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大地震、飛行機事故とこれまで記憶にないような陰惨な幕開けとなった2024年。令和6年能登地震の被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げるとともに、1日も早く平穏な日常が戻ることをお祈りしたい。このところ災害に対する緊張感が緩んでいたが、私たちにとっても決して他人事ではないことを強く肝に銘じている。さて、そんな折だが、ブログの更新は平常運転で続けていこうと思う。元旦はさすがに酒を飲む気にもなれず、2日から3日にかけて開けたのがこのボトルだ。私としては、あまり自ら進んで買おうとは思わない作り手だが、どのようにして入手したかというと、なんのことはない、うきうきさんの福袋に入っていたのだ。ちなみにそのうきうきさん福袋、今年は「赤白10本1.5万円』と「赤6本1万円』の2種類購入した。合計16本。2024年上半期、いや下手すれば年内はこれで賄えると読んでいる。さて、このトルトショー、グラスに注いでみると、思いのほか濃厚な色調で、香りはかなりヘビーなロースト香主体。味わいは酸味が浮いた感じで、久しぶりのブルピノがこれではなぁという残念な印象。例によって半分を小瓶に残し、大して期待せずに翌3日に開けたところ、思いのほかよくなっていて驚いた。樽香ばかりが目立った香りには、果実やフローラルなニュアンスが見られ、味わいも酸とタンニンのバランスが明らかに向上していた。2018年といえば、瓶詰めから6年経過したところで、村名の飲み頃としてはやや早いこともあり、2日目になって花開いたということなのだろう。私がワインを飲み始めた頃は、2日目以降、このように向上するのはリリースしたての一部銘柄に限られていて、多くのボトルは翌日になると見る影もなくなっていた記憶があるが(それでなんとか初日の状態をキープしようと、バキュバンを使ったり、窒素を充填したり、小瓶に移したりと試行錯誤をしたものだ)、現在は総じて流通ワインのコンデションが向上しているのかもしれない。いや、もしかすると私自身の味覚嗅覚が衰えてきているのかも‥。★★★☆
2024年01月03日
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GW初日、地方住まいの下の子が帰宅したので、うなぎの出前をとることにしました。最近は鰻の価格もすっかり高値安定で、家族四人ではそうおいそれと注文できませんからね。それに合わせて、たまには贅沢な銘柄を開けようと、選んだのがこのボトルです。うなぎに合うワインはなんだろうかと考えるに、ローヌやポムロールなどの土っぽさを感じさせるワインも悪くなさそうですが、若いものやカジュアルなものだと果実味が自己主張しすぎてしまいそうです。といって、山椒やタレの風味が強いので、あまりデリケートな銘柄だと今度はワインの繊細さがスポイルされてしまいます。ラヤスのCNPなども頭に浮かびますが、休日とはいえ、さすがに晩酌で開けるのは 気が引けます 。それで、セラーの中から選んだのがデュジャックの1級です。昔、野田岩さんで催されたワイン会に参加したときに、F師匠が持ち込まれたのがデュジャックで、それが白焼きによく合っていたのを思い出したのです。輸入元はジャパンインポートシステム。コルクは非常に品質の良く、全く染み出していないとはいきませんが、十分及第点と思われます。ザルトのブルゴーニュに注ぐと、艶のあるガーネットで、思いのほか黒々とした色調。このあたり、昔のデュジャックとはやはり異なりますね。エッジにははっきりとオレンジ色のグラデーション。香りは閉じ気味で、寡黙な中から、黒い果実のコンポートやスパイス、紅茶、アニス類などがかろうじて感じられます。たっぷりと時間をかけて飲めば、だんだんと開いてくれそうな感じです。飲んでみると、黒系果実中心の、骨格のしっかりした味わいで、伸びやかな酸としっかりしたタンニンが感じられます。15年以上経過していますが、要素がぎっしり詰まっており、これならもっと寝かせたほうがよかったと思わせる内容です。いかんせん、自宅では、うな重をそう時間をかけて食すわけにもいかず、早々に飲んでしまいましたが、もう1時間ぐらいかけて飲めば、香りもかなり開いてくれただろうと思います。とりあえず、小瓶に残した翌日分に期待ですかね。★★★★翌日:十分飲めるレベルは保っていたものの、濃厚系のブルにありがちな、果実味が凹んで、墨っぽいタニックな味わいとなり、あまり楽しめなくなってしまいました。正直、少し期待はずれでした。k
2022年05月05日
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リーデルのブルゴーニュグラスに注ぐと、決して濃くはないものの、透明感があった艶やかなオレンジガーネットの色合いです。エッジは退色が進んで複雑なグラデーションになっています。香りがすばらしい!赤と黒の中間ぐらいの果実、スパイス類、スーボワ、シャンピニオン、それに甘いグミのようなニュアンスもあります。いかにもフーリエらしい蠱惑的な香りで、最近我が家で開けたボトルの中でも最上級といってよい芳香です。飲んでみると、密度感やスケールは村名なりですが、ピュアな果実味を中心とした甘苦いチャーミングな味わい。状態も良好なのでしょう、酸が突出したり、どんよりと濁った感じもなく、非常にクリアな味わいを保っています。フーリエの良さって、作り手自体のセンスや技量もあると思いますが、蝋封によるコンディションの良さも一役買っていると思うんですよね。ワインの保存に関する考察2013~その20(熱劣化と酸素の関係の論点整理) ワインの熟成と劣化に関する考察~その13 蝋封について ↑この頃の私って、何かに「憑かれて」いましたよね?今読んでも、自分が何を書いているのかよくわからない部分があります(笑)。13VTを最後に買うのをやめてしまったので、最近のフーリエを知りませんが、近年の出来はどうなんでしょうね?ネゴシアンを始めたりして、評判がイマイチだった年もあるようですが・・。翌日:小瓶に残したものを飲みましたが、香りは初日と変わらず、味わいはよりなめらかになりました。スタードメーヌのGCなどを探せばこれ以上の香味はいくらでもあるかもしれませんが、村名でこのレベルならば満点といってよいと思います。★★★★★◆過去の記事ジュブレ・シャンベルタン2010V.V.(フーリエ)ジュブレ・シャンベルタンV.V.2013(フーリエ)ジュブレ・シャンベルタン09(フーリエ)ジュブレシャンベルタン・VV2011&12(フーリエ)ジュブレシャンベルタン2009(フーリエ)フーリエを楽天で検索
2022年02月07日
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多忙と体調不良とで、なかなか自宅でワインを開ける気になりません。一度抜栓すると、なんだかんだで2〜3日かけて飲むことになるのが、億劫になる大きな要因です。最近血圧が高くて、あまり酔った状態で風呂に入りたくないんですよね・・。そんな折、久しぶりに金曜日早めに帰宅できたので、晩酌用にセラーのボトルを引っ張り出してきました。先日寺田倉庫から持ち帰ったうちの1本です。リリース直後に購入、扱いはフィネス。抜栓しようとシールを剥がすと、コルク上面になにやら青カビっぽいものが・・。側面に液体が染み出していますが、温度変化というよりはコルクの密閉力が少し弱かった印象です。そもそもコルクの材質がスポンジーで、前回感動したフレデリック・ミュニエのものに比べると少し、いや、かなり残念な感じです。これまでデュガのコルクに不満や不安を感じたことはなかったのですが・・。ザルトのブルゴーニュグラスに注いだ第一印象は、「濃い!」。やはり09VTですね。エッジはオレンジやレンガの気配よりも、まだ赤紫に近い色合いです。トップノーズにシナモンや白粉のような心地よい香りがあり、グラスを回すと、カシスやブラックベリー、スパイス類、それに下草的な要素が立ち上ってきます。色調と香りの印象のイメージ通り、飲んでみると、かなりタニックでインキーです。果実味は充実していて、酸もしっかりとあるのですが、最初のうちは補酸したのかと思うような、浮いた感じの神経質な酸が顔を覗かせていました。また、09VTにありがちな傾向として、タンニンの粉っぽさを感じます。ボルドー系を飲む分にはそれほど気にならないのですが、ブルピノには似つかわしくないと思わせる粉っぽさです。総じて、要素を詰め込みすぎたような印象で、成功した年のデュガに感じられるような抑揚やニュアンスが感じられないのが残念。村名ということでこのタイミングで開けてみましたが、もう少し寝かせたほうがよかったのかもしれません。もしくは、コルクの状態があまり健全でない感じだったので、その影響があるのかもしれません。次の日ぐらいの方が印象がよくなりそうなので、少し多めに翌日に残すことにします。翌日:残念ながら印象は前日とほぼ変わらず。酸の不安定さはなくなりましたが、粉っぽくて濃い液体のままでした。熱を浴びさせた覚えはないので、コルクの問題ではなかろうかと思います。万全のデュガがこんなレベルとは到底思えないので・・。★★☆
2021年11月13日
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村名クラスということで、目が飛び出るほど高価な銘柄ではありませんが、状態がよく、綺麗に熟成したポンソはこんなに美味しいのかと、今まで何十本と飲んできた私にとっても、思わず目からウロコの一本でした。中程度のガーネットで、エッジにははっきりとオレンジの色調。スーッとするミンティなトップノーズ。赤と黒の中間ぐらいの果実、スパイス類、オレンジの皮、紅茶、それに少しコーヒーっぽさもあります。口に含むと、クリーンで旨味のある果実味の第一印象。凝縮感はさほどありませんが、なんというか液体がネットリとして隙がない印象です。よく調律された豊かな酸、後味に少しコーヒー的な苦味を伴うなめらかなタンニン。樽の要素は感じられず、獣っぽさや菌に汚染された感じも全くないのがすばらしい。自宅のセラーにはグリオットやクロドラロッシュなどもありますが、グレードが高ければ美味しいとも限らないのがポンソの難しいところです。実際、蔵出しであっても、菌に侵されたりして楽しめないものが往々にしてありました。今回のボトルはその点、久々の大当たりでした。リリース時に買って、手元で寝かせていたものが(といっっても寺田倉庫ですが)綺麗に熟成してくれていると、嬉しくなりますね。★★★★☆
