話飲徒然草〜Tokyo Meanderings

話飲徒然草〜Tokyo Meanderings

2015年04月03日
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#前のエントリーで熟成前酸化の話が出たので、以前YOLに書いたものを再掲します。


この言葉がもっとも話題になったのは2000年代の初めごろだったでしょうか?90年代後半(特に96年に顕著らしい)のブルゴーニュの一部生産者のワインが、十分な熟成期間を経ていないにも係らず、急激に酸化してしまうという話でした。

 しばらく忘れていたこのワードを思い出したのは、あるワイン会に参加したときのことでした。ルフレーブの09シュバリエ・モンラッシェを持参してくださった方がいて、「さすがにそれはまだ若すぎてもったいないのでは‥?」と思ったのですが、実際に飲んでみると若いながらも凛としたミネラルと果実が素晴らしく、偉大なワインの懐の広さを思い知らされました。

ところで、その方がなぜこのような若いビンテージを持参されたかというと、「熟成した白ワインの場合、『PreMatureOxidatin(熟成前酸化)が怖いので‥」ということだったのです。
それで、私も調子に乗って、「ああ、そういう話ありますよねぇ。過去に何度となく出くわしたことがありますよ。」などと言ってはみたものの、翌日、自分のホームページの記録を改めて調べてみると、実は思ったほど遭遇していなくて、せいぜい2~3本(確証は持てないながらも)それらしきボトルに出くわしたことがあるという程度でした。ワイン仲間からしばしばその手の話を聞かされていたので、自分もいろいろ経験したような気になっていたのでしょう。

というわけで、判っているようでよく判っていないプレ・マチュア・オキシデーションについて、私のブルゴーニュの師匠であるF*氏(http://red.ap.teacup.com/burgundy/)や当連載にもお名前を出させてもらったことのあるブル白の達人Charさん(http://plaza.rakuten.co.jp/char2/)をはじめ、ブルゴーニュの達人の方々数名に簡単なアンケートをお願いしました。紙面の関係で多くを紹介できませんが、以下、かいつまんで回答を紹介します。

■今までにプレ・マチュア・オキシデーションとおぼしき症状に遭遇した生産者は?
→回答として多かったのが、コント・ラフォン、エティエンヌ・ソゼ、ヴェルジェ、ラモネ、ジャド。他にポール・ペルノ、ジョゼフ・ドルーアンなどの名前も挙がっていました。
ただし、上記の生産者のボトルすべてが該当するわけでなく、全く健全なボトルにも数多く当たっているとのことです。また、遭遇比率が高いといわれるラフォンにしても、モンラッシェやムルソー・ペリエールでは当たったことがないとの経験談もありました。


→複数の方から「ドメーヌ・ルフレーブに関しては出会ったことがない」との回答がありました。

■96年に顕著といわれるが、他の90年代後半の年についてはどうか?
→「もっぱら96年で遭遇する」「95年と96年以外はそれほど深刻にとらえていない」、「97年でも出会うことがある」など、やや回答が分かれました。いずれにしても96年中心の現象のようですね。

■原因についてはコルクの不良、SO2添加量を減らしたこと、バトナージュのしすぎ、またはそれらの複合要因だといわれているが、どう思うか?
→醸造の専門家に任せるべき分野ですが、参考まで思うところを伺ってみました。ある方は、おそらくコルクが原因であろうと断じていました。比較的症例が多いといわれるコント・ラフォンにおいても、上位銘柄では起こらないのもそれが理由では、と。
コルク以外の要因としては、この時期のトレンドとして、酸化防止剤を少なめにしたことが仇になったのでは、という回答も多くいただきました。96年というビンテージの強い酸をうまく制御できなかったのでは?とか、原因はひとつではなく、複合的な要因であろうという意見もありました。

■購入時に注意すべきことは?
→現物を手にとって見られるのであれば、色調を確認する、ネットで買う場合も写真でカラーを比較・確認するなど。
また、私は知りませんでしたが、「oxidised-burgs.wikispaces.com」という口コミサイトも参考にしているという方もいました。
(http://oxidised-burgs.wikispaces.com)

今回のアンケートでは、多くの回答者が「今となってはたとえ劣化したボトルに遭遇しても、それが熟成前酸化によるものか、それとも輸送や保管中の他の要因によるものなのか、原因を特定することは困難である」と答えていました。たしかに、ワインの劣化については、ただでさえ原因をこれと特定するのが難しいことに加えて、96年といえばすでに15年以上が経過しているわけです。十分な熟成期間を経た今となっては、「熟成前酸化」はもはや過去の話題なのかもしれません。


<後日談>このアンケートをお願いしたことがきっかけとなって、Charさんの呼びかけで、96ビンテージメインのワイン会が開催されました。さて、どんなものだろうかと臨んだのですが、ジャドの96「コルトンシャルマーニュ」、コント・ラフォンの「ムルソー・クロドラバール」の両シャルドネとも、プレ・マチュア・オキシデーションなどどこ吹く風、全くもって健全な味わいでした。96年の白をひと括りにリスキーだというのは簡単ですが、一方で、今回のように当たるととても素晴らしい香味を経験できるところがはたまた悩ましいところです。







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Last updated  2015年04月04日 22時49分29秒
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shuz1127 @ Re[1]:祝日セール情報1103 Holiday Sale Info(11/03) Echezeaux14さん、お久しぶりです。 10月…
Echezeaux14 @ Re:祝日セール情報1103 Holiday Sale Info(11/03) お久しぶりです。 ワインと関係ないです…

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