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昨日の私のエントリに対して、THE WORLD 1976さんが寄せて下さったコメント、面白いなと思ったので、少し私の考えを付け加えさせて頂くことにする。天才肌のデザイナーならば、学校教育なしでも素晴らしいデザインを世に送り出せるだろう、というのは、正しいと思う。但し、学校ではない場所でも、ファッションデザインを行う上で最低限知っておかなければならないことはある、というのが私の考えだ。服飾デザイン、というのは、マテリアル(素材)や表現方法に全く制約のないアートとは根本的に異なるものである。「人間が着用し、自由に体を動かすことが出来る」というのが前提だ。そのためには、マテリアル(素材)も人体に有害なものであってはならないし、人間の体の厚みと動作性を理解した上で設計図、いわゆるパターンが作成される必要がある。これは、例えば建築の業界で、マテリアル(建築資材)や、設計の基本についての基本的知識がないと、人間が安心して利用できる建物を建てることができないのと同様なのだ。その前提をクリアした後、次には、美しいデザイン、着る人を引き立てるデザイン、というものを考慮することになる。そうすることによって、出来上がった洋服の商業的価値の高低、つまり、その服が高く売れるかそうでないかが決まってくるのだ。但し、「コム・デ・ギャルソン」や「マルタン・マルジェラ」などがその代表的な存在だと思うのだが、部分的に体の動作性を制限(いわゆる「拘束服」というヤツですね)したり、あえて醜い要素を付加したデザインを行ったりして、反って付加価値を高める、という裏技もある。少し前に、建築業界出身のある方が、「うちの業界は50代で一人前。経験と修練によって身についてくるものが大きい」と言っておられたが、ファッション業界も、着心地の良いデザインの追及に関していうと、やはり、ベテランの域に達しなければなかなか達成できないと私は思っている。人間工学的なアプローチ、パターンの徹底的な研究は大切なことなのだ。ファッションデザイナーにも、高田賢三やクリスチャン・ラクロワのような色彩に関して卓抜したセンスを有するタイプや、往年のバレンシアガやシバンシィのように、クチュール的なテクニックを駆使するタイプ、ヴェルサーチやジョン・ガリヤーノのように、独自の強烈なスタイルを貫くタイプなど様々なタイプがいるが、ヨウジ・ヤマモト、コム・デ・ギャルソンなどアバンギャルドと呼ばれるデザイナーで成功した人は例外なく皆パターンが非常に巧い。そうでなければ、ただ崩れた着心地の悪い服に成り下がってしまうからだ。服は、人が着用するためにあるもの。どこまで行ってもカラダからは逃れられない運命にある。ファッションデザイナーとは、365日このことを考え続ける因果な、それでいて至福の職業なのである。PS.この間の日曜日に、安藤忠雄さんの立てたキャットストリートのhhstyle.com/casaを初めて見たが、服飾のデザインに相通じるものを感じた。道路よりも低い土地で、しかも奥行きが狭い、という悪条件ながら、それを生かしたドラマチックな売り場、上層階に自然に導かれるような美しい空間設計になっている。安藤さんは、場所性を生かすのが巧いね。というか、ファッションデザイナーがどこまでいっても身体から逃れられないのと同じで、建築家はどこまでいっても土地からは逃れられないのだろう。地の神の声に真摯に耳を傾けている、という気がする。水辺に立つ岡山の成羽町美術館の清廉な佇まいを懐かしく思い出してしまった。ただ、残念ながら、この立地は、アルマーニ・カーサというラグジュアリーなインテリアブランドを売るにはあまりふさわしくないという気がする。かなり高い商品ですからね。本当は表参道の方がベストだったのではないか。
2005年05月31日
この半年程の間、私の中で最も気になる存在だったデザイナー、ラフ・シモンズが、プラダグループ傘下の「ジル・サンダー」ブランドのクリエイティブ・ディレクターに起用された。衝撃のニュース、というより、彼の持つ潜在的なポテンシャルを考えると、納得の人事であろう。日本の繊維ファッション関連の業界紙では今日付けのニュースになっているが、海外のメディアでは27日付けのものも多い。見識のあるベテラン・ファッションジャーナリストとして国際的に一目置かれているインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙のスージー・メンケス記者が、非常に的確に今回の人事について論評した署名入り記事を発表しておられるので、英語の読める方は是非ご覧頂きたい。スージー記者のコメントの要旨は、次の通りである。1.ラフ・シモンズ氏の起用は、ファッションビジネスには広告プロモーションが重要だという判断に基づくものだと推察される。(「スターウォーズに勝つためには、クリエイティブ・フォースが必要だ」なんて洒落た表現も飛び出していますねぇ)。2.レディスをデザインしたことのないラフ・シモンズ氏の登用は、ワイルドカードかもしれない。3.しかし、冷たいエイリアンの世界を彷彿とさせるセットの中でドラマティックなショーを行い、ロマンティックな気持ちを込めて作り上げられたシャープでナロー(細身)で未来的なイメージの洋服は、新世代の顧客から絶大な支持を得ているテーラリングである。4.シモンズ氏のパワフルなパーソナリティからして、静かでコンセプチュアルなジル・サンダー女史の作風を追うものにはならないだろう。5.但し、プラダグループの首脳の口から、ジル・サンダー女史が最初に辞任した時に浴びせた「プロのスタイリストならば誰でもこのくらいの仕事は出来るんだよ」というような言葉が出てこないとも限らない・・・。3のくだりは、ラフ・シモンズ氏のデザインの特徴を非常によく捉えた表現だと思う。私が感心したのは4の部分だ。私の中ではラフ氏はナイーブなキャラクターの持ち主だというイメージが大きかったのだが。だが、確かにショーの写真を思い出してみれば、彼の中の非常に激しい一面が投影されているという気もする。少年のナイーブさとアンビバレントな凶暴さ。生でコレクションをずっと見続けておられる人ならば、尚更そのことは強く感じておられるのだろう。最近のラフ氏の活動振りからしても、彼が人気ブランドのデザインに必要なだけのインスピレーションソースを十二分に有していることは疑いない。前から思っていたのだが、モダンアートの世界に転じても、恐らく世界でトップレベルの活動を行えるレベルの人材だと思うのだ。ただ、唯一懸念される点は、彼がファッションの専門教育を受けていない、ということである。(「ファショコン通信」さんにラフ・シモンズ氏の略歴が紹介されているのでご参照頂きたい)。彼がアントワープ王立アカデミーを受験した際、「君はこの学校に来る必要はないよ」と言われたらしい、ということはファッション界の逸話になっているが、デザイン、色彩については彼の専門である家具と相通ずる部分があるとしても、パターンを学んでいない、ということは、特にミニマルなデザインを追求しようとする際、大きななハンデになるのではなかろうか。正直、これまでのラフ氏のデザインワークを見て、彼の表現しようとしている世界観、時代の空気を切り取るセンスは高く評価できたとしても、デザイナーとしてのデザインバリエーションの豊かさ、展開力については、まだ未知数なのではないかというのが私の感想だ。ただ、彼の恋人、ヴェロニク・ブランキーノはアントワープ王立アカデミー卒だし、ジル・サンダーのチームには一流のパタンナーも揃っているだろう。周囲の人々とのコミュニケーションを通じて、パターンも練り上げ、自分のメンズブランドとは違う味、「ジル・サンダー」のリアルタイムでの解釈をいかに打ち出せるかが、成功の鍵を握っているのではなかろうか。ラフ氏デザインによる初コレクションは来年3月。ちなみに、今回の起用に対し、日本の業界紙各紙にも発表されている通り、本人は素直な喜びのコメントを発表しているそうだ。
2005年05月30日
な~んか勤労意欲が沸かないなぁ、と思いつつ、ブラブラと原宿方面へ。今日はラフォーレミュージアム原宿で、Open-Clothes(オープンクローズ)の「開服万博2005春夏」が開かれているのだ。スーパーバイザーとやらに就任した責任もあるから、最近どんなことを彼らがやっているのか、見届けておく必要がある。それに、昔からさくらが個人的に応援しているデザイナーさんも今回は出展しているので、尚更だ。とはいうものの、ラフォーレの中に入ると、ホウホウ、いろいろ面白い商品がてんこ盛りではないか!思わず買い物モードになってしまって、あれこれ見て回っているうちに、時計の針がどんどん右下へ。やばいぞさくら、というムードになりつつあった時・・・。誰かが私の肩をバシッ、バシッと叩くではないか。はっと我に返って後ろを見ると、アパレルウェブの千金楽社長と、同社幹部の0さんであった。みっともない姿を見られてしまいました。それにしてもさすが千金楽社長、まめに動かれます。それと、若い人たちがやっておられることに対して頭ごなしに否定したり馬鹿にされないところが素晴らしい。きちんとご自身の目で確かめられているし、前向きな動きに対しては応援を惜しまれない。さくら、益々千金楽社長を尊敬してしまったのでした。慌てて会場に上がると、オープンクローズの応援団の皆さんの見慣れた顔が。アトリエサボのWさん、銀河のHさんなどなど。さくらのこの駄文も愛読して頂いている由、本当にお恥ずかしい限りです(^^;;入り口付近に、長蛇の列が出来ていた。スタッフの人に伺うと、佐藤貴美枝ニットソーイングクラブさんのご協力による、Tシャツ作りの体験講座に参加されたい人達の列らしい。佐藤貴美枝さんのお嬢様と、昔、IFIさんの特別講座でご一緒したことがあるんだよね。もう3年半程前になろうか。Tシャツそのもの=モノを売るのではなく、コト、体験、感動を売る、というビジネスモデルで、ショッピングセンターさんなどから引っ張りだこなのだ。今日の参加者の皆さんも、非常に楽しんでおられるようだったので、何よりである。続いて、早速33ブランドが集結している「工房バザール」へ。趣味としてファッションを満喫しておられる方、パンクやゴスロリなどニッチなテイストで濃い世界観を表現し成功を収めている方、既に他の合同展にも出展してビジネスベースにも乗りつつある方など様々のようだった。「Rajyu(ラジュー)」は、デザイナーのHさんが企画したバッグ、靴などのファッション雑貨のブランド。エスニックテイストの商品だが、生産はインドで行っており、ローコストだが手の込んだ美しいものに仕上がっている。既に他の合同展でも2ケタ以上の専門店さんから発注を受けたとのことで、堅実なビジネスを展開しつつあるようだった。ご本人は、「今春夏はトレンドの追い風があったので、秋冬以降が勝負です」と謙遜しておられたが、生産背景もしっかりしておられるようなので、今後のご活躍が楽しみである。高松からわざわざ上京して今回の開服万博に参加されたという「柴洋」のSさん。ご実家はファッション専門学校で、ご自身ももちろん洋服づくりについてしっかり学んでこられた方だ。高松でカフェと子供服の併設店舗を開設、子供服のブランドをこれから卸していかれたいとの希望を持っておられた。そのブランドだが、全てオーガニックコットン使いである。柔らかく、肌触りの非常に良い素材だから、子供服には持って来いだ。Sさんの傍らには、元気よく動き回るSさんの愛息の姿が!まさに、生きた広告塔である。今秋には京都に直営の2号店の出店が決まっているそうで、ご自身の等身大のライフスタイルを反映させたビジネスを楽しみながら広げていかれるのではないかという気がする。話していて非常に好感の持てるデザイナーさんだった。私の日記にも過去に時々登場しているデザイナー・Kさんのブランド「コン・フェム」の前で、KさんとKさんの奥様とお話ししていると、「両国さくら(仮名)さん!」と声をかけられた。IFIビジネススクールの後輩であり、且つうちのファッションビジネス英会話講座の卒業生で、現在は某デザイナーズブランドに務めるSさんだった。久々にお互いの近況について話す。Sさんも会社に慣れ、周りを見渡す余裕が出来てきたようだ。ご自身プロデュースによる展示会も続けていかれるようで、相変わらずアクティブである。途中で変な話になって、「さくら(仮名)さんって、意外と年なんですねぇ。異常に若く見えますねぇ~」なんて、妙に感心されてしまった。そうなのだよ。さくらは大学生の時に高校生と間違えられて警察に補導されそうになったり、25歳の時には20歳と間違えられる程で、ノータリンだからか昔からかなり年より幼く見られ続けているのだ。最近益々年齢を超越した存在になりつつあるが(笑)・・・まあ、それはそれで良しとしようではないか。帰り際に「デジマ市」という、生地や副資材など、デザイナー向けの業者さんの販売コーナーに立ち寄る。銀河のHさんの書籍のブースで、TASCHEN社の『1000チェア』という本を購入。オープンクローズのKさんに挨拶してからラフォーレを後に。ほんと、2003年秋の第1回目の開服万博の時から比べると、出展者のレベルも上がっているし、集客力も増して益々盛り上がりつつあるな、ということを強く感じましたね。皆さんご存知だと思いますが、オープンクローズさんは今年からネット販売も開始致しましたので、今日のイベントに参加できなかった方、いいなと思ったものを買い逃したという方、是非是非ネットから購入してチョ。ヨロシクお願いしますm(__)m
2005年05月29日
