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タケナカトウシロウくんは25歳である。もう25歳? まだ25歳。ドラムを叩いている。バンドの練習日は毎週月曜日。その日は仕事を休んで、電車で2時間をかけてスタジオへ向かう。バンドの編成はキーボード、ベース、ドラム、そしてボーカルだ。メジャーデビューをめざす。この1年が勝負だと思っている。「いつまでもこんなふうにしていられませんからね」タケナカトウシロウくんはそういう。いま、タケナカトウシロウくんはちょっとだけお金が必要だ。トモダチの子どもたちを泊まりがけでディズニーランドに連れて行く。もう、ホテルは予約した。子どもたちは小学校の5年生と3年生である。トモダチとは知り合って7、8年になる。だからその子どもたちとも、それだけの付き合いになる計算だ。トモダチはシングルマザーである。仕事が忙しい。ディズニーランドに一緒に行かれるかは、今のところわからない。この夏休みにも、タケナカトウシロウくんは子どもたちと遊んだ。トモダチが夏休み返上で仕事をしている間、タケナカトシロウくんの実家に子どもたちが遊びに来て泊まっていった。「そのとき、お台場にいっしょに行ったんですよ。でも信じられないほど人がたくさんいて。子どもたちは楽しかったって言ってくれるんだけど、失敗でした」タケナカトウシロウくんのケータイの待受画面はふたりの子どもたちである。ときどきこんなふうにしていていいのかな、と思う。もしトモダチに好きな人ができて結婚するようなことになったら、この子どもたちとこれまでみたいにつきあっていくことはできないだろう。今さらだけれど、こんなふうに親しくなってよかったんだろうか。トモダチとは? トモダチとはどうなの?そうですよね、そう聞かれるのはしかたないんですよね、結局、そういうことなんだろうか、「どうかな、わからないですね」タケナカトウシロウくんはそれから笑う。笑う。
2008年08月28日
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私を知っているものが集まって、私を葬送する。いいでしょう、しかたがない、なかには罠にはまって連れられて、私を見送る羽目になる。でもさ、憎悪っていうより軽蔑? そんな感じなのよね、だから葬送っていわれてもさつば吐きかけるのももったいないっていうかそれに死ってどこか厳粛なものじゃない?それがどんな奴のものであってもさまあ、ちょっとは感傷的になるってものよ、ひとことで言ったら「情けない」かなそれって人間そのものかそういうのを体現してたよねしてた、してたまって、まって、間違っても愛すべきなんとか、とか言わないでよ、忘れないで、この人がしたことを弱かったからって、それが何?弱かったからって、すべてがゆるされるわけじゃない忘れたいわよ、まあ、せめて、わたしのおろかさをそのまま連れていってあなた、そういうの好きだったでしょもともと不揃いだった音楽は、不揃いに終わり、それから葬送する人々は、なんとはなしに連れだって、丘を下る。
2008年08月25日
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