2021年10月02日
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フーリエといえば、07年以降、新VTが出るたびに半ダースぐらいずつ買い続けていたのですが、13ビンテージを最後に購入するのをやめてしまいました。やめた理由は品質の問題というより、私の懐の事情です。10VTの村名はすでに飲み尽くしたと思っていましたが、セラーの奥に1本残っているのを見つけて、久しぶりに開けてみることにしました。グラスに注ぐと、かなりオレンジがかった色調です。香りは爆発とまではいきませんが、アーシーな心地よい香りとスパイス、紅茶、赤と黒のフルーツなどが入り混じって、心地よいものです。飲んでみると、濃縮感は控えめながら酒質はなめらかで隙がなく、酸はエッジが丸く、タンニンがきれいに溶け込んでいます。改めてこうして飲んでみると、やはりいいですね(この頃の)フーリエは。早くから美味しい生産者なので若くして飲んでしまいがちですが、11年経過した今もなかなかの味わいです。「村名=VTから8年程度が飲み頃」のセオリーからすると、ピークを過ぎて少し下り始め?という声も聞かれそうですが、このボトルを飲んだ限りでは、まだまだ元気で良好な飲み頃を保っていると思います。最近のVTについても、機会があれば飲んでみたいものです。★★★★
2021年07月13日
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aうきうきさんの福袋に入っていたドルーアンラローズ。福袋を3種購入したため、同じ銘柄が2本重なってしまいました。とはいえ、前に飲んだボトルは好印象だったので、今回も期待して開けました。https://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/202102270000/色調は村名としてはかなり濃厚なルビーで、エッジはまだ赤紫色がかっています。香りはブラックベリーのコンポートやスパイス類、オークなどに加えて、少しばかりワイルドな獣臭があります。飲んでみると、かなり抽出の強さを感じる味わいで、濃縮感のある果実味としっかりした酸があり、前回同様、低めのトーンで少しザラっとしたタンニンを感じます。味筋は前のボトルと同様ですが、少し閉じ始めている時期だったのか、しんねりむっつりとした印象が強く、前回ほど好ましい印象は受けませんでした。獣っぽいニュアンスは前回は感じられなかったものですが、ボトル差というよりは、前回は果実味がまだフレッシュだったので、そちらにマスキングされていたのでしょう。期待値ほどではなかったとはいえ、小瓶に残して3日にわたって楽しめたので、福袋銘柄としては十分及第点でしょう。★★★
2021年06月18日
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ドルーアン・ラローズは思い出深いドメーヌです。ワインにハマりたての頃、よく通った小田島さんでしばしばこの作り手のワインが出てきました。ワイナート誌のシャンボールミュジニーの回(確か創刊10号以内だった気がします)で、当時主筆だった田中さんの試飲にご一緒させていただきました。そのとき、田中さんが最も高い評価をつけたのがドルーアン・ラローズののミュジニーでした。その後、あまり飲む機会に恵まれませんでしたが、今回久々にうきうきさんの福袋に、村名ジュブレシャンベルタンが2本入ってきたので、早々に1本開けてみることにした次第です。木村ガラスのCAVAグラスに注ぐと、まず思いのほか濃厚な色調に驚きます。90年代のドルーアン・ラローズはミュジニーですらこんなに濃くありませんでした。(ちなみにドルーアンのミュジニーは96年が初VTですが、当時小田島さんの頒布会で1万円台で購入できました。早々に飲んでしまいましたが・・。)黒系果実、スミレ、丁子ナツメグなどのスパイス類、紅茶。よい香りが出ていますが、透明感のある香りでなく、重々しい感じです。飲んでみると、じんわりした酸のアタック。まだ若いだけあって、果実味がビビッド。タンニンも思いのほか柔らかですが、少し粉っぽさを感じます。以前のようなトーンの高い赤系香味でなく、かなり重心の低い香味で、充実しているのだけれども、ピノの良さが少し後退した気がします。とはいえ、美味しいです。というわけで、以前の造りからずいぶん変わったなあという印象のドルーアン・ラローズですが、このボトルに関しては、開けた時期がよかったですね。閉じる前のフレッシュな果実感を味わえました。ただ、抽出が強めな分、ひとたび閉じてしまうと、とりつくしまのない香味になりそうな予感がします。そうなると次は5〜6年後でしょうね。小瓶に残して、2本目を翌日、3本目を1週間後に飲みましたが、1週間後でもそこそこ香味とバランスを保っていたのは新しいビンテージならではでした。★★★☆
2021年02月27日
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全国通訳案内士の試験に合格したので、お祝いにセラーにに寝かせてあったグランクリュの1本を開けることにしました。シャルパン・パリゾは昔から私のお気に入りの生産者です。とはいえ、このところずっと良いこともめでたいこともなかったので(笑)飲むのはかなり久しぶりです。ザルトのブルゴーニュグラスに注ぐと、色調は濃いめのガーネットで、エッジは少し複雑なニュアンスを呈しています。ブラックベリーやブラックチェリーなどの果実、八角、リコリスなどの華やかで甘いスパイス香、ユーカリ、深煎りの珈琲、それにスーボワ。綺麗な熟成香で、少し揮発性塗料を思わせるようなニュアンスがあります。口に含むと、なめらかで豊かな果実味のアタック。酸はしなやかでエッジが丸く、タンニンは非常に豊富で完全に溶け込んではいませんが、よく熟していて飲みづらさはありません。若い時から飲みやすいパリゾですが、さすがグランクリュだけあって、12年経っても、まだ少し早かったというか、ここまで待ったのならもう少し寝かせたほうがよかったかもという感はあります。とはいえ、十分すぎるほど美味しいです。結局小瓶に移して、3日かけて飲みましたが、3日目になってもほとんど落ちず、香りもよく残っていて美味しく飲めました。パリゾはまだ05、09、10VTの特級が数本残っているので、もうしばらく愉しむことができそうです。ここぞというところでまた開けようと思います。★★★★☆
2021年02月09日
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リリース直後に購入したワインを自宅のセラーで寝かせて、ほどよく熟成した頃合いに飲むのはなんともいえない感慨があります。とくにそれが綺麗に熟成していれば格別です。我が家の場合は、セラーのスペースの問題等もあって、村名以下のボトルは大抵飲み頃が来るよりも早く開けてしまいます。そんな中、今回のグロフィエは久々に寝かせた甲斐があったなぁと思わせてくれるボトルでした。ザルトのグラスに注ぐと、色調は中程度のガーネットで、エッジはオレンジになっています。香りは黒系果実やスパイス類、下草、紅茶に加えて、スーッとするユーカリっぽいニュアンスを強めに感じます。アーシーなフレーバーこそありますが、獣っぽさがないのがいいです。味わいは透明感のある果実味の第一印象。タンニンは溶け込んでいて、酸もほどよく、大きくはありませんが、均整の取れた構造です。なによりも状態が良好。これに尽きます。今回のように、村名クラスぐらいの「自家熟成」ボトルを日常の晩酌に飲む自給自足?的なワインライフが憧れだったのですが、気づけばセラーに晩酌用のストックはあまり残っていないんですよねぇ。実際、グランクリュや銘醸ドメーヌものとかのボトルはそこそこセラーにあるのですが、日常的に開ける気にはなれないのです。高級スポーツカーを所有しているのにガソリン代が惜しくて乗っていないというような情けない話です。★★★★☆
2020年11月10日
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フーリエと聞くと、いまだに07年の村名が真っ先に思い出されます。ちなみに、この2013年までは毎年買っていました。久しぶりにザルツのブルゴーニュグラスを引っ張り出してきて注いでみると、液体は思いのほか薄めの色調で全般にアンバーがかっています。香りはトップノーズにキノコのような下草のような「らしい」芳香が立ち上ってきますが、あまり持続性はなくて、グラスの中で寡黙になりがち。それでもスワリングするたびに心地よい香りが立ち上ってはきますが。口に含むと、旨味のある果実味のアタック。酸度はやや高め、タンニンは溶け込んでやわらかくなっており、村名なりの凝縮感。ほどよく熟成して飲み頃にさしかかってきている感じです。とはいえ、若くても美味しく飲める生産者なので、待った分の付加価値が加わっているかというとビミョーなラインかもしれません。正直なところ、最近はこのクラスのワインをめったに飲まないので、なんでも美味しく感じてしまうのですが(笑)、CPを考えると手放しで称賛するほどではないかなと。美味しいですけどね。1級はもうしばらく寝かせてから開けようと思います。
2020年10月09日