『ファッション販売』7月号に、「今すぐ着手!体験的『地震対策の方法』」という記事が掲載されている。福岡在住のフリーライター、釼英雄氏が書かれたもので、3月20日に福岡を襲った震度6の大地震での体験を基にしたルポだ。地震当日、釼氏は福岡のファッションビル、天神コアさんに取材に赴かれており、同ビルの事務所内で被害に遭われたそうだ。カメラを持っておられたため、地震直後の生々しい写真と共に実体験に基づいたリアルな教訓が導き出されている。非常に読み応えのある記事だと思うので、ご関心のある方には是非同誌を購入して読んで頂きたいと思う。うちの会社に居る消防出身の上司も常々言っていることだが、火災と地震の際の対応方法は違う。大手百貨店さん、ファッションビルさんなどは皆さん火災時のマニュアルは完備しておられると思うが、日本国内ではどこでも大地震が起きないという保証はないのだから、早急に地震対策も進めるべきなのではないかとこの記事を読んで改めて思った。それともう1つ、個人商店さんが天災に合われた際のリスクの大きさも、釼氏は指摘しておられる。これは、大手さん以上に重大な問題だろう。忙しくなさっておられる個店型の店舗のオーナーさん、店長さんは、ついついリスクマネジメントがなおざりになりがちだと思うが、まずはチェックリストを作って優先順位をつけ、1つずつ対策を立てていって頂きたいものですね。さて、本日の本題へ。日経MJの「海外情報」は、時間がない時でも必ずチェックするようにしているページである。いくらネットが発達してきたとはいえ、海外の、それも狭義のファッション以外の分野まで全てカバーするのは至難の業だから、異業種のトレンドを把握するには欠かせないからだ。同紙からは、流通業全般に共通する原理原則というものを改めて確認することもできる。先週金曜日の海外情報のページには、掲題の記事が掲載されていた。世界最大の小売業、ウォルマートがネットによるDVDレンタル事業から撤退し、同事業最大手のネットフリックスと販促協定を結んで、レンタルについては同社の利用を促す代わりに、ネットフリックスのサイトでは購入についてはウォルマートの利用を進めるようにする、というものである。既にウォルマートのネット販売のサイトでもその旨告知されているのでこちらをご覧頂きたい。ウォルマートという会社は、小売りとその周辺領域のビジネスに関してはありとあらゆる分野に対して非常に貪欲で、その欲の強さ、対応の速さは日本の量販店の非ではない。いいいか悪いかは別として、だからこそ変化の速いネット販売の業界でも一定のポジションを保っていると思うのだが、日経MJによると、ネットフリックスがDVDのネットレンタルを開始したのは、1990年代の後半で、ウォルマートは2002年の参入だそうだ。いわゆる、「First takes all.」、先行者が全てを制する、というネットビジネスの原則がここでも成り立ったと見るべきなのだろうか。とはいえ、両社のサイトを見ると、ウォルマートの敗因はそれだけではなさそうだ。先行するネットフリックスは、月17.99セント支払うと1回につき3枚まで、何回でも繰り返してレンタルできる、という仕組みを取っており、追従するウォルマートは、「月に12ドル97セントの会費を払うと1度に2枚まで何度でも繰り返して借りられる」(日経MJ)というルールにしていたようだ。皆さん、どう思われます?これだと1枚当たりのレンタル料はネットフリックスの方が安いし、1回3枚まで、というのも貸し借りの手間が省けるので、ヘビーユーザーは、ミドルクラスのユーザーはどう見てもネットフリックスの方に走っちゃうよね。後発で出て価格破壊を狙う、というビジネスは成り立ち得ない構造だとしか思えない。何でウォルマートはこんな中途半端なビジネスを始めたんだろう?ということへの予想される回答は、日経MJの記事の中にちゃんと書いてあった。「ウォルマートはDVD販売では米国のシェアがトップと見られる」というくだりである。つまり、同じアイテムの販売事業とレンタル事業を同一の売り場(ネット店という売り場も含めて)で展開しても両立は難しい、という法則である。これって、例えば着物のレンタルの例を思い浮かべてもわかるんだけど、結局客層が違うんだよね。DVDの場合も、買って手元においておきたい、何度も繰り返し見たい、というお客様向けの商材と、1度見ればそれでいい、という方向けのものは、ダブってくる作品もあるが、全く違う売れ筋(貸し筋)もあるだろう。小売業の原理原則の1つ、「自店のお客様に合った商品を揃える」ー当たり前のことなんだけれど、それが非常に難しい。特に、大型店になるほど、あれもこれも置かなければ売り上げが取れない、ということになって、品揃えの絞り込みや、不要なものを「捨てる」ことができなくなってしまうのだ。しかし、ウォルマートはやはり手強い。チャレンジするのもリアルの店舗あがりにしてはかなり速いが、「捨てる」のもまた速いからだ。同社の動きにはやはり目が離せないな、とつくづく感じさせられる記事であった。追記:ネットフリックスのサイトを見ていて、アメリカらしいなぁ、と思ったのは、DVDのカテゴリー分類の中に、「ゲイ&レズビアン」のコーナーがあったこと。この映画のラインナップ、成程、言われて見ればそうなのかも、というタイトルが並んでますねぇ。
2005年05月28日
今朝繊研新聞を見て、すぐに現物を見たいな、と思った。これは久々の大型素材の誕生ではなかろうか。クラレトレーディングが、撚糸メーカーの浅野撚糸さんと共に、水溶性糸「ミントバール」を使って、スパン(短繊維)でも優れた伸縮性の特殊加工糸「セルナーレ」を開発した、という記事である。もともと綿素材が縮む、ということは、デニムやTシャツをよく洗濯している人ならばご存知だろうが、縮むだけでなく、戻る、すなわちキックバックもあって始めてストレッチ機能を有する、ということになる。早速クラトレさんと浅野撚糸さんのホームページを見たのだが、残念ながら「セルナーレ」に関するニュースリリースはアップされていなかった。止むを得ないので繊研新聞さんから引用させて頂くが、製法は、「例えば綿とミントバールと特殊技術で複合撚糸し、染色・整理加工時にその織編物を熱水に入れると、ミントバールだけが溶け、残ったクリンプ状の綿糸は、溶解後に出来た隙間によって自由度が高いため、優れたストレッチ性を発揮する」というものらしい。クリンプとは、「縮れ」のことである。驚いたのは、「綿糸なら10~200番手と太いものから極細まで対応可能」(繊研新聞)というくだりである。浅野撚糸の浅野雅巳社長の「140番単糸を使えば、綿のストッキングも夢ではない」というコメントも紹介されていたが、これだけ細番手の糸まで可能なのであれば、ホージェリーを筆頭に、カットソー関係などニット製品用途には最適だろう。但し、綿100%になると、ポリウレタン混より重い製品になるだろうが。現在市場に出回っているカットソーでストレッチが効いたタイプの商品には、大概ポリウレタンが使われている。私もマックスマーラの商品で綿92%、ポリウレタン8%の混率のクリームイエローのカットソーを1枚持っているが、正直、夏になると暑い。綿100%の通気性、吸水性の良さにはかなわないな、という気がする。とはいえ、ボディラインのフィットしたカットソーでなければ、特にスーツのインナーなどにはふさわしくない場合があるため、綿100%で伸縮性の高い丸編みの生地が開発されれば、すぐにでも買いたいですね。ポリウレタン混と綿100%では色もかなり違ってくる。綿100%ならば、反応染料で、非常に美しい色に染まるからだ。それこそ草木染めなど、ナチュラルで微妙な色合いに仕上げたら面白いのではなかろうか。今日の生地は、ヤーン(糸)段階のニュースで、織物、編物の開発にはこれから複数の企業が取り組まれるそうだ。2006年春夏からの店頭展開が目標だとか。これは、テキスタイルの展示会で生地の形になって世に出てくるのが非常に楽しみである。
2005年05月27日
合同展「イレブン」で知人や出展者の方と長時間話し込んでしまったため、慌てて両国へ戻ろうと東急東横線の代官山駅に向かっていたら、以前うちの会社の「ファッションビジネス英会話」講座にお越し頂いていたあるお客様にバッタリお会いしてしまった。プライバシーに関わることなのでここで披露することは出来ないのだが、以前勤めておられた会社を最近退社され、新しい会社で重要なポジションに登用されたそうだ。おめでとうございます!最近、うちのお客様がどんどんと業界内で大活躍し始めておられる。本当に嬉しいことですね(^^) もちろんそれは、うちの会社の力などではなく、お客様ご自身が頑張られた成果なのだが。皆さんそれぞれがそれぞれの持ち場で頑張ることによってファッション業界を活性化できたら素晴らしいことですね。そして、うちの講座で培ったネットワーク=人の輪も、機会があれば是非共生かして頂ければと思います。さて、先週末の大阪、そして昨日と今日、代官山を少し歩いて思ったのだが・・・。ピュアヤング、ヤングの履いているボトムは、カーゴパンツと、サブリナ丈のブルージーンズが圧倒的に多いね。両方合わせると7割近いんじゃないかな?つまりは、足首、場合によってはふくらはぎを見せる着こなしだ。いわゆる、ストレートやブーツカットのジーンズは、少ない。プレミアムジーンズを着用しているのは、30歳前後以上の小さなお子さん連れの方や、40代のミセスばかりである。ヤングが足首の隠れる丈のジーンズを履いている場合や、「リーバイス」のようなジーンズメーカーの定番的な商品か、あるいは「マウジー」のような渋谷109系ブランドのものが主流のようだ。業界の皆さんの中には、リサーチ専門職で、ヤングをつかまえては「何でその服を買ったの?「何でその服を着てるの?」と片っ端からヒアリングしておられる向きもあろうかと思う。私は最近はそういう調べ方はしていないので確証はないのだが、たぶん、今のヤングって、スタイルが非常に良く、足のラインがキレイな人が多いから、その自分の長所をアピールしなきゃソン、と思ってるんだろうね。足首見せファッションは、ペタンコサンダルでもウエッジソールのサンダルでも合うし。それから、カーゴの方は特に、ブーツとも合うし。今のシーズンでも、白のブーツなんてターコイズブルーのネックレスやベルトと合わせるとエスニックテイストでうまくまとまるからね。ストレートやブーツカットのジーンズが少ないのは、一つはレディスでは今はスニーカーがあまり旬ではない、ということがあるように思う。それと、足首まで隠してしまうと、じゃあボディラインの別の場所を見せてバランスを取ろうか、となったら、今度はベアミドリフ(へそ出し)しかないんだよね。先週末大阪では、スーパーローライズのジーンズで大胆にお腹を露出している女の子を10人以上は見かけたが、東京はちょっと気温が低いせいか、今日見たのはたった1人だけだった。更に、決定的なのは、プレミアム・ジーンズの価格が上がりすぎ、既に普通のピュアヤングやヤングの手に届くものではなくなってしまった、ということだろう。キャリアですら年収のそう高くない人だとちょっと引いてしまうようなものがどんどん出てきている。「アーネスト・ソーン」は26,250円、「セイクリッド・ブルー」は28,350円、「トゥルー・レリジョン」にいたっては37,800円もする。百貨店のキャリアブランドのウールのパンツよりも高い。確かに手が込んでいてかっこいいだけれど、どうも、トータルコーディネートで最近かっこよくプレミアムジーンズを着こなしている人を見なくなってきた。だんだんミセスの定番に移行しつつあるような気がするのだが?ただ、最近はミセスもOLも週の半分以上はジーンズで過ごす、という人も多いから、同じ人が1人で何本も買う、という需要はもちろんあるんだろうけどね。どこまで価格アップにお客様がついていって下さるか、今秋が分岐点になるような予感がするのだが?ハズレたらゴメンネ。そういう私の予感の裏づけになっているのが、「グリーン」というブランドの動き方である。伊勢丹新宿店4階の「リ・スタイル」などに入っているこのブランドは、デニムを核としながらも、トータルなカジュアルブランドとしてのアピールを強めている。アメリカ発の単品デニムのブランドが売りにしてきた、凝ったダメージ加工や、お尻が小さく見えるバックポケットのデザインやステッチなど、ボトムが強く主張する着こなしの時代から、コーディネートのポイントが徐々に上半身に移っていく、という感じだろうか。秋冬にはヴィクトリアン調の、例えば豪華なレースをあしらったブラウスや、フリルの多いニットなども増えるだろうし・・・。とりあえず、私自身は今秋はまずはデニムではないものから買うと思いますね。今春夏の話に戻るが、スカート着用者をまだ当初予想した程見ないんだよね。大阪でもそうだった。「マーキュリー・デュオ」には蛍光色で切り替え線のあるギャザースカートの可愛いのがあったが、気温の上昇と共に街にはこれからは一気に増えてくるのかもしれない。エスニック調のリンクル(しわ)加工のロングスカートも今年は多いが、まだ街ではほとんど見ないし。これも、トップスとのバランスなんだろうが、胸の位置から広がったAラインのキャミソールとキャミ同士の重ね着とか、ゆるゆるカットソーやカーディガンとは、やはりカーゴパンツが一番相性良さそうだからだという気がする。今日は気温が高かったから、しわ加工の長袖ブラウス着用者はあまり見なかった。今、たぶん市場で一番元気だと推察されるのはアクセサリー。トルコブルーや珊瑚色のネックレス、ピアス、ベルト等々、皆さんじゃらじゃらとつけまくりですね。私も今年買った物やら昔の物やらあれこれ付け替えて楽しんでおります。
2005年05月26日
いつも大変お世話になっている地元・墨田の久米繊維工業(株)、久米信行社長が、今日付けのブログ「縁尋奇妙日記」で、ヤクルトの古田選手のブログについてご紹介しておられる。いいなぁ、古田選手。さくらも大好きなのです♪でも、スポーツ界の有名ブロガーは、古田選手だけではないのだよ、チミィ。と、ちょっとくめ社長の弟社長さんの真似したりなんかして(笑)。さくら、発見してしまったのである。この両国の地から、次世代のカリスマブロガーが登場しつつあることを。ジャンルは、由緒正しき日本の国技。男と男が激しいぶつかり合いを繰り広げる、魂の格闘技。そう、両国と言えば、大相撲、なのである。そして、新しきスターの名は、さあ、大きな声で呼んで見ようか~っ。普天王 水さんなので~す。現在東前頭10枚目。この5月場所では敢闘賞を初受賞されるなど、これからの出世が期待される伸び盛りの力士さんだ。普天王さんのブログのことは、サイバーエージェントの藤田晋社長のブログ「渋谷で働く社長のblog」で知ったのです。普天王さんは墨田区両国の出羽海部屋所属なので、正真正銘の地元・墨田、両国在住なんですよ(^^)普天王さんのブログを見ると、ファンが急増中のようで、何よりですね♪さくらも今日から早速、応援させて頂くことにきめたのだが、実はちょっと問題が・・・。さくら、大相撲って、ここ何年はホントに全然見ていなかったんだよ(^^;;; 普天王関、ゴメンナサイm(__)m 一番の理由は忙しいからなんだが・・・。自分にとって身近な力士というと、子供の頃の輪島関、北の湖関から始まって、舞の海関、若貴兄弟くらいまでなのである。時々、セミナーの後に講師を務めて下さった方などとお食事をしている時なんかに、「両国さくら(仮名)さん、今日は誰が勝ったの?」なんて聞かれても答えに詰まる有様・・・。いか~ん。両国在勤、両国のエバンジェリストを名乗る両国さくらが、このようなことでは名がすたる(笑)。さくら、今日から大相撲の星取表はしっかりチェックし、普天王関の試合、じゃなかった、取組くらいは拝見させて頂くよう頑張ります。このブログの中でも普天王関情報は時々ご紹介させて頂こうと思っておりますので、皆さんも是非、さくらと一緒に応援してチョ!
