味だけの生活はいやだ。ブログは自分にとって、逃避、息抜きの手段」(「小鳥ピヨピヨ」のいちるさん)。これもすごくわかります。ブログを作りこむのも、ブロガーにとっては損得勘定抜きの楽しみの一つなのだ。そう思って楽しみながらやっていると、続けられるんですよ、きっと。3.(2と同じ質問に対して)「新聞記者にとっては、書くことを奪われることほどいやなことはない。自分のブログを持っていれば、そこ(職場)にしがみつかなくても良くなる。書くこと自体がモチベーション」(「ガ島通信」の藤代裕之氏)。元記者の私の中にも、こういう思いはすごくあります。ブログは私にとっては、「一人新聞社」みたいな部分もあるなぁ、と思っているので。本当に身につまされました。その他、随所に面白いな、と思える話があって(例えば、「自分のブログが炎上したことがある人?」という問いに対して、場内で2割くらい?の人の手が上がっていたりとか)、時間はあっという間に過ぎ・・・。その後、会場を近くのロイヤルホストに移しての懇親会。有名人ブロガーのお姿を間近に見ることが出来、緊張気味のさくらでありましたが、いろいろな皆さんと名刺交換、情報交換させて頂いた。スポンサーさんからのお土産も用意されていたりして、中々盛り上がった2次会だった。企画された皆様の心遣いとパワーに感動、です。今日はどうも有難うございましたm(__)m人気blogランキングへ
2005年12月16日
久々に独立行政法人情報処理推進機構の事務局長Iさんと話す。平成18年度の中小企業向けIT施策の見通しについていろいろと教えて頂いた。ちょっとまだここでご紹介するには早すぎる話題だが、来年もうちの会社の方では数は少ないが中身の濃いITに関する研修事業を実施するつもりなので、皆さん楽しみに待っててチョ。ちなみに、ちょうとJFW in Tokyo(ジャパンファッションウィーク・イン・東京)の開催時期と重なっていたので、このブログではご紹介できなかったのだが、今年度の「儲かる会社にするために!中小企業IT経営者研修会」も受講者の皆様には非常に好評だった。IT経営応援隊のホームページに、講師の先生が書いて下さった報告書がアップされているので、ご関心のある方は是非ご覧下さい。本日は、この話題を。先日たまたま蒲田のチケットぴあを覗いていて、さくらのアンテナがピピッと立つような公演を発見してしまったのだ・・・。それは、「バレエ」なんですよ。私は全くの門外漢で、本当はここでご紹介する程の知識も見識もないジャンルのものなのだが、そんな私ですら、この企画がいかに魅力的で話題性に富むものかくらいはわかるほどのものだ。近々、モード誌は間違いなく大々的にこの話題を取り上げるはずである。東京バレエ団さんの「ベジャール=ディアギレフ」、である。モード史を少しでも聞きかじったことのある方ならば、ディアギレフの名を聞いたことがあるだろうと思う。20世紀のバレエ革命は、まずはこの人の手によって成し遂げられたのだ。バレエ・リュスに関するこのホームページは、以前も私のブログからリンクを貼らせて頂いたことがあるが、ご参考までにもう一度。それと、松岡正剛の千夜千冊が、鈴木晶著『バレエの魔力』(講談社現代新書)を取り上げている回も、合わせてお読み頂けると尚理解が深まると思う。もう一人のモーリス・ベジャール。公演のDMを読んで初めて知ったのだが、ディアギレフ率いるロシア・バレエ団が創設されたのが1909年で、ベジャール振付の「春の祭典」の初演がその50年後の1959年。不思議な巡り合わせを感じないではいられない。CAT-Oさんの楽天ブログに、ベジャールのことが詳しく紹介されていたが(リンクさせて頂きました)、写真を見るだけでその強烈なオーラに圧倒されてしまう。今回のDMの写真も、1枚1枚がものすごく魅力的なので、是非皆さんにご覧頂きたいですね。昔のバレエダンサー、ニジンスキーのモノクロ写真と、首藤康之氏ら現代のダンサーの写真を対比して並べてある。今回の公演に関しては、他にも話題性を呼ぶ仕掛けが幾つも用意されていている。1つは、東京バレエ団を退団し現在は舞台等で活躍中の首藤康之氏の客演。もう1つは、最近人気が急上昇しているらしい、上野水香さんが初めて「ボレロ」を踊ることである。私はバレエには全然詳しくないのだが、上野水香さんは確かに女性誌でも何度か見た記憶がある。ナチュラルな表情と、踊っておられる時の雰囲気が全く違うのだが、どちらも非常に魅力的ですね。早速チケットを買おうと意気込んだのだが、ブログ「バレエに行こう」にも書いてあった通り(リンク&トラックバックさせて頂きました)、4月9日(日)分は既にSold Outしてしまっている。仕方ないので、さくらはそんなに高くない席(^^;;で平日の夜に見たいと思っております。「4月は無理だよ~」というアナタ、ご心配なく。来年は、ベジャール生誕80年というおめでたい年なので、6月には「モーリス・ベジャール・バレエ団」が来日、その後も、東京バレエ団さんは平成19年1月まで記念特別公演を連発されるそうだ。人気blogランキングへ
2005年12月15日
セブン&アイ・ホールディングスが単独で電子マネー事業を立ち上げると聞けば、当然この会社が黙ってはいないだろうと思っていたが・・・。やはりきましたか、量販店業界のもう一方の雄、イオン。JR東日本の電子マネー「Suica(スイカ)」での連携を発表した。スイカ導入や一体型カードの発行は、ヨーカ堂の電子マネーが立ち上がる予定時期と同じ、2007年1月である。徹底した仮説ー実験ー検証を旨とし、自社ならではの顧客サービスの手法を生み出そうとしているヨーカ堂と、先行する企業との連携で利用率のアップ、ノウハウの早期習得を目指すかに見えるイオン。さて、どちらに軍配が上がるのか?ここで、さくらの大胆予想を。ヨーカ堂さんの弱点は、交通機関、特に航空会社と組んでいない(というか、イオンと組みたくなければ選択肢としてはEdy(エディ)と組むしかあり得ないのだが)ところにあると思う。帰省やビジネスなどで頻繁に飛行機を利用する人にとっては、マイルをためることでちょっとでも航空運賃を安くしたい、という気持ちはかなり強いはずだ。スイカはJAL、エディはANAと組み互換性を持たせることでそのニーズに応えている。もう一つ、私も自分のスイカはそういう使い方をしているのだが、空港や駅で乗り換え前などの急ぐ時、つり銭を受け取る手間がないので早く買い物が出来るんですよ。JRのキヲスク(最近はそういう言い方はしないのかな?)で見ていても、最近はそういう人がかなり増えてきているようだ。YOMIURI ONLINEさんの記事文中には、ヨーカ堂、というか、当初電子マネーを使用可能とするセブンーイレブンでも、朝やお昼時などに急いで買い物をしたい客層に使ってもらうことを想定しているようだが、確かにそれもあり、でしょう。ただ、キヲスクに比べて、根本的に列が長い、という問題はクリアできるのだろうか?JR東日本さんが、Suica専用の改札を設けたように、ヨーカ堂電子マネー専用レジでも設けるんだろうか(笑)。ここで、劣勢に立つと予想される(ゴメンナサイ)ヨーカ堂さんに、さくらからの提案。次の2社と連合を組んでみてはどうかと思うのだが。それは、MacとMac、つまり、マクドナルドとアップルの2社である。マクドナルド(関西風に言うと、マックでなくて、マクドだなぁ、なんて)を私が利用する動機が、それこそ注文してから商品が出てくるまでの時間がどの外食企業よりも早いからだ。朝遅刻しそうな時、昼移動の合間に時間が少ない時、マックに入り急場をしのいだことが何度もある。それでも、列が出来ていてイラつくことはちょくちょくあるので、同社が電子マネーを導入してくれれば、結構利用するようになると思うんだよね。もう1つのマック、というか、社名でいうとアップルさんの方だが・・・。さくらは今日たまたまセブンーイレブンでiTMS用のプリペイドカードを購入した。自宅のパソコン(PC)、そして自分のiPod shuffleに音楽をダウンロードするためだ。だが、世の中にはPCを持っていない人が沢山存在する。そういう人のために、セブンーイレブンの端末からiTMSにアクセスできるようにし、セブン&アイ・ホールディングスーアップル共同のプリペイドカードから支払えるようにしてはどうか。スイカ、エディは、既におサイフケータイにも搭載済み、もしくは今後搭載される予定だが、敢えてケータイとは組まない、という戦略を取ってみるのも面白いかもしれない、という気がする。iPodって、今日本にどれくらい普及しているのか、既に音楽を聞く、というだけの用途に関していうと、ケータイに負けないだけの勢力になっていると思うので・・・。量販店のヨーカ堂、というより、セブンーイレブンの流通業界における力は甚大なので、他にも小売業大手を抱きこむパワーは十二分にあるだろう。仮に初年度目標の半分の500万枚くらいしか発行できなかったとしても、金融面のメリットだけでも十二分に享受できるだろうしね。まあ、第3位の地位に甘んじたとしても、間違いなく損はないでしょう。しかし、こうやって次から次へと新しいカードが発行されると、またゾロお財布の中がパンパンに膨らんでしまう。そして、大半のものは使わなくなってしまうのだ。そういう意味では、おサイフケータイの方が、やはり便利なんだろうね(さくらはまだ使っていませんが)。やっぱIYさんも、間もなくケータイに自社電子マネーを搭載する方向に進むのかな。PS.日経さんの見出しと記事の中に、「駅での商業開発なども探る」とちらりと一言。駅ビル、駅ナカが絶好調のJR東日本さんだけに、JR東日本ーイオン連合の事業展開は、こちらの方もかなり気になりますねぇ。人気blogランキングへ