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一時流行ったドメーヌ・ギィヨンと名前こそ一緒ですが、異なる作り手です。ブルゴーニュを飲み始めたころに、土浦某店でこの作り手のオールドビンテージを買ったことがあって、個人的には懐かしい名前なのですが、その一方で私の中では、ワインに力をいれていない酒屋やデパートなどで、贈答用に薦められる銘柄というちょっとネガティブなイメージもあったりします。エッジにはっきりとオレンジがかったガーネット。香りは、そこそこアーシーな熟成香があるものの、全般に弱めです。口に含むと、果実味はやや過熟気味でブランデーっぽい味わいがあります。構造が緩くダルな感じで、杯がなかなか進みません。コルクはしっかりしていて、状態がことさら悪いとは思えない(よいとも言えないけど)ので、おそらくはこの作り手と畑のポテンシャルなのかと思われます。正直言って、まったく面白みのない味です。この手の作り手でも熟成させると化けることがあるのが、ブルゴーニュの面白いところだと思ったりしますが、このボトルについてはどこまでも値段なりのものでした。★★☆
2020年08月06日
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経過観察とはいえ、とりあえず差し迫った危機からは解放されたようなので、久しぶりにワインを飲むことにしました。これが私にとって2020年初ワインだったのです・・おそらくずっと立てて保存していたのでしょう、コルクがカチカチに乾いていて、抜栓しようとしたらボロボロになってしまいました。とりあえず、中に沈まなかったのでよしとしましょう。グラスに注ぐと、ややレンガのまじった中程度のオレンジガーネット。赤系果実や紅茶、枯葉、オレンジのピール、スパイス類などに下草が絡むエレガントな香り。少し揮発性塗料っぽいニュアンスもあります。口に含むと、旨味のある果実味の第一印象。力強さはありませんが、といって薄められた印象はなく、タンニンはなめらか、酸もエッジがとれています。後味にかけてやや苦みというかエグミが感じられるのがマイナスですが、これは生産者だけでなくビンテージのキャラという側面があるのかもしれません。総じて、感動するほどではありませんでしたが、心地よく熟成していて、6K台のブルゴーニュとしては十分な香味でした。コルクが粉々になったことで、コンディションが心配でしたが、状態は悪くありませんでした。ちなみにこのボトル、フィルタリングをきっちりやっているのか、一切澱が出ておらず、ボトルの一番底の部分まできっちり飲むことができました(笑)。ノンフィルタの生産者は若いうちに飲むと濃厚で美味しいですが、その分、きれいに熟成しないリスクと引き換えのような気がしていて、個人的にはある程度フィルタリングしている生産者のほうが好みです。★★★★
2020年01月17日
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ずいぶんと買い込んだ09年のフーリエでしたが、村名はそろそろ最後かもしれません。グラスに注ぐと、かなり退色が進んでいます。オレンジというよりはレンガ色がかったアンバーとでもいうような色合。香りは、スッするようなメンソールっぽいトップノーズ、そのあとからスパイス類やアーシーなニュアンスが出てきます。コンポート状から少しドライになりかけたような赤系黒系のフルーツ。口に含むと、甘苦い果実味に、やや高めの酸。タンニンはよく溶け込んでいますが、グリップが乏しく、薄められたような印象があります。まあ十分美味しいのですが、寝かせたことで付加価値が加わっているかというと、若いうちから美味しい生産者なだけに、ちょっと微妙な気もします。小瓶に残した二日目は、ややギスギス感が強くなりましたが、思いの外香りはよく出ていて、二日わたって美味しく飲めました。最近思うのですが、私がワインを飲み始めた頃は、抜栓後美味しく飲めるのは、若いVTでせいぜい2〜3日、年数のたったものは、初日に飲まないと翌日以降はヘタッてしまうという認識でした。それが、最近はオールドビンテージであっても小瓶に移してきちんと保管しておけば、1週間ぐらい全然問題ないように思えてきました。これって、私がワインの状態に寛容になったからでしょうか、それとも流通しているワインのコンディションが全般に底上げされたということなんでしょうか。開けたら、早く飲んでしまわないと、という脅迫観念から解放されるのはありがたいことですが。
2019年11月12日
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*2011年GW中に寺田倉庫のロッカーに行って、フーリエとヴィレーヌのボトルを数本ずつ引き取ってきたので、セラーに前から寝かせていたボトルを開けてみました。このボトルは2013年7月に優心志村さんで購入したもの。価格はまだ7K台でした。グラスに注ぐと、淡いとまでは言いませんが、想像よりも薄めのルビーで全般にオレンジがかって複雑な色調になっています。香りは赤と黒の果実のコンポートや紅茶、スパイス類に加えて、シャンピニオン、タバコなどのフーリエ節。飲んでみると以前のVTよりもビオっぽいイメージを強めに感じます。ややグリップに乏しいものの、口の中で広がる果実の甘みと旨味、それに喉越しの心地よさには抗しがたい魅力があります。この先さらに伸び代があるかというとやや微妙な気もしますが、今の時点でとてもこれだけよい表情を見せてくれているのなら文句があろうはずもありません。小瓶に残した翌日も香味は衰えることなく、二日間に亘って楽しませてくれました。★★★☆*2012年上記の2011ボトルを開けた1週間後、新橋のピアット・デル・ベオーネさんに同じフーリエの2012のジュブレシャンベルタンV.Vを持ち込んでみました。(写真失念)味筋は2011年の延長ながら、11VTよりも全般に酒躯がしっかりしてて、少し国籍不明的なところもあるものの、綺麗に作り込まれた美味しいピノという印象でした。こちらはまだ熟成の伸び代がありそうだと感じました。フーリエに関しては世間的には11VTのほうが評判が良さげですが、今回の12年のボトルはかなり良かったです。★★★★楽天でフーリエを検索する
2018年05月16日
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J・ロティの1級もの。05VTがリリースされた頃は、ブルゴーニュの価格が高騰していて(それも今となってはまだ可愛い方なのかもしれませんが)、特級に手が届かずプルミエや村名を多く買っていました。新ブルゴーニュといったジャンルが注目されたのもこの時期でした。今でも追いかけているのはユドロ・バイエとオレリアン・ヴェルデぐらいですが。そんなわけでこのところボチボチ開けている05ブル、総じて飲み頃が悩ましいです。黒々として濃いのですが、ジリジリとしてデリカシーに欠け、まだ早かったかなぁと首を傾げながら飲み終えるというボトルが続いているような気がします。このボトルについてはどうでしょうか。コルクは上まで全く染みておらず完璧な状態。グラスに注ぐと、さすがにオレンジやレンガのニュアンスが強くなっているものの、色調自体は例によって濃厚です。香りは、少し火を通した黒系果実、漢方系のスパイス類、毛皮、スーボワなど。熟成香は出ていますが、まだムンムンというほどではありません。それにスパイシーなニュアンスがかなり強め。味わいは05年らしく濃厚で、香り同様スパイシー、タンニン豊富、甘苦い果実味。こなれてきているものの、まだ満開にはほど遠い感じです。どうもこのなんというか、後半にかけてのジンジンとした(?)強い味わいに、ああ、また早まったかなぁという後悔がよぎります。小瓶に残した翌日、香りの勢いはそのままに、味わいのエッジが滑らかになりました。ただ、相変わらずフィニッシュにかけての暑苦しい(笑)印象がどうもねぇ、といったところです。J・ロティって、当たるととんでもないホームランボトルに出くわすことがありますが、このボトルについては内野安打ぐらいでしょうか。もっと我慢して寝かせたほうが正解だったのかもしれません。★★★
2018年05月02日
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#年末年始でなく、クリスマス前後に飲んだワインです。アップするのを忘れていました。クロード・デュガのご子息たちが営むネゴシアンブランド。最近では品質も安定してきたようで、裾物を立食パーティで飲んだら美味しくて驚いたこともありました。このボトルは15年の村名ということで、さすがにまだ早いと思いつつ、追加購入を測る意味で早めに開けてみました。グラスに注ぐと、若々しい紫がかった濃厚なルビーの色調。香りはまだ初期的&還元的で、黒い果実のコンポートやスパイス類、赤身肉、それに揮発性塗料のようなニュアンスがあります。飲んでみると、酒質は緻密で隙がなく粘性を感じます。それでいてタンニンはよく熟しているので、今でもスルスル飲めてしまいます。ブラインドで物々しく飲んだら、ものすごいワインだと答えてしまいそうな、そんな佇まいがあります。小瓶に分けて残して間1日空けた三日目、香りがぐんと開いて、初日に感じたある種のどぎつさが後退、ちょうど飲みやすい感じになりました。年を経て綺麗に熟成を遂げたワインはもちろん素晴らしいのですが、なかなか思ったように熟成しなかったり、飲み頃を外したり、状態に問題があったりと、肩透かしに終わるボトルも少なくありません。今回のように、若いワインを何日かに分けて飲むというのが、今の私にとってはもっとも無難な飲み方なのかもと思ったりする今日この頃です。★★★★楽天でジブリオットを検索する
2018年01月09日