2005年05月25日
5月20日(金)付けの、韓国の新鋭ブランド「EXR」に関するこのブログの内容に関して、あるブログ仲間がナイスな突っ込みを入れて下さったので是非読んでみてチョ。有難うございましたm(__)m。さくらは音楽にはかなりうとい人なのだが、ファッションと音楽って、切っても切れない仲なんだよね。両国発のブランドにも、ちゃんとオリジナルトラックが必要かなぁなんて、あれこれ考えているところです。さて、今日は久々の有楽町行き。エストネーションをちょっとチェック(ベルギーのブランド「ミスオッテン」がちょっと面白かった。ショップスタッフの方のお話だと、元々ウエディングドレスを作っていた会社なのだそうだ。だから、レースの種類が豊富で、非常にデリケートで美しいものが数多く使われている。この秋冬物が非常に楽しみである)した後、蚕糸会館1階のジャパンシルクセンターへ。私が前勤めていた会社の大先輩・Nさんから、「ワイルドシルクフェア」のご案内を頂いたので、その催し物を見に行ったのだ。八王子ファッション協議会の展示会でもよくお目にかかっている「コクーン」というブランドのデザイナー・加藤幸子さんを始め、幾つかの企業さん、個人による合同の展示即売会である。「ワイルドシルク」って何?という向きもあろうかと思うが、それではここでちょっと素材のお勉強を。「ワイルドシルク」とは、言葉通り野生の蚕から出来たシルクである。インド、中国、そして日本にもいろいろな野生の蚕はいるのだが、今回はインドのタッサーシルクとムガシルクを商品化したものが数多く取り揃えられていた。昔、群馬県の「ぐんま絹の里」へ行った時に国産の様々な種類の蚕のまゆを見せてもらったことがあるが、どれも白くて小さくて繭玉自体につやがあり非常にきれいである。ところが、今日、タッサーシルクとムガシルクの繭を見て、本当に仰天したんだよね・・・。でっかい。とにかくびっくりする程でっかいのだ。タッサーシルクの場合、長径が約5センチくらいある。しかも、まっ茶色だ。ムガシルクはそれより0.5センチくらいは小さいが、これまた黄金色で非常に大きい。日本の野生種、天蚕は、更にもう0.5センチくらい小さく、幅もスリムだが、それにしても「小石丸」などの家蚕よりはかなり大きい。さくらは思わず、「山へ行ってこういう蚕を採って来られるのですか?」と馬鹿なことを質問してしまったのだが、そんなことはいくら何でもございません。農場で放し飼いにしている訳である。野蚕は家蚕よりも強く蚕本来の性質を持っているそうで、機能面では、紫外線カットの効果が極めて高いそうだ。さすが自然界の厳しい環境を生き抜いてきただけのことはあって、自分の身を守るたくましい性質を身に付けているのだろう。展示会場には、タッサーシルクに手刺繍でステッチを入れ、民俗調の柄を描いたストールや、泥防染をしてインドで染めたという花柄のストール、自然のベージュ色を生かした上品なデザインのスーツやワンピース、さらっと羽織れるスタンドカラーのビッグシルエットのシャツ等、ミセスに喜ばれそうな商品が並んでいた。さくら的には、今のままでも十二分に素晴らしい商品なのだが、この素材に思い切って若い感覚の、例えばヴィクター&ロルフとかランバンなんかのような細身のクチュール的なスタイルのデザインを施してみたら面白いんじゃないかな、と思いながら見ていた。それから、同系色でまとめるのではなくて、ピンクとか、紫とか、トルコブルーとか、ちょっと人目を引くような大胆な配色も加えて・・・。なんてあれこれ作ってみたい方には、糸も販売されております。興味のある方は是非ジャパンシルクセンターまで足を運んでみてチョ。会期は27日(金)までです。
2005年05月24日
本日も21日(土)の話の続きです・・・。JIAM(国際アパレルマシンショー)2005OSAKAを見に行ったついでに、大阪の繁華街の様子も見て帰ることにした。梅田へ出ようか心斎橋へ出ようか迷ったのだが、久々に心斎橋方面をチョイス。地下鉄御堂筋線の心斎橋駅で下車すると、改札の前で、そごう大阪店の開業スタッフの皆さんがミレニアムカードの勧誘を行っておられた。そうなのだ、2000年の閉店以後、長らく休業を余儀なくされていたそごう大阪店が、今秋いよいよ復活するのである。“大阪秋の陣”にもなぞらえられるこの大型百貨店の復活は、大阪エリアの競合状況を激変させるに違いない。既に今春、大丸心斎橋店は、有力なラグジュアリーブランドの多くを押さえてそごう対策の改装を済ませたようだが、その後にも阪急百貨店の増床、更には三越大阪店の出店も取り沙汰されており、過当競争はいや増すばかりだ。改装中のそごうさんの壁面に、心斎橋筋を歩く人向けに様々なキャッチコピーが認められていた。「恋の一本背負い」なんて、洒落たものもあったが、中にはこんなものも・・・。「週3、お願い」。これって、百貨店パーソンの切実な願いが滲み出ているんだよね。近隣のOLさん、そごう大阪店さんなら、本町界隈のOLサン達が週3回来店してくれれば、お店は大繁盛するはずだろうから。もっとすごいなぁ、と唸ったのはコレ。「わたしはあなたと違います」。・・・これって、モロお隣の大丸さんを意識したセリフだよね。これは、東京のセンスでは絶対にありえない。ストレートで強烈、しかしそごうさんの店づくりの全てを一言で表していると思うんだ。これは、考えた人よりも、採用を許した幹部の方が非常に立派だと思いましたねぇ。と、そごうさんの壁面を確認した後、大丸心斎橋店さんには入らず、西へ向かい、ビルの2、3階に入居しているビームス大阪さんへ移動。商品よりも、むしろ客層をチェックしたかったのだが、予想通り若い。大学生、専門学校生、社会人1、2年生及び、高校生が主力、という感じだ。メンズの重衣料を置いていない、ということもあるだろうが。メンズ・レディスはほぼ同数の入店だったが、気になったのは、レディスの顧客の大半が「ビームス・ボーイ」のコーナーに集中していたこと。このマーケットは現在市場の穴的な存在になっており、ニーズが大きいのである。その一方で、一度見ただけでは断言できないのだが、ビームスさんが最近狙っているとされる、クリエーターブランドを好むようなエイジの高い客層はこの店舗では十二分に取り込めていないのではないかという気がした。ストリートのトレンドを品揃えに反映させ、イノベーターからビームスへの憧れ層までを取り込む、という同社特有のストアMDは現在も健在で、同社は決して悪くない、これで日本の少子高齢化さえなければ十二分にやっていけたはずだと思えてならないのだが、残念ながら憧れ層の若い子の数がこれからも減り続けて行くのだ。いたずらなMDのグレードアップはヘタをするとコンサバ化、他社との同質化につながってしまう。先頃香港への出店を開始、今後はアジアでの他店舗化を狙う、という戦略は、ビームス独特のMDのノリを失わないためにもやはり正解なのかもしれない。続いて、心斎橋オーパへ。大阪地区では元気なファッションビルの1つで、時間がある時はなるべく見るようにしているスポットである。東京の渋谷109系のブランドも、5階の「マウジー」「スライ」「エゴイスト」「マテリアルガール」、地下2階の「ココルル」など幾つか入っているが、やはりここのメインは2階の関西エレガンスブランドの集積(「マーキュリーデュオ」「プロフィール」「インタープラネット」「ミラミラ」「イスティント」等)であろう。ご参考までに、ホームページを見てマルキューと心斎橋オーパのMDを比べてみて頂きたい。オーパさんはやはり大阪と言えども地方店、1階や地下にはテイストの違うブランドがかなり入っているということがおわかり頂けるはずだ。「セシルマクビー」を始め、意外や意外、マルキューの主力ブランドの多くは心斎橋オーパには入店はしていないのである。客層は、短大・大学生から20代前半、後半までが主力。エレガンス系もしくはセクシー系ファッションで、へそ出し率も10人に1人くらいアリか。キャミソールとしわ加工のブラウスもしくはジャケットとの組み合わせの下に、プレミアムジーンズよりも、カーゴパンツもしくはマウジーのジーンズ、サブリナ丈のジーンズを着用している人が多かった。エスニックテイストの雑貨も今が旬、といった感じである。東京よりも、蛍光色に近いようなきれいな色の着用率が高いのと、茶髪の明度が高いのが目を引く。ケータイストラップにもハデハデ色がじゃらじゃらとつけられていた。それと、話し声が関西の方は甲高い声なんだよね。総じて、明るく華やかな雰囲気である。マルキュー系のブランドより関西発のブランドは少しプライスが高いが、素材にもデザインにもひとひねり効いた商品が多い。例えば、デニムのパンツにもレースがあしらってあったり、プリント柄のキャミソールがあったりetc,.やはり、自宅通いの方が多いので、洋服にお金がかけやすい、という話は本当なのではないかと思う。今日買ったばかりのブランド物の紙袋を下げている人もかなり多かった。全身デザイナーズブランド着用で、2人共「ディオール・オム」の紙袋を持った男性2人連れなんかも見かけたりして。面白かったのは、むしろ30代から50代のミセスっぽい人が結構プレミアムジーンズをはいていたこと。「セブン・フォー・オールマンカインド」とか、「ペーパーデニムクロス」とか。恐らく百貨店さんの功績が大きいのだろうと思うが。でも、正直、ミセスがジーンズをかっこよく着こなす、というのはかなり難しいんだよね。やはりヒップやお腹のライン、それ以上に結構猫背が目立つんだ。うまく着ておられる方は、エレガントなトップスやアクセサリーとの組み合わせでミックスコーディネートを組んでおられた。どこかしらに良家の奥様風を見せるのがミソ、であろう。全体的に、「ハデ」「カワ」「元気」な関西系ファッションには、渋谷のノリとはまた違ったパワーがありましたよ。接客も積極的です。これにはかなりさくらも刺激を受けましたね。ペンキをペイントした手作り風のベルトも自分用に1本買って帰りました。
2005年05月23日
すみません、本日2回目のエントリになりますので、下のエントリから先に読んでチョ。その続きの内容です。第4に、ITを活用したアパレル機器の開発。これは、あらゆる分野で一層レベルアップしていた。まず、ミシンの分野だが、JUKIと並ぶ大手2強の1社、ブラザーさんの新商品「BAS-311G」。これは、例えば押さえ金と台の間の幅などを手元のディスプレイ端末の操作で変えることが可能な他、パソコン(PC)で打ったパターンなどのデータをCFカードで保存し、カードをミシンに差し込んで命令を送ることができたり、ミシンそのものにもデータを保存することができるような仕組みになっている。いっそ、PCとミシンの間は無線LANでデータ転送できるようにしたらどうか、と思ったのだが、それはやっておられないそうだ。「IT端末の不調のせいでミシンが止まるということはあるか」と質問したが、それは絶対にないそうである。ミシンの心臓部=モーターと、IT端末の部分は独立した設計である。だから、普通のミシンとして使用することももちろん可能だ。次に、CADメーカーがこぞって取り組んでいる生産管理システムも、進化が著しい。東レACSさんのブースで、「FM.COM」の説明を聞いた。同社の売りは、日・中・韓・英の3,000語に亘る専門用語に対応するシステムになっている、ということである。これは非常に貴重なノウハウだ。「それだけを販売して頂けないか」とすかさず聞いたのだが、残念ながらそれはやっておられないそうである。工場の種別も、布帛・カットソー・ニットの全てに対応している。ただ、「リアルタイム」を謳う生産管理システムは、売り場のPOSとアパレルを結ぶ店頭起点の売上管理システムと違って、本当はリアルタイムではない。何故かというと、売れたと同時にレジに必ずスキャン(入力)され時々刻々データが変化していく売上管理システムとは違い、生産管理の担当者がまとめて入力しない限り、実際の生産現場の状況とは違った画面のままで放置されているのが現状だからだ。特に、中国の現場では、入力作業を億劫がったり、間違いばかりを入力してしまうケースが続出していると聞いたことがあるが、東レACSさんの場合は、1年間工場さんにオペレーターを派遣して徹底的にやり方を指導しているそうである。ソフトをインストールするやり方ではなく、インターネット・エクスプローラの画面からユーザーにログインしてもらうそうだ。リース方式をとっており、月25万円からだとか。次に、昨今話題となっているWebカメラを活用した多次元型会議システム「快議PRO」を旭化成AGMSさんが発売していた。会場で、中国の同社事務所と、東京本社を結んでデモをやっており、実際に中国人のスタッフの方とお話しさせて頂くことができた。上海側のネット環境は1メガだったそうだが、0.2秒程のタイムラグが出るものの音質も画面も非常にきれいである。商品サンプルに関しても、縫製の良し悪しを確認する分には全く問題はない。ただ、正確な色がわかる状況では残念ながらないのだが。色については最終的にはやはり現物を確認するほかないのかもしれない。同社ではこの商品を昨年12月に発売してから、毎週月曜日の会議を全国4か所を結んでWeb上で行っており、経費節減とコミュニケーションの向上に非常に貢献しているそうである。何と言っても電話代がタダというのは大きいし、電子白板を立ち上げて皆で文字を書き込んだり、ファイルの同時閲覧が可能なのもビジネスでは便利だろう。一般のWeb会議システムと違うのは、こちらも日・英・中(簡体字、繁体字)・韓の多言語対応になっているということである。海外との通信の場合、先方の通信環境が問題になってくるが、日本国内の場合ADSL、光ファイバーも普及しているからまず問題なく導入できるそうだ。レンタル方式でID1つにつき2万円から、拠点数が増えれば割安になるそうである。最後に、デジタルファッションさんのプレゼンテーションも大きな注目を集めていた。同社は2か所にブースを出しており、1つは浜松ホトニクスと共同で開発した人体の3Dスキャナーによる自動計測器。こちらは、既に店頭での活用も始まっているそうだ。まだ1台820万円と高価なものだが、人力で行うより早くて正確なので、もっと安くなればユニフォームメーカー等にも導入されてくるのではないあろうか。この計測器と、3次元の形状から2次元の型紙を作成するデザインツール「LookstailorX」を組み合わせたデモを披露していた。もう1つは、NTTドコモ、日本ユニシス等の協力を得て、デジタルファッションさんの「SUITE FLOWER」というソフトとおサイフケータイFeliCaを連動させたデモである。こちらは、私がブースに行った時は行われていなかったのだが、来店ポイントと商品情報の、来店客のケータイへの表示を行っていたようである。商品情報をケータイに見せるのが良いのか、それともICタグ(RFID)の活用でディスプレイ用の画面に見せるのが良いのか、という点には議論の余地があるだろうが、技術的にはここまでのことは既に可能となっている、ということである。デジタルファッションさんの3次元ボディの技術は最初発表された当初あまりにもその完成度が高くビジュアル的に美しいものだったため、ファッション業界よりもゲームの業界など異業界から先に高い評価を受けていたようだが、ここにきて、かなりアパレルビジネスの現場に落としこめる内容に煮詰まってきた。業界の企業さんの中にも、積極的に新しい技術を取り入れた売り場を作っていきたいという意欲が出てきており、今年から来年にかけては同社の飛躍の年になるのではなかろうか。東京の事務所も東洋紡さんから出て独立した拠点を構えられるそうだから、益々頑張って新しいアイデアをどんどん出していって頂きたいものである。
2005年05月22日
お待たせ致しました。早速JIAM(国際アパレルマシンショー)2005OSAKAのレポート、行って見たいと思います。まずは、昨日書いた記事の訂正から。JIAMが世界の3大アパレルマシンショーの1つである、というのは事実だが、他の2つの名称と開催国が間違っておりました。IMBはアメリカではなくドイツでの開催で、アメリカでは昔はボビンショーという名称の展示会があったのだが、前回からSPESA EXPOという名前に変わっている。そして、IMBが行われている会場がケルン・メッセなのだ。ややこしいのだが、ケルン・メッセというのは見本市主催会社の名称でもあり、最近展示会としてのパワーを増している上海のCISMAはケルン・メッセの主催である。世界の3大アパレルマシンショーは、3年に1回ずつ、輪番でそれぞれ5月に開催されている。来年はIMBが5月10~13日に、SPESA EXPOは2007年5月8~10日に開かれることが決まっている。つまり、日本で見られるのは3年に1回しかない、ということだから、繊維機械メーカーやディーラーさんはともかく、縫製メーカーやアパレルの生産管理担当者等にとっては非常に貴重な機会となる。今回の展示会でも、大阪開催だったにも関わらず、関西方面の知人はもとより、東京からわざわざ足を運んでおられる業界関係者の皆様を会場で何人もお見かけした。業界紙に既に報道されている通り、JIAMの会場を一見して驚いたのは、前回に比べ海外からの出店ブースが面積、社数共激減していたことだ。今回のJIAM2005の出展企業数は国内202社、海外72社の計274社で、前回のJIAM2002の際の国内185社、海外123社、計308社に比べて、国内の出展社数は増えているが、海外は4割以上の大幅減である。これは恐らく、前回出展してみて、成熟した日本の製造業界に対してアジア諸国の低機能商品をアピールしてもほとんど効果がない、ということに、アジアからの出展者が気付いたからではなかろうか。彼らは、現在はきっと、シンガポールのITMAアジアや、上海のCISMAに完全に照準を合わせているのだろうと推察される。とはいえ、来場者の方には、アジア系の外国人の姿が目立つ。今回隣の会場でチャイナファッションフェアという展示会が開かれている影響もかなりあるのだろうし、繊維機械の同業者の偵察、あるいは、日本の最新鋭のマシンを本当に買いたいと思っているアジアの縫製工場からの来場ももちろんあるのだろうと思う。熱心に質問を投げかけている姿もあちこちで見られた。私は昔日本繊維新聞に居た時、岡山の支局採用だったため、生産の分野が最初からの専門だった。今は亡きOTEMAS(大阪繊維機械ショー)に始まって、JIAMも直近3回はずっと定点観測している。今回の展示会を見て感じたのは、やはり日本の繊維機械の技術力は今のところ世界一をキープしているな、ということだ。このサポーティング・インダストリーのパワーが、日本のアパレル産業における感性の高いものづくりを支えている。しかし、現在、繊維機械は販売と同時にに生産面でもアジア、特に中国へのシフトが急速に進んでおり、日本の繊維機械の技術の空洞化が懸念される状況になっている。CAD関係も中国によるオフショア開発なくしては成り立たないのが現状だ。また、一部の製造メーカーさんからは、「日本の繊維機械はあまりにも高すぎるのではないか。中国から安くて良いマシンが発売されればそれも比較購買の対象としたい」との声が上がり始めている。今後は益々、商品の価値と価格を巡って国境を越えた競争と今まででは考えられなかった取り引き、アライアンスのパターンが見られるようになってくると思う。それは、やる気と実力のある企業さんにとっては益々チャンスが増える時代であることは間違いない。国際見本市の場を始めとして、あらゆる局面での情報の発信と収集が益々重要となってきた時代なのである。次に、展示商品で目を引いた傾向を解説したい。第1に、昨今のレディスや、一部メンズも含めたファッショントレンドで主流となっている、いわゆる“キラキラ”、光り物をディテールにあしらうための機械の打ち出しが目立った。ラインストーンを貼り付ける機械や、ハシマ等刺繍機メーカーの、スパンコール刺繍のプレゼンテーションである。業界の皆さんはご存知だと思うが、今春流行りの全面にスパンコールがついた細長いストールも、刺繍で出来ている。あのストールは、多頭式の刺繍機の1つの頭につき、2本ずつ刺繍して作ることも可能だそうだ。機械を見たことのある方ならば知っていると思うが。針数が多いので1本ずつだと針の半分以上が余って遊んでしまうことになるからね。第2に、前回もそうだったのだが、昨今の厳しい経済情勢にマッチした、余計な機能を省いたコンパクトな設計で価格競争力のあるタイプのミシンの周りに人だかりができていた。日本の2大ミシンメーカーの1つ、JUKIは、「高速セミドライヘッド2本針オーバーロックミシン」を発売していた。布帛用とニット用の両方がある。「ドライヘッド」というのは、ミシン油で生地が汚れるのを防ぐ設計になったミシンなのだが、それだと今度は機械が潤滑に動きにくくなる、という欠点も出てくる。それを解消するため、ヘッドの部分にのみ油が回らないように改良を加えたのが今回の新製品なのだそうだ。国内参考価格24万円だから、そこそこ値ごろ感がある。第3に、これまでJIAMへは出展していなかった織機や編機のメーカーの出展もあったこと。豊田自動織機さんからは残念ながらお話を伺うことができなかったのだが、経編機では世界シェア9割を占めているドイツのカール・マイヤーのエージェントである日本マイヤーさんの社員の方とは少し話すことができた。最近、丸編機の大手、イタリアのサントーニ社の機械でも、日本の島精機さんのホールガーメント(無縫製ニット)に近い商品が出来るようになり話題となっているが、カール・マイヤー社の経編の商品でもそれに近いものがやはり出来るのだ。だが、それらはそれぞれにやはり長所の違いがある。カール・マイヤーの機械の場合、大きな穴の開いたデザインが可能なことと、ストッキングならば1台の機械から4、5本の商品を生産することが出来る、という長所がある。編物設計を行うデザイナーのレベルが上がれば、もっともっとクリエイティビティの高い商品の開発が可能だろうと思うので、パンストメーカーさんだけでなく、丸編みや横編みをやっておられるメーカーさんで関心のある方には是非一度機械をご覧になってみて頂きたいですね。長くなってきたので、この辺で一旦切ります。