2005年12月14日
講座(「メーカーのための実践的ファッションマーチャンダイジング(2005年版)」パート3)の打ち上げのため、今夜もホロ酔い加減のさくらでありますが・・・。このビッグニュースを紹介しない訳にはいかないだろう。まだネットで検索してもあまりヒットしないようだが、三井物産さんのサイトには既にニュースリリースが掲載されていた。消費者の反感を買いかねない先日の「ロハス」がらみの商売より、この事業へのサポートの方が余程将来性は大きいですよ。主役は、むしろ物産さんではなくて、化粧品情報サイト「アットコスメ」を運営するアイスタイルさんの方だろう(まだ同社のサイトにはこのニュースはアップされていないが)。アイスタイル、三井物産、中国で美容院向けの業界誌を隔月で毎号一万部発行しているHSMC、ウェブサイトのプロデュースを手掛けるアイ・エム・ジェイの4社により、今月末に香港に「ビューネットコーポレーション」を新設、インフラ整備の面ではNTTコミュニケションの協力を得て、来春中国で美容関連のポータルサイト「BeauBeau(中国名:綺麗)」を立ち上げるというものだ。アイスタイルさんが日本で確立した、クチコミサイトのノウハウを中国に持ち込み、更に、HSMCさんも独自の記事を作成、代理店70社とのネットワークを生かして企業間取引の活性化も進めるとか。中国で一気に美容ポータルの大手のポジションを確立し、2008年には会員数50万人、13億円の売り上げを目指すという。上海に行く度に、そして、中国のオークションサイトを見る度に、私は向こうの女性達の、ひょっとしたら日本以上かもしれないコスメへの並々ならぬ関心の強さを感じていた。エリート層へのITの普及率が高く、掲示板でのやり取りには慣れている人が多いと思われるので、たぶん若いコスメフリークは嬉々として書き込みをしてくれるのではないだろうか。サイトが過熱する様が目に浮かぶようである。それにしても、同国の化粧品市場が、今年は約1兆円になりそうだ、というのには驚いた。日本が2兆円弱のはずだから、既に半分にまで達している。先月上海に行った際に書いた通り、「セフォラ」も然り、外資の有力ブランドのかなり多くが進出済みなので、既に機は熟している。将に絶好のタイミングだろう。地方都市はまだまだ、だが、上海に関して言うと、リアルの良い売り場への外資の進出は一段落した感があるが、来年はネットビジネス、ネット販売の分野で日系企業の果敢な進出が幾つか見られるのではなかろうか(規制があるので現地の企業さんと組む必要はあるようだが)。ネットに関していうと、アメリカ、韓国は別として、ヨーロッパの企業は弱い。これまではナチュラムさんの事例くらいしかなかったように聞いているが、日本でネットの世界で実績のある皆さんには是非頑張って頂きたいですね。単なる商品を売らんかな、というようなものではなく、ネットならではの便利さ、楽しさ、ここでしか買えないものを打ち出していけば、ここには大きな宝の山が存在しますよ。人気blogランキングへ
2005年12月13日
大方の繊維ファッション関連の業界紙誌が、ブランド休止とか雑誌の廃刊などのネガティブな情報はほとんど掲載しない中で、WWDジャパンさんだけは欄外の「MEMO」というコーナーに小さく載せている。今日発売の12月12日号には、「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン ピンク」休止のニュースが取り上げられていた。いつのシーズンからかお知りになりたい方は、是非同紙を買って読んで下さい。他にも一時期かなり話題を振りまいた雑誌の休刊の話題などが出ております。好景気に沸く2005年の師走だが、厳しいブランドもあるんですよね、ホント。非常に残念です。移動の合い間に集英社の雑誌『メンズ・ノンノ』を読む。もう2005~6年秋冬シーズンも期末なので、それほど期待せずに読み始めたのだが、それなりに面白いなと思う記事がかなりあった。1つは、今年7月にイタリア・フィレンツェでラフ・シモンズが行ったインスタレーションとファッションショーの紹介記事。スタイリストの二村毅氏がレポートしている。前回のピッティ・ウォモのハイライトだったこのニュース、業界紙では既に半年前に取り上げられているが、一般の方向けに編集された記事と写真を見ると、改めて味わい深く、若い男性ファンを引きつけずにおかないラフ・シモンズの魅力がにじみ出る内容となっている。ラフ本人がインタビューの中で、デビューしてからの10年を回想し、「ギリシャ神話の『イカロス』のようだった」と語るくだりは、クリエーションに心血を注ぐデザイナーさん達ならば誰しも強く共感できる話ではないだろうか。泣ける話ですよ。ビデオ・インスタレーションの写真の中に「continue continue continue comtinue(継続 継続 継続 継続)」というタイポグラフィーの文字がだんだん大きくなって並んでいるものが1枚あったのだが、彼の心情を象徴しているのではないかと私は思った。アーティスティックで繊細な感性を持つデザイナーが、少したくましくなって臨む次回のメンズコレクションは、お正月が明けたらすぐに始まる。再び大空に飛び立つイカロスよ、頑張れ!もう1つ、今秋冬にオープンしたメンズの新店を紹介する「東京ショップ・ニューアドレス」という特集があって、私がこのブログの中で取り上げてきたワールドさんの「TOKYO HIPSTAR CLUB」や、シップスから独立した中村裕氏が代表を務める「エヌイー(ne)」なんかも出ていたのだが・・・。さくらイチ押しの「イズリール トウキョウ(IZREEL TOKYO)」さんも掲載されております。実は、秋口にある展示会で、「イズリール(IZREEL)」ブランドのデザイナー、高倉一宏さんにお会いして、ちょこっとだけお話しさせて頂いたのだ。高倉さんはたぶん私のことなんかは忘れてしまっておられるのではないかと思うが(笑)、とても感じの良い方でした(^^)色使いが華やかな商品も結構あって、良い意味でのケレン味もあるが、デザインはすっきりとしていて訴求ポイントがはっきりしている服である。アメカジや、単純なワーク&ミリタリーのリメイクっぽい商品とは違う、個性的な服が欲しい方にはオススメである。産地のテキスタイルメーカーさんとの協業で、素材的にも最高級のグレードの商品を創り上げておられます。ショップの場所を知りたい方は、『メンズ・ノンノ』のウェブサイトの中にある、「MEN'S NON-NO MAP」で検索してみてチョ。この地図、わかりやすくて便利ですよ。人気blogランキングへ
2005年12月12日
午前1時過ぎ、所用をすませて再びパソコンをネットに接続し確認したのだが・・・。繊研新聞さんのサイト、たぶん午前0時にはきっちりリニューアルされたようなんだけど・・・。見出し1行コッキリしか情報が掲載されていない。しかも、今日12日は新聞休刊日だから情報ナシ(笑)のオマケつきだ。嗚呼、わかっておられないなぁ、と、非常にがっかり致しました。アクセスが集中した場合のサーバの容量の問題とか、技術面でクリアすべき点がいくつかあるのかもしれないが、こと記事の要約をもう少し長く掲載するということについては、本来的には何ら問題なくすぐに出来るはずなのだ。というのは、新聞の記事を書く際の基本は、前から順に重要なことを書いていく、どの段落で後ろを切っても読んで支障のない文章にまとめる、というところにあるのだから。記者がちゃんとこの基本に基づいて記事を書いていれば、掲載しようと思うニュースの全てを最初の1段落か2段落のみアップしていくだけでいいから、記者への負担は全くないと思うんだけどね。既存の紙の新聞の部数が減るのでは、その懸念については、私はそれが時代の流れだというのを見越して先手を打つべきだという考えなのだが、百歩譲って、コンテンツはあくまでも有料で売る、という考え方もアリ、だと認めるとしよう。それにしても、大勢の社員さん達の中に、既存の紙メディアではやれないことをネットでやってみよう、というチャレンジ精神のある人達が出てこない、ということがちょっと寂しいですね。敢えてここで社名を書くのは差し控えたいと思うが、繊維やファッション関連の業界紙で、繊研さんより部数は少なくターゲットをより狭く絞っているが、紙面の質が良い新聞は幾つかあるように私は思っている。それらの新聞の中に、mixiの中にびっくりする程大人数のファンのコミュニティが出来ているところもあるのを繊研さんはご存知なのだろうか?10代、20代の人達の評価を、甘く見ない方が良いと私は思いますね。繊研さん、もうちょっと頑張ってチョ!最近辛口が多いさくらの愛ある叱咤激励のエントリでした。