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シェゾーはポンソ、ベルトー、ルネ・ルクレールとメタヤージュの契約をしています。このグリオット・シャンベルタンはポンソによるもの。ラベルの下の方に小さく記載されていますね。やたらと固い人工コルクを苦労して抜き、木村硝子29オンスのグラスに注ぎます。色調はかなりオレンジがかった中ぐらいのガーネット。赤と黒の中間ぐらいの少しドライな果実、スパイス類、紅茶、梅、枯葉などのしんみりとした香りの中に、少し動物的なニュアンスが混ざります。もう少し芳香力を期待していましたが、総じて大人しめです。飲んでみると、そこそこ熟成が進んだ印象です。ブランデーっぽい果実味とかなり高めの酸とのバランス。タンニンが溶け込んでいる分、酸はわりと手強いですね。果実味がしっかりとあるので、なんとかバランスは保っています。飲み進むうちに、果実味に旨味が乗ってきた反面、香りには少しばかり「クサイ」ニュアンスが加わるようになりました。まあ購入価格が安かった(11K)ので、多くは望めませんが、全体的にやや生気に乏しく、ポンソのグランクリュという期待値には遠く及ばない一本でした。★★★小瓶に残した翌日は文字通り「酸っぱいワイン」になってしまいました。
2017年11月14日
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作り手誰ですかね?ウメムラさんよりルモワスネ ジュヴレシャンベルタン・クロサンジャック 69タカムラさんの13マッセートうきうきさんでルーチェのセカンド、ルチェンテ[2014]年が安いです割田屋さんの15B・アンブロワーズどうもブルゴーニュの飲みどきを外してばかりいる今日この頃ですが、懲りずに09ビンテージを開けてしまいました。今回開けたのは、比較的飲み頃が早めに来る(と勝手に思っている)フーリエ。グラスに注ぐと、濃いガーネットの色調で、エッジははっきりとオレンジ色になっています。香りは閉じ気味ながら、スワリングすると黒い果実のコンポートやスパイス類、土、それに皮革やタバコ、シャンピニオンなどの心地よい芳香が感じられます。味わいは甘い果実味のアタック、タンニンはよく溶け込んでいますが、飲み頃を外したボジョレーのような、少しばかり生気の抜けたニュアンスを感じます。グリップに乏しくスルリと喉を通り過ぎてしまうのもイマイチなポイント。還元的でインキーな味わいを想像していましたが、これは思いのほか熟成の進んだボトルだったのかもしれません。小瓶に残した二日目。初日に感じたややすえたようなニュアンスがなくなり、クリアな香りになりました。味わいは相変わらずややグリップ不足ながらも、口の中での抑揚が増して酒質も全般にクリーンになりました。なんともつかみどころのないフーリエのバックビンテージでした。★★★☆https://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/201702010000/今年の2月にも同じ銘柄を飲んでいます。今回のものはボトル差かもしれませんね。http://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/201611150000/2016年の11月に村名シャンボールを飲んでいました。楽天でフーリエを検索する
2017年10月18日
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中程度からやや濃いルビーで、エッジはオレンジ色です。香りは赤系果実、オレンジの皮、スパイス類、紅茶、それに鉄っぽさやスーボワ的熟成香が混ざり始めています。口に含むと、純度の高い鮮やかな果実のアタック。スケール感はあくまで村名クラスながら、各要素の質感が高く、アロマチックで口の中での表情も豊か。シノワあたりでちょっと高めのグラスワインで出されるような味筋です(意味不明?)。値段に見合うかというとやや微妙なところもありますが、いいワインなのは間違いありません。ACブルもリリースされているので、次回は最近の裾ものを試してみようと思います。★★★★翌日:よく冷やして、温度を上げながら飲んでみましたが、初日よりややタンニンが目立つようになった感じがしました。楽天でマルク・ロワを検索。
2017年06月12日
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先日何本か寺田倉庫から持ち帰ったフーリエ村名のうち、今回は11VTを開けてみました。中程度のガーネットで、全般にややオレンジが勝っています。他の年に比べるとやや薄目ですかね。香りは赤系に近い果実のコンポートやオレンジの皮、紅茶、スパイスなど。二杯目以降は花束や香水のような芳しいアロマが加わります。口に含むと紅茶キャンディ的な甘い果実のアタック。それに対して酸が思いの外伸びて来ず、凝縮度がそれほどでもないこともあって、全般にやや皮相的な味わいに終始しているように感じます。・・と、ここまで書いてふとラベルを再確認して、思わず目が点になりました。これって、コンブ・オー・モワンヌじゃないですか!(@@)村名と間違えていたことにまったく気づきませんでした。上記の感想は、村名とばかり思い込んで書いたものですが、銘柄が明らかになった後で飲んでも、このボトルについては、やはり1級としてはグリップや力強さ、口の中での表情が不足しているように感じられました。なんとも微妙・・。1級ともなると、やはりまだ早かったのでしょうか?とりあえず小瓶に移して三日ぐらいに分けて飲んでみようと思います。翌日:小瓶に残した二日目。思ったより酸化が進んだ印象になりました。やや過熟気味の果実味にブランデーチックな香味。美味しいですが、初日の印象を覆すほどではありませんでした。三日目:冷蔵庫で冷やして徐々に温度を上げてみました。香りは相変わらず香水チックでナチュラルワインっぽいニュアンスも出てきました。味わいは温度を下げたのが功を奏したようで、全体に引き締まった感じになり、それなりに楽しめましたが、抜栓当初に比べて明らかに向上したというほどではありませんでした。というわけで、なんだか最後まで消化不良気味のコンブオーモワンヌでした。11VTは村名がよかっただけに、なおさら肩透かしを食らった印象でした。最初からコンブオーモワンヌと思って開けていたらどうだったんでしょうね。全然違う感想になっていたかもしれません。★★★
2017年05月26日
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例によってメモリアルウイークの一環として開けたボトルがこちらです。03年は下の子のビンテージですが、リリース当初、03ブルゴーニュの評判が芳しくなかったこともあって、02年に比べると我が家のブルゴーニュのストックは格段に少なめです(まあその分、ボルドーとかローヌとかイタリアとか幅広く購入しましたが)。その03ブルゴーニュが、ここにきて良くなってきているという話も耳にします。今回開けたのは、リリース直後に購入した数少ない03ブルの一本。インポーターはフィネスです。抜栓すると、コルクは先日のルーミエほど完璧な状態ではなくて、結構上の方まで染みこんできています。経年変化でやや緩くなっていたのかもしれません。ザルトのグラスに注ぐと、色調はかなりオレンジの入った中程度のガーネット。香りが素晴らしい。赤と黒の中間ぐらいの果実のジャム、ドライプルーン、ダージリン、甘草、紅茶の出がらし、鉄。飲んでみるとこれがまた良くて、少し過熟気味といってよいぐらいのトロンとした果実味を中心にした豊満な味わいです。ビンテージの弱点と言われた、お焦げフレーバーや酸の緩さ等は特段感じられず、とてもよい状態で熟成しています。唯一残念な点は、バランス的にややタンニンが勝っていルことと、香りにあまり品位がないことでしょうか。先日のルーミエと比べると、まさにその点で劣りますが、現時点の美味しさならこちらのほうが上だと言えます。なお、ボトル最後の一杯は、猛烈な澱で、ほとんど飲める代物ではありませんでした(笑)。★★★★☆翌日:初日が満開だった分、小瓶に残した次の日は、03年によくあるようなタンニン優勢のボルドーチックな味わいになっていました。まあ仕方ないですね。楽天でクロードデュガを検索。
2017年04月19日
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久々の「ぶっとび」フーリエ。ザルトのグラスに注ぐと、中程度のルビー色で、全般にかなりオレンジが入っています。いちごやラズベリーなどの赤系果実、ダージリン、スパイス、葉巻、キノコ、皮革などいかにもフーリエらしい、心地よい芳香。飲んでみると、口の中に豊かな含み香とともに瑞々しい果実味が広がります。凝縮感はあくまでクラスなりなのですが、酒質がとてもクリーンで、タンニンがなめらかに溶け込んでいて、とてもエレンガントに仕上がっています。最近どうも「悪くはないけど、そこまででもない」という微妙なボトルが続いていたフーリエでしたが、今回のボトルはまさに飲み頃ドンピシャだったのでしょう。掛け値無しに美味しいですわ。かつて07年の村名を「カリフォルニアワインガーデン」に持ち込んで、感激したときのことを思い出しました。★★★★☆楽天でフーリエを検索する
2017年03月22日
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濃厚でジューシー、一方でデリカシーやニュアンスには欠けるものが多い、というのが09ブルゴーニュリリース当時のおおまかな評価だったと思います。そんな09年も早いもので、収穫から数えるともう8年。村名あたりはそろそろイケるのではと、フーリエの村名ジュブレを開けてみました。ザルトのグラスに注ぐと、色調は中程度のガーネットで、かなりオレンジがかっています。香りは赤と黒の中間ぐらいの果実、オレンジの皮、ダージリン、鉄、ヨード、スパイス類など。回すとスーボワや皮革が入り混じり、心地よい芳香となって立ち上ります。リリース初期によく感じる揮発性塗料やインキーなニュアンスなどはありません。口に含むと、伸びのある酸がクリーンな果実を支え、タンニンの自己主張も強くなく、大きくはありませんがバランスよくエレガントに整った味わいです。後半には濃縮された果実の甘みが際立ち、余韻もそこそこの長さ。例によって一万超のお値段を考えると微妙ではありますが、今回のボトルはそこそこに満足のゆく香味でした。★★★☆http://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/201611150000/すっかり忘れてましたが、昨年の11月に村名シャンボールを飲んでいたのでした。http://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/201207120000/2012年の7月にも一本飲んでます。楽天でフーリエを検索する