2005年05月22日
今日は本当は家ではパソコン(PC)を明けずに直ぐ眠るつもりでいたのだが、さっき新幹線の中でケータイからアップしたはずの画面が自分のケータイに現れないのでおかしいな、と思ってついつい・・・(^^;; 貧乏性ですねぇ。という訳で、PCをセットしたついでにちょこっとだけ書いておこう。3年に1度の繊維ファッション業界の国際的ビッグイベントの1つ、JIAM(国際アパレルマシンショー)2005OSAKAに行って参りました。同見本市は、アメリカのSPESA EXPO、ドイツのIMBと並んでかつては繊維機械の世界3大見本市の1つと称されていた。しかし、ここ数年は、シンガポールのITMAアジアや上海のCISMAの方が、アジアの産地、ユーザーにとって利便性の高い場所での開催になっているということから、これらの展示会との差別化、というのが大きな課題になってきているのである。その辺の事情は、素材の展示会の状況と良く似ていると言って良いだろう。さて、ここから先の詳しい話、個別企業の出展マシンの中で目を引いたものは明日詳しくご紹介するとして、今日は全然展示会の本論とは関係のない話を。展示会場のインテックス大阪の3号館と4号館の間の通路でお弁当を販売しておられた鉄砲寿司株式会社さん、御社はえらい!まず、どのお弁当も一律500円ぽっきりなんて、東京では考えられない。安い、メチャ安である。それなのに、おかずはしっかり入っている。私はシャケ弁当を買って中庭のベンチに座って食べたのだが、シャケやちくわのてんぷらの下に、キャベツまでしっかり敷いてあった。線切りキャベツじゃないですよ、ちゃんとカレー粉で味をつけていためたキャベツが!桜の形に切ったゆで人参も入っていたし、原価を抑えながらも栄養バランスを考えたメニューにしてあるところが素晴らしい。それと、味がうす味でいいんですよ、岡山県人の私にとっては。本当にこういう展示会に来て久々に安くて美味しいお弁当を食べたな、という気がした。さくらは関西に出張するといつも体の具合が非常によくなるのだが、空気が東京よりも良いことに加えて、たぶん料理の味付けの問題もあると思うんだ。それと、どこで何を食べても、まずいものは出ない。そういうお店はきっと関西ではやっていけないんだろうね。ということで、鉄砲寿司さんのホームページ(HP)を探してリンクさせて頂こうと思って検索したのだが、残念ながら見当たらなかった。地域密着で地道にまっとうな商売をなさっておられるから、有名になろうとは思っておられないのだろうが。こういう企業さんは、きっちり生き残っていけますよ、間違いなく。関西の方々にとってはこの価格、この美味しさは当たり前のレベルなのかもしれないが、東京に慣らされてしまったさくらにとっては感涙ものだったので、書かせて頂きました。皆さん、インテックス大阪に行くことがあったら、是非食べてみてチョ。
2005年05月21日
来たーーーーーっ、という感じである。先日5月5日付けの本ブログ「日本のアパレル業界の弱点露呈!?ー伊勢丹新宿店『CCシンデレラシティ』ー【エッセー】」で、「アジアのパワフルなブランドが続々と日本に押し寄せるだろう」と書いたばかりだが、韓流の超強力ブランドが日本に上陸する。2002年の発売後わずか3年間で韓国内の売上高130億円にまで急成長したというブランド「EXR」である。早速同ブランドのウェブサイトを拝見したが、納得、という感じである。メンズ、レディス、更にキッズまで扱うトータルブランド・クールでセクシーさのあるカジュアルウェアで、ボディラインにフィットしたTシャツやスウェット、ショートパンツやスウェットパンツなど、スポーツウェアのカテゴリーに入れた方がいいのではないかと思える商品が大半なのだが、一方でデニムもキーアイテムの1つになっている。将に、スポーツとファッションの中間領域に位置する、世界的に旬なテイストである。しかも、日本ではスポーツアパレルはともかく、ファッションアパレルが手掛けないスニーカーも企画の中軸に据えている。同ブランドは既に中国でも展開されているというので、Googleを中文でも検索してみると、さすがである。かなりの件数がヒットするところから見て、注目ブランド、人気ブランドになっているのだろう。このサイトに代表されるように「性感」という表現がかなり見受けられたが、確かにまるでイタリアンブランドのような、匂い経つようなセクシーさがある。しかも、レディスだけでなくメンズ・レディスのトータル展開、というところが、日本の渋谷109系ブランドとは違う。繊研新聞の報道によると、「日本では今月、ジャパン社を設立した。全国主要都市の百貨店やファッションビルに出店し、07年度に30店舗、35億円の売上高を計画している」とある。疑問に思ったのは、繊研新聞の記事本文の書き出しにも「韓国のレディスブランド」とあったのだが、まずはレディスのみでの展開、ということになるのだろうか。ネットで見る限りでは、このブランドの良さはイケメンとセクシーでスポーティーな女の子がペアで着るところにあるように思ったのだが。もしメンズは日本では今のところ展開しないというのならば非常に残念なのだが、日本の売り場作りとマーケットの性格からして、まずはレディスで面取り、というのは着実な戦略なのかもしれない。どれだけの百貨店さん、ファッションビルさんが「EXR」を受け入れるかわからないが、新しいものを取り入れようという進取の気風のあるファッションビルさんなどには結構入っていくのではないかという気がする。注目したいのは、同社のプロモーション手法である。本家・韓国のウェブサイトをじっくりと見てほしいのだが、音楽が流れ出すトップページの雰囲気も非常にカッコ良くてブランドの世界観を見事に表現しているし、顧客とのコミュニケーションを図るBBSや、通販らしきページ(すみません、ハングルが読めないしサイトにログインしていないので絶対に通販だという確証はないのだが・・・)まである。日本のアパレルのホームページで、ネット販売や、更には顧客とのコミュニケーションまでをネットを活用してやっている事例があるだろうか?それどころか、企業ホームページのみで、ブランド単体のホームページすらきちんと出来ていない、というのが総合アパレルの実情ではないか。更には、「EXR」は日本進出に当たって、販促面ではエイベックスネットワークと組むという。エイベックスが持つメディアミックスでのマーケティング、プロモーションのノウハウは感度の高いピュアヤング、ヤングをターゲットとするジャンルでは恐らく日本最強だろう。商品企画も、半数はジャパン社の企画した日本市場に合ったものになるそうだから、勢いに乗ればグンと売れていくのではないか。「EXR」はネット、ケータイ、放送、音楽など異業種の急速な進化にうとい閉鎖的な日本のアパレル業界に旋風を巻き起こす風雲児となる可能性がある。今秋の日本デビューが楽しみである。PS.「EXR」のサイトのトップページの左下を見てチョ。BGMが3種類の中から選べるようになっている。好きだなぁ、こういう凝ったツクリとこだわり。しかし、このサイト、見れば見るほど、ITで遊んでないわが日本の業界人のレベルじゃ太刀打ちできんなぁ、と感じてしまう・・・。ストロング・コンペチターですぞ。
2005年05月20日
皆さーん、さくらでーす。またまた手抜き日記でごめんなさい。今、大阪から帰りの新幹線の中。JIAM国際アパレルマシンショー2005に行ってきました。なかなか見応えのある内容でしたよ。大阪のルポは明日とあさって書きますので楽しみに待っててチョ!
2005年05月19日
いや~2日間もケータイからブログをアップしたりなんかしていると、だんだん家に帰ってパソコンをセットするのが億劫になってしまうなぁ(^^;;; などど言ってる場合じゃない。さくらがやれ飲み会だパーティーだと浮かれポンチになっている間に皆様から書き込みやらトラックバックを幾つも頂いてしまった。皆様、本当に有難うございましたm(__)mトラックバックは、うちの会社で大変お世話になっているアパレルウェブの千金楽健司社長からのものである。千金楽社長のブログ、これは大変読み応えがありますよ。アパレルウェブさんは、繊維ファッション業界において、ITとアジア、この2つの大きな潮流をきちんととらまえ先を見た動きをしている数少ない企業さんである。今日もこんなニュースが業界紙各紙の紙面を飾っていたが、是非是非これからも業界への前向きな提言を連発して下さる事を期待致します。さて、昨日へプレイバーック、という訳で、日本を代表する優良テキスタイルメーカーが一堂に会する展示会、JCプレビューの話題を。以前このブログでも書いたことがあるが、今や年1回しか開催されないJC(ジャパン・クリエーション)本体よりも、年2回開催のJCプレビューの方が実商談につながる、ということで、商社、コンバーター、アパレル、企画会社等からの人気は高い。狭い外苑前TEPIAの中は黒山の人だかりでごった返していた。一生懸命端からブースを順番に見ているうちに、見覚えのある会社名が目に入った。福井県の三浦織物(株)さんだ。このブログを書いたり会社で調べ物をするためにネットで検索をかけていると時々ヒットする企業さんである。織物メーカーさんとしてはネットの活用に非常に力が入っている企業さんだなと、前から注目していたのだ。三浦織物さんのブースにおられた企画営業課長の三浦宗之さんが商品とネット販売について概略を説明して下さった。置かれていたサンプルは、同社のリスクで色を積んでいる即出荷できるもの(これはネットでも販売されている)、生機背景のあるもの(納期2週間)、30反からの生機生産システム(試織のみ済んでいる)の3種類。顧客のニーズによって組成やデザイン等の選択の範囲と、量と、納期を変えておられるところが便利である。三浦課長のお話だと、本店(ネット本店)、楽天店、ヤフー店の3店舗で月商100万円をクリアしていらっしゃるそうだ。今日び100万円は低い数字だと思われる向きもあるかもしれないが、生地という販売が難しい商品でこの数字は非常に立派な成果なのではなかろうか。ご承知の通り、福井県では県を挙げてネットの活用に力を入れておられる。「どっと混むふくい」の取り組みについてもご説明下さったのだが、1年ごとに解散する仕組みになっておられるそうだ。つまりは、やる気のある方々だけが2年、3年と活動を続け、新しいメンバーにも広く門戸を開いていく、ということである。メーリングリストのやり取りについても、自分は発言せず読むだけの人に対しては、管理人さんから警告が発せられるとのこと。そうやって、皆が「ギブ&ギブ&ギブン」(久米繊維工業の久米社長の受け売りであるが)の気持ちで活動しておられることが、福井県全体の産業の活性化につながっているーー素晴らしい成功事例だと思う。ちなみに、私が今までリアルでお会いしたことのあるネットの達人は、皆さんお人柄が良くて非常に世話好きだったが、この三浦課長さんもそういう方だった。ご親切に、隣のブースの妙中パイル織物(株)さんをご紹介下さったのである。同社は和歌山県の企業さんで、非常に上質なパイル織物を生産しておられる。様々なパイルの味のある表情は、見るからに超一級品である。ブースにおられた女性の方(役員の方かとお見受けしたが)のお話だと、「最近ネットを立ち上げたばかり」ということだったので、三浦織物さんと隣り合わせのレイアウトだったということは、非常に幸運だったのでがないかと思う。さくらの今回のプレビュー最大の楽しみは、これも以前このブログで書かせて頂いた山崎ビロード(株)さんのウールのベルベットであった。期待に胸を膨らませながら同社のブースへ。椅子にかけておられた男性に、「ウールのベルベットはございますか?」と聞くと、何点か見せて下さった。これはすごい!期待に違わぬ、いや、期待以上の出来栄えではなかろうか。いわゆる絹のベルベットの特徴、ツヤや手触りのよさと相反する、少しかさついた、ラスティックな表情である。インテリアファブリックとしてはもちろんのこと、これでメンズのジャケットなんか作ったら最高だろうね。特にオフホワイトがいいなぁ~。ちょっと大胆かな、とも思ったが、山崎昌二会長に「両国さくら」の名刺を渡し、このブログでウールのベルベットのことをご紹介したことがある、と説明すると、息子さんはシアターハウスのホームページに力を入れておられることを教えて下さった。これは消費者ニーズに非常にマッチした商品だろう。こういうニッチをついたアイデア商品も、ネットの力を持ってすれば広く世に広めることが可能なのだ。昨日は事実上の「両国さくら」としてのデビューの日(笑)、のようになってしまったが、特にネット販売やITの活用に力を入れておられる業界内外の皆様には今後は本名の名刺と一緒にさくらの名刺もお渡し致しますので、是非是非いろいろ教えてやって下さいませ。お話させて頂いた織物メーカーの皆様、本当に有難うございました。今後共ヨロシクお願い申し上げますm(__)m
2005年05月19日
17日の日記になっているけど今は18日。今日はデザイナーのKさんのお誘いで午後11時からパーティなのです。2日続けて手抜き日記でゴメン。明日は本格的なエントリを致しますのでもうしばらく待っててちょ。
2005年05月17日
大丸のOさんが大阪から上京してきているため、今日はIFIマスターコース2期生の同窓会なのです。ではでは、行ってきまーす。
2005年05月17日
郵便ポストを開けると、少し厚みのあるグレーの封筒に、達筆の筆文字で書かれた宛名が。嗚呼、待ちに待ったアレが届いたのだ~と大急ぎで階段を駆け上がりマンションの扉を開けた。そう、ふで文字やさんに注文していた私(両国さくら)の名刺が刷り上ってきたのである(^^)/3年と少し前、グループ21という会で、ふで文字や.comを運営なさっておられる書道家の武田双雲さんのパフォーマンスを見た。ジャンクハンター吉田さんが、その時持参したつなぎに武田さん直筆の文字を書いてもらっている姿を見て、「私も欲し~い」と思ってその後オーガニックコットンのTシャツの上に私の本名を書いて頂いたことがある。その後、あれよあれよという間に武田さんはスターダムを駆け上がり、書道界の新星として国内外でご活躍される売れっ子となっていった。今や、気軽にお声をかけさせて頂くのも憚られる程だが、武田さんと出会ってから、私の運勢は明るい方向に開けたのではないかと私は思っているので、機会があったら今度は是非名刺を発注したいとずっとずっと思い続けていた。そろそろ「両国さくら」の名刺を持とうかな、と思って、ついに発注させて頂いたのである。早速明日からこの名刺をデビューさせようと思ってますんで(ワクワク)、欲しい方はさくらまで声をかけてチョ。さて、今日はちょっとお知らせを。さくらと同じく、武田双雲さんの名刺を愛用しておられるe製造業の会代表の村上肇さんが、特に製造業の方向けのセミナーを東京で開催されます。「本気で儲けるためのネット活用実践講座in東京」このセミナー、ホームページをこれから開設したいという初心者の方向けのものではなく、既にホームページを作っているが、なかなかアクセス数が伸びない、引き合い、そして発注に繋がらないといった悩みを抱えておられる方向けのセミナーだとのこと。私自身もこのブログを始めて約1年、消費者の方はもとより、取引先情報、業界情報をネットで検索して調べているプロの皆さんが益々増加していることを肌で感じている。今や、ホームページでのプル戦略は、対面営業という営業手法と同等か、ウェブマスターの頑張りによってはそれ以上の効果が上がる時代になっているのである。しかも、コストは安い。だが、やはりユーザビリティーの向上、検索エンジン対策、メルマガ発行、ブログの活用等々、ネットにはリアルとは違うネット独自のノウハウがある。しかも、それはリアルの商売では考えられないスピードで時々刻々進化している。自己流での行き詰まりを感じている方は、是非その分野での成功者から学ぶべきではないだろうか。村上肇さんは、独立される前、磁石メーカーの二六製作所さんでウェブマスターとして活躍され、日本における中小製造業のネット活用の先駆者としてこの10年近く業界を牽引してこられた方である。ネットの業界は進化が早いが、村上さんはいつもその先を行っておられる。しかも楽しげだ(^^) 関西人らしく、しゃべり~(関西弁っぽいイントネーションで読んでチョ)もうまい。男前(これはちょっとお世辞入ってますが・・・笑)、というかスキー&テニスを愛するスポーツマンです。「本気で儲けるためのネット活用実践講座in東京」、先週末の大阪での中野てるひこ講師を招聘しての「ビジネスへのブログ活用セミナー」も大好評のうちに終了ししたようなので、そろそろお申込みが殺到するのではないかと思う。セミナーは6月27日(月)、7月8日(月)、7月28日(月)の13時30分から19時30分まで、大田区産業プラザさんで開催される。お申込みはお早めにどうぞ!