2005年12月11日
ファッション業界でも関心の高い「LOHAS(ロハス)」。その「LOHAS(ロハス)」のライセンス事業を、来春三井物産が立ち上げるそうだ。今日付けのNIKKEI NETによると、雑誌「ソトコト」を出版する木楽舎のグループ会社、トド・プレスと三井物産が契約、2社の持つ商標を物産が一括管理するらしい。私が敬愛するR30さんのブログも、早速このニュースを取り上げていた。そのエントリの中に、他の幾つかのブログも紹介されていたので、ご参考までに列挙させて頂くことにする(リンク&トラックバックさせて頂きました)。▼【R30】::マーケティング社会時評▼「で、みちアキはどうするの?」▼逆説的経済ウォッチ▼NaYoga Blog私の個人的感想は、「う~ん、こりゃ、へたをすると『LOHAS(ロハス)』という言葉そのもののブームは、日本では短命に終わる危険性が大きいな」というものだ。R30さんが指摘しておられる通り、マスコミが怖がってそのものズバリの単語を避ける可能性が大きいと思うので。それと、ソトコトさんは、自社のお金儲けのためだけに商標登録したのではない、という鮮明な姿勢を打ち出さないと、ヘタをすると消費者の反発をくらう恐れが大きいのではなかろうか。例えば、収益の一定額を持続可能な社会のために活動しているNPOに寄付するとか。同社が日本において「LOHAS(ロハス)」ブームを創出する役割を担ったことは、説明すれば多くの人は理解してくれると思うが、清貧なイメージがウリの雑誌を発行しているのに「少しの利益」ではなく「ボロ儲け」している、という風に受け取られると、非常にマイナスだという気がする。その一方で、三井物産のポジションというのは、実はそんなに危なくはないと思うんですよ。というのは、このように申し上げるのは非常に申し訳ないのだが、元々「利益志向の会社」(笑)というイメージが世間に浸透しているので。はなから環境保全とか、健康志向とか、そんなものとは無縁(笑)と思われているのだろうから。つまりは、プラスマイナスゼロ、もしくは、むしろマイナスのイメージしか持たれていない訳だから、さっき書いたように、収益の一定額をNPOに寄付するとか、「LOHAS(ロハス)」なライフスタイルを普及しているNPO、企業、個人を応援するとか、少しでも良いことをすれば、「意外とやるじゃん」という風に見てもらえる可能性も大きいと思うんですよ。ただ、さくらが懸念するのは・・・。同社お得意のライセンスビジネスで、量販店さん辺りに大量の安かろう悪かろうの「LOHAS(ロハス)」商品をばら撒いて一気にブームを終焉に向かわせないかってこと。こっちの方がむしろ非常に心配ですね。辛口でスミマセン。「NaYOGA Blog」さんや「逆説的経済ウォッチ」さんが言わんとされるように、表面的な言葉の問題ではなく、企業自身が本当にそういう価値観を持っているかどうか、最後にはそこが問われてくるような気がしますね。人気blogランキングへ
2005年12月11日
日経BP社のサイト「IT Pro」のこのニュースにご注目を。最近はわが業界の業界紙にもちょくちょくお名前が登場するようになった東京大学教授の坂村健氏の「TRONイネーブルウェアシンポジウム2006」での講演の速報だ。中世の眼鏡は障害者を健常者に変えたが、ICタグなどの新技術もまた、次の眼鏡を生み出す可能性を秘めているーーなんて素晴らしいことなのだろう。商品だけでなく、ストアデザインそのものもユニバーサル・デザインに。「フューチャーストア」の次は、「ユニバーサルストア」の時代になるんだろうね。本日の本題。ジャパンファッションフェア・イン・東京(JFW in Tokyo)の頃からぼんやりと考えていたのだが、この間のJCの時に、はっきりと、「どうせそれなりの時間を割くのなら、プレスとしての入場を主催者に依頼してみようか」、ということを考えるようになった。プレスルームに入場できるかどうか、記者会見に同席できるかどうかで、入手できる情報の量・質はかなり違うからだ。それに、写真撮影が許可してもらえるということもあるので。ちなみに、私は、イタリアのヤーン展「ピッティ・フィラッティ」については、プレス待遇で入場させて頂いている。しかし、それは、ブロガーとしてではなく、うちの会社がニット産地の支援を目的としている会社で、地元向けの紙の媒体を発行しておりそれに展示会情報を掲載する、という理由での申請だ。ちなみに、渡航費を主催者が負担してくれる、という話もあったのだが、それは断り、最初から会社経費でもなく、自費で行っている。正直、言葉のハンディの問題もあるので、どこかの企業さんの社員さんというような格好で入場させてもらったのでは、この展示会ではとても十二分な情報は取れないだろう。(注:海外の展示会では、輸出振興のため、他国のジャーナリストをアゴ足付きで招待するということがよくあるのだ。そうすれば記事は間違いなく他国の業界紙に掲載されるからだ。いいか悪いかは別として、少なくとも繊維ファッション業界でのこれまでの常識になっている。だから逆に、日本の国際見本市や東コレ等でも、そういうことをやるべきではないか、という意見も、繊維ファッション業界内には存在する)。しかし、それでも、会社員ブロガーである私が、1つ1つのトピックに対して十二分な報道を行うのは到底不可能だ。JFWイン東京の10日間の期間中、あるいはJCの3日間の会期の間、朝から晩まで会場に張り付いて取材するなんてことは、本業の片手間では出来やしない。業界紙さん、特に社員数の多い業界総合紙さんならば、大きなイベントには複数の記者を投入できる。事前・事後の取材だって十二分にできるのだ。デスクや先輩、同僚とのコミュニケーションによって記事の内容が磨かれる、ということも大いにある。この間ご紹介した本、湯川鶴章、高田昌幸、藤代裕之共著『ブログ・ジャーナリズム[300万人のメディア]』の中にもそういう話が出てきていたが、会社員ブロガーのハンデは大きいなぁ、と最近しみじみ感じております(笑)。昔は恵まれていたのに、何もしてなかったなぁ(爆)、なんて。それでも、私の勤めている会社は第三セクターのファッション産業支援機関なので、一般の民間企業に勤務している皆様とは違い、自社自身が企業秘密を多く抱えているという訳でもないし、業界の企業さんに対しては中立的な立場で自由にコミュニケーションしやすい、という、ちょっと特殊な立場にある。だから、私も、個人の身辺雑記や趣味の話、読書記録ではなく、仕事がらみの話題をここまで細かく執筆することが可能なのだ。しかし、そのメリットを最大限に利用しない手はないんですよね。有休か半休を取るか、今まで通り、本業用の情報収集や地元企業さんの激励業務をやりながら取材するかは別として、ちょっと真剣に検討してみようかな、と思っております。人気blogランキングへ
2005年12月10日
