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星空の下の水平線がかすかに輝いているのは月が昇るからではなくてこの海がおおきなカプセルの中にあるって証拠さようならみなさん僕は海とともに地球をあとにしますさようならみなさんもう青くない星の住人僕が海を盗んだ犯人です僕の大好きな海だからそれに僕がとってもワガママだからしばらく海はお借りしますしばらくは僕が独り占め宇宙の中の一瞬でしかない僕が僕のためにした最初で最後のワガママ
Nov 22, 2008
走馬灯の金魚が漆喰の壁を横切って泳ぐかすかに聞こえる弦の音ほのかに漂う香の薫り僕はぼんやりと金魚を見ながら懐かしい後姿を思い出している迷い込んだ見知らぬまちで振り返りもせずに行ってしまった少女赤に青の刺繍の服輝いていたのは花びらそれとも鱗あれからすっかり時を飛び越していまはどことも知れぬまちのいつまでも夜の部屋で静かに思い出と幻想をくゆらして幻視の海と電子の海に漂っている
Nov 22, 2008
おやすみ ぼうや とおい さばく を いっそう の ふね が つき を のせて おともなくしずかに すべる ように わたって いくよ しろい ころも の せんどう が だまって とおく を みつめて いるよ
Nov 19, 2008
瑠璃金剛の魚を追って九龍の幻の中を泳ぎさまよう潮のように流れる風に乗って芳しくも怪しい香のかおり耳に響く不明瞭な楽の音が左の胸を突いて握り締めるケータイに入る非通知のメッセージはますます自分を惑わせて導く誰が見るのか色とりどりのイルミネーションの残骸ゆらりと人影が行く手あってもその姿をしかととらえることはできないときおり並ぶ窓の中を横目で覗き込む闇の奥でキセルをくゆらせる老人豪奢な部屋でひとり踊る芸妓魚が残すわずかな光跡を追って今夜もまた長い迷宮の旅に迷う
Nov 7, 2008
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