2005年05月16日
グループ21という会で知り合った唐澤豊さんが、ブログを開設された(トラックバックさせて頂きました)。待ちにまったブログである。1つは、唐澤さんがピックアップされた政治経済、国際情勢やIT関連のトピックをご紹介下さる「唐澤塾」。データメディア代表取締役で、元インテル・ジャパンの社長さんだった唐澤さんがキャッチしておられるIT業界のトレンド予測は、我々畑違いの分野の人間が新聞を多少読んだ程度で予測できるようなレベルのものではない非常に鋭く早いものだから参考になる。それと同時に、私がいつも尊敬の念を持って唐澤さんのメールマガジンを拝読してきたのは、イラク情勢の問題の時に一番強く感じたのだが、「長いものに巻かれろ」的な事なかれ主義を取るのではなく、自分の立場で少しでも世の中を良くするためにはどうすればよいか、という視点で書き行動しておられたからである。更にもう一つ、ペンネームで執筆しておられる草木塔@花野井も、心温まる内容である。スピードを要求されるご時勢だからこそ、心を緩めるスローな時間を持ちたいなと、以前から唐澤さんのメールを頂く度に痛感させられていた。唐澤さんとグループ21でお知り合いになれたのも、そもそもは地元・墨田のIT社長、久米繊維工業株式会社の久米信行社長のメールマガジンのお陰である。この10年、昔と大きく変わったのはこういう「メール縁」で普通ならば絶対にお知り合いになれない方とご縁が結べるようになったことではなかろうか。唐澤さんにも、さくらにも、ブログがきっかけになってもっともっと新しいご縁が広がりますように!今日の本題。5月14日(土)付けの繊研新聞の1面トップに、「“ライバル”がチームプレー 進化続ける平場に挑む伊勢丹新宿店」という見出しで、伊勢丹新宿店4階の、「コムサ・デ・モード」「ICB」「ボディドレッシング」の3ブランドによる統一平場に関する記事が掲載されている。実は、この記事に書いてある方法論こそ、5月5日(木)付けの本ブログのエントリ「日本のアパレル業界の弱点露呈!?ー伊勢丹新宿店『CCシンデレラシティ』ー【エッセー】」に対する回答なのである(自己トラックバックをかけているので本欄下をご覧頂きたい)。記事の詳細については、是非繊研新聞自身をしっかりとお読み頂きたいと思うが、要するに、統一平場を成功させるには、販売や売り場運営のルールを統一し、派遣店員と言えどもお客様を統一平場全体のお客様と見なしてブランドの枠を超えた接客を行い異ブランド間の買い回りをアップさせることが重要で、更には顧客管理全体も共通化させることを伊勢丹新宿店サイドは目指している、ということが書かれているのだ。ここにあるのは、「上記3ブランドの“お友達ブランド”の商品は、かなり似通っており、顧客も共通化している」という考え方である。始めからそうなのだから、1つのブランドでの欠品によるロスを他ブランドで補えばロス率は低下するのではないか、という大胆な発想だ。伊勢丹さんは、「CCシンデレラシティ」でも、同じことを狙っていたのか?しかし、そうなると当然出てくるのは、アパレルサイドとの条件面での折り合いの問題である。ブランドの世界観を十二分に表現できず、管理を自己完結できない売り場ならば、改装費用とか、ショップスタッフの派遣店員としての派遣とか、更にもっというとアメリカの百貨店なみに商品を買い取って欲しいとか、アパレルさんからの掛け率に関する要望が出てくるのは必定だろう。ここで思い出すのは、今や伊勢丹傘下に入ってしまった福岡の一番店・岩田屋さんがかつて試みた「完全買い取り」による売り場運営である。今は亡き岩田屋Zサイドは、それこそ完全なる統一什器、百貨店サイドが立てたゾーンごとのコンセプトの中に完全買い取りの形で集められた商品が置かれ、派遣社員さん達も一旦アパレルを退社し岩田屋さんとの契約社員となる形で、アメリカの百貨店のようなオペレーションが行われたのだ。しかし、小売業が自社リスクを持って他者と差別化された売り場を作る、ということは、口で言うほど生易しいことではない。懸命の努力を持ってしても、売れ残りや機会ロスはアパレルの消化仕入れや委託の売り場に依存していた時代より増え、経営数値はどんどん悪化し、最後には伊勢丹さんに経営支援を要請せざるを得なくなってしまったのは周知の通りである。今、伊勢丹新宿店さんがやろうとしていることは、かつて岩田屋さんがやっていたことの「いいとこ取り」なのではないかと推察できる。地方店や都市部でも2番店以下、もっと言うと日本では伊勢丹さん以外の百貨店がこの方法論を取ることはできない。福岡は相当の都会だが、それでも各ブランドの売上高は伊勢丹新宿店さんの売り上げの約2分の1前後だろう。伊勢丹新宿店さんは売れているお店だから、アパレルさんは譲歩せざるを得ない。というか、先にいやいやながら譲歩したとしても、伊勢丹さんが立てた戦略に従って行動し結果売り上げ、利益が増えるならば、結果オーライなのだ。いずれにしても、横綱相撲だからどっちに転んでも修正は容易である。2番手、3番手、地方の百貨店さんはこうはいかない。アパレルさんの方が立場が圧倒的に強いからである。そういうビジネスの泥臭い論理の中で、いかにして部分的にでも自社の特徴を出し、郊外型SC(ショッピングセンター)と違う付加価値を高めるかーー。その1つの回答として、伊勢丹新宿店さんの壮大な実験から学び、そのエッセンスを部分的に取り入れる、というのもありなのではないか。
2005年05月15日
新進デザイナー・福崎英隆氏が南青山に新事務所(ショールーム兼アトリエ)を開設された。そのオープニング・パーティーに参加した後、骨董通りの「ヤン コム・デ・ギャルソン(Yan COMME des GARSONS)」へ行ってみた。コム・デ・ギャルソンによる期間限定ショップの第3弾となるプロジェクトである。一見し、これは、はっきり言ってファッション業界以上に建築やデザイン業界からの高い評価を得られそうなプロジェクトだと感じた。ベルギーの建築家JAN de Cock(ヤン・デ・コック)氏の手による新ショップのデザイン及び考え方が非常に斬新である。同氏は過去に手掛けた建築、というよりもインスタレーションを恒久的なものとせず常に取り壊しているらしく、そのことを入口近くにいたショップスタッフの方も説明して下さったが、確かに「一時的」な建物だから許されるのだろう、とも思える設えになっているのだ。まず、内部の見通しが悪く、通路が狭い。次に、欧米の建築家があまり好まない木材を多用している。独特の個性があり、面白いなと思ったので、早速家に帰りネットで海外のサイトを検索してみた。ヤン氏によるこれやこれのデザインは、「ヤン コム・デ・ギャルソン」に通じる匂いがある。Europian Design Forumというサイトに、「セントラル・ビュー・ポイントがない」と書いてあったが、これは的を射た指摘である。そうだ、だからこの建物の中(特に1階)に居るとちょっと落ち着かないのだ。ネットを検索していて、完全に忘れてしまっていたことを思い出した。Frame Magazineというサイトに、コム・デ・ギャルソンが手掛けたロンドンの「ドーバー・ストリート・マーケット」というショップでも、ヤン氏は手腕を奮っていたことが記されている。アンダーカバーが入っていることやエディ・スリマンの家具の話題の方が日本では大きく取り上げられていたように記憶しているが。ちなみに、ヤン氏をこのプロジェクトに誘ったのは、同じベルギーのラフ・シモンズ氏のようである。蛇足だが、英語の読める方は、この記事を注意してじっくりよく読んでみて頂きたい。日本のマスコミはほとんど取り上げることのない川久保玲さんのご主人でありビジネスパートナーの方のコメントが取り上げられているので。話は戻るが、期間限定ショップの設計に最もふさわしい期間限定の建築というのは、建築というよりもインスタレーションと呼んだ方がふさわしいものなのかもしれない。しかし、インスタレーションと言い切ることもまたできないような、建築物としての完成度の高さも兼ね備えている。よくよく考えてみると、日本の建築物というのは昔は木で作られており、30年か50年も経てば朽ち果ててしまうことは当たり前の存在であった。「建て替え」を前提とした建築行為は、日本人にとっては違和感なく受け入れられるもののような気がする。ヤン氏の人気も、このプロジェクトをきっかけに日本ではこれから高まってくるのではなかろうか。さて、肝心の商品だが、5月中旬ということもあって、コートやスーツ、ジャケットよりも、シャツ、Tシャツ、ポロシャツ、カジュアルパンツ、スニーカーなどのアイテムが中心となっていた。ジーンズや、ウエストをギュッと絞ってはくようなチノ素材のワイドなシルエットのパンツ、ユーモアとウィット溢れるモノクロのプリントが施されたTシャツ、「フレッドペリー」との協業のポロシャツ、レディスでも見たのと同素材のシワ加工を施したポリエステル・ジャージによる黒や濃紺のジャケット等々。そして、一番目を惹いたのが、やはり何と言ってもシャツ。ファッション業界人のファンの多い「コム・デ・ギャルソン・シャツ」は、白と、ブルーのストライプのバリエーションが目立った。やはり、このブランドの魅力は、凝った素材とデザインディテールの遊びである。ピュアホワイトのシャツで、綿100%、前立ての部分にやはり白のタオル地や細畝のコーデュロイをパッチワークしてあった商品がとても気にいった。上代49,350円。高いが、それだけの価値を感じさせるものだ。このシャツだけでなく、他のシャツも皆生地も縫製もフランス製になっており、メイド・イン・ジャパンでないのがちょっと残念なのだが・・・。実際にお店に行ってみて感心したのは根強いギャルソンファンの存在。午後7時半過ぎだが、私が見ている前で3人のお客様が商品を購入していった。このプロジェクト、さすが川久保玲さん、と私は感じた。それは、クリエイティビティーの高さと同時に、ビジネス面での戦略の巧さを感じるからである。「期間限定」も第3弾になるとへたをするとマンネリ化する危険性があったはずだが、それをうまく回避し、一見さんとギャルソンのコア顧客の双方を満足させる仕掛けとなっている。今のギャルソンを安定的に支えているのは、ズバリいって顧客の平均年齢が上がりつつあるレディスよりも、モノそのものの価値やアバンギャルドな同ブランドの姿勢を評価する男性の顧客であると私は見ている。レディスの若い客層の取り込み、というのは、同ブランドにとって大きな課題だが、それよりも確実に成果の上がるメンズを優先した訳だ。ギャルソンの男性顧客は、建築家やカタカナ職業のクリエーター、自由業系の比較的所得の高い層と、お金はあまり持っていないがギャルソンに憧れている学生や若い社会人層の2層で構成されている。前者に対しては、ヤン・デ・コック氏の日本への紹介、というインパクトのある仕掛けで、この店舗に限らず「コム・デ・ギャルソン」というブランドトータルのイメージを高め、購買を促す。そして、後者に対しては、単品中心の品揃えを見せ、「高いけど1点なら買えそう」と思わせてやはり購買を促す。ファッション業界において、クリエーションとビジネスのバランスをうまく取ることは難しいということをこのブログでも何度も書いてきたが、コム・デ・ギャルソンは期間限定ショップ第3弾でまたしても進化するクリエーション、ビジネスのパワーを見せつけた。王者の貫禄、である。PS:今日のブログに関連した内容の、K STYLE WEBSITE BLOGさんと、男のくせ日記さんからリンク&トラックバックさせて頂きましたm(__)m
2005年05月14日
いや~今日外は本当に寒かった。スプリングコートを着ておられる方もちらほらお見かけしたが、その気持ちはよくわかる。といいつつ、燃える女(笑)・さくらは半袖Tシャツから太っとい腕をむき出しにしてうちのビル内を駆けずり回っていたのだが。「さくら(仮名)ちゃん、寒そうだから止めて」と、何人かの人に言われてしまいましたよ。そんな寒い5月の金曜日だったのに、うちのビル10階の会議室はオーバーな表現でなく本当に熱気でむんむんしていた。だって、お客様で満員御礼の状況だったのだから。有限会社タナカプランニング代表取締役・田中照夫先生のコーディネーションによる今年度の第1回パワーアップセミナー本番である。講師は新進気鋭の企画コンサルタント、株式会社モードインターナショナル代表取締役の金田有弘さん。しつこいですが、さくらも惚れ惚れする紅顔の美青年(*^^*)なのです。ところが、である。金田講師は涼しい顔をして非常に緻密に組み立てられた詳細なマーチャンダイジング(MD)のメソッドをどんどんと説明していかれるのだ。非常に中身の濃い、緻密に組み立てられた、ボリューム十分のお話である。今日のお話に出てきた52週MDとか、ランキングMDとか、店舗SKUと言った考え方をきっちり実行している大手の勝ち組アパレルさんと、同じような大手さんでもそうでない企業さんとの業績の差がどんどん開いていることは、繊維ファッション業界の企業さんにお勤めの方々なら誰でも知っていると思う。ただ、今日お越しのうちのお客様の多くの方は、単品アパレルさんだったり、中小のミセスアパレルさんもしくは工場さんだったりする。こういう企業さんの場合、売れ筋を政策的に作り上げる仕組みがなくとも企画力先行で乗り切っていける部分もあったりするので、そこまで徹底したMD計画が組まれているケースは少ないかもしれない。でも、今日田中先生がおっしゃっておられた通り、「うちの会社に部分的にでも取り入れられるところはないか」と思って知恵をめぐらせて頂きたいと思う。1年間頑張って今日のようなデータを蓄積すれば、次年度からの商品企画と商品展開計画は全然変わってくるはずである。アイテムやターゲットの差はあれ、自社なりのベーシック商品でしっかり売り上げや利益を取ったり、売れ筋を作っていったりする方法、自社なりのオーソドックスな動き方が見えるはずなのだ。今日一番印象に残った話は、その‘基本’が確立されてから先のことである。田中先生が鋭く指摘されたのだが、「前シーズン末期からシーズン立ち上がりのテストセールで売れた商品が、実需期に続かないことがかなりある」、というのが最近の傾向だからだ。「続けるのか、やめるのかの判断が重要」ーー田中先生のこのご指摘、本当に昨今の商戦を勝ち抜く上で重要なポイントなのではないだろうか。今日のお話、全然業種は違うのだが、うちの会社の年間スケジュールを回す際にも応用できるな、という感じがした。何人か異業種のお客様もお見えだったが、アパレルビジネスのロジカルな考え方を是非それぞれの業種に生かして頂ければ幸いである。久々に中身の濃いセミナーを伺ったな、という気がした。金田さん、田中先生、本当に有難うございましたm(__)m
2005年05月13日
5月9日(月)付け日経MJを読んで知ったのだが、パソコン周辺機器の大手メーカー、バッファロー社が、スカイプに対応したケータイ型のヘッドセット「BSKP-U201シリーズ」を発売したそうだ。ちなみに、価格の方だが、リンクさせて頂いたBroadband Watchには5,586円と書いてあるが、日経MJの報道では「実勢価格3,980円程度」となっている。これ、待ちに待った商品、という感じである。実は、新しいパソコンを会社で導入したので、スカイプをインストールしようと思っていたのだが、ヘッドフォンタイプ、文字通りのヘッドセットって使いにくいな、と思っていたからだ。あれって、よくスカイプ電話がかかってくる方は皆さん常時首に引っ掛けておられるのだろうか?そもそも、あのタイプだと装着する度髪型が乱れるのも気になるし・・・。はっきり言って、私がスカイプを会社で導入しても、しばらくはスカイプに電話してきて下さる方はほとんどおられないだろう(笑)という気がする。既存の電話との併用になるから、構えて待っていても仕方ないのだ。そういう私には、ケータイ型はピッタリである。早速購入し、会社のパソコンにスカイプをインストールするぞ~。さて、今日は待ちに待った、うちの会社の「謝謝 中国語会話」の第1回講座の開校日である。この5年余り、いろいろな講座を手掛けてきたのだが、やはり初めての事業の最初の日というのは、非常にドキドキする。上司2人と先生の初来社をお待ちしていると・・・。業務委託先の日本人職員の方に連れられて、「初めまして、C・Cです」と、非常に流暢な日本語を話されるきれいな女性の先生がやって来た。上司2人に続いて、おもむろに名刺を出し、「○○です」と私の本名を名乗ると・・・。「まあ、素晴らしい!」と先生が喜びの声を上げた。故あってここには記せないが、私の本名はアジアの皆様に非常に好まれるのである。今までお会いしたことのあるアジア系の皆様には必ず賞賛されてきたのだが、やはり、悪い気はしないですね。早速打ち合わせに入る。C・C先生のキャリアと、教育に対する真摯な姿勢、そして、業務委託先の職員の方と先生が一緒になって考えて下さったメソッドを聞き、私の上司もノリノリになってきた!これはイケそうだ!!早速今日は、受講者の皆様のお名前を中国語でどう発音するか、というところから学習し始めた。今回開講したコースは入門編で、まずは発音を徹底して身につけて頂こうという方針で進めている。栄えある第1期にお集まり下さった皆様を見て、上司も「目の色が違うね。皆さん真剣だよ」と言っていたが、5か月後の成果が非常に楽しみである。