忘年会でホロ酔い気分になって帰宅し、このブログを見て、酔いがふっとんでしまった。昨日のニッチメディアの話、そして一昨日のJCの話に皆様から真摯なエントリを頂き、本当に有難うございました。恐縮だが、ここではJCの話題のみを取り上げさせて頂くことにする。マロングラッセさんのご指摘、まさにその通りであろう。トレンドを創出する展示会になっていくことが先進国の繊維見本市の生きる道ですよ。それから、うちの会社でも開業以来ずっとお世話になってきた、現在のJCの総合コーディネーターである(有)シナジープランニング代表取締役の坂口昌章さんにも直々に書き込みを頂き、恐縮至極である。まずは、私の12月7日付けのエントリに事実誤認の点が多々あった由ご指摘頂き、有難うございましたm(__)m 早速、エントリ本文も訂正させて頂きます。東京流通センターと五反田のTOCを間違えていた件は、田舎っぺなので東京流通センターさんの存在そのものを良く知りませんでした(^^;; JC会場でお会いした地方の方の中にも、完全に勘違いしておられる向きもあったようです。繊維ニュースさんのサイトのこの記事や、今日付けのセンイ・ジヤァナルさんの記事などは、住所がわかりやすい表記になっていたので親切だと思った。皆さん、是非ご高覧下さい。ところで、昨日今日と、業界紙各紙を読み、様々な疑問が沸きあがるのを禁じ得なかった。地元・墨田や東京東部地区の企業さんの中にも、これまでJCに参加してきて、かなりの実績を挙げておられるところも多々あるため、私の本業である国際ファッションセンター(株)の職員としても、事務局さんにお問合せしなければならないと思っているのだが・・・。全国の多くの方々が、大きな期待と不安を感じておられるはずなのだ。多分多くの方は、組合さんや、うちのような繊維リソースセンター、地場産センター、行政の窓口等に相談されると思うのだが、「ここだけの話、○○なんだよね」というような噂話が横行したり、不透明な形で改革が一気に進められる、というのは、かなり問題があるのではないかと思う。少なくとも、まだ補助金も入ってくるようだし、公正な手続き、開かれた議論、というのは、必要だと思うのだ。坂口さんが座長となった改革委員会のまとめた内容を私は読んでいないので、その内容については何とも言いがたいのだが、ここ数日の間の業界紙の報道を読んだだけでも、次のような点についての疑問が沸いてくる。1.今回のJC改革は、誰の意向で(誰の政治的働きかけで)始まったのか?2.来年早々に、20名の委員を選出するとのことだが、合議制で大規模な展示会(トレードショー)の運営がうまくいくのか?委員の方々と、総合プロデューサー(次回からこの役職が設けられるようなので)との役割分担。3.新生JCの収支見通し。入場料を1,000円から2,000円に値上げし、出展者から1小間35万円を徴収するだけで足りるのか。また、そもそも赤黒トントンで良い、という見通しからの収支なのか、それとも事務局がビジネスとして利益を得ることまで狙っているのか?4.新生JCに出展できる業種。5.審査は公平に行われるのか?審査の基準は何か。6.開催時期はビジネスを行う上で適切だと言えるのか?今日付けの日本繊維新聞さんの1面トップ記事によると、今回のJCの出展者の皆さんは商談重視という改革の方向を概ね支持しているものの、上記の4や5について早く指針を示して欲しいという声がかなり多く聞かれたようである。次回から出展したくてもスクリーニングに引っ掛かって出られない、ということになる訳だから、当然の声であろう。坂口さんが実名でコメントして下さったので、非常に迷ったのだが、私の私見をここに書かせて頂くことにする。誰が言い出したのか、ひょっとしたら最近の一連の繊維行政改革同様に「天」=経産省幹部の方が思いつかれたのかもしれないが、JCの年2回開催については、前々から要望も強く、特に最近は年2回、限られた企業をスクリーニングして行っているJCプレビューの方がむしろ商談という面ではJC本体より活性化していた事実を見ても、十二分な時間をかけて議論するという適正手続きが行われたかどうかは別として、目指す方向性そのものは間違っていないのではないか、というのが私の考えだ。ただ、改革=現在の担当者を変更する、という風に単純に決まってしまう、というのは、ちょっと違うんじゃないの、という気がする。一昨日も書いた通り、現在の改革の方向性と同様の意見は、以前から坂口さんが何度も何度も力説してこられたことそのものだからだ。いかにも日本的なやり方だが、「徐々に干していく」みたいなやり口には、私は非常に嫌悪感を覚えますしね。一般の入場口から入られた、なんて、正直、書き込みをみて唖然としてしまった。続投にしろ降板にしろ、少なくとも今現在契約が続いている間は、お互いプロとして正々堂々と仕事をするのが当たり前ではないだろうか。坂口さん、遠慮なんてされる必要はなかったかと思いますよ。しかし、次の2点については、たぶん業界の皆様の間でも、様々な見解があって然るべきだろうと私は思っている。1点は、坂口さんが書いておられた、「多様な業種の方々を包含して今まではやってきた」云々のくだりである。坂口さんは「ソフトランディングが必要なのではないか」というお考えなのではないか、というニュアンスが感じ取れたのだが、「天」の方々も、7工連の幹部の中にも、コンセンサスが得られなくても止むを得ない、多少荒っぽいことをやっても一気に改革を、という考え方なのかもしれない。後者のやり方の方が、一連の小泉改革ではないが、いいか悪いかは別として、今のトレンドには合っていると言えるかもしれない。この点に関する私の意見は、是々非々です。収支バランスと、どのくらいの広さの会場を取れるか、そこから逆算、というのも現実論としてはアリ、でしょうし。いずれはビッグサイトに復活、となると、また話は全然変わってくるし。2点目は、これまでのJCの展示会運営、コンセプトワークも、確かに頑張っておられたな、と思うのだが、もしも公平な目で見て、今以上のレベルのものが出来る、という人材が現れれば、その時は、競争原理に従ってよりJCの総合プロデューサーに相応しい人材を登用するべきだ、ということだ。今のJCは、非常に真面目で実直な雰囲気の展示会ですよ。9回かかって確立されてきたこの雰囲気も悪くはないのだが・・・。例えば、もっとアーティスティックな匂いを全面に出すとか。私がここ2年程見に行っているイタリアのヤーン展、ピッティ・フィラッティなんかはそんな感じである。コンセプトコーナーがどんな風になっているのか、行く前からワクワクするくらいだ。それに引っ張られてか、出展者のブースの中にも、商品そのものだけでなく、非常にVMDのレベルの高いものが幾つか存在する。日本でもRoomsさんなんかはそういう合同展になっているから、出来ないことはないだろう。あるいは、逆に、もっとコマーシャルな雰囲気にしてしまう、というのも一計だろう。昨年初めて見たライフスタイル展では、雑誌「エル・デコ」のブースがあったが、JCだってモテ系の人気ブランドや、更にファッション雑誌とタイアップした企画があっても良いはずだ。ファッションショーも、専門学校さんや組合・団体さん系のものではなく、話題性の高い仕掛けを打ち一般のメディアに取り上げてもらうように仕向ける方法もある。それから、サービス面の向上。前述したピッティ・フィラッティのプレス向けのレストランの食事は、非常に美味しいんですよ。ワインも何種類も置いてあるし。展示場内の来場者向けの軽食コーナーも然り。ジェラートまで売っている。そういうことの一つ一つが全てファッションだとしたら、そういうこれまでと違う新しいイメージの展示会が作れるという新人が彗星のごとく現れたとしたら、坂口さんと言えども、それに対抗できるだけのプランを出さないと負けちゃいますよね。しかし・・・実際には、そういう感度やサービスのレベル向上云々以前に、繊維ファッション業界の全体を見て正しい方向性を指し示し、私心なく誠意を持って働ける人材って、そうそう今の日本にはいないと思う。最近思うのだが、これまでのやり方を強く批判するだけで、「では貴方やれるの?」と言われると現場を仕切る力のない方が多すぎますよね。悪気はないと思うのだが、批判する場合は、対案を出すべきであろう。今まで一生懸命やってこられた方々のお仕事は、60点かもしれないが、コンスタントな実績をそれなりには積んできているのだ。その経験とノウハウがあるから、次の企画は楽に立ち上げられるのだ。先駆者の苦労への感謝の心を我々は決して忘れるべきではないだろう。「石もて追われるごとく」なんて、もっての他ですよ。
2005年12月09日