2017年02月01日
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これも昨年飲んだワインです。なかなか更新が追いつきません。13VTのマルサネ・クロデュロワが反則的な美味しさだったジャン・フルニエ。では14年はどうかと、安く出ていたジュブレ村名を購入。もちろんまだ早いことは承知で、1本開けてみました。赤と黒の中間ぐらいのベリー的果実、ハーブ、少し強めに抽出したダージリン、スパイス類等の香り。味わいは思いのほかこなれていて、すでに美味しく飲むことができます。タンニンはやや湿っぽく、果実味もフレッシュというよりはややベタついた印象で、後半にはエグ味が出てきます。十分美味しいんですが、13年に感じたような精妙さは持ち合わせておらず、今の時点でこれだけ飲めてしまうこともポテンシャル的にやや不安を感じさせます。二日目になっても印象は変わらず。総じて13年に比べて、少しばかり「淀んだ」印象を受けてしまうのがマイナスポイントです。遠からずマルサネも飲んでみようと思います。★★★
2017年01月06日
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前の記事よりこちらを先にアップすべきでした。せっかくのクリスマスなので、少しよさげなワインを開けてみようかと選んだのがこれ。上の子のビンテージということでいろいろ買い揃えたうちの一本です。二本購入したうち、一本目は2011年7月に飲んでいて、このときすでに熟成のピークといってよい状態でした。(ちなみにBurgohound.comの飲み頃予想は2012+)98VTや99VTを飲んだときにも思ったのですが、ブリュノ・クレールのクロサンジャックは比較的熟成が早めに進むアイテムのようです。今回のボトルもグラスに注ぐと、色調はすでにかなりオレンジが入っていました。香りは梅昆布系。オレンジの皮、枯葉、前回リキュール的だった果実は今回ややドライな傾向で、若いころにはあまり前面に出ていなかった鉄さびや紅茶の出がらし的なニュアンスがしっかりと感じられます。惜しむらくは、少し蒸れたような獣系ののニュアンスがあって、陶然とさせられるような熟成香というわけにいかなかったこと。口に含むと、タンニンが溶け込んで余分な成分が削げ落ちた結果、酒躯はスリムになっており、酸はじりじりとした印象。これで果実味が甘く凝縮していれば良かったのですが、そこまででもなく、若干ギスギスした印象が最後に残ります。ちなみに、ボトルの底になっても澱はまったくありせんでした。ブリュノ・クレールの熟成したボトルでは何度もよい思いをさせてもらっているのですが、今回のボトルはそこまではいきませんでしたね。まあこういうこともあるということで。★★★
2016年12月28日
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ポンソのシェゾーラベルです。これといって良いことがあったわけでもないのですが、久しぶりに休日ゆっくり出来たので開けてみました。これまた久しぶりのザルトのブルゴーニュグラスに注ぐと(最近は安価で若いワインばかりだったので、もっぱらマルヌのブラングラスばかりでした)、色調はやや濃いめのルビーで、エッジは複雑な色あいになってきています。香りはムンムンとはいきませんが、黒い果実のコンポートやオレンジピール、紅茶、スパイス類、黒蜜、焦げ臭、麦わらなどが感じられ、ボトルの底に近づくにつれて芳香力は向上します。口に含むと、そこそこ熟成の進んだ味わいで、ブランデーチックな果実味をしなやかな酸が支えます。タンニンに攻撃性はありませんが、ボリューム的にはそこそこあって、それがややフィニッシュを重々しく感じさせます。総じて、「ポンソ×グランクリュ」の期待値にはやや届かないものの、酒質のスケール感や香味の複雑さなどは格付けにふさわしいものです。08VTもあるので、機会があれば開けてみようと思います。★★★☆楽天でポンソを検索する
2016年08月11日
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私のお気に入りの生産者のひとり、マルク・ロワ。値段がやや割高なのが難点ですが、最近ACブルゴーニュがリリースされるようになって、以前より接する機会も増えました。今回開けたのはヴィエーユ・ヴィーニュ。アレキサンドリーヌ、クロ・プリウールとの3本セットで購入したものです。単体の市場価格は8K台~といったところでしょうか。中程度からやや濃いルビーで、エッジはかなり和らいでいます。香りは赤系果実のコンポート、紅茶、オレンジの皮、それにジュブレらしい鉄さびっぽさもあります。口に含むと、柔らかな果実味のアタック。タンニンはなめらかで柑橘を思わせるビビッドな酸とあいまって、エレガントかつアロマチックな味わいです。最近飲んだ生産者の中ではジャン・マルク・ミヨなどと似た系統でしょうかね。ただ、このボトル、大変残念なことに、味わいの中に微妙にコルキーなニュアンスがあります。香りにブショネの要素は感じられず、味わいの違和感も気にしなければならないレベルではあるのですが、気になりだすと気になってしまう。値段が決して安くないだけに、ちょと心残りの一本でした。★★★★(軽ブでなければ)★楽天でマルク・ロワを検索★
2015年12月28日
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世の中は3連休ですが、我が家は子供の習い事の送迎だの学校の父兄の集まりだので気づけば最終日になってしまった感じです。晩酌に開けたのはミシェル・ギィヤールの09VT。いつぞや某誌でここのACブルゴーニュを絶賛した記憶がありますが、その後飲んだ07年の村名はまあ並の上といったところで期待したほどではありませんでした。今回開けたプラティエールは、国道74号線より東に位置する村名ACの畑で、フィリップ・ルクレールのもので知られています。ちなみに購入先はウメムラさん、インポーターはオーレ・ジャパン、プライスは4k台でした。グランクリュと言われても信じてしまいそうな濃厚な色調。香りは黒系果実やスパイス類、墨、毛皮など凝縮感があってややワイルドなもの。口に含むと、凝縮感があってリッチな果実味を高めの酸と豊かなよく熟したタンニンとが支えています。新樽50%、除梗、低温で7日間発酵、ノンフィルター、というキーワードから想像できる通りの味わいで、凝縮感がありながらも今でもスルスル飲めてしまう懐の広さはあるのですが、一方で味わいがやや単調にすぎるキライがあり、もう少し濃厚さに見合った複雑さがあればとも思ってしまいます。まあ4k台のプライスなので、あまり多くを望むのも酷でしょうけど。★★★★楽天でギィヤールを検索★
2015年07月21日
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話題の高級ネゴシアン。今回開けたのはボトムラインの村名ジュブレですが、それでも値段は7K超、最新のVTでは10Kを超えているようです。グラスに注ぐと、濃厚な色調のルビーですが、エッジはオレンジ色が見え始めています。香りは閉じているのか寡黙ですが、スワリングすると黒系の凝縮した果実やスパイス、それに揮発性塗料などのニュアンスが感じられます。飲んでみるとまだタニックながら、酒質は緻密でクリーンな印象。なめらかなテクスチャーとあいまって、いかにも「高級そうな」味わい。ブラインドで飲んだら、デュガピとか答えそうです。デュガピのジュブレを飲むことを考えれば、7k超の価格も高くはないということでしょうか(汗)。★★★☆★楽天でオリヴィエ・バーンスタインを検索★
2015年07月15日
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赤と黒の中間果実、フローラル、皮革、毛皮、スパイス。時間とともに鉄さびっぽさも出てきます。口に含むと酸が引っ張るバランスで、ジューシーで旨みの乗った果実味と柔らかな抽出によるなめらかなタンニン。なかなかいいワインですね、これは。早々に買い増そうと思ったのですが、近年のVTはご他聞にもれず、値上がりしてます。安いころに地味目のVTをもっと仕入れておけばよかったと楽天の一覧画面の「売り切れ」表示を眺めて溜息をついております(^^;★★★☆★楽天でアラン・ビュルゲを検索★
2015年06月23日
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先日ACブルを飲んでそこそこ好印象だったジェラール・ラフェ。少し上のグレードも試してみることにしました。中程度から淡めのルビーで、エッジはオレンジがかった色合いです。赤と黒の中間ぐらいのリキュール的な果実、紅茶、軽くスパイス、それにセメダイン的なニュアンスがあります。飲んでみると、ほんわかとした柔らかい酒躯で、果実味はやや過熟感があり、タンニンはなめらかに溶け込んでいますが、バランス的に酸がやや突出気味です。2.5Kの07ブルと一緒に5.3Kで購入したボトルでしたが、倍の価値があるかというと、ちょっと微妙な感じです。他に07年のMSDなども購入したので、追々飲んでみようと思います。★★★★楽天でジェラール・ラフェを検索する★
2015年05月26日