2005年05月12日
JR池袋駅の西武口から、ビームス方面に向かったところにある青龍門(ちなみに、ただ今同社は経営再建中である)にて、Oさんとお食事。Oさんは、私が前勤めていた日本繊維新聞の大先輩で、現在は繊維ファッション関連のある組合の専務理事をなさっておられるお方。そちらの組合さんにも、弊社の事業をPRさせて頂いているので、今日の本論はその話だったのだが、業界歴が長く博識なOさんとの会話は、どんどんとディープな方へ向かっていった。新銀行東京の話題や、過去から現在に至るまでの繊維行政の歴史、そして将来への見通しなど、さすが大先輩、鋭い見方を連発されていた。ちょっとここには書きづらい話もありますが(笑)。そして、うちの会社のセミナーの内容についても、「今日や明日のことを考える、というだけではなく、もっと長期的なビジョンの構築に繋がるような話を」と、ピシャリ。具体的にこういう講師を呼んではどうか、というご指摘、本当におっしゃられる通りで、さくら、耳が痛かったっす(^^;;という訳で、痛飲するうちに、すっかり酔いが回り、2軒目に行くまでもなくさくらのほっぺはさくら色に染まってしまったのであった。やはり、時々は時間を作って先輩方のご意見は聞かねば、と再認識させられました。Oさん、池袋のディープな夜を有難うございましたm(__)m
2005年05月11日
シブヤ経済新聞で、「ロゴスギャラリーで『レアブック展』ー200点展示即売」との見出しを見て、気になったのでクリックしたら、ああ~、やはりさくらの直感は冴えていた!写真家、ブルース・ウェーバーの第2作目の写真集『O Rio de Janeiro』が売り出されるというのだ。私は業界新聞社に勤めていたくせに写真オンチなのでかなり恥ずかしいのだが、それでもブルース・ウェーバー氏の名くらいは知っている。同氏の写真集は、再版しないのですぐに絶版になってしまうことで有名なのだ。古本屋さんで見つけたら、即買いすべき貴重本なのである。ウェーバー氏と言えば、やはり何と言っても1980年代の「カルバン・クライン」の一連の広告キャンペーンを思い出さずにはいられない。まだ若く、この業界に入る前だった私ですら、鮮明に記憶している。メイル・ヌードを撮ること、男性の裸身美を素直に賞賛することのタブーは、ロバート・メイプルソープによって問題提起され、ブルース・ウェーバーによって打ち破られたのだ。それは、ブリティッシュ・トラッドを筆頭に、歴史的経緯を経て確立された着こなしのルールの微変化の中で動いているメンズ・ファッションの業界に、カラダへの意識と、単なる自己愛やモノ・フェチ的な視点のみならず、他者、それがオトコであれ、オンナであれ、“恋人”という存在の視線を意識した洗練とセクシャリティの感覚を持ち込んだという意味で、やはり革命的なことだったのではなかろうか。個人的には、ブルース・ウェーバーのオトコの裸身美の表現と対をなすのが、レディスにおいては同じ80年代におけるアズディン・アライアのボディ・コンシャスファッションだったのではないかと思っている。いずれも、人々がカラダと性の意識に目覚めた時代の空気を鋭く切り取ったという意味で、モード史に残る金字塔を打ち立てた存在だと言えるのではなかろうか。ブルース・ウェーバーの写真集、欲しいなぁ~。しかし、ロゴスギャラリーさんのホームページの方にもお値段は出ていなかったが、とても私の薄給では入手するのは難しいのではないかという気がする(TT)。ファッション好きの人の手に渡り、大切にされることを祈る限りである。ちなみに、googleで「ブルース・ウェーバー」を検索すると、ファッション業界の著名なコンサルタント、小島健輔氏が代表を務めるコジマ・ファッションマーケティングさんのサイト「FCN(FASHION CREATIVE NETWORK)」のページが出てきた。アメリカの人気ブランド「アバンクロンビー・アンド・フィッチ」ことアバクロのことについてWWDジャパン2004年8月2日号に小島氏が寄稿された文章「アバクロの魅力」である。2003年まではブルース・ウェーバーのビジュアルがアバクロの一つのシンボルになっていたこともこれを見て思い出した。といいつつ、実はアメリカにはまだ一度も行ったことがないので、「アバクロ」のリアルの店舗は私は未体験なのだ。新聞報道等で知る限りであるから、この点については説得力のある文章は書けない。ゴメンナサイ。ご興味のある方はご自身で資料収集なさってみて下さいませ。最後に、ブルース・ウェーバー氏の公式サイトもご紹介しておこう。海外のフォトグラファーのサイトもごくごくたまに観ることがあるが、どれもすごくカッコイイんだけれど、ブルース・ウェーバー氏のものも超イケてますよ。サイトのデザインそのものがアメリカン・カントリー(アメリカの田舎)を彷彿とさせる構成となっているし、中で紹介されている写真も素晴らしい。しかも、ウェーバー氏は文章も巧い!なかなか味のある文章を書いておられる。これは発見だった。ウェーバー氏は2004年から「Weberbilt」という、ファッションのブランドも立ち上げておられるのだな、ということもこのサイトで初めて知った。ウエスタンの匂いのする男臭いアメカジのメンズである。フロリダのトーマス・マイヤーと、イギリスのジョーズ・アット・ザ・ドーバー・ストリート・マーケットの2店舗でのみ販売されているようだ。日本でも、セレクトショップさんとか、ギャラリーさんなんかで取り扱いを始めようというところはないんだろうか。この服の現物を手に取ってみてみたい気がする。
2005年05月10日
この間、何気なく中国のビジネスマッチングサイト、アリババの日本語版を見ていて仰天した。何と、掲示板に「中国人の友達募集」と堂々と書いて、友達を見つけている日本人の方がいらっしゃったからだ。こんな大胆な方法ってアリなの、と思ったが、人様のことは笑えない。2005年1月7日のこの日記に書いた通り、私も一時期アジア最大と噂されるSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、「UUME」の中国版への潜入を試みていたのだから。だが、Yahoo Chinaの検索サイトから何度そのURLをクリックしても、自動的に日本語版が立ち上がってしまうので、諦めているうちに、3月にはあっけなく日本版「UUME」の突然閉鎖、のニュースを耳にすることとなったので、その作戦は頓挫したのであった。しかし、アリババの掲示板のような事例を見ると、いつぞやセミナーで聞いたNCネットワークの幹部の方がおっしゃっておられた、「ビジネスマッチングサイトは企業さん同士の出会い系サイトである」という名言が思い出されてくる。いかに自分を、じゃなかった、自社の求める商品や技術を適切に表現し、それをなるべく安価に納期遅れなく提供してくれる企業さんを見つけ出すか。あるいは逆に、自社の商品や技術の強みをうまくアピールし、なるべく高く買ってくれる取引先を獲得するか。まるで男と女の駆け引きにそっくりではないか(笑)。残念ながらわが繊維の業界では、圧倒的に多いのが「売り」よりは「買い」の方である。今日午後11時現在のアリババの日本語版を見ると、マッチング情報は、「家庭用品・雑貨」のカテゴリーが1,907件、「アパレル・衣類」が1,068件、「繊維・皮革」が805件掲載されている。ところが、である。アリババの英語版を見ると、その数はびっくりする程増加するのだ。「家庭用品・雑貨」が57,968件、「アパレル、衣類」が39,449、「繊維、皮革」が24,919件もある。まあ、日本語はほとんど日本企業だけが対象だが、英語になるとほとんど全世界の企業相手になっている、という違いもあろうが。それにしても、この数字を見れば、最近、アメリカやEUから中国の繊維輸出に対して政治的圧力をかけようとする動きが出てきているのも納得できるような気がする。しかし、それ以上に注目すべき数字がある。それは、日本語版のサイトでは、繊維や雑貨に隠れてまだそれ程のウエイトがない分野だが、欧米では繊維に匹敵するレベルのマッチング情報が上がっている分野である。それは、「家電・オーディオ機器」及び「機械、工業用品」の分野である。前者は、日本語版の登録数236件に対して英語版は32,413件、後者は日本語版322件に対して英語版が何と36,692件もあるのだ。これは、恐らくは日本のものづくり産業の基盤が強く、先端技術の分野においては中国の追随を許していないがために、中国との取り引きをまだあまり必要としていないが、そういう分野の弱い国では徐々に中国製に国内企業のシェアが奪われつつあることの現われと見てよいのではなかろうか。繊維業界の苦悩は、間違いなく次にはわが国の他の製造業にも及ぶのである。しかし、最初ご紹介したNCネットワークさんは、アリババの向こうを張って、中国でアリババと同様のマッチングサービスを手掛けておられるそうだ。向こうの良いものも買わせてもらうが、こちらの良い商品、良い技術もどんどん紹介し、買って頂く、そういう一方的でないやりとりがあってこそ、産業は活性化し、お互いの国の国民も豊かな消費生活を送ることができるのだと私は思う。恋愛と同じで、男性と女性のどちらか一方だけがトクをする、という関係はいずれは破綻してしまうのだろうからね。アリババさん、NCネットワークさん、共に頑張って下さい(^^)/ところで、この日記を書くため、googleに「UUME」と入力していて、何気なく右欄のアドワーズ広告が目に入り、発見してしまったんですよ、またまた面白そうなサイトを。それは、中国の「中国縁」というサイト。どうやら、SNSっぽいんだけれど、中国語で書かれている自己紹介らしき文章がなかなか面白いですねぇ。女性では、「体重0kg」と入力している人もいたり、どこの大学卒とか、友達の数とか、自分の顔写真の写し方(ポーズを決めていたり、猫の写真なんかを自分の顔の代わりに入れていたりする!)とか、人それぞれで、クスリと笑えるものも多いですよ。嗚呼~、私が中国語に堪能だったら、即入会するんだけどなぁ~。友達の友達、とも友達になれるところがSNSは魅力的なんだよね。誰か英語か日本語の出来るファッション業界の方もしくはファッション好きの中国人の方、是非是非さくらのメル友になって下さいませ(笑)。
2005年05月09日
いや~、イ・ビョンホン氏のファンの皆さんのパワーは凄かった。カキモトアームズ川崎店の2階の窓から、スタイリストやネイリストの皆さん達と一緒に見てしまった。舞台挨拶と上映を終え、チネチッタの裏から退出しようとする同氏めがけて、ファンの皆さんがドドドドドォーっと走り寄っている姿を。残念ながら、イ氏本人のお姿を見ることはできなかった。でも明日のワイドショーやスポーツ新聞にはその話題がきっと取り上げられることだろうと楽しみにしております。それと、昨日のこのブログの中で、イ・ビョンホン氏が主演する映画のタイトルを「甘い生活」と書いたが、「甘い人生」の誤りでした。「甘い生活」は、フェデリコ・フェリーニ監督の映画だよね。御免なさい。どうも最近、ファッション以外のことに関する物覚えが悪くなってしまって(^^;;;。お詫びして訂正致します。さて、テレビをほとんど見ない私は世の中の動きに実はかなり疎かったりするのだが、それでも最近の韓流、華流ブームの凄さは肌で感じている。うちの会社の上司の中にも韓国ドラマにはまっている人がいるし、街でCDショップに行けば、必ず韓流、華流ミュージシャンの特集が組まれているからだ。音楽に関していうと、やはり一番先鋭な動きをしているのは、エイベックス・グループだろう。同社は2008年には、日本の“Avex”から、アジアの“Avex”そして世界の“Avex”になる、という目標を発表している。その言葉通り、韓国出身の女性アイドル・BOAの育成と本国への逆輸出に続いて、現在では東方神起、TRAXなど韓国発の新進アイドル、ミュージシャンの日本への紹介を着々と進めている。こういう動きを、日本のアパレルメーカーさんもそろそろすべき時に来ているんじゃないだろうか。残念ながら、日本のアパレル業界において、海外ブランドとの合弁会社設立や、ライセンスブランドの展開に熱心なのは、アパレルさんではなく、むしろ商社さんの方だったりする。だが、1970年代頃から盛んに行われてきた欧米のブランドと商社さんとの取り組みは、その多くが自社での100%コントロールを望む外資側の意向によって、契約の解消、直接進出に切り替えられてしまった、というのが現在の状況である。エイベックス・グループの手法を見ていて感じるのは、「コンテンツの紹介は、自身がコンテンツを作り販促プロモーションをかけて販売している者が手掛けるのが一番ではないか」ということである。韓国発のロックグループ・TRAXのプロデュースに、元X-JAPANのYOSHIKIを起用するなど、日本市場に合った音作り及び販促面での話題作りをうまく行っている。ミュージシャンとのコミュニケーションの問題も、日本のミュージシャンを育てているからこそスムースに行えるのではないかという気がする。こういう動きが、アパレル業界で言うと商社さんの繊維部門では、残念ながらこれまでにおいてはうまく行っていなかったケースの方が多いように思うのだ。日本の大手アパレルの首脳陣の中には、未だに、「日本人は欧米発のカルチャーに憧れとコンプレックスを抱いている。アジア発のブランドは難しい」との意見を抱いている向きもあるようだが、それは第二次世界大戦後から高度成長期にかけての、その首脳陣達がまだ若く業界が成長期にあった頃の感覚のような気がする。もちろん、「うちの会社はアジアブランドには一切頼らない。メイド・バイ・ジャパンのみで行く」というポリシーを曲げたくない、うちには確固たる信念があるという企業さんには無理にお勧めはしないが、マーケットサイドに目を転じれば、ここに来て、ミセスも含めた女性達やヤングの感覚は、急速に変化しているように思うのだが。体型やカルチャーの面でも共通項が多く、若々しくエネルギッシュなアジアのブランドに魅力を感じそれを受け入れる素地は急速に固まりつつあると私は感じている。その時に、彼らアジアのブランドをライバルと見なすのではなく、アパレルとして日々商品企画や店舗開発、販売に苦労している経験を生かし、アライアンス(提携)を組めば良いのである。韓国や台湾、香港、そして中国で売れているブランド、商品と言えども、日本でそのまま売るには問題がいろいろ出てくるはずだからだ。また、プロモーションにも工夫がいるはず。そのお手伝いをするのに最適な存在が、同業者である日本のアパレルさんなのである。つまり、アパレルメーカーの価値は、コンテンツの開発、即ち商品企画及び店舗開発、販促プロモーション及び販売を行い、日本オリジナルのブランドの育成を行っているところにあるのだ。エイベックス・グループのように、日本発のブランドとアジア発のブランド、双方を手掛けるから相乗効果が出るのである。そこから始めて、今度は逆に日本発のブランドのアジア各国での販売を、取り組み先の企業さんと一緒に行っても良いのではないか。最終的には、モノを右から左へ流すだけのビジネスではなく、コンテンツが作れる企業が一番強い。そういうアパレルメーカーとアパレルメーカーががっぷり四つに組み、貿易ではなく、コンテンツをよりよくするための取り組みを一緒に行う、というのが私が思い描く21世紀のアジアビジネスのモデルである。PSその1:本稿の内容は、(有)シナジープランニングの坂口昌章さんの持論にかなり影響を受けたものです。最近の坂口さんのブログ、益々秀逸ですね(トラックバックさせて頂きました)。PSその2:エイベックス・グループさんの「新コンプライアンス・ポリシー」、本当にカッコいいです。ファッション業界のコンプライアンス・ポリシーにこんな熱い文章あるだろうか。皆さん是非読んで下さい!