繊研新聞さんも来週からめでたく同社のサイトにニュースの短信をアップされるそうだし(^^)、それを祝福して、という訳ではないが・・・。今日はどちらかと言うと、元同業者の方向けのエントリです。ジャーナリスト・ブロガー、湯川鶴章氏、高田昌幸氏、藤代裕之氏の共著による『ブログ・ジャーナリズム[300万人のメディア]」(野良舎刊、定価1,500円+税)を、恵比寿ー両国、両国ー自宅に移動する合間に読んだ。蛇足になるが、実は、楽天ブックスさんでは今日現在この本は取り扱いはまだない。初版の数も少ないのだろうし、やはり、そんなに沢山売れる類の本ではないと踏んでいるのだろう。アマゾンでも、取り寄せに相当時間がかかる状態だ。私が今日この本を買い、1日で読むことが出来たのは、六本木の青山ブックセンターさんに寄る時間があったからだ。都会にいるメリット、そして営業職など移動の多い仕事のメリットは、こういう点にあるんですよね。本当に急いでいる時は、配送の手間がない分通販よりリアルが早かったりするものだ。話を元に戻そう。高田氏のブログ「ニュースの現場で考えること」を私はまだ読ませて頂いていないのだが、少し前から湯川氏のブログ「ネットは新聞を殺すのかblog」、藤代氏のブログ「ガ島通信」はちょくちょく覗かせて頂いている。昔業界紙の記者をしていたこともあるので、ジャーナリズム論にも少なからず関心を抱いているので、本の存在を知り、是非読んでみたいと思っていたのだが、期待に違わず、非常に示唆に富む刺激的な内容だった。3名のジャーナリスト・ブロガーの方々のスタンス、意見は、微妙に違っている部分が多いのだが、共通して、新聞記者としての高いプロ意識、そして、読者、市民の方を巻き込んだ参加型ジャーナリズムを少しでも根付かせよう、という前向きな問題意識をお持ちのように感じた。以前にも書いたが、この辺りが実は、繊維ファッション関連の業界紙の最も弱い部分であるように私は思っているし、それ以前に一般紙さんの問題点でもある。ブログの普及で自分の意見をはっきり表明することを良しとしない日本人の意識と行動様式が、少しずつ変わりつつあるのではないか、というのは、私自身も毎日ブログを書きながら感じているところである。但し、意見表明、議論が、アメリカや韓国のように、政治課題など大所高所の問題に多数の人が参画して侃々諤諤の論争を繰り広げる、という風には日本の場合はなりにくいように私も思う。日本人はタテマエとホンネの文化に生きているし、争い事が嫌いな人がかなり多いという気がするからだ。だから、身近な話題、小さなテーマの方が、実はブログ上でのコメントの応酬は盛り上がるように思う。その良い例は、私のブログ仲間の皆さんのブログにも見ることができる。そういう一つ一つのニッチな世界が良くなっていくことだけでも、私達はかなり幸せになれるのではないだろうか?「繊維ファッション業界ネタ」なんてのも、超ニッチ、とは言わないが、ゼネラルなニュースからすると、相当ニッチな分野である。「○○ブランドの新店オープン」なんて、郵政民営化の問題なんかと比べたら、社会的影響力なんてほとんどないに等しいといってもいいかもしれない。しかし、その情報に関心を持っている人達は確実に存在するのだ。それも、かなり後になってから検索エンジン経由でやってきたりする。それから、繊維ファッション業界の方ではない、異業種企業の方、一般の方も来る。これは、同書の第二部の対談でR30さんが指摘しておられる通り、今後、新聞、特に特化した情報の過去のアーカイブを所有している業界紙の有望な収益源となる可能性の大きい分野だ。業界紙って面白い媒体で、業界内に限って言えば、『ブログ・ジャーナリズム[300万人のメディア]』の中に出てきたような匿名実名論争は、実はあんまり意味がなかったりするのだ。繊研新聞さんが、ちょっと前に「署名入り記事を増やします」と宣言したのに、そんなにそういう記事を増やしていなかったり(笑)しても業界内の人は誰も文句は言わない。というのは、繊研さんに限らず、「ああ、○○新聞さんならAさんとBさん、△△新聞さんならCさんが良く来てくれるよ」という感じで、狭い業界の経営者の方、広報担当者さんや、取材を良く受けるセクションの方は、ちゃんと名前を憶えて下さっているからなんですよ。少なくとも、自社に関係ある領域の記事は、大体誰が書いたかわかってしまっているのだ(笑)。ちなみに、私のペンネーム「両国さくら」も、一種の符丁のようなもので、業界の人には私が誰だかすぐわかる名称にしてある。別に、一般世間に自分の名を知らしめたいと私は思っていないので。ところが、もしもネットで情報発信を始め、業界紙の蓄えてきた業界情報を一般の方にも提供しよう、業界外の方ともインタラクティブなやりとりをしようと思い始めた途端・・・。その時初めて実名が大きな意味を持ってくるのだ。言葉の意味や定義一つ一つにしても、説明しなければわかってもらえないし、業界特有の商慣習やビジネスモデルにしても、他産業との比較論を前提にしてその仕組みを誰が読んでもわかるように解き明かしていく必要がある。個としての記事に対する責任。顔の見える記事。そして、会社の枠を超えたところでのジャーナリストとしての実績の確立。業界紙にそもそもジャーナリズムはない、と、以前私はこの場で書いた。業界紙は、第一義的には、業界の皆様のための媒体だ。そういうニッチ・メディアは、実は全国紙さんなんかより余程ネットへの親和性が高い。非常に特殊な情報なので、何とか生き残れる可能性は高いし、リアルの延長線上で濃密なコミュニケーションも図っていけるのだが・・・。実は、ネット上で活動し始めた途端に、他産業、一般の方々という、今までお付き合いのなかった方々とのつながりが出来始め、ある意味では一般世間の荒野に初めて放り出されたような状態に直面することになる。ここで初めて、その業界紙が、真のクオリティ・ペーパーであったかが問われてくるような気がするのだ。同書にもあったが、紙の新聞だと、文字数の制限が非常にキツイが、ネット上では一つ一つのトピックに対して十二分に論陣を張れる、という長所を私も感じている。それと、わが業界の場合は写真、これがカラーで何枚も貼りこめるということは、非常に大きなメリットではなかろうか。もう一つ、強く印象に残ったのは、「おわりに」の項で高田氏が述べていた「自由に発信された情報」と「取ってきた情報」の問題である。高田氏は討論の中でも発表ジャーナリズムの蔓延が新聞を危機的状況に陥らせているという点について強い危惧を表明しておられたが、私に言わせると業界紙こそ、発表ジャーナリズムの塊そのものじゃないかと思うのだ。実は、業界紙だけではなく、日経さんにもそれに近い部分があると推察するのだが、商売に関する話で、本当に儲かるネタでまだ世の中に出ていないものとか、自社独自のノウハウは、本当はどこの企業さんもあんまり教えたくないんですよ。それは、政治家が悪事を隠す、というのとはちょっと違うが、やはり、相手先の隠したい情報だけども、多くの読者が知りたがる情報だから、やはりこっちが取りに行く必要があるものなのだ。それを取材で聞き出す能力、また、わが業界の場合は、極論すれば売り場を見たり商品を見ただけである程度看破できる能力がないと、「新入社員が読むのなら良いが、商売人なら誰でも知っている程度のことしか載っていない新聞」になってしまう。もっと言うとその逆パターン、はっきり書いちゃうとわが業界では商社さん辺りが記者懇談会と称して賑々しい話を振りまいたりするケースもある。例えば、「今期は○○億円の投資を計画」と書いてもらえば、美味しい買収話が向こうからやってくる、そういうアナウンス効果を狙ったりして。そうやって業界が元気になれば良い、皆様の便利屋として使って貰えば本望、昔私自身もそう思っていた。だが、今や、例えば前述の例一つをとっても、M&Aしたくても、再生ファンドなど異業界の元気なライバルや、アパレルや有力小売業自身の積極的な攻めの前に、劣勢を余儀なくされているーー。まして、ネット関連の新興企業に、今、どれだけの記者が食い込めているのか?まともに取材できるだけの知識と見識を持っている記者が一体何人存在するのか?ここにこそ、今、最も大きなビジネスチャンスが存在するというのに・・・。狭い業界内でしか通用しないお世辞やオベンチャラを書いて喜んでいる場合ではないのである。業界紙が業界の中だけで十年一日のごとく同じ記事を書いていれば支持された時代は終わった。それ以前に、ネット時代に対応し新聞社は自社自身のビジネスモデルの大変革、痛みを伴う改革に突き進まなければならない厳しい時代なのだ。業界紙にこそ、情報を自ら取りに行く積極的な姿勢、ジャーナリスト魂が求められる時代なのだ。人気blogランキングへ
2005年12月08日