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ワインナビさんのセールで4k弱で購入。ドメーヌ・ギイヤールは当ブログにはほとんど登場しませんが、以前RWGのACブルゴーニュ特集のとき、私がここのACブルのレビューを書きました。ACブルにしては非常にしっかりした作りでCPもよく、絶賛した記憶があります。ぜひ上位銘柄も飲んでみたいと思っていたところでした。07年の村名にしてはずいぶんと黒々とした色調。凝縮した黒い果実、スパイス類、焦臭、黒土、それにかすかにジビエ。時間とともに香水のようなニュアンスも出てきます。口に含むと、高めの酸のアタック。果実味は香りから想像するほど力強くはありませんがクリーンな印象で、タンニンはキメ細やか。フィニッシュにかけても酸が突出気味になり、バランスは今ひとつという印象です。総じて、悪くはありませんが、作りがやや無骨で単調に感じられますね。以前のACブルの好印象から少し過大な期待を持ちすぎたかもしれません。4K弱という値段を思えば、決してこきおろすような内容ではありませんが…。ちなみにこのボトル、底のほうにはかなりの量の酒石がたまっていました。★★★翌日:木村硝子の28オンスで飲んでみました。香りはいいのですが、飲んでみるとテクスチャーの毛羽立った感じとフィニッシュの雑味感が気になります。09年も一緒に買ったので追々飲んでみたいと思います。
2015年02月28日
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元旦は父の墓参りと私の実家を訪問。二日は義母の墓参りと西新井大師初詣、カミサンの実家訪問。三日は地元の氏神に初詣をしてのんびりと過ごす。これが我が家の正月のスケジュールです。でもって、元旦は私がドライバーを務める関係でワインは飲めません。いや、正確に言うと、帰宅後に前日の残りをチビチビと飲む程度です。翌二日は、カミサンが運転をしてくれるので、私はあちらの家で用意してくれるワインをいただくことができます。今年用意してくれていた銘柄はこちら。ビショーの08ジュブレシャンベルタン・キュヴェ・ジェネラル・ルグラン 。この銘柄、見覚えがあると思ったら、2年前の正月にも出してもらっていました。そのときのビンテージは06年でした。http://plaza.rakuten.co.jp/szwine/diary/201201050000/で、このボトルがどうだったかというと、ヒジョーに残念なことに、ブショネでした。もちろん、そんな無粋な指摘をできるはずもなく、黙って飲みましたが。幸いだったのは飲めないほど酷いブショネではなかったことですかね。今年のワインライフの幕開けとしては残念な一本でしたが、西新井大師のおみくじは「大吉」でした。また気を取り直していきたいと思います。
2015年01月03日
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先週末だったと思いますが、スマホ(Xperia Z1)で夕焼けを撮ってみました。肉眼で見たより綺麗に撮れているような。。さて、内視鏡の結果がとりあえず悪いものでなかったことで、ささやかなお祝いにと家で久しぶりにグランクリュを開けることにしました。選んだのはジャンテ・パンショの05シャルムシャンベルタンです。よくいえばエレガント、悪く言えばパンチがない。総じて05VTの特級にしては物足りない香味です。黒系果実や土、焦げ臭などが中心のおとなしくシンプルな香り。口に含むとアタックはなめらかで酒質はそこそこ緻密ですが、抑揚に乏しく輪郭のぼやけたような味わいです。わずかに余韻の長さだけはさすがに村名レベルは超えていますが。この生産者、00年や02年あたりの村名がなかなか良かったこととグランクリュが比較的安価に入手できることから、結構買い込んだのですが、その後、状態面を含めて私を満足させてくれるボトルにはなかなか出会えません。私の中では評価が低落しているの作り手の一人です。★★翌日:と書いたのですが、小瓶に残したものを飲んでみたらビックリです。初日とは別モノのごとく芳香が立ち上り、果実味も前面に出てきてグリップもしっかり、酸も伸びやかになり、特級シャルムシャンベルタンにふさわしい香味になりました。単に閉じているだけだったのなら、初日の時点である程度ポテンシャルを想像できそうなものですが、今回ばかりはそれすらできませんでした。やはり私のテイスティング能力はヘナチョコであるということを再認識しました。★★→★★★☆
2014年09月24日
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持ち込んだ赤のボトルは私が贔屓にしているブリュノ・クレール。05年の村名がそろそろ飲めるようになってきているので持参してみたのですが、1級銘柄はまだ開けるには早かったようです。香りは大人しめでトーンの高い赤系果実や紅茶、スパイス類に加えて、スーボワ的ニュアンスや鉄っぽさもあります。味わいはクリーンな果実味に対して、ジリジリした酸と被膜のようなタンニンが目立ち、バランスが整っていない印象。構造自体は和らいでいるので、あと1~2年我慢していれば結構違ったのかもしれません。もったいないことをしました。★★☆
2014年04月18日
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前回飲んだ05年のポワスノが今イチ感漂う味わいだったので、セラーにあった06年のシャルムも飲んでしまうことにしました。グラスに注ぐと深みのある色調のガーネットで、エッジはかなりオレンジがはっきり見て取れます。香りはかなり熟成を感じさせるもので、赤と黒の中間ぐらいの果実やスパイス類、湿った土、オレンジの皮、それになにやらほんの少し金属的なニュアンスを感じます。飲んでみると果実味はジューシーでじんわりとした酸があり、全般に酒躯はやさしくナチュラル。フェミニンな味わいと思いきや、フィニッシュにはややタンニンが感じられます。Burghound.comの点数は92点で飲み頃予想は2016+。eRobertParkse.comは92点、飲み頃2009~2019たしかにフィニッシュにタンニンが残っているあたり、今回開けたのは少し早かったかもしれませんが、あまり待っていると果実味が先に枯れてしまいそうな気もします。ボトル下部になってくると、果実が前面に出てきて、フィニッシュのタンニンもめだたくなり、それなりに充実感のある香味にはなりましたが、まあそれでも正直、フーリエの1級あたりと比べても分が悪い感は否めません。市場価格というのは正直なものですねぇ。★★★
2014年04月15日
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上の子が中学に入学したので、記念に生まれ年のVTのワインを開けました。子供なんて放っておいても育つとは言いますが、実際に子育てをしてみると、やはりここまでの道のりは平坦ではなかったし、手もかかりました。それが気がつけば、いつのまにかクレヨンしんちゃん(5才)の年齢を超え、ワカメ(小学3年生)やカツオやのび太(同5年生)の年齢も超えて、あと2年でエヴァンゲリオンに乗れる年(14才)ですよ。といっても、日々接していると、中学一年生なんてまだまだ子供なわけで、肩の荷をおろすにはほど遠いわけですが。やはり中学二年生に地球の命運を任せる設定には無理があると思います(笑)。このペロ・ミノは、リリース直後に購入して、長らく寺田倉庫に預けてあったボトルです。インポーターはラック。マゾワイエールシャンベルタンも同時に仕入れたので、隣接畑の飲み比べなんていうのも面白いかなと思っていたのですが、自宅でグランクリュ2本を同時に開ける勇気はなく、といってワイン会等であまり人気を博しそうな銘柄でもないので、結局一本ずつ自宅で飲むことにしました。ちなみに、Burghound.comの点数は90点とバレル時の91-93より大幅に下方修正されています。飲み頃は2012+。(マゾワイエールも同じく90点/2012+)。eRobertParker.comはこの年は未評価のようです。ZALTOのグラスに注ぐと、濃厚ながらも思いのほか透明感のあるルビーの色調で、エッジにはオレンジが混ざって複雑です。香りは黒系果実、スーボワ、カフェ、八角や丁子などのスパイス類、それに揮発性塗料や除光液のニュアンスがまざります。揮発性塗料系の香りは醸造上の欠点とよく言われますが、このボトルの場合は決してネガティブな印象ではなく、むしろ心地よくアクセントを添えてくれています。味わいは相応の力強さも兼ね備えながらもほどよく熟成が入ってエレンガントにまとまっているあたり、味筋としてはシャルロパン・パリゾに似た感じです。ひと昔前のペロミノということで、もっと濃厚一本槍なワインだろうと思っていましたが、よい意味で予想が外れました。それにしても、Burghound.comの2012+という飲み頃予想はいつもながら外しませんね。私はまだ早いんじゃないかと思っていましたが、お見事です。★★★★☆
2014年04月07日
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F+Rで購入。シャルムシャンベルタンと並ぶジャンテ・パンシオのフラッグシップ的銘柄です。抜栓してみると、コルクはスポンジーで、上のほうまでしっかりと染みてきています。そんなこともあってか、注ぎたてはかなり熟成が進んだ印象。火を通した黒系果実にスーボワ、黒土、焦げ臭、スパイス類などのしんみりした香りで味わいも穏やかながらやや生気の抜けたようなものでした。飲み進むうちに、徐々に香味のピントがあってきましたが、それでも正直05VTのジャンテ・パンシオを代表する銘柄にしてはイマイチ感は拭えません。00~02年あたりを飲んで贔屓にしていた生産者ですが、少し過大評価しすぎていたかもしれませんねぇ。★★☆
2014年03月13日
