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あならいざぁさんCalendar
東京新聞の「本音のコラム」で前川喜平が 「文科相の教育基本法違反」 という文章を書いていた。
http://shchan-3.punyu.jp/ 教育の中立性.jpg
重要だと考えるので、全文紹介したい。
〈東京新聞 「本音のコラム」 5 月 24 日〉 前川 喜平 現代教育行政研究会代表
22 日の記者会見で松本洋平文部科学相は、同志社国際高校の研修旅行中に辺野古沖で起きた事故に関し、同校の辺野古での学習が政治的活動を禁じる教育基本法 14 条 2 項違反だと断じ、学校法人同志社などに指導通知を発出したと発言した。しかし、この条項は本来教育者自身の自律のための規範である。
むしろこの大臣発言と指導通知こそ、教育に対する不当な支配を禁じる教育基本法 16 条 1 項違反だと考えるべきだ。政治学習や平和学習の取り組みを抑え込むために、不幸な事故を政治利用したのだと言ってよい。
そもそも文科省が同志社に「現地調査」を行ったのが変だった。学校管理下の児童生徒の死亡事故は毎年数十件起きているが、通常文科省は直接の調査は行わない。磐越道で起きた北越高校の部活遠征中の事故でも「現地調査」は行っていない。同志社を狙い撃ちしたのは、事故が辺野古で起きたからだ。背後には政権の政治的な意図が働いていると見るべきだ。
政治学習や平和学習は、教育基本法が教育の目的とする「平和で民主的な国家及び社会の形成者」の育成に不可欠の学習だ。そこには現実の政治への批判が当然含まれる。その批判を封じるために政権が持ち出すのが 「政治的中立性」という言葉なのだ。そんな合法性を装った不当な支配にひるんではいけない。
(註:教育基本法の条文)
第 14 条 良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。
2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
第 16 条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
さて、上記の前川(元文部科学省事務次官)の主張はまったくその通りだと考えるが、関連して私自身が過去に作成した文書・資料も紹介したい。
(以下、紹介)
1、「中立とは」教員困惑、自民「中立徹底」強く要求、「現場が萎縮する」「時の政権が基準になる」「自主規制進まないか」
上記は、朝日新聞( 2015 年 9 月 30 日付)の記事の見出し(小見出し)。
〔文科省が高校生向けに作った 主権者教育の副教材 (「私たちが拓く日本の未来~有権者として求められる力を身に付けるために~」への論評を中心に特集された記事。〕
その中で「主権者教育の副教材」作成の経過に見られる問題点が浮き彫りにされている。「副教材の導入にあたって自民、公明、民主、維新などの超党派議員でつくるプロジェクトチームは、共同でガイドラインをつくる考えで一致していたが、安全保障関連法案をめぐる与野党対立の激化で議論は停滞。自民が独自に提言をまとめ、副教材はそれを参考につくられた。」(同記事)
つまり、副教材作成の参考にされた政党レベルでの意見は「自民党の意見を参考にまとめた提言」であり、力点の偏ったものになっている可能性がある。朝日新聞は(毎日・日本海等各紙も)「 “ 教育の中立性 ” が過度に強調されているのではないか」、「論争のあるテーマで教員は自分の考えを述べてはいけないのか」といった疑問を提示していた。
2、萎縮することなく積極的に主権者教育を!
政党レベルでは自民党一党の提言だけを参考につくられた「副教材」および「教員向け指導書」。基本的に法的な拘束力はないが、「指導書」に記載されている中身に関わって、法に明記されていることもあるので、その部分は確認しておこう。
周知の通り、第一次安倍内閣の時(2006年)、教育基本法は「改正」されたが、政治教育の条文(内容)について変更はない。
教育基本法第14条 (政治教育)
良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。
② 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
見られるように、 明確に禁止されているのはあくまでも「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動」であって、その時々に争点となるような法や政策について資料を基に考えるような学習は全く問題ない。 むしろ、積極的に取り入れていくことが大切だろう。
制作過程に疑問のある文科省の「上記副読本の指導書」でさえ、「政治的教養をはぐくむ教育を行うに当たって、 政治的に対立する見解がある現実の課題を取り扱うことは,生徒が現実の政治について具体的なイメージをはぐくむことに役に立つなどの効果が考えられます 」と、その有効性を認めている。また、文科省HP上でも教育基本法第14条最初の「良識ある」の意味については、「 単なる常識以上に『十分な知識をもち、健全な批判力を備えた』という意味 」だと説明している。
(資料の部分的紹介は以上、全文は こちら )
さて、問題になっている辺野古への基地移設の問題だが、これが「 現状において意見の対立が存在するテーマ 」であることは言を俟たないであろう。以下1,2のような意見対立が存在していることは周知のとおり。それぞれの主張と根拠を踏まえたうえで「他人事とするのではなく自分たちの問題として受け止め考えていく」ことは重要だろう。方法・手段はさまざま考えられるにしても、対立の起こっている現地を見学し、考えを深めていくことは一つの道として是認されると考える。
研修旅行の安全管理に関する高校の対応の不備をしっかり検証・批判し再発を防止するというのは当然である が、教育基本法の恣意的な解釈や「政治的意図に基づく認定」は許されることではない。前川喜平の指摘は全く妥当であると考える。
1,辺野古への米軍基地建設(移設)に賛成する意見の根拠
① 普天間の危険性を早く解消できる
人口の密集する市街地にある基地を移設することで、事故リスクを減らせる(および米軍犯罪の危険性も減らせる)。そもそも普天間基地返還協議のきっかけは、小学生の少女が米兵 3 人に暴行された事件に対する抗議が大きく広がったことだった。
② 日米同盟の維持
安全保障上、米軍基地の存在は必要であり、現状においては台湾海峡に近い沖縄に設置するのが適切だ。
③ 現実的な解決策
国外・県外移設や撤去は難しく、辺野古が現実的だ。
( 辺野古移設以外の選択肢はない、というのが日本政府の立場 。)
2,辺野古への米軍基地建設(移設)に反対する根拠
① 環境保護の観点
辺野古はサンゴ・ジュゴンなど豊かな生態系を育む地域であり、埋め立て工事によってその生態系が破壊される。
② 沖縄への基地集中の不公平感
日本国内の米軍基地の7割以上が沖縄に集中しており、「なぜ沖縄ばかり負担するのか」、「本土で引き受けるべきではないか」といった不公平感がある。
③ 住民の意思とのズレ
沖縄県では選挙や県民投票などで、移設反対の意思が示されてきた。( 2019 年、普天間飛行場の移設に伴う辺野古沿岸部埋め立ての賛否を問う県民投票が実施され、埋め立て「反対」の得票が有効投票総数の 72 ・ 15 %の 43 万 4273 票に達した。)にもかかわらず、国は計画を進めているため、「地元の民意が尊重されていない」という批判は強い。
④ 軟弱地盤など工事の問題
辺野古の海底には「マヨネーズのように軟らかい地盤」があり、工事の難航や完成後の滑走路の沈下が予想される。
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