東京ビッグサイトで、私は1998年12月、第2回ジャパン・クリエーション(JC)に初めて足を踏み入れた時のことを思い出していた。その時、場内は異様な高揚感に包まれていた。産地の製造メーカーが、コンバーター(生地問屋)に頼らずとも直接前へ出るーー見知らぬ企業、会う人会う人の話が面白く新鮮で、「日本の繊維産業も、まだまだ捨てたもんじゃない」。将来へのそこはかとない希望を抱くこともできた。岡山から夜行バスで上京、その日の夜にはまた夜行バスでトンボ帰り、という強行軍だったが、寒空の下、「来て良かった」という感動を噛み締めたのが、つい昨日のことのようである。あれから7年、今日から3日間の日程で始まった第9回JCに、往時の面影はなかった。出展社数が前年比249社減の402社、小間数も同119小間減の788社。既に第5回目辺りから、新規開拓を終えた産地の有力企業さんがポツポツと出展を取り止め始める兆しがあったが、昨年、そして、JCの改革案が飛び出した今年は、大手素材メーカーや商社の一部、そして、かなりの数の有力なテキスタイルメーカーが姿を消してしまった。「JCでは商売にならない」ーーそういう冷静で前向きな判断の下での決断ならば、それは結構なことだろう。しかし、それ以上に多くの産地の企業さんが、JC開始後約8年間の間に転廃業してしまっていることも忘れてはならない。繊維の川上分野の報道に関しては定評のある繊維ニュースさんが、JCについて、詳しい解説記事を書きネット上にもアップしておられるので、是非ご高覧願いたい。私も基本的には同紙の論調に賛同であるが、少し自分の意見を補足したい。まず、大前提として忘れてはならないのは、この8年間の間に衰退したのは、産地の製造メーカーだけではない、ということである。プリントや加工の企画を行い産地の企業間のコーディネートを行ったり、アパレルと製造メーカーの間に入って商売を行っていたテキスタイルコンバーター(問屋)の多くも、それ以前に力を弱めてしまった、ということである。事実、東京のコンバーターの合同展「東京プレテックス」も1999年を最後に休止となっている。そういう時代背景の下、産地のテキスタイルメーカーがアパレルに対し自社の商品や技術をアピール、場合によっては直接商談を仕掛けていこう、という趣旨で産地の8業種(当時、現在は7業種)の組合の全国組織が、JCを始めたのは、非常に時宜に叶っていたと言えよう。事実、多くのテキスタイルメーカーが、初めてそのレベルの高さを直接アパレルに知らしめることに成功した。また、年末の年1回の大規模な展示会は、顔や存在すら知らなかった全国の産地の企業同士が名刺交換し、取り扱い素材の枠を超えて技術交流を図るチャンスとなった。全国のライバルの存在、頑張っている繊維の製造メーカーの存在は、厳しい環境に立ち向かい生き残りたいという意欲を持っている企業にとって大いなる励みとなったのである。更にもう1点、JCが、日本のテキスタイルを再び世界へ輸出しよう、というアクションのきっかけになったことも間違いない。それ以前から先駆的な企業の取り組みはあったが、政府の援助も取り付け、インターテキスタイル上海へのジャパン・パビリオンの出展を実現、日本繊維輸出機構の結成、そして、有力企業によるプルミエール・ヴィジョンへの出展等も、このJCの場で培われたネットワークが基になっていると見て良いのではないか。そういう意味では、この約8年のJCの取り組みは、決して無駄ではなかった。むしろ、放っておけば歯止めのない衰退となったかもしれない日本の繊維産業の中に、多少なりとも次世代につながる芽を育成することに成功したのではないかと私は思う。だが、JCの総合プロデューサーである(有)シナジープランニング代表の坂口昌章氏自身や、その他の業界関係者からも度々指摘され続けてきたJCの問題点がある。それは、次のようなものだ。1.主催者が(業種別)組合で、補助金が出ているため、やる気のない企業も参加している。2.年1回開催なので、国際的なファッションサイクルに合わない。3.トレンド発信力が弱い。4.海外からの出展者が少ない。行財政改革のカラミで、今後、これまでのような潤沢な補助金が出ない、という事情から、経済産業省が主導する形で(間違っていたらごめんなさい。ただ、傍から見るとそのように見えてしまう)、今年になって急ピッチで来年以降のJCの方向性についての論議がまとめられた。その結果、来年度から会場をビッグサイトから大田区の東京流通センターに移し、年2回開催とする旨、大まかな方針が決められたようなのである。ということは、前述の問題点の2は解消された訳である。ただ、その他の問題をどうするか、これから乗り越えなければならないハードルは高い。特に、1の、主催者の問題は一番重要だろう。会場が狭くなるということは、出展者のスクリーニングの問題が出てくるが、組合関係者の方ではどうしても公平な判断はできないと思うからだ。あくまでも来場者=アパレルや商社、企画会社、小売業の方などの立場に立って、買いたくなるような商品を提供している企業さんを選ばなければならない。そして、展示会自体のサービスも向上させる必要がある。そういうプロの仕事は、片手間では不可能だ。メザゴ・フランクフルトさんとか、日本だとフロンティアやルームスさんのように、展示会の運営そのもので食べていける仕組みづくり、そういうオペレーションが出来るプロに運営を任せていく必要があるのではないか。この点が解決すれば、3、4にも自ずと答えが出るはず。何故日本から多くの人がプルミエール・ヴィジョンに行くのか?商談目的もあるが、トレンド情報の収集のため、というのも大きい。また、全世界の優れたテキスタイルメーカーの情報を1箇所で収集できる、1箇所で商談できる、というメリット。トレンド発信に関していうと、今、日本国内にテキスタイルトレンドの専門家があまりにも少ない、という問題がある。数名のベテランの名前が取り沙汰されるのみだが、次世代の人材の育成が急務である。情報にお金を出さない企業が多い中、素材メーカーや商社のコンサルティング会社もこの部門を縮小する一方だが、業界全体の発展、という見地に立って、大きな心で人を育てて頂きたいと思う。最後に、これ、ズバリ書いちゃいますが、業界の中で、「JCなんて行かなくても瀧定大阪と瀧定名古屋とお付き合いしていれば十分」という声があることも事実である。しかし、一方で、頑張っておられる2社さんには大変申し訳ないのだが、「この2社に寡占化している状況は良くない。企画が同質化してしまうのでは」とか、「もっと違う生地屋さんからも買いたい」という声も、ちょくちょく聞いております。寡占化がこれだけ進んできたのは、繊維産業が衰退産業である証左で、経済学の法則から言っても避けられないことだったと思うのだが・・・。現実の経済では、100%モノポリ、というのは、まずありえない、というのも、皆様ご承知の通りである。あまりにも寡占化し、競争が少ない無風状態になった業界には、どこからか新たなコンペチターが思わぬ形で参入してくる、というのが、お決まりのパターンなのだ。繊維産業の場合は、それは国内の他産業ではなく、まず海外、それもアジアの企業になってくるはずだ。瀧定大阪さん、瀧定名古屋さんは、分社化、そして自社内の課同士の競争原理を働かせて健全さを保っておられる方だとは思うが、流通を活性化する展示会ビジネスの仕組みがあった方が、両社のためにもなると私は思うんですよね。特に、あまりにもテキスタイルの商売が期近、期近になりすぎているので。マーケット・イン志向の強い日本のアパレル相手ではなく、海外のラグジュアリーブランドに採用されるような高付加価値のテキスタイルを開発するには、それなりの時間と経費もかけ、自らトレンドを創出するような動き方が必要となってくるはずなのだ。JCは、そういうクリエイティブ・アウト型ビジネスの場として、コンバーター業界のガリバー企業の存在とはまた別個に、存続しうるものだと私は思うのである。人気blogランキングへ
2005年12月07日
この間発見したことがある。日本全国47都道府県のうち、移動の途中の通過は除いて、私が仕事もしくは観光で滞在したことのない県は、7つしかないってことを。両国さくら未踏の県は、北から、福島県、茨城県、新潟県、富山県、和歌山県、佐賀県、沖縄県、です(こうやって書き上げるのは、何だか申し訳ないような気分ですが・・・)。ということは、その他の40都道府県では、仕事か観光を体験済み、ということである。我ながら、「こんなにあちこち出向いているのか」とちょっとびっくりしてしまった。学生時代から旅行好きだったこともあるが、こんなにも多くの都道府県に行くことが出来たのは、前職の日本繊維新聞時代の取材、そして、現在の職場での仕事(企業訪問、調査事業等)のお陰である。本当に有難いことだ。しかも、人生の前半生を岡山、5年半程前からは東京で過ごしているから、昔は西日本、最近は東日本の各都市を訪ね歩くことができている。時間があれば直ぐに電車に飛び乗ってどこかに行きたい性分である。実は移動に便利だから、品川と羽田空港の中間辺りに住んでいるのである。年明け早々には、つくばエクスプレスに乗って筑波まで行ってみるつもりでいるし、このペースだと無理をしなくてもそう遠くない将来に全都道府県を踏破することは可能だろう。最近はネットでも情報収集は可能だが、それでも、現場に足を運ばなければ見えてこないものは多い。今までは「もっともっと経験を!」、修行の道もまだ半ば、と思い続けてきたが、年齢的にもそろそろ徐々に、経験を生かし、少しは世の中の役に立つことにフィードバックしていくことも考えねば・・・。それぞれの地域、町や村、そして、地方の企業さんや個人の持つ魅力、個性を生かした商品開発、ビジネスモデルの開発のお手伝いが出来ればと願う、今日この頃。人気blogランキングへ