2005年05月08日
本当に久々に映画を見に川崎のチネチッタに行ったら、吉田ナゴヤさんにバッタリお会いしてしまった。「セイマニ」のTシャツの上に、「リミ・フゥ」のオンボロ七分袖カーディガンを羽織り、おまけに日頃は絶対外では着用しない眼鏡までかけていたので、ナゴヤさんには最初私が誰だかわかって頂けなかったようだが(笑)。さくら、最近でぶっちょ気味だしね(^^;;。ニコラス・ケイジ主演の映画「ナショナル・トレジャー」を観た後、午後7時過ぎに帰ろうとしたら、ちょうどナゴヤさんが荷物をまとめて帰ろうとしておられるところだった。楽天日記仲間である伊藤コーイチさんのこともご紹介して頂き、リアルでの初対面と相成った。お二人が参加しておられるイベント「シャツチッタ」は、明日までだそうだ。明日5月8日(日)には、韓国の人気スター、イ・ビョンホンが主演映画「甘い人生」の舞台挨拶のためチネチッタを訪れるようなので、今日以上に来場者でごった返すのではないだろうか。吉田ナゴヤさん、伊藤コーイチさん、どうか頑張って、一人でも多くのファンを増やして下さいませ。映画の後は、これまた久々の焼肉である。川崎の「牛角」に電話したら、「かなりお待ち頂くようになります」とのことだったので、蒲田まで戻って「牛角」に入ることにした。1990年代の後半からFC加盟店を増やし急成長した同店をベンチマークしておられる方は、ファッション業界関係者の中にもきっと多いはずだ。いろいろな点で、非常に学ばせて頂くところの多いお店だと私も思っている。「牛角」の味についてだが、正直、もっとプライスゾーンの高い焼肉店に通っている人にとっては、お肉の質やタレの味がイマイチだ、と思われる向きがあるかもしれない。しかし、炭火焼で、しかも狂牛病騒ぎの後国産中心に一部豪州産の牛肉メニューに切り替えていながら、1皿590円等の価格を打ち出しているのだから、価格に見合った価値は十二分に提供していると見てよいだろう。「牛角」を展開しているレインズインターナショナルの加盟店募集のページを見ると、非常に明快に「牛角」のブランド戦略が述べられている。それは、「オシャレで安い」お店を作り、20~30代の、特に女性の支持を狙う、というものである。それは、従来型の焼肉店のポジショニング、高かろうが、安かろうが、男性客でお肉を沢山食べたい人をメインターゲットとする店作りとは180度違う、独自性の強いものである。だから、メニューにも、普通の焼肉店にはないようなドリンクやデザートのバリエーションがあり、オシャレな居酒屋感覚で女性連れでも違和感なく入れる工夫がなされている。しかし、「牛角」ブランドの強みは、「オシャレだがローコストオペレーションで成り立っている」ところにある。先程の加盟店募集のページにもはっきり書いてあるが、二等立地、ロードサイドでも成り立つし、客単価は3,000円。これは、ファッション業界のSPA(製造小売業)の考え方、やり方に非常に近いと思う。ただ、ここからが、わが業界の多くの優良ブランドよりも「牛角」の方が優れているのではないかと私が思う点なのだが・・・。まず、CS(カスタマー・サティスファクション)が徹底していること。「牛角」は、以前お客様から苦情のご意見を頂いたら3,000円の割引券を渡していたことがあるそうだが、現在もその精神に揺るぎはないようだ。「牛角」のホームページ(HP)を見ると、CGIでお客様の声を投書できるフォームがきちんと設けられている。第二に、従業員教育が徹底している。「牛角」の店舗には直営店とFC(フランチャイズ)店の双方があるようだが、私の知る限りでは、どのお店でも総じて従業員の方々は生き生きと働いておられるようだ。ファッション系のショップと違って、じっと立ってお客様を待つ、という時間がほとんどないから、ということもあろうが、よどみない動きである。恐らく、マニュアルもきちんとしたものが完備されているのではないかと推察される。第三に、客単価を上げる工夫。飲食業ならどこでもやっていることだが、牛角の場合、クーポンや各種割引キャンペーンで、「3,000円以上ご利用頂いた場合割引適用します」といった形で、3,000円という平均客単価のヤマを越えさせる工夫を徹底して打っている。今日、私はケータイサイトから「ドコモプレミアクラブ」のページを開いて「熟成ハラミ」を1皿無料にしてもらったのだが、それにもネットのクーポンと同様3,000円以上という条件がつけてあった。最後に、ネットの活用がハンパではないこと。これは、わが業界でももっともっと見習うべきだと強く感じるのだが、牛肉のトレーサビリティに関するページとか、徹底したIR活動とかを見ていると、企業としてのポリシーや姿勢がひしひしと伝わってくる。そして、特筆すべきは、「牛角」のFC各店のうち、かなりの数の店舗が、独自のHPを立ち上げ、地域の新規顧客の取り込みを進め、ファン客とのコミュニケーションを図っておられるということである。ファッション業界では地方の専門店さんの疲弊によってFCの数を減らすという事態がここ数年目立ち、FCという仕組み自体が成り立ちにくくなってしまったということもあり、残念なことだがこういう例はあまり見られない。商店街さんのHPの中にちょこっと紹介してもらっている程度のものが大半だ。忙しいから出来ない、というのならば、飲食業界の方がたぶんファッション業界よりももっともっと大変だろう。飲食業界では、ネットやケータイでお店を探すことが当たり前になっており、やっていないと売り上げに影響することをFC加盟店のオーナーさん達は肌で感じているからなのだと思う。では、わが業界に関しては、ネットでお店を探すという行為はないのかというと、近隣同業のリアルのファッションショップに関してはまだあまりないのかもしれないが、ネット通販の商品、ブランドを探す、という行為は間違いなく既に広範囲に普及している。今、ブログの仕組み(Movable Type)を活用して手間隙かけずにHPを更新できる仕組みも出来ているのだから、なるべくなら頑張って自店の存在をネット上でもアピールしてみてはどうだろうか。そして、アパレル側もそういう動きはどしどし推奨すべきではないか。そうすれば、例えば「コルディア」なら「コルディア」というブランドネームを検索エンジンに入れた時のヒット数は全国のショップの複数のサイトの力によって間違いなく増えるはずなのだ。それが、ブランドというものの真のパワーなのである。
2005年05月07日
明日と明後日は完全オフ♪、ということで、心浮き立つさくらであります(^^)今日は、ブログやネットから探したネタ3連発をどうぞ。その1:IT経営教科書仙台のITコーディネータHARRYさんのブログで知ったのだが、ついに発表されたんですね~。(トラックバックさせて頂きました)。実は、昨年12月に、うちの会社主催の「IT経営応援セミナー」で、IT経営教科書の試作版は使わせて頂いたのだが・・・。総論編では、「当たり前のことばかり言ってるじゃん」という感じだった受講者の皆様が、セミナーの各論編では、「出てくる用語からして知らないことばかりだし、何のことやらチンプンカンプン」という反応の方が大半で、そのセミナーはかなりボロボロだったんですよ・・・(^^;;これはやはり、うちの会社としてもIT経営に関する啓発を強めなきゃいかんなぁ、ということで、まだ詳細は未定なのですが、今年度中にこの教科書を使って勉強会をやる方向で準備中です。その前に、さくらがまずねじり鉢巻で猛勉強せねば、という感じなのですが(^^;;;;;、皆様是非その節は奮ってご参加下さいませ。その2:R30さんが、ねとらじに出演!最近はR30さんのブログ「R30::マーケティング社会時評」を読むのが非常に楽しみなのだが、今日のエントリを見ると、さすがです。請われてねとらじ(ネットラジオ)に出演されたそうである。(トラックバックさせて頂きました)。「DMT天国(仮)」という番組で、ライブドアさんのストリーミング放送で7日からオンエア(よく考えると、ネットラジオに「オンエア」という表現は変だね)されるとのこと。Very Very楽しみです。私も是非拝聴させて頂きますね。それにしても、ブログとねとらじ(ネットラジオ)、両方でクオリティの高い表現活動の出来るマルチな人材、そういう人材はかなり稀有な存在だと思うのだが、いないことはないと思う。私の大学の同級生に、地方のTV局の人気局アナから、全国紙の敏腕記者に転職した女性がいる。非常に問題意識が高く、努力家の人だったが、R30さんの今日のブログを読んで、彼女のイメージがすぐに思い浮かんだ。音感、リズム感が良くて、言葉のキャッチボールがうまい、瞬発力と共感力の両方を兼ね備えた暖かい人柄・・・。たぶん、世に出るべき人は、「今が自分の時代だ」と知り、誰に言われるともなく自ら表現活動を始めるのではないだろうか。ネットラジオーブログー出版、あるいは、リアルのイベント、あるいはネットワーク作りといった、多元的で面白い活動を繰り広げる草の根のタレント、ジャーナリストが出てくると面白いだろうね。もっと言うと、ネットラジオは本当は一番政治家や宗教家向きのメディアかもしれない。昔から、早朝に宗教番組をラジオでやっていたりするけれど、それが聞きたい人にだけ好きな時間帯に聞いてもらえる、というのは、社会的ニーズにマッチしているだろうし・・・。政治や宗教の業界(業界、といっては聖職について真剣に社会や人間について考えておられる皆様には失礼な表現かもしれないが)が乗ってくると、不安を感じる向きもあるかもしれないが、今より少しは風通しの良い世の中になるかもしれないね、なんてちょっと思ったりもして。その3:ビームスのHPインターナショナルギャラリービームスが4月29日にリニューアルオープンした、ということで、本当に久々にビームスのホームページを見たら、バイヤーさん達の日記が載っていた。中々読ませてくれる、中身の濃い日記ですね。いいなぁ~。こうやって、自分のお店の商品や店作りについて思いのたけを語れるなんて。私も、365日毎日両国の企業さんやベンチャーさんのオリジナル商品とショップ情報のネタだけのブログを作りた~い。いや、必ずいつの日かそういうブログを作れるようになるのだ、と決意を固めるさくらであった(ここで笑わないで、マジっすから)。有名バイヤー・南馬越一義さん(うちのパワーアップセミナーのコーディネーターを務めて頂いている田中照夫先生とも懇意でいらっしゃるようですが)の最近の日記を見ると、「MAGO'S Collection Report」と題して2005年春夏のコレクションレポートが掲載されていた。取り上げられていたデザイナー3名が、ジェレミー・スコット、カストマー・オウン・プロパティ、ヴィクター・アンド・ロルフである。最初の2名には、すごく南馬越さんらしさを感じますねぇ。こういうサブカル色の強さが他のセレクトショップさんとは違うビームスさん独特の味なんだよね。
2005年05月06日
一昨日のこのブログで、中国の大手繊維メーカー・ヤンガーについて取り上げたせいか、昨日、今日と、何名かアジアの企業ドメインの方にご訪問頂いているようだ。検索エンジンで調べられたのか、RSSリーダーを活用しておられるのか、いずれにしても日本語を読み書きされるということは、素晴らしいことだと思う。もっともっとアジアのファッション業界のニュースを取り上げるべきなのだろうが、残念ながら私の語学力の問題もあって、情報の入手が2次情報、3次情報(しかも紙媒体の)にならざるを得ない。でも、今まで以上にアンテナを高く立てるようにしたいと思いますので、宜しければどうかこれからもまたお越し下さいませ。再見!I'm very thankful for you to come my weblog "Fashion in Fashion" from Asian countries. I imagine you would know this weblog because I wrote Younger's news the day before Yesterday. Maybe you use search engines or RSS readers. I respect that you read Japanese articles.I will have to pick up more Asian fashion news, but I'm very sorry I don't study Asian languages, for example, Chinese, Korean, etc,. I try tostudy harder and harder, so please come here again and tell me your opinions. See you again!ここから先の伊勢丹新宿店2Fの「CCシンデレラシティ」に関する文章は、あくまでも私の個人的な印象に基づくものだと思ってお読み頂きたい。というのは、私が知る限りにおいては、まだ改装以降の売り場全体の売り上げ動向等に関する公式なコメントは発表されていないからである。先月末の土曜日の夕刻、久々に伊勢丹に行き、改装後初めて「CCシンデレラシティ」を見た。エスカレーターを降り、「クラブハウス」(トラッドのコーナー)の前から売り場を一見する。「非常に見通しが良いな」というのが第一印象だ。というよりも、はっきりいって、見通しが良すぎる。来店客数が少ないせいもあってか、白い壁、簡素な統一什器がやけに目立つ。通路にゆがみがなく真っ直ぐなので、一番奥の「ブラックバイマウジーEXT」まで一直線に見渡せてしまう。こういう売り場には既視感がある。大昔90年代の初め頃に、阪急百貨店の本店のヤングカジュアルのコーナーが、「統一フィッティングルームの設置」に踏み切った直後に大阪まで見に行ったのだ。しかし、その頃の百貨店さんのヤング売り場は飛ぶ鳥を落とす勢い、お客様でごった返していた。だから、見やすく、買いやすく、スピーディーに接客できる導線が必要だったのだ。若年層の人口が減少している今とは時代が違うのである。今の時代には、適度なゴチャゴチャ感、宝物を探しにきたようなワクワク感を感じさせるような売場設計の方が合っているのではないか?順番に端から商品を見ていく。しかし、どうもピンとくる何かがない。はっきり言って、どれもこれもが似ている。ハコとして独立した格好になっている「バーバリーブルーレーベル」は別として、好調だという話の「カイラニ」と、帽子の「CA4LA」、そして、面積からいっても、ロケーションから言っても売り場の中核をなす「ブラックバイマウジーEXT」を除くと・・・。つまりは、「ブラックバイマウジーEXT」のテイスト=マルキュー系セクシー系の周囲に、セクシー系のバリエーションが展開されているだけなのである。すなわち、(1)モテ系(「プライドグライド」「シャーロットロンソン」等)、(2)アメカジ、西海岸系セクシーカジュアル(「パープル&イエロー」「トミーガール」等)、(3)セレブゴージャス系セクシーカジュアル(「ハンアンスン」「サマンサタバサNY」)、(4)スポーツ系セクシーカジュアル(「アディダス」「プーマ」)。(蛇足だが、外資のスポーツブランド2強が、婦人服売り場に堂々と進出していることにも注目しておきたい)。反面、本来ならば、この売り場に楽しさと変化をもたらすべきキャラクター色の強いブランドは、和調カジュアルの「45rpm&」と、「ヒステリックグラマー」「パドカレ」「アバハウス・ドゥビネット」の4ブランドだけだ。それなのに、なんだか「45rpm&」は、西海岸系セクシーっぽくなっているような気がするし・・・?これは、はっきり言って日本のレディスアパレル業界の貧しい現状をまざまざと露呈してしまう改装だったのか、とすら思えてくる。つまりは、同質化の極み、猫も杓子もマルキューパワーに引きずられ、似て非なるブランドのはずが、よくよく商品を見るとやはり似ていた、という現実をお客様に見せ付けてしまう結果になってしまったのではなかろうか?皮肉なことだが、このようなセレクトショップ的な統一什器の売り場には、本当は売り場の反対側に並ぶ「ツモリチサト」や「ジュンヤワタナベ コム・デ・ギャルソンマン ピンク」「リミ フゥ」などのデザイナーズブランドの方が適しているのだ。それこそミラノの「ディエチ・コルソコモ」がそうなのだが、1点1点が極めて個性的で、素材にもデザインにもパターンにも凝りまくっている商品ならば、統一什器の中に放り込んでも1点1点が全て光を放つ。商品は自ら語り、売り場は生き生きとしてくる。しかし、プライスゾーンの安い商品の世界観というのは、残念ながらインテリアや什器、ハコで仕切らなければ明確には成り得ないのかもしれない。とはいえ、伊勢丹さんは不退転で今回の改装に臨んでいることと思うし、私もこの改装の方向性は間違ってはいないと思う。百貨店さんが自店の個性を明確に出し、顧客に愛されるお店として生き残っていくためには、「各ブランドの世界観」の結果論的な集積に頼るのではなく、「伊勢丹さんとしての世界観」「伊勢丹さんならではの品揃え」を見せる以外にはないからだ。残念ながら、ヤングの人口の減少、そして消費行動の変化は、ヤング向けのアパレルブランドのパワーを著しく低下させている、という現実を認識せざるを得ない。そういう状況の中、百貨店サイドとしてまずは出来ることは、この中にもっと太く「自主売り場」の杭を打ち立てることではないか。「アクアガール」や「ユナイテッドアローズ」のように、オリジナルの商品企画まで出せれば理想だが、逆に、臨時のコーナーでもいいから、大学生や社会人1、2年生にとって必要不可欠な商品、グッズを期間限定でポンポン出していくとか。例えば、重たい教科書が入っても痛まないようなトートバッグとか、夏休みに彼氏との旅行や、サークルの合宿等に持っていくのに最適な「お泊りグッズ」のセットとか。あるいは、ネイルアーティストとか、ケータイキャリアのように、ヤングに影響力のある異業種と組んだイベントとか。企画は無数に考えられるはずである。そして、伊勢丹さん以上にアパレルさんに望みたいことは、もっともっとブランドの個性を出し、1点1点の商品の個性や、コーディネートした時の個性をくっきりと出してほしい、ということである。いずれ伊勢丹新宿店には、今以上にアジアからの観光客や上質な商品を求める上顧客が押し寄せるようになるだろう。その頃には、アジア発のパワフルなヤングブランドの売り込みも続々と押し寄せ、日本のブランドの売場面積はどんどんと縮小させられてしまうことだって十分予想できるのだ。