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山本さんたちとの会で私が持参したボトルです。ロンドンのFine+Rareで購入したもの。ブローカーであるFine+Rareは自分のところで在庫を抱えておらず、注文してから手配をかけます。そういうこともあって、注文してからやたら時間がかかったり、欧州直送にしては状態がイマイチだなぁというボトルにも当たったりして、今は購入するのをやめてしまいました。しかし、このボトルはアタリでした。赤系の鮮烈な果実のフレーバーにヨード、スパイス、濃厚な紅茶、下草、軽く皮革の入った複雑な芳香。味わいは緻密で隙のないテクスチャーが見事で、各要素のバランスもよく、スケール感はそこそこながら球体のような酒躯が見事です。デュガピのワインはコンディションがイマイチだと獣っぽいニュアンスが前面に出てしまいがちですが、状態のきちんとしたボトルではクリーンさと力強さとを高い次元で両立させていてさすがだと改めて思いました。★楽天でデュガ・ピを検索★
2014年02月24日
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02年のブルゴーニュは上の子の生まれ年なのでそこそこセラーにストックがあります。何かの節目や記念日などに開けようと思って買い集めたのですが、今ではもっぱら持ち寄りワイン会用となっています。それらの中で比較的早くから上位銘柄を開けてきたのが、今はアルヌー・ラショーと名前を変えているロベール・アルヌー、それにこのシャルロパン・パリゾです。(逆にルーミエなどは今年の正月にようやく村名を開けたのが初。ルソーもまだ手をつけていません。)パリゾはシャルムシャンベルタンやエシェゾー、クロサンドニ、クロヴジョと特級をあわせて9本入手しましたが、早い時期から美味しく飲めてハズレることも少ないので、次々と消費していき、気づけば残り1本になっていました。この日はちょっとしたお祝い事があったので、最後の1本を飲むにふさわしい機会だったのですが…。なんと、ブショネです。(チーン)まあ果実味がそこそこマスキングしてくれますし、知らんぷりをして飲めば飲めるレベルなので、流しに捨てるのは思いとどまりました。色調はかなりはっきりとオレンジがエッジにみてとれます。香りはブショネのニュアンスさえなければかなり良かっただろうなと思わせるもので、黒系果実のリキュールや皮革、スーボワ系の熟成香にエスプレッソ的なオークの名残がよくなじんでいます。味わいは数年前のようなパンとはった果実の力強さはなくなっていますが、といってしんみり調になっているわけでもなく、デリカシーのあるほどよい熟成加減です。熟成が心持ち早めなことやアペラシオンごとの特徴が出にくいこと、村名級が割高なことなど、いくつかネガはありますが、それを差し引いてももっと人気が出てもよい生産者だと思うんですけどね。★★★★
2014年02月05日
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正月休みの最後に開けたワインです。インポーターはオーデックス、購入店はワインホリックさん。これがなんともビミョーなボトルでした。テイスティング代わりにほんの少し注いだところ、スーボワ系の芳香が感じられたので、これはアタリボトルかと心躍らせたのですが、その後はウンともスンとも言わず、全く香りが立たなくなりました。食事とともに気長に待っているうちに、火を通した黒系果実や焦げ臭などが出てきましたが、複雑さはなく、シンプルな香りです。味わいもこじんまりとしており、特に余韻の短さは特級としてはどうかと思ってしまうレベル。状態の問題かなぁなどと思いながらさらにダラダラと飲んでいたら、ボトルの底近くになってようやく開いてきました。黒系果実のコンポート、ユーカリ、スパイス、それにスーボワ。味わいは相変わらず優しい感じで構造や凝縮感よりも繊細さなめらさかさが売りになるタイプなのでしょう。おそらく現地で飲めばもっと微妙な表情やニュアンスを堪能できたのではないかなと。決して状態が悪いとまではいいませんが、繊細な表情の襞の部分が単色で塗りつぶされて単純化されてしまったような、そんな消化不良感の残るボトルでした。ワインってつくづく難しい飲み物ですね。★★☆
2014年01月05日
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金土日と家族旅行に行っていました。行き先は我が家で恒例になっている浜名湖畔の舘山寺温泉。宿泊中、まさに浜名湖沖が震源の地震に遭遇しました。地震の大きさは震度4でしたが、まるで爆弾が爆発したかのような轟音と揺れがあり、かなり焦りました。日曜日は諸般の事情により朝一番で帰京したので、帰路家族にわがままを言って私だけ東急の試飲に立ち寄らせてもらいました。目的はなかなか飲む機会に恵まれない珍品2種。特にパリゾのフラン・ド・ピエでした。台木を使わず自根によるピノノワールを0.25haマルサネの自分の畑に実験的に植樹したもの。とてもACブルとは思えない、深みのある果実感や口中の表情、それに余韻の長さです。10Kを超える値段に見合うかはともかく、面白い銘柄であることはたしかです。もう一本はマルク・ロワのキュベ・アレクサンドリーヌ。ミルランダージュ(結実不良)のブドウから作られるキュベですね。毎年作られるわけではないとのことですが、私の知る限り、05年以降毎年リリースされています。濃厚な色調ですが、飲んでみるととても闇雲に濃いわけでなく、しっとりとした果実感とフローラルなニュアンスをよく残しています。11年らしい青っぽさを少し感じますが、構造もしっかりしていて村名格とは思えない充実した内容。いずれの銘柄も変化球ではありますが、格付けを超えた面白いワインでした。もっともプライスの方も格付けを大きく超えているところがやや悩ましいですけど。
2013年08月07日
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07年のフーリエ村名はもう何本も飲んでいます。リリース直後に飲んで、あまりに美味しかったのでさらに何本か買い足しました。フーリエは当時すでに入手困難でしたが、さすがに今ほど瞬間蒸発ではありませんでしたし、価格も5K台でした。先日ウメムラさんで売り出されてあっという間に売り切れた11VTの同銘柄は8K台。村名が10Kを超えてしまうのも時間の問題かもしれません。で、この07村名ですが、時期によって素晴らしく開いていたり、やや寡黙だったりとバラツキはあるものの、総じて楽しませてもらいました。それに比べると08年はイマイチなんですよねえ。雑誌の点数などはさほど変わらないのですが。たまたま私の巡り合せが悪いのでしょうか?リリース直後からすでに美味しく飲めた分、熟成能力がどうなのかに一抹の不安を感じていましたが、今回のボトルは順当に綺麗に熟成している感じでした。黒い果実のコンポートやしおれたバラ、シャンピニオン、八角、ナツメグ、リコリスなどの複雑で心地よい香り。味わいは初期の目の詰まった感じがややほどけてなめらかになっています。もう少しグリップがほしいところですが、そこまで持ち合わせていたらもはやグランクリュのレベルでしょう。熟成の曲線でいうと、ほぼピークかもう少し余力はありそうですが、今飲まずに寝かしておいたほうがいいということはないですね。VTから6年、それもあまり強くない年の村名銘柄であればまあそんなものかなと思う反面、このまま5年10年と寝かせておくとどうなるのかにも興味あります。ちなみに今回のフーリエ、飲み終わったボトルの口に鼻を近づけてみたら、香水のようなそれはそれはすばらしい残り香でした。★★★★☆
2013年07月23日
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このVTのフーリエ村名、3本購入できたと思ったら真夏に常温で送られてきたという話は前に書きました。これらのボトルの顛末は次号のRWGのコラムにまとめて掲載するつもりですが、40度の熱を浴びたわりには3本とも比較的まっとうな状態をキープしていました。だったら健全なものはどんな具合なのだろうと開けてみたのが今回のボトルです。10年のフーリエはまったくもって入手困難。我が家にも手持ちのボトルはほとんど残されていないので、本来ならこんなタイミングでは開けたくなかったんですけどね。。抜栓してみると、ん?、これって健全なボトルですよね?結構コルクの上のほうまで染みこんだ跡があるんですけど…。コルクを見て一瞬心配になりましたが、グラスに注いでみて健全であることを確信しました。カシスやブラックチェリーなどの果実、スミレ、それに赤身肉や毛皮のような還元的な香りがグラスから漂ってきたからです。味わいは、やはり熱を浴びた配送ボトルとは違うなと思わせるなめらかさがあります。酒躯全体が丸い感じで舌の上をとおりすぎるテクスチャーにまとまりがあります。果実味には旨みが乗っていて、思いのほか今でも美味しく飲めるところは熱浴びボトルとも共通点を感じますが、フィニッシュのなめらかさや余韻の長さ、全体的なミネラル感などはやはりこちらの健全なボトルのほうがずっと上です。まあインポーターも購入先も異なるボトルなので、参考程度にしかなりませんが、こうして健全なボトルを飲んでしまった後では、やはり今まで飲んだ熱浴びボトルには相応の傷跡があったのだなということをあらためて思い知らされました。ということで詳細はRWG誌を読んでいただくとして、あらためて10フーリエ、美味しいですね。村名でいいから追加購入したいんですけど、10VTに限っては本当に全然出てきませんね…。
2013年05月21日