2005年12月06日
今日もまたまたエントリ2本です。先に一つ下のエントリからお読み下さい。という訳で、ジャジャジャジャーン、両国さくらが独断と偏見で選ぶ。ハマトリの出展作品のベスト3は、コレです。第3位米田和子+芦屋市立美術博物館+ボランティアグループ「とまと」今回初めて発表された作品ではないので、涙を飲んで3位にしたのだが・・・。10年前に起こった阪神大震災直後と、現在を対比した写真群。ボランティアグループ、地元の方々、そしてアーティストの3者が、アウトサイダーではなく皆当事者としての立場で自己の体験と向き合ってきた貴重な記録である。危機的な状況にある時こそ、アートが必要とされる。アートの社会的意義そのものも問い直される場であったのではなかろうか。活動の趣旨に賛同するところが大いにあったので、展示スペースの募金箱にもちょこっとだけ募金させて頂き、米田さんの写真集「A DECADE AFTER 震災から10年」(700円)も買わせて頂いた。第2位ピューぴる今回がアートの本格的な展示会への出展は初めてらしい。だが、クラブでのパフォーマンス等を行っていた日本人のこの作家は、ファッション業界の方で先に注目されていた逸材である。心の痛み、懊悩の激しさがもし思春期特有のものだとしたら、ある時期を過ぎて大人になっていく時この作家の作風はいかなる方向に向かうのか?既に葛藤の融和、心の安定の兆しが感じられるようにも思ったのだが、いつまでも自己の内面を掘り下げるだけでなく、他者や社会への目線を広げ、アーティストとしての更なる成長を遂げてもらいたいものである。今回のハマトリの注目の新人だろう。第1位屋代敏博「回転回シリーズ」新進気鋭の作家、屋代氏は、どうやらこのハマトリ、横浜美術館の企画による横浜市への長期滞在をきっかけに新シリーズの展開を始めるらしい。「回転回」と命名されたこの作品は、会場内の複数個所に設置されていた、三脚に据えつけられた双眼鏡、デジタルカメラ(確かキャノンの?)、au(カシオ)のケータイを覗く仕掛けになっている。双眼鏡のレンズに映る、黒やグリーンの影。デジカメや、ケータイには、地面の上でくるくると回る黒い服を着た人の姿が映っている。肉眼で見た時には見えないのに、何故?最新のIT機器がもたらす、都市の怪奇。そして、ぐるぐる回る人の姿が次第に黒い塊へと変貌する不条理。私はカフカの小説「変身」を思い出してしまった。番外編奈良美智+graf言わずと知れた、今回のハマトリの目玉、である。まだご覧になっておられない方で楽しみにしておられる方も多いだろうから、ネタバレはやめておきます。grafさん、最近本当に大活躍なさっておられますね。奈良ファン、grafファンの皆様、是非ハマトリへGo!Go!Go!人気blogランキングへ
2005年12月05日
さてさて、嬉しい平日休みの午後、ヨガマットを抱えて横浜は桜木町まで行って参りましたヨ~ン。お待たせカンカン、ハマトリこと横浜トリエンナーレ2005を、やっと見て参りました。皆様ご存知の通り、ハマトリは今回が2回目の開催。昨年末に総合ディレクターが磯崎新氏から川俣正氏に交代した後、短期間の準備で開催にこぎつけたという経緯がある。前回に比べ、私の知る限りにおいても日本国内の新進アーティストの登場は少なく、これまた前回の「巨大バッタ」のような屋外での目玉となるような大掛かりなインスタレーションもない、という状況なので、動員数は恐らく前回の35万人を大幅に下回る結果となりそうな様相を呈しているらしい。しかし、それでも、私自身は今日メイン会場の山下埠頭3号上屋、4号上屋まで足を運んで非常に良かったな、と思っている。理由は、港町・横浜ならではの特異な環境=海と人工的な埠頭の対峙に呼応する形でアーティストの皆さんが打ち出した仕掛けが、独特のドラマツゥルギーと臨場感を持って来場者の心に訴えかけてくるように思ったからである。それはまさに、今、この横浜という場、でなくては感じることができない感覚だ。出展作品の主題、表現手法は様々だが、美術の素人のさくらが見る限りにおいては、ここ数年の現代美術界のトレンドに沿ったものが大半であるように思えた。ポップアート、ナンセンス・アート系、アジアの政治的緊張や、急激な経済成長と人間との矛盾を突いたもの、身体と皮膚感覚の先鋭化、個人的な内面への旅、視覚、聴覚などの揺らぎと不確かさを問い直したもの、市民参加型のプロジェクト等々。ひょっとしたら出展者から、もっと加えるべき、加わってもらうべき人材が漏れていたのかもしれない。しかし、日本の現代美術の今後の発展を考えたとき、今年とりあえずハマトリが無事開催された、ということは、大いに評価すべきことだと思う。アジアにおいては、韓国の光州がビエンナーレを開催、同地には大きな美術館も出来、アジアにおける現代美術の発信拠点としての地位を高めていると聞く。そして、将来的には美術界における上海、北京の地位も、間違いなく高まるだろうから。越後妻有トリエンナーレも今後も頑張っていかれることと期待したいが、やはり、東京から至近距離にあり、このように交通利便な都市で開催される美術の祭典は世界的に見ても貴重な存在だ。美術関係者や少数の美術愛好家だけでなく、多くの一般の人達が気軽に美術に触れられる場であるからだ。ハマトリ、12月18日(日)まで開催されていますので、ご関心のある方は是非足を運んでみて下さい。なかなか楽しいですよ。という訳で、以下、両国さくらが独断と偏見で選ぶ、ハマトリ2005の出展作品ベスト10である。但し、すみませんが今日貰ったパンフにもハマトリの公式ホームページにも、出展作家名は出ているが作品名が載っていないので、作品名不明のものが多いこと、ご容赦下さい。それから、パフォーマンスアート系のものでも優れたものは沢山あるようだが、今日会場内で見ていないものはさくら's セレクトの対象外と致しましたので、ご勘弁を。ベスト4~10(順不動)・ルック・デルー作「スパイパンク」コンテナ4つによる巨大なアーチ。これでよくバランスを保っているな、とちょっとドキドキさせてくれるオブジェだ。山下公園で見ることが出来る。・小金沢健人作「RBYG」(?タイトル違っているかも?)既に現代美術の世界では有名な小金沢氏。メディアアートの作品複数のうち、黄と緑、赤と青の線が交わりながら伸びていく作品が綺麗だった。・ロングマーチ 複数の作品を出展中国の5人の作家によるグループ出展のうち、チョウ・ジュージェ氏の、迷彩柄の獅子が目を引いた。横浜中華街で獅子舞も実際にやったらしい。・オン・センケン(フライングサーカスプロジェクト)東南アジア6か国の出身者によるユニット。レイヨム芸術文化研究所の「変化の縫い目:19世紀末と20世紀のカンボジアにおける衣服と自己への配慮」という展示の内容に深く考えさせられた。聞き取り調査という方法論そのものは新しくはないが、今を逃すと歴史的事実の記録は不可能になってしまうもので、貴重な仕事である。第2次世界大戦中、パイナップルの葉で糸を作っていたこと、民主カンボジア政権時代に、「汚れ目が見えにくい」という理由で国民は黒い服を強制的に着せられていたことなど、そう遠くない過去の服飾の歴史が、平和と自由の大切さを何よりも雄弁に物語っている。・サイン・ウエーブ・オーケストラ日本のグループ。無数のiPodを天井から吊り下げて、現代音楽風の不思議な不協和音を響かせていた。新しいIT機器が人間にもたらす影響、というテーマは、後述の屋代敏博氏と共通するもの。・ソイ・プロジェクトタイのアーティスト5名が、今回のハマトリに向けてユニットを結成したらしい。タイの現代美術界は、ひょっとして最近元気なのかも、と展示を見て私は感じた。前にもどこかで見た記憶があったのだが、ピナリー・サンピクック氏の「ブリーストストゥーパークッカリープロジェクト」は、おっぱいと仏塔は似ている、という作家の持論がコンセプト。おっぱい=仏塔型の型にチャーハンなどの料理を入れて盛り付け、来場者に食べてもらう、というパフォーマンスを行っている。・松井智恵山下埠頭でロケしたビデオ映像。裸足で歩く黒い服の女性と、白い服の女性が象徴するものは?わかりやすすぎる、と思われる向きもあるかもしれないが、そういうベタな演出がハマルのが港町・横浜。風景そのものが絵になることを作者は知り尽くしている。ベスト3は、1つ上のエントリで!人気blogランキングへ
2005年12月05日