2005年05月05日
会社ブログ(ホームページ)の社内プレゼン用の資料作りでふうふう言っているので、更新が遅くなってしまってゴメンm(__)m 今日はこのネタで行きます!今日のお題は、「ねとらじ」。ライブドアさんの「ねとらじ」の様子をこの間からチラチラと横目で見ているが、今のところすごいな、と思えるようなコンテンツは出てきていないようだ。ポッドキャスティングサービスが始まったら少しは変わるのかもしれないけれど。「ねとらじ」という言葉は、「ネットラジオ」の略語だろうが、ラジオという言葉を聞くと昔を思い出してついコーフンしてしまうのである。年がバレバレですね~(笑)。中学生の頃、私は岡山県内に住んでいたので、最初は岡山の地方局・山陽放送さんから聞き始め、次は大阪は毎日放送の「ヤンタン(ヤングタウン)」や朝日放送の「ヤンリク(ヤングリクエスト)」に走る、という、よくありがちなラジオファン暦を辿った。勉強しながら聞くにはラジオというのは最適なツールである。というか、勉強はそっちのけでラジオの方についつい耳をそばだててしまい、ヤンタン水曜のDJ・あのねのねの原田伸郎さんや、金曜日の谷村新司氏にリクエストの葉書を送りたいな~でも恥ずかしいな~、なんて悩む日々を送っていたのだ。だが、私の行動はそういう次元には留まらなかった。中学2年の時、友人を誘って山陽放送ラジオのDJのオーディションを受けにいったのだ。その時の応募条件は「高校生以上」。当然、私達は番組のディレクターに叱られ、「何故中学生は採用できないか」(その時の説明では、夜帰りが遅くなるので防犯上の問題がある、と言われたように記憶している)ということを諄々と諭された。しかし、「ためしにしゃべってみて」と言われ、マイクの前でモゴモゴと口を動かし、思うように言葉は出ないのだが「プロのDJってこんな感じなのかな~」という高揚した気分を味わってひたすら満足して帰路についたのだった。その頃もし「ねとらじ」というものが存在していたら、狂喜乱舞していただろうね。だって、私はオーディションを受ける前から、自分でカセットテープに自分のトークを録音してDJの特訓に励んでいたのだから。第三者から見て自分のしゃべりが面白いかどうかなんて二の次、とにかくDJというものがやってみたくてみたくて仕方なかったのだ。それが時代の先端で、すごくかっこいいことだと思っていたから。そういう過去の自分の経験からしてみると、今「ねとらじ」がまだそれほど流行る気配を見せないのは、たぶん今の10代や20代前半の人達にとって、「ネット」はともかく、「ラジオ」というのものへの憧れ感があまりないからだろうという気がしてならない。ひょっとしたら「ねとらじ」は、昔ラジオから最新のギャグや音楽の情報を入手していた私達オジサンオバサンの方にむしろウケる媒体かもしれない、という気がしてならないのだが。実は、「両国さくらのファッション・イン・ファッション(Fashion・in・Fashion)」の「ねとらじ」放送をやってみたいな~、という気持ちが私の中には少しないわけではないのだ(笑)。だが、ファッションを伝える際に、ビジュアルなしで言葉のみで、ということには限界が大きいということと、もう一つ、他人様に聞いて頂く最低水準のトーク、というものをクリアするのがいかに難しいかが大人になってわかってしまったので踏み切れないのである。うちの会社主催のセミナーで時々私も司会をさせて頂いているが、後から録音テープを聞き返すとかなり酷いものである。「あの~」「その~」の連発。岡山弁交じりのカン高く語尾のはっきりしないもの言い。この状態では人様にとてもお聞かせできるものではない。それと、ブログのコンテンツ以上に、耳だけで聞いて面白くためになるコンテンツ作りというのは難しい。3分しゃべる、というのも、台本の用意から考えると、実は非常にエネルギーを要するものだという気がする。更に、これは「ねとらじ」市場にヤングが飛びついてこない最大の理由ではないかという気がしているのだが、著作権法上の問題があって自分の好きな音楽が自由に流せない、ということ。ビジュアルでの表現ができないのに音楽までセレクトできないとなると、やはりちょっとつらいもんがあるよね。ただ、逆に、自分で作詞作曲をし歌える人にとっては、「ねとらじ」は情報発信の大きなチャンスになるだろう。それと、お笑い系の人にも。このあたりから、斬新なコンテンツが登場してくる可能性は大きいのではないだろうか。それと、案外イケルな、という気がするのは、始めから「世界に向けて発信」なんて大層なことは考えず、「内輪で盛り上がろう~」という使い方。ショップをやっている人ならば、お店の固定客10数人に聞いてもらえればいいや、という目的で「ねとらじ」を使うとか。これが本当は一番面白いんじゃないかなぁ。うちの会社でもセミナーのCMくらいなら「ねとらじ」で作れるんじゃないかという気がしているし、高校の学園祭のCMとか、イベントの告知とか、そのうち雨後のタケノコのように一杯出てこないだろうか。今後の推移が楽しみである。
2005年05月04日
さっき久々にケータイのファッションサイトをいろいろチェックしていて、i-modeのメニューリスト「ファッション/コスメ」の部で現在人気ランキングの5位に「下着わくドキ」というサイトを見つけた。サイト名からご想像の通り、こちらは京都の白鳩さんがやっておられるケータイサイトである。その中に、ブラジャー評論家の青山まりさんが「青山まりのブラコラム」という連載を持っておられる。これは、ネット販売用のサイトでは読めないものだから、興味のある方は是非ケータイからチェックして頂きたいと思うのだが、彼女のセルフプロデュースの手法って、非常に巧いと私は思うんだよね。今度大阪で講演されるカリスマブログコンサルタントの中野てるひこさんの持論でもあるのだが、「ブラジャー」という狭くニッチな分野の評論家を名乗り、情報発信したから短期間で有名になれたと思うのだ。中野さん言う所の、「弱者の戦法」である。まあ、私自身がそれとは全く逆の手法を取っているから説得力があまりないのだけれど、「ファッション」とか「ヤングファッション」といった広すぎるテーマを選ぶと、ライバルも多いし、なかなか検索エンジンでも上位に来ない。余程コンテンツのレベルが高い、例えば、年間数百万洋服にお金をかけていて、消費者として相当エッジィな情報発信が出来るとかいうのなら話は別だが。それよりはもっと、「プレミアムジーンズ」とか、「都内のレディスセレクトショップ」とか、もっというと「リーバイス」とか「ユナイテッドアローズ」くらいにまで絞りきったテーマで徹底的に掘り下げた方が、読み手にとって有益な情報の発信になるだろうし、そのうちアフィリエイトやバナー広告の収入も上がったり、場合によっては自著の出版、マスコミへの登場、といった道も開けてくると思うんだよ。そういう成功事例、弱者、これから世に出たい人のためのブログ活用戦略についてのセミナーが、5月14日(土)に大阪で開催されます。主催は、村上肇さん率いる、e製造業の会です。中野さんの講演を1月に私は東京で聞きましたが非常に面白かったですよ。興味のある方は是非ご参加下さいませ。さて、これまた久々にアパレルウェブさんの中国情報コラムを読んでいて知ったニュースが、本日の本題。IT大国・スウェーデンのインテンシアが、中国では大手繊維企業のヤンガーグループと提携し、アパレル向けの基幹情報システムの販売を進める、というものだ。このニュース、よく見ると、インテンシアジャパンのサイトではちゃんと日本語で3月31日にアップされていたようだね。繊維ファッション関連の日本の業界紙では見た記憶がないのだが・・・。インテンシアジャパンは、昨年8月にジャパン社の新CEO、バートランド・シアード氏が就任した際に、食品、アパレル、流通、設備保管サービズの4分野に絞って日本市場の攻略を進める、という戦略を発表している。その後、トレーサビリティの問題でCRMが改めて見直されている食品分野での同社のアクションが報じられることはあったが、衣料品に関しては日本国内では目立ったニュースは見られなかった。先程ネットで同社の動きを拾ったが、今年1月の時点で日本のアパレル分野における同社のシステム導入実績は12社。これは、わが業界がいくら小さな畑だからといっても、決して多い数字とが言えないだろう。中国において、同社が現地で力を持つヤンガーというパートナーを選んだ、というのは、ベストな戦略だと思う。何でも自前で、というのでは成功は覚束無いということを、きっと海外経験豊富なインテンシアの首脳は熟知しているのだ。ちなみに、同社のERPシステム(基幹統合システム)の特徴は、100%Javaベースで設計されている、ということである。この点についても、繊維ファッション関連の業界紙できちんと説明されているのを私はついぞみた記憶がないのだが?という訳で、Javaについての説明はコレです。ところで、私が今日このニュースを取り上げたのは、インテンシアサイドの動きのみに関心を抱いたからではない。ヤンガーが、アパレル関連の情報システム会社としても巨大勢力になっている、ということにびっくりしたからだ。中国情報コラムによると、何と、CAD、CAMやERPを中国で既に1,000社以上に販売しているというのだから!IT業界で話題となっているレノボの話もその一例だが、中国は既に世界のIT大国の一角を占めている。繊維機械やアパレル向けの情報システムの分野においても、輸入ではなく自国内の企業のものを活用となるのは時間の問題ではないか。そうなると、かつての日本の繊維ファッション業界が、JUKI、ブラザーや島精機など、強力なサポーティングインダストリーの存在をバックに急成長したのと同じ現象が、中国でよりハイスピード・ハイスケールで展開されていくのではないか。特に、企画・製造から店頭までを連動させたSCM(サプライチェーンマネジメント)の構築で、まずは中国国内での多店舗展開、やがては海外進出を目指すSPA(製造小売業)を志向する企業にとって、二人三脚で歩んでくれるIT企業の存在は不可欠である。中国という国はまだ前近代的な商慣習が残る国で、しかも日本以上にブランド好きな国民性だからこそ、SPAの導入には大きな大きなメリットがあるのだ。ヤンガー自身は当然そのことには気付いているはず。日本では考えられないことだが、韓国のサムソン・グループなどの財閥企業に近い形、ひょっとしたら、何から何まで自前(グループ企業内)で、ということすら考えられる。恐らく数年内に立ち上がっていくであろう中国発の「世界企業」。同社を含めた中国の大手企業の動静を注視したい。
2005年05月03日
な、な、ぬわんと、休み明けにのほほん、とした気分で出勤したら、うちの会社主催の「第1回パワーアップセミナー」が残席僅少になってしまっているではないか!今回の講師は、株式会社モードインターナショナル代表取締役・金田有弘さん。パワーアップセミナー史上最年少の、紅顔の美青年(*^^*)、なのです。協同組合日本シャツアパレル協会の組合員さんのためにキープしているお席を除くと、残りはあと1席。その後は、ご連絡を頂いた順にキャンセル待ち頂くようになりますので、どうしてもご参加されたい方は大・大・大至急FAXもしくはメールをお願い致しますね。さて、ゴールデン・ウィークも後半戦に差し掛かったが、さくらは明日から3日間は仕事三昧で頑張るつもりである。というのは、今年絶対にやらなければならない仕事、会社ブログの社内プレゼン用の骨組みと下書きを一気に済ませてしまいたいのだ。新しいマシンも今日から本格稼動しているが、ハードディスクの容量が大きいので、動画のアップなど、その気になれば、ホームページ(ブログ)を使って出来ることはいろいろあるはずなので。それに、今日も地元を回っていてご意見を幾つか頂いたのだが、「おたくの会社の催し物の内容をホームページでチェックしたい」、とか、私達が精を出して作っている紙媒体についても、「経費をかけすぎておられるのではないか」と善意から心配して下さっている方もいらっしゃるのだ。もちろん、全ての紙の販促物を今すぐやめるつもりはないが、これだけ世の中にネットが普及しているのに、いつまでも旧態全とした体制で進むわけにはいかないもんね。お客様をこれ以上お待たせする訳にはいかないのだ。という訳で、本当はいろいろ他にも用事はあるし、遊びにも行きたいのだが、この3日間は我慢して一気に頑張ります!でも、このブログは休まず3日、4日、5日共ファッションのネタをアップ致しますので、皆様ゴールデンウィーク中もお気軽に覗きににいらして下さいませ(^^)
2005年05月02日
最初に、お詫びから。今日六本木ヒルズに行ったので、Tシャツ仲間のcalculateさんの商品をかなり探したのだが、場所がわかんなかったんですよ(涙)・・・実は、さくらはヒルズがちょっと苦手。私はかなりの方向オンチなのだが、ヒルズへ行くと毎回必ず道に迷うんだよね。背の高い建物がどーんと目の前にそびえたっているので、距離が目測できない上、ぐるぐると回り道をしなければ目的地にたどり着けないので、駄目なんです。六本人にはどうやらなれそうもないなぁ~。こういう時はやっぱネット販売がいいですね。欲求不満を解消するため、早速No more tearsさんのサイトから発注しておきました。森美術館で「ジョルジョ・アルマーニ展」を見る。2000年のニューヨーク・グッゲンハイム美術館を皮切りに、スペイン、ベルリン、ロンドン、ローマを経て、アジアでは初めてこの東京で開催の運びとなった。3月末から4月初めにかけて、展示会と自社ブランドのプロモーションを兼ねてアルマーニ氏本人が来日していたニュースを記憶している人も多いはずだ。氏の過去のコレクションを一度に見ることが出来る貴重な機会とあって、会場には展望台見物の観光客らしき人に混じって、デザインやファッションの業界関係者らしき人の姿がかなり見られた。場内では、「造形と色彩」「ミニマリズム」「東洋と西洋」「アルマーニとハリウッド」「黒と白」「誘惑する光」の6つのテーマに添った作品のグルーピングが行われていた。まずは、首のないボディの独特の傾斜が気になる。皆、上半身が反り返りもし顔がついていたら空を見上げていただろうな、というような格好になっている。洋服のパターンを観察しようと思うならばあまり良くない形のボディだと思うが、これは良く見ると、デザイン画を描く時の、片方の肩を上に上げ、それと反対方向の腰を前に突き出したかのような格好のボディになっている。つまりは、アルマーニ氏は、この衣装群をあたかも自身のスケッチのように見立てたかったのかもしれない。ちなみに、ほとんど今回の展示会では紹介されていなかったのだが、アルマーニ氏は非常にデザイン画が巧い。画力の高いデザイナーである。立体的なバランス感覚と色彩の双方に関して優れており、弱点のない、バランスの取れたデザイナーだと思う。第一の部屋、「造形と色彩」のコーナーの解説文が、同氏独特の色使い「グレージュ」(グレーとベージュの中間的な色)について触れていた。また、ゴージラインが低い襟と、ボタン位置の低さ、丸みを帯びた大きな肩パットについても。これらの要素はアルマーニ氏独特の服のライン、イメージを形作っており、特に80年代後半から90年代前半にかけてのアルマーニブームを巻き起こした立役者である。但し、これらのスーツは、メンズ、レディス共に、身長のあまり高くない人が着るにはちょっと辛いかもしれない。とはいえ、店頭を見ればわかることだが、典型的なアルマーニスタイル以外のデザインの商品も実は数多く用意されている。そして、肩パットの形も、微妙なラインも、素材使いも、刺繍などのテクニックも、年々進化し、その年々のトレンドに合わせて変化してきている。今回の展示を見て改めて気付かされたのだが、売り上げを毎年順調に伸長させていることもあってか、特に、素材使いや刺繍は、年を追うごとにどんどん豪華になってきているような気がする。チュールレースの上にビーズやスパンコールをびっしりと散りばめた刺繍の見事さ、地紋入りのシルクタフタにプリントを重ねた生地の幽玄の美、透け感のあるレースを2枚重ねにしたドレスなど、溜め息が出る程美しい。特に、赤系やピンク系のワンピースは、きっと中国の女性達が着たら非常に似合うのではないか、彼女達の好みにぴったりなのではないかと思えるものだった。「アルマーニとハリウッド」の部屋に、アルマーニの紺のワンピースに身を包んだ女優、コン・リーさんのスナップもあったが、恐らく今後は中国の著名人へのアプローチも今まで以上に強まっていくのではないかという予感を抱いた。業界のプロならば、彼のパターンテクニック、例えば、袖幅の狭い服の場合は脇の下に三角のマチを入れていたり、スカートとパンツの中間アイテムのようなワイドパンツが4枚はぎになっていたり、背中に4本も大きなタックを取ったロングコートとか、ラグランスリーブとキモノスリーブの中間アイテムのような非常に大きな袖のブラウスの面白いパターン等々、を随所に垣間見ることが出来るので、非常に勉強になるはずだ。しかし、何より私が一番感心したのは、デビュー当時から現在に至るまで一貫した「アルマーニスタイル」を崩すことなく、進化・発展させ続けていることである。一時の流行り廃りに左右されない、確固としたデザイン哲学。それは、私自身もアルマーニのセカンドブランド「アルマーニ・コレッツィオーニ」を愛用させて頂いて強く感じることだが、「着易く、着心地が良い服」「着る人を美しく、知性的に見せる服」という価値観である。それは、彼の業界人としての出発点が、ミラノの百貨店(ドゥオモの隣のLa Rinascente)における撮影助手、VMDの仕事だったことにも起因しているのかもしれない。デザイナーサイドからの一方的なデザインのクリエイティブアウトの手法を、アルマーニ氏は決して取らない。常に、顧客中心のマーケットインの視点、冷静で客観的なビジネスマンの目で自身のデザインの検証を行っているのだと思うのだ。もう10年したら、きっとこのような大型のファッション展は日本ではなく上海か北京まで出向かなければ見られなくなってしまうのだろうから、特に若い業界人の皆様、お忙しいでしょうが是非是非六本木ヒルズまで足を運んでみて下さい。この展示会は午後10時までやっていますから頑張れば見るチャンスはできるのではないでしょうか。
2005年05月01日
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