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ゲーム、アニメ、漫画、オカルト、現代アート、やおい、変態等についてのゼミでの講義録。1996-97年に講義したのを97年に単行本にして、2008年に文庫にしたらしい。
●オタクの定義ファンは対象が好きでたまらなくて好きなモノの悪口を言われるのが勘弁ならない。マニアは対象そのものよりもそれに対する研究や収集にのめり込んでいく。オタクは対象と自分との関係を振り返って、一方的に愛情を注いだり闇雲にデータを集めたりするだけでなく、それが自分にとってどういうものなのかを考えて再配列して、なぜそれが自分にとってすばらしいのかを自分の言葉で語る知性が要求される。
●感想
ガイナックスでアニメやゲームを作った創作の裏側を明かしていて、ナウシカでゴムを使って王蟲の動きを表現していたとか、アメコミの創作は下書き担当やペン入れ担当に分業化していて日本とは違うとか、漫画の翻訳出版のプロセスとか、アメリカの超能力者に喧嘩を吹っかけたマジシャンのジェイムズ・ランディーの活躍とか、薀蓄としてはそれなりに面白い。
しかしゲームやアニメや漫画はそのテーマで一冊の本になるようなジャンルなだけに、一章だけでちょろっと説明するだけで情報が包括的でないのはよくない。固有名詞がばんばん出てくるのに注釈が少なく、サブカルの知識があるのを前提にしているのもよくない。鉄オタやドルオタ等についての言及がまったくないのもよくない。東大の講義というからちゃんとした内容かと思ったら、オタク講師とオタク学生が内輪のオタクネタで盛り上がってるというのもよくない。後半はゲストとの対談ばかりで、ゴミ漁りとか核武装とかゴーマニズム宣言とかオタクとたいして関係なさそうなトピックなのもよくない。第十二講で唐沢俊一と変態について対談しているのに、自身が愛人をとっかえひっかえしていた変態性には言及しないのもよくない。1996-97年の講義録なのに文庫の表紙が痩せた後の著者の写真になっているので、新しい内容なんじゃないかと誤解させるような表紙になっているのはよくない。裏表紙には1996-97年の講義だと書いてあるけれど、ネット書店だとたいてい表紙しか載せていないのでネットで買う人は情報が古い点に注意したほうがよい。結局は著者の人間性に問題があるのがよくないのだろう。
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