本日2本目のエントリです。先月中国・上海に行った際の写真をご紹介しています。1つ下のエントリから先にご覧下さい。9.上海にもiPodの広告10.アニメ風のキャラが登場している献血を呼びかける看板11.半年前にオープンしたというルイ・ヴィトングループのセフォラ12.香港のセレクトショップ「I.T」の淮海中路の方のお店13.大きなクリスマスツリーが目立つ梅龍鎮伊勢丹14.プラザ66(恒隆広場)の前のイケメン。彼女を待っているのか?15.プラザ66の向かいのビルの1階に「ZARA Coming Soon.」の文字。16.帰国日の日曜日の朝の上海第一百貨店以上、どんどん都会化する上海の風景、でした(^^)/人気blogランキングへ
2005年12月04日

只今充電途中のさくらでありますが、ブログは更新します。忘れないうちに、11月25日(金)から27日(日)までに上海で撮影した写真を少しご紹介しておこう。私は昔繊維ファッション関連の業界新聞社にいたくせに、写真オンチなのでお恥ずかしい限りなのだが・・・ご笑覧下さいませ(^^;;;1.ジャパン・ファッション・フェア(JFF)イン・上海会場入口2.JFFの看板3.ホテルのネット環境が向上(モデムとルーター)4.夜の南京西路5.JWマリオットホテル6.土曜日朝の人民公園前7.10周年記念セールで賑わう淮海中路の太平洋百貨店8.太平洋百貨店の斜め向かい、ユニクロの入っているビル続きは一つ上のエントリへどうぞ。人気blogランキングへ
2005年12月04日
只今、首都圏近郊の某所にて秋休み?、冬休み?中です。本格的なエントリは明日の夜再開しますのでもう少し待っててチョ。
2005年12月03日
今夜は今年最後のパワーアップセミナー。いつも素晴らしいゲストを呼んで下さる(有)タナカプランニング代表取締役の田中照夫先生が、今回も、凄い方をお招き下さった。その方の名は、百貨店の松屋さんでメンズのバイヤーをなさっておられる宮崎俊一専門課長さんだ。宮崎さんは、メンズの業界では非常に有名な方なので、ご存知の方も多いと思う。先月23日(水)の日経MJに宮崎さんの記事が掲載されたときに、takaさんのブログ「ファッション流通ブログde業界関心事」が、宮崎さんらしき方のことを取り上げていた。さすがはtakaさん、創成期の(財)ファッション産業人材育成機構・IFIビジネススクールで宮崎さんと一緒に勉強なさっておられたのですね(^^)。宮崎さんのこと、匿名で書いておられるのをさくらがバレバレにしちゃって申し訳ございませんが、ホント、世間は狭いですね。宮崎さんのことは、松屋さんのホームページでも大きく紹介されているから、是非ご高覧下さい。今日の講演も、本当に素晴らしかったです。今日は、コートの商品企画にテーマを絞って頂き、宮崎さんが自腹で収集しておられるアメリカやヨーロッパのヴィンテージの軍モノなどのサンプルを宮崎さんが自ら脱いだり着たりしながら、素材やデザイン、ディテールのどういう点が優れているのかを解説、また、それを元にして、一流ブランドがこの秋冬物のコート企画にどのように落とし込んでいるかを説明して下さった。ベトナム戦争当時の米軍の「ファティーグジャケット」を今春夏の「エトロ」がデザインリソースにしている、といって両方の商品を見せて下さったのだが、本当にそっくりのデザインであった。しかし、色が白、生地が麻になり、ボタンが70年代調、ポケットのフラップの裏がエトロのペイスリー柄にアレンジされ遊び心と洗練された感じが加わっている。そういうやり方が一流ブランドの仕事なのだ、と宮崎さんは力説なさっておられた。同業他社さんの売れ筋を買ってきて真似するのは、ただのコピーにすぎない、と。宮崎さんが英語、イタリア語をそれぞれ1年間の間に2,000時間かけて集中的に学習して習得された、というくだりも驚嘆に値すると思ったのだが、工場さんとの取り組みに対する考え方について語られた部分が、今日は最も印象に残った。「鬼手仏心」ーー本当に相手のことを思うからこそ、厳しいことを言う。熱意を伝えるために、朝早くから朝礼に参加し、次シーズンの企画の意図を工場のオペレーターさん達に伝える。昼食も工場の方と一緒に膝を突き合わせてお弁当を食べる。思いを込めて作った商品の売り上げを年々拡大することで、信頼を培っていく・・・。そのプロセスの一つ一つに妥協も安易さもない。だから、作り手側も買い手側も進歩し成長していくのだ。「よく忙しい、忙しいとおっしゃられる方がおられますが、その仕事の大半が前任者があって、前年(実績)があるものではないでしょうか?私は、自分で新しい仕事を作り出してきました。仕事に対する熱意、それが一番大切だと思っています」、という言葉で今日のセミナーは締めくくられた。本当に溢れんばかりの情熱、商品と仕事への愛に、場内は感動の嵐であった。宮崎さん、お忙しい中、素晴らしいご講演を本当に有難うございました。人気blogランキングへ
2005年12月02日
セミナーのネタを探そうと思ってちょくちょくネットをチェックしているのだが、最近ホント、株式投資セミナーの類が多いね。昨年の今頃と比べて、明らかに増えてきている。やはり、世の中景気がいいのだろう。そういう一般の方向けの企画は、いくらウケルとわかっていてもやらない主義だから、パスしているのだが、最近一つ気になっているのは、新会社法がらみの情報だ(インブルームさんのサイト、ご参考までに)。こちらについては、お正月休みの間に少し勉強しようと思っています。移動の合間に、日本橋の三井越後屋ステーションの中に初めて入ってみた。三井不動産さんが自己所有のビル、三井第二別館の1階を改装し、建て替え前の約半年間だけ、江戸時代の呉服商「三井越後屋」の佇まいを再現し情報発信ステーションとして活用しているものだ。これまでに足を運ばれた方のブログには、「玉ひで」のお弁当が美味しかった、といったことがいろいろ書かれている。一部には辛口のご意見もあるが、概ね好評だ。約9,000万円の投資効果は十二分にあったのではないだろうか。この三井越後屋ステーションの向かいに、三越さんがある。三井不動産さんの本社もあり、そして東レさんも。それから、この地にはいないが、三井物産さんなども、三井越後屋の後裔なのだ。三井越後屋が、掛売りが主流だった江戸時代にいち早く「現金掛け値なし」という革新的な販売手法を生み出し、お客様の圧倒的な支持を得た、というのはあまりにも有名な話である。いわば、仕組みとして顧客満足を実現したということになるのであろうか。面白いな、と思うのが、この三井越後屋の子孫たる三井グループの企業さんって、うちの業界周りの企業さんは全て勝ち組と呼べる実績を上げておられることである。ダイヤモンドシティと組み郊外型SCへの進出に着手、つい先頃は、台湾の新光三越経由で北京への百貨店出店を発表した百貨店の三越さん。一時期の低迷からV字回復した東レさん。今や、上海で同社の広告を見ない日はないーー。ダイヤモンドシティと共に大規模郊外型SC開発のツートップをなす三井不動産さん。そして、「ピエール・カルダン」で日本におけるライセンスビジネスの成功モデルを創出、ブランドビジネスから、最近はアクタス等を傘下に収めライフスタイルビジネス全般にフィールドを拡大、「ドレスキャンプ」や「ラフ・バイ・ラフシモンズ」など、若手・中堅の才能あるデザイナーへの支援を惜しまない三井物産さん。ちなみに、ご存知の方も多いかと思うが日本経済新聞さんも明治時代に三井物産さんによってその前身となる新聞が創刊された、という歴史を持っている。三井グループの強さの一因には、三井住友銀行さんという金融面でのバックボーンがしっかりしている、ということもある。財閥系商社の勝ち組には共通する点だが。この点が、逆に、関西系の企業さんはちょっとすごく気の毒だなぁと思えてならないのだが・・・。まあ、利用できる強みは最大限に利用した方が勝ち、だろう。それと、前述の企業さん達が今好調なのは、当たり前のことだが、企業戦略が正しく、それなりの努力がきちっと行われてきているからだ。ただ、商社さんだけはちょっとまた違うと思うが、アパレルビジネスと違って、川上の素材メーカー、不動産業、百貨店業、というのは、設備投資を一度行うと大きな資金を要する。そして、作ってしまったものが失敗であっても、容易に撤退できない、という難しさを抱えている。その分、コンペチターの参入、というのは少なく、昔からのライバルさんとだけ争っている、という気分に陥りがちなのだが・・・。最近は異業種とかぶる部分、そして、海外勢の参入も出てきているから、油断は禁物だろう。先駆者の優秀なDNAを受け継いでいるであろう企業さん達、ライバルとの健全な競争を行いながら、日本の繊維ファッション業界を益々発展させていって頂きたいものですね。人気blogランキングへ
2005年12月01日
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