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ゴールデンウイークに飲んだワインは3本。表題のグロフィエのほか、前エントリーのオーレリアン・ヴェルデ、もう一本ジャン・ガローデの05ポマール・ノワゾンを開けたのですが、これが痛恨のブショネでした。どうしようもないほど酷いブショネではなかったので最後まで飲みましたが、いい感じに熟成して官能的な香りも出ていたので、ホントにもったいなかった…。まぁブショネばかりはどうにもなりませんね。さて、このグロフィエの07ジュブレはリカワさんのオークションで落としたもの。たぶん本数あわせに落札したのだと思いますが、こういう銘柄ってちょっと贅沢な家飲みの際に活躍してくれます。ちなみにグロフィエといえば、シャンボールミュジニーの大ドメーヌですが、村名シャンボールってリリースしていないんですよね。ということは、きっちりボンヌマールとオードワとサンティエ、それにアムルーズにしか畑を持っていないということなんでしょうか。多少あってもACブルに回してしまっているんですかね。1級の若木で村名をリリースするとかしないんでしょうか?それはともかく、こちらは07年とあってちょうど初期の飲み頃にさしかかっていました。黒い果実のコンポート、スパイス類、コーヒー、それに獣系の香りも。味わいはまだ樽の要素がかなり溶け込み、なめらかかつクリーミーになっています。村名格としては十分すぎる凝縮感がありつつ、エレガントな酸もあってバランス良好。グロフィエは早いうちに飲むと樽の要素ばかり目だってしまいますが、多少でも寝かせるといろいろな表情をみせてくれるようになりますね。★★★★★楽天でグロフィエを検索する★
2013年05月06日
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「マルク・ロワって、一時すごく話題にのぼった作り手ね。」「うん、05年だったけ?が比較試飲でドニモルテやアルマンルソーに勝ったとか、キュベ・アレクサンドリーヌがミルランダージュ(結実不良)のブドウだけを使った世にも珍しいキュベだとか。インポーターの触れ込み文句が成功したんだろうね。おかげでアレクサンドリーヌは当時すべて抱き合わせ販売で、それでも瞬間蒸発だった。」「キュベ・アレクサンドリーヌは『毎年リリースできるわけでない』というふれこみだったけれども、結局その後10ビンテージにいたるまで、毎年リリースされているんじゃない?」「最近は抱き合わせでなく単体販売も見られるようになったけれども、価格は今でも高止まりだね。」「マルク・ロワの出している3銘柄って、どれも格付けは村名なのよね。そう考えると割高感があるなぁって私は思ってしまうけど…。」「キュベ・アレクサンドリーヌがそれなりの値段となるのはまあ仕方ないにしても、VVやクロ・プリウールが、いずれも村名なのに6〜8kといわれてしまうと、なかなか食指が動かないよね。」「まあでも、コート・ド・ニュイで特級を持たないつくり手って、どことなくマイナー感がつきまとうじゃない?そういう意味では、こういうマーケティングもありなのかもしれないわね。」「たしかに。実力を伴えばだけどね。さて、開けてみようか…。」「綺麗な色合い…。」「透明感があるね。といって決して薄いわけでもない。注ぎたての香りがすばらしいね。」「フローラルなニュアンス。でも、引っ込み思案ですぐ閉じこもってしまう。」「果実は赤と黒の中間ぐらいかな。それに紅茶やバラ。」「繊細な香りね。状態もいいのでしょうね。」「味わいはミディアムボディだな。強すぎず弱すぎずナチュラルな味わいで、それでいてきっちりとエキス分もあり、液体に集中力がある。」「香り同様エレガントな味わいね。かなりレベル高いと言っていいんじゃない?ジュブレっぽい力強さというベクトルではないけれども、ふだんあまりピノを飲まない人にも受けそうな。」「NOISYさんのHPを見たら、うまいことが書いてあったよ。『誰に似ているかと言えば、ジョセフ・ロティをやや凝縮させ、若干ムンムン系に 寄せた方向性・・・というのが判りやすいでしょうか。』だって。」「ああ、なるほど。言いえて妙ね。さすが原さん。」「値段を考えなければ、この味筋は君の好みに合うんじゃない?」「ええ。でも、4千円台とは言わないまでも、せめて5千円台前半で買いたいところね。ところでボトルはいつどこで買ったの?」「何年か前に尾張一宮河野酒店さんで数年前に購入した新春福袋(1万円)に入っていたんだよ。もう一本はRシュルグのVRだったかな。」「そういう福袋っていいわよね。ふだん自分から買わないような銘柄との新しい出会いのきっかけになる。私にもそんな殿方との出会いがないかしら?」「『福袋合コン』とか?売れ残り処分品の寄せ集めにならなきゃいいけど…。」★★★★★楽天でマルク・ロワを検索する★
2013年01月23日
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年またぎに飲んだルイラトゥールを別勘定とすれば、このデュガピの村名VVが2013年初の自宅ワインです。村名とはいえデュガピのこと。07年はまだ早いかなと思い、Burghound.comで調べてみると、飲み頃は2014+とあります。それで、通常飲み残し用に使っている小瓶を使って、いったんデキャンティングしてから注いでみました。これがよかったのかどうかはわかりませんが、はたしてラ・マルヌのグラスに注がれた液体は、最初から外向的で華やかな芳香を放っていました。黒系果実のコンポート、八角、丁子、ナツメグ、肥沃な黒土や腐葉土、口に含むと、高めの酸のアタックのあと、旨みの乗った果実味が、まるで波が寄せるように広がります。タンニンは豊富ですが、攻撃的な要素は皆無。これはイイですね。ボトルの状態もいいです。今まで飲んできたデュガピって、ドロンと濃くて、香りに獣臭ばかりが特徴的に感じられるものが多かったのですが、このボトルは、香りもクリーンでテクスチャーの毛羽立ちがなく、味わいに立体感があり、ミネラル感が残っていました。コルクは最下部以外ほとんど染みてきていませんでした。単なる村名ワインとはいえ、デュガピという生産者自体を見直すような目からウロコの一本でした。ちなみに、購入経路はリカワさんのオークションで、輸入元はラックでした。★★★★☆
2013年01月09日
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寒い日が続きますね。私はふだんユニクロの「ウルトラライトダウン」を部屋着代わりに着ています。この商品、薄さと軽さが売り物である反面、真冬に外で着用するには耐寒性能面でどうかという気がします。しかし、部屋着として着るのであれば、まさに最強です。とにかく軽くて薄くて暖かい。正月明けの今は店頭では4K以下で売られています。お試しあれ。さて、今年の年越しワイン。昨年のうきうきさん福袋に入ってきたものです。なかなか自分では買おうと思わない銘柄ですが、ルイ・ラトゥールとはいえ、くさっても単名シャンベルタン。年越しにふさわしいワインということで、満を持して大晦日に開けてみたのですが…。全般に淡めのガーネットでややレンガっぽいニュアンスが見えます。香りはおとなしめで、時間とともに煮詰めた赤系の果実やイチゴゼリーミネラル、紅茶、枯葉などの香りがうっすらと感じられる程度。味わいはクリーンな印象こそあるものの、果実味がジャミーでフレッシュさに欠け、アルコールがやや浮いたようなところもあります。香味とも総じてインパクトに欠けるもので、二日目の04パリゾに完全に力負けしていました。翌元旦の夜は、実家で夕食を済ませたので、帰宅後にツマミとともに飲みました。初日に比べて、大幅に衰えてはなかったものの、これが実力だとするには悲しい味わいでした。生気のない、煮詰めたような果実香とジャミーな味わいからすると、流通段階で熱を浴びた可能性もありそうです。LLの赤は難しいですね。セラーに02年のRSVがあるので、近々ワイン会に持参してみようと思います。★★★
2013年01月05日
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年越しにいいかも、ヴェリタスさんのクリュッグ・グランキュベかわばたさんのフェブレイ。09ルージュ1.8kですフィッチさんよりエグリウーリエの09コトーシャンプノワ。8Kですドラジェさんの2013年新春ワイン福袋。元旦から発売ヒロヤさんの10フォンテーヌ・ガニャールGメールアカウント乗っ取られ騒動がまだ尾を引いていますが、気を取り直して…。ワインブティック・アイエスさんという見知らぬショップで、9Kとやたら安く売られていたのを購入したボトルです。インポーターもアイエスジャパンというところなので、インポーター直営のオンラインショップなんでしょうね。05年の特級となると、当然開けるのにはまだ早いわけですが、あまりに安すぎて、正直若干不安だったのと、同時にクロドラロッシュも買ってあったこともあり、まずは一本ということでこちらから開けてみることにしました。コルクを抜くと、噴いてはいませんが、液体が上部までせりあがった跡があります。抜栓して一時間ほど放置してから飲んでみました。中心部が漆黒に近いような黒々としたルビーの色調。ブラックベリーやブラックチェリーなどの黒系果実、毛皮、皮革、スパイス類などのトーンの低い香りにうっすらとスーボワのニュアンス。飲んでみると、ややトーンの高い酸のアタック。果実味はリッチで、口の中での密度感や粘度、抑揚などはグラン・クリュにふさわしいレベルのものです。それに最近飲んだ05はどれも閉じていて固く、ボルドーみたいな味わいのものもあった中、これは特級でありながら、今思いのほか開いていて美味しく飲めるのが意外です。深遠なワインではありませんが、外向的でリッチな万人受けしそうなグラン・クリュ。これが9Kというのは買い得でした。もっと買っておけばよかったなと思うも、さすがにもう売り切れでした。まあ05VTを9K台で2本買えただけでもよしとしましょう。それにアルローって、09のシャルムなども10Kチョイと安く出てますね。折りをみて直近のVTも買っておこうかと。★楽天でアルローを検索★
2012年12月28日
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